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H.A.L.担当 川又利明
    
2019年7月4日 No.1548
 H.A.L.'s One point impression & Hidden Story - ESOTERIC Grandioso P1X & D1X

随筆「音の細道」第52話 「VRDS-NEO」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto52-01.html

私はVRDS-NEOを搭載した新世代ESOTERICプレーヤーを2003年12月に体験しました。
そして、何回かご紹介してきましたが、実はVRDS-NEOの名付け親は私だった…

ぜひ↓この最終章をご覧下さい。ここには下記のような結びの言葉があります。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto52-04.html

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■数年先にこれを読まれた皆様へ

VRDS-NEOは2003年にこのように誕生したものでした。
そして、今でも現役として○年間もトップの座をキープしているものです。
どうぞESOTERICの中から安心して気に入られたプレーヤーを選択してください。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

あれから足掛け16年の歳月が経過し、私の予言はESOTERICが新製品を発表する度に
現実のものとなってきました。そして、VRDS-NEOの誕生から10年後に発表されたのが
下記のGrandiosoシリーズでした。

No.1077 2013年10月23日「衝撃の新製品Grandiosoシリーズとはこれだ!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1077.html

No.1083 2013年11月20日「ESOTERIC Grandioso P1&D1のカタログ記載のない新情報とは!?」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1083.html

No.1085 2013年12月2日「遂にやってきました!!ESOTERIC Grandiosoは想像以上・期待以上!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1085.html

No.1088 2013年12月14日「H.A.L.'s impression-壮大で緻密なESOTERIC Grandiosoを聴く」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1088.html

上記の歴史の中で現在と最も違う状況がある。それは何と言ってもHIRO Acousticとの
出会いであり、それを迎えた当時もESOTERIC Grandiosoシリーズを使用しての音質
検証であったことが思い出される。

あれから五年、そしてGrandioso P1+D1の発売から六年目となった今年、H.A.L.の
リファレンスプレーヤーにも世代交代という時期がやってきた。

2019年3月4日 No.1531「ESOTERIC Grandioso P1X & D1Xが満を持してH.A.L.に登場!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1531.html

しかし、この時期と相前後してHIRO Acoustic MODEL-C4CS、そしてマルチアンプ
駆動によるMODEL-C8CSという同社の長年の研究成果を実際の音として検証すべく、
私はHIRO Acousticの検証に集中して取り組んできた。

2019年2月21日 No.1527「遂に完成! HIRO Acoustic MODEL-C4CSの最終形態を速報!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1527.html

2019年3月3日 No.1530「H.A.L.'s One point impression!!-HIRO Acoustic Laboratory MODEL-C4CS Vol.2」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1530.html

2019年4月3日 No.1536「H.A.L.'s Special Release - HIRO Acoustic Laboratory MODEL-C8CS」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1536.html

2019年4月20日 No.1539「H.A.L.'s One point impression & Hidden Story - HIRO Acoustic Laboratory
MODEL-C8CS」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1539.html

上記の取り組みに際して既にセッティングされていたGrandioso P1X & D1Xが
いかに重要な役割を果たしていたかは言うまでもなく、ESOTERICの技術進歩が
HIRO Acousticのフラッグシップモデルを評価する上で素晴らしい貢献をして
来た事を振り返り、多くの情報が既に公開された後ではあるが、改めて私は
そこにスポットライトを当てて見ようと考えた。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

先ずは既にESOTERICサイトにて下記のように情報公開されている細目に関して、
私なりに新技術の各項目を既公開情報と重複しないよう整理し見直してみることにした。
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1xd1x/index.html

■Grandioso P1XにおけるVRDS-NEOからVRDS-ATLASへ
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-18.pdf

実は2019年2月某日、正式発表前にGrandioso P1X & D1Xは当フロアーに持ち込まれていた。
この時点ではHIRO Acoustic MODEL-C4CSはまだ来ておらず下記のようにMODEL-CCCSにて
試聴していたのでした。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.01.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.02.jpg

外観では下記のようにトレーヘッドの刻印のみが違うというGrandioso P1Xに関して、
新開発の足跡をたどっていく。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.09.jpg

私のフロアーにはVRDS-NEOのメカサンプルがあるので新旧を並べて比較してみる。
左がVRDS-NEOで右がVRDS-ATLAS、上から見ると奥行き方向の全長はVRDS-NEOの方が長い。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.14.jpg

真上からみてスピンドルの位置が違うのに気づかれたでしょうか?
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.15.jpg

その意味するところは下記にてご覧下さい。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-09.pdf

しかしながら、前から見た形状には下記のような違いがある。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-04.pdf

そして、両者における質量は低重心と相まって次のようにVRDS-ATLASの方が重い。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-05.pdf

外観からは分かりづらいが、実はスピンドルモーターの位置がこのように違う。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-06.pdf

低重心化は金属の構造体だけでなく下記のように振動モードの改善も含めてのこと。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-07.pdf

下記の画像ではトレーを少し引き出した状態。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-01.pdf

しかし、実際には下記のようにトレーのパーツ質量もサイズも大きく、最大限に
引き出されるとこのようになる。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.10.jpg

トレーの可動範囲は大きくなっているが次のように更なる高剛性化が図られている。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-02-03.pdf

トレーを引き出してみると極太のガイドポールがトレーのサイドに配置されている事が分かる。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.11.jpg

上記でガイドポールの後端に黒い制振材のリングが取り付けられているが拡大すると…
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.12.jpg

そして、トレーが引き込まれると下記のように接触することになる。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.13.jpg

この状態を説明しているのが次の画像。トレーそのものをダンピングしている。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-08.pdf

ちなみにGrandioso P1Xを開梱すると下記のように紙がはさまっている。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.16.jpg

従来はトップパネルは側面からのビスでしっかりと固定されていたのですが、
P1X & D1Xともにセミフローティングトップパネルと称して固定されていない。
叩けば音がする。そのトップパネルを外してみるとこのようになっている。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.17.jpg

トップパネルに取り付けられた二本のステーには穴が開いているだけでタッピング
されておらず、左右からねじ込んだビスは空回りするだけで脱落防止のみ行う。
これは試聴して音質的に選択された方式でありESOTERIC開発陣のノウハウのひとつ。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

上記にてVRDS-ATLASの特徴を公開済み資料と私の視点にて概略として説明したが、
メーカーサイトで語られていない項目を敢て私は紹介しておきたい。

先ずはVRDSの歴史を振り返ってみるために下記をご覧頂ければと思います。
http://www.esoteric.jp/technology/vrds/index.html

VRDS搭載モデルの系譜を見てお分かりのように1987年、ESOTERIC独自のメカニズムと
いうことでVRDSが初めて登場したものでした。

それはVRDS=Vibration-Free Rigid Disc-Clamping Systemというネーミングに総称
されるように、ターンテーブルによる振動制御によりエラー発生率を低下させ
結果的にサーボ電流を極小化することで音質的メリットを発揮したものです。

さて、このサーボには「フォーカスサーボ」「トラッキングサーボ」「スピンドルサーボ」の
三種類があります。初のVRDS搭載モデルP-1から10年後にESOTERICは、この三種類の
サーボの調整を可能にした画期的CDトランスポートP-0を発表しました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto44-1.html

そして、2003年にはVRDS-NEOへと進化していきました。
http://www.esoteric.jp/technology/vrdsneo/index.html

上記のESOTERICサイトの解説をもっと分かりやすくしたのが下記の随筆です。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto52-02.html

ここで論点を明確化したいと思います。上記の画期的CDトランスポートP-0では
VRDSによる振動制御の他に、こここそがエポックメーキングであると評価する
スレッド送り機構による偏心制御を導入したということです。

上記ESOTERICサイトではスレッドサーボセクションと称していますが、これは
本来「トラッキングサーボ」としてピックアップ光学系レンズの挙動を制御する
アクチュエーターに帰還されるサーボ電流とことで、P-0ではスレッド送りの
メカそのものを偏心に同期させることでピックアップレンズを駆動する際の
サーボ電流を極小化しました。

そして、VRDS-NEOでは軸摺動型ピックアップによる偏心制御にて、ディスクに対して
垂直にレーザー光軸を一定に保ち最良の読み取り動作を実現し、P-0から受け継いだ
思想をSACDの高速回転時にも最適な対応ができるよう発展させ、 それを具現化するため、
ピックアップレンズを駆動させる部品構造やピックアップ本体を極めて正確に動かす
スレッド送り機構を新たに開発しました。

この偏心制御でのトラッキングサーボのあり方はGrandioso P1における
VRDS-NEO「VMK-3.5-20S」まで継承されてきたということです。
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html

前述のようにVRDS-ATLASの解説では剛性の追求、スピンドルモーターの位置変更も
含めた振動モードの改善、重量級コンストラクション、などのメカニズムの革新と
いうポイントにスポットを当てていますが、P-0から16年間継承してきたキー
テクノロジーのひとつ「偏心制御」に関しては何も述べられておらず、実質的に
トラッキングサーボの使用方法としてはピックアップレンズの駆動に用いられて
いるという変更点を私はあえて述べておきたいと思います。

ESOTERICや他のwebサイトでも語られることなく、オーディオ専門誌にも語られていない
項目ではありますが、私の視点からすると大変大きな変更点であったわけです。

偏心制御がないから進化ではなく退化ではないのか、トラッキングサーボ信号を
ピックアップレンズに帰還させレンズの挙動が大きくなったから以前の自説とは
違うのではないか!?

ESOTERICが公表しない論点を私が持ち出しましたが、果たして16年間継承してきた
誇るべき自社開発メカニズムによる音質はどうなったのか? そこが問題です。

究極的には正確無比なデジタル信号をピックアップするという使命が求められる
わけですが、その精度そのものが低下したのならば下記に述べるD/Aコンバーターの
革新性を支えることは出来なかったはずなのです。まだ結論は出ていません…!


■Grandioso D1Xにおける旭化成AK4495SからMaster Sound Discrete DACへ
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-19.pdf

先ずESOTERIC開発陣がなぜディスクリートDACを求めたのかを下記にてご覧下さい。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-10-17.pdf

さて、このディスクリートDACの説明は私でも大変に難しく、そして大変つまらない
ものに思われてしまうことでしょう。そこで、そもそもDACとは何かということを
解りやすい例え話として少しお読み頂ければと思います。

「H.A.L.'s impression-壮大で緻密なESOTERIC Grandiosoを聴く」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1088.html

上記の原文の一節を要点のみ抜粋して下記に引用しました。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

引用開始

CDに関わるデジタルオーディオの原理を黒板を使わずにメモも取らず、皆様の頭の中で
イメージして頂くために次のような比喩で説明したい。

トレーシングペーパーでできた方眼紙・グラフ用紙を皆様の頭の中に一枚用意して頂きましょう。
縦横1ミリの升目だとすると横幅は44.1メートル、縦軸では65,536ミリなので大よそ65.5メートル
ということになります。

ここでピンとくると思いますが、横軸はCDの基本フォーマットのサンプリング周波数で、
縦軸は16bitの量子化ビット数ということです。目に見える単位で1ミリと仮定しましたが、
これだけでも物凄い情報量だと思いませんか?

この巨大なトレーシングペーパー製の方眼紙を演奏者の姿が映った写真に乗せて、
一つ一つの升目を塗りつぶしていく事で下にある画像を写し取っていきます。
これがA/Dコンバーターの仕事と思って下さい。

この升目はゼロか1かで読み取りしますが、仮に黒く塗りつぶした升目は反射光が戻って
来ないディスクのピットの存在だと思って下さい。そのピットとは何なんだ?
ということは私の下記の随筆をご覧頂ければ良いでしょう。

第52話「VRDS-NEO」  
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto52-01.html

横軸のサンプリング周波数と言うのは実は時間軸でもあり、実際の再生ではグラフ用紙の
左から右へと信号を読み取っていく事になります。そして、この黒く塗りつぶされた升目に
光が当たり反射光が返って来なかった時に、カチリと極小のスイッチがオンになります。

スイッチが入ってどんな電気が流れるのか、ということはCDプレーヤーの出力電圧によって
様々なのですが、初期のCDプレーヤーの出力電圧が最大変調時で2Vだったことを一例に
挙げれば大よそ0.00003V程度というものになりましょうか。

このスイッチとは何かというとD/Aコンバーターなのです。

つまり、PCMの原理ではCDの場合に量子化ビット数16bitというのは実数にして65,536であり、
肉眼では見えないミクロのスイッチが65,536個あるという例えになります。

この65,536個のスイッチのうち何個がオンになるのか、ということで縦軸の棒グラフが出来るわけです。
つまり、一秒間で横軸44,100個と縦軸65,536個というドットの集合体によって写し取った写真を
映像化しようということです。

昔の白黒だった頃の新聞の写真を思い出して頂ければ良いでしょう。
虫眼鏡で拡大すると小さい点々が無数に集まって画像を形成していたわけです。
そして、このような方法で画像を写し取り保存するトレーシングペーパー製方眼紙が
CDというデータの入れ物であるということです。

デジタルオーディオの原理を皆様の頭の中にイメージして頂くために長文に
なってしまいましたが、やっとここでESOTERIC Grandiosoの話しになります。

1980年代には既にアップサンプリングやオーバーサンプリングという技術が使用されていたと
述べましたが、その当時のアップサンプリングする理由というのは前述の通りでした。

そして、もともとのデータにないものを作っても意味がないのではという通説は上記の
D/Aコンバーターの性能が伴わないという事情と密接に関係していた時代なのです。

2003年11月10日 
No.250 「話題の新製品!!Made in JapanのハイエンドをH.A.L.で検証!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/250.html

それでは、近年はどうかと言うと…、一例を上げると今から10年前のESOTERIC
X-01の時代では下記のDACが搭載されていました。
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/x01/index.html

「DACチップには、バーブラウン製24ビットD/Aコンバーター・PCM1704を採用。
 電流加算などの技法も加えて2ch再生時片チャンネルあたり贅沢な4チップ構成とし、
 2DAC出力の加算によるリニアリティの向上と、この出力を差動で使用することで、
 コモンモードノイズを抑えています。しかも、左右独立基板とすることで、
 チャンネル間の干渉をも抑制しています。」

これは前回述べた初代ES-LINKを搭載したD-01で、24bitマルチビット型D/Aコンバーター
PCM1704を8個組み合わていたということと同様で、D-01ではDACチップの個数は二倍になっています。
しかし、DACチップの物理的性能としてはあくまでも24bitの解像度ということに変わりはありません。

しかし、多数のDACチップをデファレンシャルモードで動作させて加算された
データの集積を独自の“アルゴリズム”でアナログ化することで音質は向上します。

そして、それら複数のDACにデジタル信号を入力する前の段階でサンプリング周波数がより
高度になり、演算誤差が少なくなることで更に音質が向上していくという事実が近代の
CDプレーヤーに生かされているわけです。

これらは1980年代におけるアップサンプリングの目的とは大きく変化してきていると
いうことで、積極的な音質向上策として今は定着している技術と言えます。

さて、ここで量子化ビット数はミクロのスイッチと例えましたが、それは実数にすると
一体いくつになるのかということを調べてみました。

16bit:         65,536
24bit:     16,777,216
32bit:  4,294,967,296
35bit: 34,359,738,368
36bit: 68,719,476,736

…しかし、こんな桁数をポンと見せられても何が何だか分からないでしょう。
歴代のESOTERIC製品の実例を添えて数字に読みがなをふって見ると…
(注:一時期の製品ではDACデバイスはDSD・PCM対応DACでbit数の表記はない)

16bit:            65,536
24bit:     16,77万7,216  ESOTERIC P-01+D-01 X-01
32bit:  42憶9,496万7,296  ESOTERIC K-01&K-03
35bit: 343億5,973万8,368  ESOTERIC P-02+D-02
36bit: 687億1,947万6,736  Grandioso P1+D1

http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html
上記ページより抜粋

                                引用終了

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、上記の引用文の記憶が新しいうちに新開発のMaster Sound Discrete DACが
どのような処理能力を持っているかということを先に述べておきますと…64bitです!

64bit:18,446,744,073,709,551,616

上記同様に解りやすく単位を記入すると次のようになります。

64bit:1,844京6,744兆737億955万1,616

このように途方もない数値になってしまいますが、これは演算誤差を極限まで少なく
するかというゆとりの表れであり、ひとつの参考程度に軽くお考え頂ければ良いと思います。

そして、Grandioso P1X & D1Xでは広帯域伝送を可能にする最新鋭『ES-LINK5』を搭載しました。
ES-LINKはHDMIケーブルを使って超広帯域デジタル伝送を行うESOTERIC独自のデジタルインターフェースです。

HDMIの複線構造を生かし「オーディオデータ」「LRクロック」「ビットクロック」の
信号をフルバランス方式で伝送し、ES-LINK5では最大値でDSD 22.5 MHz、PCMでは
768kHz/48bitの伝送処理を行っています。では、実数ではどうなるのかというと…

48bit:281,474,976,710,656

これでもとんでもない数値ですが上記の36bitと比較して頂くと良いでしょう

16bit:            65,536
24bit:     16,77万7,216  ESOTERIC P-01+D-01 X-01
32bit:  42憶9,496万7,296  ESOTERIC K-01&K-03
35bit: 343億5,973万8,368  ESOTERIC P-02+D-02
36bit: 687億1,947万6,736  Grandioso P1+D1
48bit:281兆4,749億7,671万656 Grandioso P1X+D1X

今まで既製品の集積回路にてDACを構成していたわけですが、完全自社開発の
Discrete DACがどんな能力を持っているのかを以上の数値からイメージして頂ければと思います。

しかし、話しはだんだん面白くなくなくってきますね(笑)

では、ここでGrandioso D1Xのブロックダイヤグラムを下記にてご覧頂きましょう。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20190623170301.pdf

D1Xには「CLOCK PCB」「DAC PCB」「ANALOG PCB」「DIGITAL PCB」と合計4枚の
基板が格納されています。

「DAC PCB」と「DIGITAL PCB」それぞれにFPGAが1枚ずつ搭載されています。

FPGA(field-programmable gate array)とは、簡単に言えば製品の設計者が
自分でプログラムを書き込むことのできる集積回路の事です。

その二枚のFPGAにどのようなプログラムを書き込んだかは上記ブロックダイヤグラムの
中で書き込みがありますので見て頂ければお分かり頂けると思います。

上記にて散々物凄い性能だと数値を例にして語ったDiscrete DACですが、それは
ブロックダイヤグラムで「DAC PCB」として表記されているものであり、その実物を
私が撮影したものが下記になります。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.05.jpg

更に、この基板の中でDiscrete DACの部分をクローズアップしたのが下記の画像です。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.06.jpg

この「DAC PCB」に搭載されたFPGAが下記の部分です。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.08.jpg

今までは既製品のDACチップとして数十ミリ四方の小さな素子であったわけですが、
それをディスクリート化して下記のように美しささえ感じる回路基板となったわけです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.07.jpg

開発者・技術者から見れば渾身の努力の結晶として惚れ惚れと眺め自画自賛の境地に
至るであろう画期的な回路基板というものですが、果たして音楽愛好家、あるいは
いじるよりも聴くことを優先するオーディオマニアにとっては面白くもなんとも
ないものかと思います。

でも、ESOTERIC初というDiscrete DACを搭載したGrandioso D1Xの素晴らしさを
何とか面白く分かりやすくお伝えする方法はないかと私は考えました!

そこで、上記の私が撮影した写真を引用して、もう少しハードウエアとして掘り下げた
説明が出来ればと頑張ってみました。
(注:基板上の一部パーツは私が撮影した試作サンプルと完成品とで異なっています)

では、先ず「DAC PCB」のDiscrete DAC部分の下記をご覧下さい。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20190624173331.pdf

上記(A)で示しているカコミの三つの素子があります。これ一つが一個のDACエレメントです。
一番内側の茶色い素子は10キロオームの超高精度抵抗です。

これに電流を流すかどうか、言い換えれば前述のミクロのスイッチと例えた部分がこれです。

デジタルの世界で言えば1か0か、スイッチとして考えればオンかオフかの切り替えが
行われる部分ですが、そのスイッチとしての動作を司るのが抵抗の外側につながる
黒い小さな素子、D-FFデータラッチ回路の役目ということです。

このDACひとつずつは完全に独立しており、専用の電解コンデンサーによるバイパス
コンデンサーを配置して電源を強化していますが、(A)のカコミの一番外側にある
銀色の素子が独立電源です。

さて、次に(B)を見て下さい。これはハイスピードクロックバッファー素子といい、
D/Aデータをラッチするマスタークロックを各DACエレメントに伝送します。
このマスタークロックに各DACが完全同期して動作するという意義深い素子です。
上記(A)の黒い小さな素子にプリント配線がつながっているのが分かると思います。

(C)はヨーロッパ製フィルムコンデンサーを採用したフィルター回路です。
(D)は高精度安定化電源回路です。D/A変換回路部に供給する電源を安定化させる回路です。

(E)はポストローパスフィルターです。過渡応答特性が良好で波形再現性に優れる
 三次ベッセル特性アクティブフィルター回路です。ここからアナログ信号です。

(F)は差動合成バッファアンプ回路で音質に定評のあるMUSES 03を用いた差動信号を
 合成するアンプ回路です。HOT/COLD のバランス信号双方に含まれる同相のコモン
 モードノイズを同時に除去する仕事も行っているものです。

このように超高精度抵抗を用いた8エレメント+8エレメント構成のD/A変換回路を
差動出力のHOT、COLD信号の両方を生成するために二回路搭載しているということで、
D/Aエレメントは合成されアナログ信号となる出力ポイントから等距離となるように
出力信号合成ポイントを中心として放射状に配置されています。

さて、以上がDiscrete DACそのものというか、実際の信号電流を作成するパートですが、
これをどのように駆動するのかという頭脳に当たるパートが下記になります。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20190624173344.pdf

デジタルオーディオ信号をD/A 変換するためのマルチレベルΔΣモジュレーションを
ESOTERIC独自のアルゴリズムで処理するデジタルセクションです。

(G)は高周波信号用金メッキSMA端子を用いたマスタークロック入力端子です。

ここで再度Grandioso D1Xのブロックダイヤグラムを下記にてご覧頂くと良いでしょう。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20190623170301.pdf

「CLOCK PCB」からのクロック信号が入力される端子ということになり、「CLOCK PCB」
にはP1X/D1X共通となる新開発の『Grandioso Custom VCXO II』が搭載されています。

デジタル回路に正確な基準クロックを供給するクロック回路は、デジタルプレーヤーに
とってまさに心臓部。P1X/D1Xともに、更なる高音質を誇る独自のクロックデバイス
『Grandioso Custom VCXO II』を開発し搭載しました。

そして、この「CLOCK PCB」の左端には「Clock in」端子がありますが、そこに
マスタークロックジェネレーターGrandioso G1を接続することで、Discrete DACも
原子時計レベルの高精度10MHzクロックで同期させての再生が可能になるというものです。

(H)はアイソレーターであり、「DAC PCB」と「DIGITAL PCB」をこのアイソレーター素子
 によってデジタルオーディオ信号および電源やGNDも完全に分離しています。

(I)はFPGA(field-programmable gate array)で拡大したものが下記になります。
 マルチレベルΔΣモジュレーター回路をESOTERIC独自のアルゴリズムで構成しています。
 http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.08.jpg
 

ここまで退屈な説明を聞いて頂きありがとうございました。ここから私が本当に
言いたいことが始まります。

ここで前作のGrandioso D1に採用されていた旭化成エレクトロニクス社製最新鋭
32bitDACデバイスAK4495Sを紹介しましょう。
https://www.akm.com/akm/jp/aboutus/news/20131226AK4495S_001/
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html

このわずか12mm四方という小さなAK4495Sがやっていた仕事を何と上記の(A)と(B)、
そして部分的ですが(C)と(E)、更にGrandioso D1ではAK4495Sを16個も使用している
ので同意義には言えませんが、(F)の仕事も違う流儀でやっているというのが新開発の
Master Sound Discrete DACということになるのです!!

考えてみて下さい、親指の爪と同じくらいの高密度集積デバイスがやっていたことを
このように無謀とも言える超拡大規模の設計としたのがDiscrete DACということなのです!

それはなぜかというと、ESOTERIC開発陣がを求めたのかを下記にてご確認さい。
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02-10-17.pdf

上記の最後に述べられていること、それは「音楽のエネルギー」です!
その設計思想が実際の音楽でどのように表現されるのか、ここからが私の仕事です!

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

2019年3月4日 No.1531「ESOTERIC Grandioso P1X & D1Xが満を持してH.A.L.に登場!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1531.html

さて、実際には前述のようにHIRO Acoustic MODEL-C4CS、そしてマルチアンプ駆動
によるMODEL-C8CSでも新旧Grandiosoプレーヤーでの比較を行ってきましたが、
その当時の記憶と現状での下記システムでの比較試聴との両方において、以上の
革新的新製品の音質を私なりに捉えてみようと思います。

H.A.L.'s Sound Recipe/HIRO Acoustic MODEL-CCCS & ESOTERIC Grandioso-inspection system
https://www.dynamicaudio.jp/s/20190629163816.pdf

このシステム構成においてプリアンプGrandioso C1に対してGrandioso P1 & D1も
接続し入力切替によって比較試聴出来るようにしました。マスタークロック
Grandioso G1もそのために二台使用しました。

また、DACからプリへ、クロック用BNCケーブルなども同様のMEXCELケーブルを使用し、
電源関係もTransparentのアイソレーターとACケーブルを使用し、極力同様な使用
環境にて公平なる比較が出来るようにセッティングしています。

前述のように既に三か月間、HIRO Acousticの超ハイグレードなスピーカーを核にして
多数の曲でGrandioso P1X & D1Xを聴いてきたが、上記に述べた革新性を音楽の
エネルギーとして実感すべく今までと違った選曲にて聴き直すことにした。

まずはこれ。ビヨークが2001年に発表したアルバム「Vespertine」(ヴェスパタイン)の
6.フロスティ - Frosti (Interlude)間奏ということで1分41秒という短い曲。
https://www.amazon.co.jp/Vespertine-Bjork/dp/B00018QIPC
http://www.cdjapan.co.jp/product/UIGY-7059

私が持っているのはSACDです。全12曲が収録されていますが私が使用するのは
この一曲だけ。正直に言って他の曲は私にとって難解でありなじみがないものです。

ビヨークが作曲しオルゴール用にアレンジした曲で、エレキベースが途中から入って
来るのですが、文字通りオルゴールとそれをサンプリングした音源、また一部では
ハープのように聴こえる楽音も収録されているようです。

下記youtubeで26:00より始まる短い曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=NHz1j1RVm6M

これを先ずGrandioso P1+D1で執拗に何回も繰り返して聴き続け、頭の中に
オルゴールのムーブメントが思い浮かぶほどに記憶してP1X+D1Xに切り替える!

キリキリと巻き上げたゼンマイのストッパーが外れた瞬間の音「ビシュン!」から始まる…

「おー!! たったこれだけの簡単な原理の音源なのにこれだけ違うのか!!」

音源である金属製の櫛(コーム)がピンに弾かれた瞬間の音、この歯(ティース)は
音階に合わせて調律されている単音階からなるひとつの音のはずなのに、P1X+D1Xで
聴くと微妙に隣り合う歯が共振しているのか複数の音色が感じられる。

そして何よりもピンが弾いた瞬間の音に肉厚感を感じる。単純な音源のはずであり
管弦楽器のように倍音成分は含まないはずではあるが、一種の楽音に対しての質感と
して音色を構成する情報量がこれほど違うとはどうしたことか!

櫛の歯一本が弾かれた音なのに、しかもスピーカーユニットが存在しない中空の
一点に定位する音なのに、その空間にもたらすエネルギー感の豊かさを直感する!

それは小さな金属の一片が連続して弾かれるということで、ピアノのように
それ自身では余韻感を持たないものであろうが、巧妙なスタジオワークで施された
リバーブがHIRO Acousticによって広大な音場感として表現される。

オルゴールという小さな音源をマイクで収録し録音し、それをスタジオでの作業で
空間表現が出来るように加工し、再生時には聴き手の好みで音量を上げられるので、
もとの小さな音源が拡大解釈され一種のスペクタクルとして眼前に展開する。

そして、P1X+D1Xで聴くと弾かれた櫛の一本ずつがもたらす音場感が激増するので、
音場全体に節度ある躍動感というか空気中に拡散していくエネルギーを感じる!!

私はこの曲をESOTERICの新作プレーヤーが登場した際に何度も聴いてきた。

古くはP-01+D-01からGrandioso P1+D1に世代交代した時にも、この曲で記録されている
音の質感と情報量の違いを確認してきたものだが、今回はオルゴールが空間を震わせる
という体験をもって音楽の前に単純な音のエネルギー感としての革新を実感した!

ここで前述のVRDS-ATLASにおけるトラッキングサーボの使用法に関して、偏心制御には
使用していないという疑問点は一瞬にして霧散してしまったということを述べて
おきたいと思います。だって…、この比較を聴けば解かってしまいますから!

これほどシンプルな音源なのに、その一音一音の描写力に厚みを持たせ、更には
残響が空間に作り出す音場感そのもを雄大に拡張するエネルギー感というものを
先ずは単純なサンプルとなる music box にて確認しました!

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、次なる選曲も今までの試聴では課題曲として使ったことのないCDからです。
タイトルは「Goodbye Old Friend」これも2分50秒という短い曲。

冒頭は宗教曲を思わせる女性コーラスから始まり、しばらくすると混声合唱に発展し
雄大な響きの大変美しいコーラスへと展開していく。

すると、右奥から勇壮なドラムによる力強いリズムが静かに始まり、やがて左手から
低い音階を奏でる中国?の弦楽器が登場し、次第に高まるドラムのリズムに呼応する
ようにホルンを中心とした管楽器が壮大なサウンドステージを背景に描き始め、
そこにヴァイオリンの調べが空間を満たしていく。

長大なクレッシェンドで声楽と管楽器による広大な空間へと拡大する響きが渦巻き、
うねるような旋律が頂点を迎えた時、一瞬の静寂が戻り再び混声合唱による主題が
繰り返され、壮大な低音の残響を残しながら消えていくドラマチックな一曲です。

このディスクはサントラ盤なので劇場のサラウンドとスーパーウーファーの存在を
意識した重低音が含まれていることは織り込み済み。しかし、ここで私が頻繁に
かけるクラシックのCDよりも録音レベルは低くピークマージンを意識してか良い
センスでの録音であると思います。

スタジオ録音ながらマスタリングのセンスが良く、オーケストラとは異なる音場感
ながら、打楽器と声楽、そして掛け声セッションのバランスが良く調和しています。

そんな説明をしてもピンとこないでしょう。私が課題曲にサントラ盤を使用すると
いうのはたまにあることですが、著名アーチストが自身のアルバムで発表している
曲を寄せ集めてものではなく、その映画のために編曲、作曲され新規に録音された
ものということで、まさしくオリジナルサウンドトラックというディスクからです。

種明かししましょう。「ゴジラ キング・オブ・ザ・モンスターズ」
https://www.godzilla-movie.jp/

このサントラ盤を聴いて、これは使えると最近は良く聴いているものです。
https://wmg.jp/ost/discography/21102/

Godzilla KOTM - Making the Music - Bear McCreary (official)
https://m.youtube.com/watch?v=YINrERKAR4A&list=RDYINrERKAR4A

その中から今回の試聴に使用したのが「Goodbye Old Friend」でした。
決してサントラ盤などと馬鹿にしたものではありません!

これも、先ずGrandioso P1+D1で繰り返し聴き、頭の中に比較用テンプレートを作り、
短い曲の中にチェックポイントを見つけてマークしていきました。そして…

「わっ!! なんだこれ!! 頭のコーラスからして別物じゃないか!!」

エネルギー感・イコール・迫力と単純に大音量、特に打楽器での派手な演奏で
音楽のダイナミズムを感じるというありきたりな比較法ではありません。

これもHIRO Acousticという存在があってのことでしょうが、冒頭のコーラスが
始まった瞬間に、その音場感の広大さ、人数分の声音がしっかりと分離しての
情報量の素晴らしさが直感され、第一に合唱そのものが展開する空間サイズが
二回りも大きくなっていることに驚愕します!

それは更に右側から低い音階での男性コーラスが加わるとサウンドステージは
三割増しで大きくなり、流れるような連続楽音としてのコーラスだけで、これほど
空間表現が違ってくるのかと驚いてしまいました! これ聴けば解かります!

音楽のエネルギー感とは物理的音圧という尺度だけではなく、楽音が発する音場感の
大きさに密接に関係しているということをGrandioso P1X & D1Xに教えられた瞬間でした!

下記の32秒から数秒間見られる中国?の弦楽器の名前が分からないのですが、
チェロとも異なる独特の音色であり、これが左側から響いてきます。
https://m.youtube.com/watch?v=YINrERKAR4A&list=RDYINrERKAR4A

勇壮なドラムは一定のリズムを叩きながら、次第に音量を大きくし同時に周辺に
打音の残響を大きく広げていくように展開し、低音楽器が作り出す音場感という
ものが先程とは違うスケール感であることをしっかりと認識させてくれます!

「うわ〜、さっきより重量感が増したドラムなのに逆に残響は軽くなったように広がる!」

これは率直な胸のうちの感想です。低音楽器の重厚な打音を正確に再現すると
音色そのものが濃厚になり重厚さが増してきます。それなのに、重々しい響きを
中空で運び余韻の連鎖として滞空時間を引き延ばし、更にスピーカーの周囲から
奥行き方向へも音場感を拡大していくというのですから、これほどの威力をソース
コンポーネントの違いとして発揮されると私の常識がひっくり返ってしまいます!

私はハルズサークル配信のEditor's ColumnでIMAXデジタルシアター、ドルビー
アトモス、イマーシブ・サウンド・システムなど近代的な劇場での音響システムで
上記の映画を三回観たというエピソードを述べましたが、その都度劇場における
サブウーファーの存在感と能力に関して強い印象を受けてきました。

それは主に低音の音圧という圧倒的な大音量による迫力ということになりますが、
それらはスクリーンと観客を取り巻く全方位に定位する音という効果音としての
役割と音作りによる劇中の画像に伴う音響効果ということになると思います。

しかし、スクリーン無しで高品位なサントラ盤をハイエンドシステムを聴きながら、
ディスクプレーヤーの違いによって起こる音質的相違に関して、音楽のエネルギーと
いう言葉と概念をどのように解釈し説明したらよいのか、今回は短時間の課題曲
二曲において印象を述べました。

しかし、私は足掛け三か月間に渡り従来の課題曲は元より大変広範囲であり、
多数の曲にて比較してきた実体験を基礎として、それらの比較試聴での分析を
集大成する意味で上記の二曲を取り上げたに過ぎません。

以上で述べたことは従来の課題曲においても言い換えることが出来る項目であり、
比較する音質的パラメーターが多分に重複するために、述べるべき課題曲数が
多くなると文章も長くなるので今回は新鮮な選曲で書いてみました。

音楽のエネルギー、それは音量には関係なく楽音そのものの質感を支える骨格的な
表現力の充実感として考えられるものかと結論しました!

オルゴールのような単純でありシンプルな音源でも感じられた情報量の増加も
音楽のエネルギー感として理解できるものです。

そのオルゴールの質感の変化は細かい一音ずつが発する音場感の拡大にも関係し、
更にサントラ盤による声楽で連続する楽音においても同様な変化も察知しました。

そして、スタジオ録音による管弦楽の組み立てられた音場構成に、打楽器の響きが
雄大な空間表現を行うことで、演奏全体が立体的になり聴き手のイマジネーションを
数段階高めていくという鑑賞手段のレベルアップそのものをエネルギー感として
理解しても良いのではないかと考えました。つまりは音楽の説得力とも言えましょう!

最後に当フロアーの近況という風景をご覧下さい。
新旧Grandiosoプレーヤーシステムを比較試聴出来るようにしました!
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.01.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/ESOTERIC2019.02.02.jpg

私が述べたことを皆様に体験して頂くための展示構成です。
そして、これは期間限定のものであり長期間の維持は考えておりません。
皆様のご要望を実現できるうちにご来店頂ければと願っております。

ご来店の前に是非ご予約をよろしくお願い致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/appoint.html

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.co.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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