発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明


No.250 「話題の新製品!!Made in JapanのハイエンドをH.A.L.で検証!!」

Vol.1「遂に試聴できました!! 注目の新製品TA-DR1の第一印象!!」

11/7は開店一番から二社連続で新製品の持込試聴が予定されていた。
今回は、それらをここのリファレンス・システムで検証したレポート
としてミニ・ドキュメントをお送りいたします。

さて、No.0779でご紹介したStereo Sound Grand Prix の入賞作品を
速報します…という企画であったが、現在までに私の予想を上回る?
240名様からの応募がありました。

そのファイルをご覧になった皆様は、既にご存知のことと思いますが
私としてもまったく意識していなかった新製品がエントリーされて
いました。どれだかわかりますか? (^^ゞ これですよ〜!!

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031023/avf01.htm
http://watch.impress.co.jp/av/docs/20031023/avf02.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031023/avf1_02.jpg

現在のところは本家のweb siteにも情報がないSONY TA-DR1である。
大変失礼なことに、私は事前にこの製品を持ち込みたいというソニー
の担当者の申し出を頂いてからというもの、頭の中でイメージしてい
たのは更に失礼なことに“中途半端なアンプ”という先入観でしか
なかったのである。(ごめんなさい…<m(__)m> )

なぜか…!? それは簡単な理由からです。この製品を企画し設計し試作
段階での音質や設計者のポリシーなどの事前情報が私の耳に入ってい
なかったからなのです。正確に言えば、今年の春に試作品を持ち込ま
れたときには私の定休日ということで、私だけが知らなかったようで
すが…、当時試聴した当店のスタッフもそれほどは熱くなっていなか
ったようでもあり、印象に残らなかったようですが…(^^ゞ

仮に私が期待される作品が誕生するという予感があれば、下記のように
国産メーカーであっても十分に納得した上でアピールするのだが…。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto27.html
この事例のようにソニーであっても、素晴らしいものには注目し
良いものは良い!! と皆様にお知らせしてきたものです。今回はちょっと
順番がよくなかったみたいですね。(^^ゞ

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて当日の朝、台車で製品を持ち込まれてきたのはソニーの営業担当者
のお二人…、おいおい開発か技術の人は来ないのだろうか? という疑問
を感じつつ、セッティングは上遠野に任せて定休日明けにたまっていた
70件のメールを先ず片付けてしまおうと、私はキーボードに向かっていた。

そして、ひとしきりしてから試聴室に入ってみると、ここでは珍しい
SACDプレーヤー「SCD-XA9000ES」も持ち込まれており、i.LINK で
TA-DR1に接続されていた。

スピーカーは迷わずB&WのS800として、ケーブルもちろんオールDOMINUS
で接続してのシンプルなシステム構成である。

さて、では聴いてみるか…、と、この瞬間までは本当に期待せず(失礼!!)
マラソン試聴会でSACDプレーヤー五台の比較試聴に使ったこの曲をかけた。

A&M  UIGA-7001 STING 「SACRED LOVE」(14) MOON OVER BOURBON STREET
http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/sting/index.html

SCD-XA9000ESでは当然SACDレイヤーをピックアップし、それをソニー独自
の暗号化処理を行ってi.LINK でTA-DR1に伝送し、TA-DR1の内部で再び
DSD信号に復元する。そして、シャープが商品化しているように、DSD信号
をそのままアナログ化して増幅するというものではなく、TA-DR1ではCD
フォーマットの2fsつまり88キロHzのPCM信号にデシメーションしてから
電圧電流変換を行って直接スピーカーを駆動するというシンプルな発想
のデジタルアンプというものである。

さて、失礼ながら平常心で聴き始めたこの曲であったが…!?

「あっ…、これいいじゃない!!」

と、思わずソニーというブランドを忘れて聴き進む数分間が過ぎた。

そして、そこにおもむろに登場したのが、ソニーイーエムシーエス株式会社
で商品設計1部のマネージャーを務める石田正臣氏であった。ソニーの営業
担当者と目顔で挨拶をしながら、私の後方に着席されたのであった。

私は内心で感心したという心境を表情には出さずに、TA-DR1が来たら
つないでみようと思っていたP-0s+VUK-P0からデジタルDOMINUSを使って
今度は同じディスクのCDレイヤーからの88キロHzの通常の信号をTA-DR1
に入力してみたのである。

http://watch.impress.co.jp/av/docs/20031023/avf2_01.jpg

写真ではわかりにくいと思うが、デジタルアンプということで入力は
すべてデジタル入力が中心であり(アナログ入力はRCA一系統のみ)、幸いに
P-0s+VUK-P0では2倍にアップサンプリングしたデジタル信号を出力すること
が出来る。さて、再度コーネリアスがリミックスしたMOON OVER BOURBON
STREETをかけてみた。すると…!!

「おー!! ギターのカッティングが鮮明だ。パーカッションも桁違いに
 切れている。あ〜、STINGのヴォーカルがなんとまあリアルになった
 ことか!! こっちの方が全然いい…、というよりも、これがこの
 アンプ本来の音なんだろう!! 」

思わず、うれしくなってしまった私は、ソニーの営業担当者に向かって
あれこれと質問を始めたが、そのときにすべて回答してくださったのが
上記の石田氏だったのである。ここでやっと作り手との話しができた。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

まず、SCD-XA9000ESでSACDレイヤーをピックアップしたものより、P-0s
からRCAデジタルケーブルでTA-DR1に入力した方が音が良かったという
事実について、P-0sという完成されたトランスポートの存在はちょっと
脇に置いておくとして、i.LINKでの暗号化とその復元処理については
音質的に有利であるとは石田氏も考えておらず、むしろ通常のCDフォー
マットの信号をより高いクォリティーでTA-DR1に入力した方が良い
結果になると言うのだ。

だって、SACDというのは看板通りのキャッチフレーズを真に受ければ
100キロHzまでの超高域というのが“売り”のはずなのだが!?

上記でもTA-DR1では結果的に内部で1ビットのDSD信号をPCM信号に
変換するという原理なのだが、実質的なアナログでの再生周波数特性は
約44キロHzまでという高域特性であり、50キロHzからアナログでのフィル
ターをかけているという。

そして、上記にある電圧電流変換とはPWMを行っているというのだ。
このPWMに関しては、わかりやすい解説としてweb未公開のshort Essay
であるNo.0689をご覧頂ければと思う。ICEパワーの原理に平行して
PWMも説明しているのでご一読頂ければ幸いである。そして…

実は、この時に初めて聞いたのだが、過去に製品化された同社のSACD
プレーヤーでも原理的には同様な方式でDSPのデバイスチップの内部で
PCMに変換して出力していたという。そして、SACDの超高域特性である
理論上で100KHzまでという再生帯域についても、50〜70キロHz以上の
帯域ではノイズレシオが大きくなってしまい、実質的な再生音への貢献
はあまりなくなってしまうということをソニーの技術陣も承知しており、
今回はそのような背景をにらんだ上での極力シンプルな回路構成での
音作りが主眼であるという。

スピーカーの逆起電力によってアンプの最終段が振られることなく、
どんなスピーカーに対してもニュートラルな表現力を持つように。
また、どんなに音量を絞り込んでもディティールと音場感が損なわれ
ないように。良いモーターと制御方法がないということでリモコンの
装備も否定し、手元でボリュームを回して欲しいという石田氏の自信
のコメントにもあるように、操作するボリュームノブの感触は私の
経験からしても素晴らしいフィーリングであった!!

これらのこだわりがハイエンドたる資格の証であろう。完全な手作り
のために年内に10台から20台しか作れないという頑固さも気に入った!!

こんなアナログ的設計思想がこの試聴室でのクォリティーに対して、
そして私が求めているハードルの高さを見事にクリアーする演奏を
S800相手に実現してくれたのである。

大きさは456(W)×125(H)×430(D)というコンパクトさ、重量も22キロ
と女性でもご高齢者であっても十分に取り扱える国産ハイエンドアンプ
の登場である。私が数年前に試聴して、それ以来評価してこなかった
国産S社のアンプとは音質が違う!! 思想が深い!! 海外のスピーカー
を十二分に鳴らすだけの実力を持った本格的なデジタルアンプの出現
である。これは面白いことになってきた!! 要注目である!!


Vol.2「遂に試聴できた!! 注目のESOTERIC X-01/UX-1の第一印象!!」

この日は各社が入れ違いで新製品を持ち込んでくる。ソニーは午後1時
までというお約束で、次はESOTERICの皆さんが順番待ちというように
機材を運び込んでくる。その前に、UX-1の映像を検証したいという
当店4FのCinema H.A.L.今泉が時間を超過するほどの熱の入れようで
分析をしていたが、そのレポートが本日配信されましたので、私の
X-01/UX-1音質チェックの事前情報として下記に貼り付けておきます。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
  Cinema H.A.L's CLUB  5555 Review NO.155
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

本日はBIG・NEWS!
「あのESOTERIC/UX−1がCinema-Halに来た!」

ということで、まずはファースト・インプレッションです。

昨日、待ちに待った話題の新製品がやってきました。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/3393/UX-1.jpg

先日行なわれたマラソン試聴会にはプロトタイプが持ち込まれたみたいですが、
今回試聴するモデルはほぼ製品版に近いモデルです。

本日試聴できる時間が限られているため、
駆足での試聴になりますが、ファースト・インプレッションを
お伝えしたいと思います。

早速、マルチチャンネル・サウンドを聴いてみようと思い
試聴したディスクは、

DVDオーディオ 
PPCM 96kHz/24bit 5.1ch
スティーリーダン / エヴリシング・マスト・ゴー
http://www.dvdaudio-net.com/soft/syousai/wpar-10046.html
cha4 godwhacker (ゴッドワッカー)

意識的に各chにギターサウンドを散らしたのが印象的なこの曲。
タイトなスネアに切れのあるギター。こんなにエネルギー感をダイレクトに
伝えるプレーヤーは初めてです。とは言ってもエッジが立ちすぎている
印象もなく、解像感溢れマルチチャンネルの楽しさが伝わってきます。

続いて、
このUX-1はdts96/24をそのままデコード可能ということで
アナログ5.1chアウトを繋ぎ、AVプリ側のdtsデコードと
プレーヤーのデコ-ダ-との比較をしてみました。

ソフトは唯一の?dts96/24・エンコード

MISIA
「THE TOUR OF MISIA 2003 KISS IN THE SKY IN SAPPORO DOME」
http://www.rhythmedia.co.jp/misia/tour_of_misia_2003/live_dvd/

まずはAVプリ側でのデコードとUX-1でのデコードを切り替えての試聴。

と・・その前に
本日のデモラインナップを紹介するのを忘れていました。

ESOTERIC UX-1 \1,250,000-
↓
↓デジタル&アナログ6ch IN
↓
KRELL SHOWCASE PROCESSOR \780,000-
↓
KRELL SHOWCASE 5 \880,000-
↓
SPEAKER
LINN NINKA&TRIKAN 合計\680,000-
 &
SUBWOOFER
REL スタジアムIII \400,000-

INPUTをデジタルでデコードした場合、
通常のdtsでLOCKします。

普段ならエネルギー感あふれるMISIAのヴォーカルですが、
少々押さえ気味に、このバラードを歌い始めます。
後半クライマックスに向け、徐々にパワフルになっていくのが伝わります。

次に、アナログINPUTに切り替え
プレーヤー側でdts96/24をデコードしたものを試聴しました。

すると耳あたりが良くなり、高域の抜けがより良く、
札幌ドームの広い空気感を明瞭に表現しています。

一つ残念なのがdts96/24をデコードしたときに
本体ディスプレイ等での判別がなにも無いこと。

現状はソフト自体があまり(ほとんど)ありませんが、
何か簡単な表示でもつけた方が・・・・提案をしておきました。

さて、

サウンド・ポテンシャルをMUSICソフトで感触は掴めたので、
DVD-VIDEOの試聴(視聴)も急がなくては・・・・・・

ESOTERIC UX-1 \1,250,000-
↓
↓DV−I (HDCP)  
↓ &
↓Y・Cb・Cr →OMC DC3000 \OPEN
↓ ↓
YAMAHA DPX−1000 \OPEN

画と音とのバランスも大事だが、
まず私が気になったのは、TEAC/ESITERICが始めて手がける
ビジュアル・ソフトウェアの画質はどんなものなのか?
見慣れたソフトで検証したいと思い、定番のもの用意しました。

「恋におちたシェイクスピア」
http://www.spe.co.jp/video/bigbuy/bud-29936.html

cha5 舞台裏でのやりとりのシーン。
画面全体の奥行き感や、登場人物のアクセサリーの立体感(丸み)が自然。

cha29 
女王(ジュディ・デンチ)の首もとの羽飾りの立体感が良く出ています。

全体的には色の再現のバランスが良いことに好感触でした。
今まで国産プレーヤー等に多く見られた色の表現では
プラズマTV等を意識した画作りで、プロジェクターでの自然な色再現が
難しかったのが、純国産プレーヤーでここまでいけるとは・・・

色再現ということで、次のソフトはこれ、

「ジェヴォーダンの獣」  *使用したソフトはフランス/PAL盤です。

まずPALも問題なく再生。
(*しかし、PAL出力は31.5K/50Hzですので対応できるPJやTVを使
用して下さい。)

衣装の細かな質感(毛並みや凹凸感)がよく再現されています。
DLPの視聴を忘れさせるぐらいの画の滑らかさ。
緑と赤のバランスさえ追い込めばさらに良くなるでしょう。

駆足の試聴でもUX-1のポテンシャルが大きいのは
いやと言うほど分かりました。

しかし、何か物足りない。
そして、こいつの存在を思い出しました。こちら↓
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0_g0s.html

MasterClockGenerator「G-0s」です。

実は今日は時間が無いので「本体だけのインプレッションで・・」との約束でした。
しかし、我慢できず当店7Fからちょっと借りてきて・・・

並べてみると、こうなります。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/3393/UX-1G0S.jpg

G-0sを使うとはたしてどうなるのだろう?

・・・ですが、ちょっと長くなってしまったので
このへんでちょっと休憩させて下さい。

(*試聴のお客様も来るので・・)

G-0sを使ったインプレッションはまた明日・・・です。

ではまた。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

あら…、大変申し訳ございません。いいところで明日に続くになって
しまいました(^^ゞ 続報を希望される方はメールを頂ければ私から
転送致します…はい^_^;  ということで話しを戻しますが…。


今、思い出せば今年の春、そして下記のようにX-01/UX-1に搭載する
新開発のメカを見たときから、ESOTERICの大間知社長との問答を思い出す。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/246.html

つまり、ユニバーサル・プレーヤーよりもコストをかけていいから、音質
本位の次世代フォーマットのプレーヤーを作って欲しいというものだ。

今回の試聴では、今までP-0sをはじめとしてESOTERICの各世代のモデルを
検証してきた信頼のおけるリファレンスとして次のシステムを使用した。

     -*-*-*-*-今回のリファレンスシステム-*-*-*-*-

ESOTERIC G-0s(AC DOMINUS) → ESOTERIC P-0s+VUK-P0(AC/DC DOMINUS &
RK-P0 & MEI Z-BOARD & PAD T.I.P)→PAD DIGITAL DOMINUS AES/EBU×2
(176.4KHz伝送)→ ESOTERIC D-70+VUK-D70(AC DOMINUS)→PAD BALANCE
DOMINUS →JEFF ROWLAND COHERENCE2(AC/DC DOMINUS & PAD T.I.P)→
Nautilus付属Channel Divider(AC DOMINUS & BALANCE DOMINUS 1m×4 
SAP RELAXA2PLUS×2)→JEFFROWLAND MODEL 304×2(AC DOMINUS×2) →
→B&W Nautilus→murata ES103B With PAD ALTEUS 3m

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/all.jpg

このシステムのP-0s+VUK-P0→D-70+VUK-D70の代わりにX-01/UX-1を使用
し、各三種類の入力をCOHERENCE2で切替えるということで比較するよう
にセッティングしたのである。当然X-01/UX-1の電源とインターコネクト
ケーブルもすべてDOMINUSというものである。

そして、この時も二時間程度と限られた時間だったので、G-0sは176.4
キロHzのに固定して三者にマスタークロックをずっと供給するというこ
とで、クロックの実験まで行うことは出来なかった。

私の関心事はUX-1に対してオーディオ専用ということでX-01の音質的な
アドヴァンテージがどのようにあるのかということ、そしてESOTERICの
新メカニズムがP-0sに対してどの程度のパフォーマンスなのかという
基本的なことであった。

選曲は先ほどのSTING/MOON OVER BOURBON STREETで聴き始めた。

まずUX-1からである…。

「うむ…、この段階でDV-50を上回っているぞ!!」

ユニバーサル・プレーヤーとしては画質も重要なポイントであり、その
判断は専門家に委ねるものだが、このフロアーのレベルで認証できなけ
ればお客様にお奨めすることはできない。ちなみにDV-50のように高度な
サンプリング技術で音質を選択できるという機能はX-01/UX-1にはない。
そのサンプリング周波数の変化の過程はwebでは公開していないので、
バックナンバーのNo.0424をご覧頂ければと思います。

このUX-1の第一声は、まずは及第点であり映像付きの製品としても正直
に申し上げて安心できるほどのクォリティーである。そして、X-01は
更にそれを上回らなければならない…という到達目標のレベルの高さを
この時の再生音で認識することが出来た。まずはほっとした?スタート
である。さて、それでは、プリアンプの入力を切替えて直ちにX-01で
同じ曲をスタートさせた。

「お〜、確かに!! なるほど、これは聴けばわかる!!」

サンプリング音源を使いこなしているコーネリアスのリミックスだが、
そのギターとパーカッションのシンプルなバックにスティングのヴォー
カルが一際冴える!! そして、巧みに位相をシフトしているのか、各々の
音源位置がNautilusのユニット位置よりも外側に飛び出して定位する。

これを一言で言うならば、質感は同じ解像度も同じ、しかしX-01での
再生音は色彩感が濃厚なのである。各々の楽音の色が濃く感じられる。
その結果、ヴォーカルの低い周波数でのヴァイブレーションが空気を
揺らし、ギターのアタックと時折センターに入ってくる高い周波数で
の打撃音が鮮烈になり、楽音そのものが濃厚な色合いになってくると
対照的にエコー感が更に倍化して響き渡る。この説得力は大きい!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

X-01/UX-1の相違点は下記でも述べられているが…、
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pdf/030904/x-01_ux-1.pdf
バーブラウン製D/Aコンバーター・チップのPCM1704をUX-1ではチャンネル
当たり2個を使用して4DAC構成としている。そして、X-01ではチャンネル
当たり4個を使用しプラスマイナス各々で差動動作をさせるということで
格差を出している。同じDACチップを使いながらの音質変化、なるほど!!
と聴き始めて直ちに技術的なアドヴァンテージが音質に反映されると
このようになるのか、とひざを叩く思いである。ちなみに、D-70はUX-1と
同様に4DACなのだが、動作のさせ方がUX-1とは違うということであった。
もうひとつのX-01/UX-1の相違点だが、内蔵マスタークロックの精度がU
X-1で±約30ppm相当、X-01では±3ppmという違いがある。

さあ、ここでゲスト出演である。P-0s+VUK-P0→D-70+VUK-D70では当然
CDレイヤーの読み取りということなのだが、上記のように176.4KHz伝送
にて同じ曲をかけてみると…。

「うわ〜、その差歴然!! 物凄い存在感だ!!」

改めてP-0sの底力に舌を巻く思いだ。各論での音質は私の場合P-0sに
関しては語り尽くしている感があるが、音場感の広がりと楽音の鮮明さ、
そして何よりもフォーカスがビシッと合った音には改めて脱帽という思いで
ある。P-0のメカニズムのあり方を継承するというコメントは、今回の
新メカの場合にはある程度までは事実なのだが、私が生産を終了しても
P-0sを手放せないで使い続けているという事実を改めて自信を持って
誇りにできる音質なのである。

さて、ここで前述のSONY TA-DR1でのDSDからPCM変換しているという
解説を思い出していただき、P-0s+VUK-P0→D-70+VUK-D70では176.4
KHz伝送を行っているということを述べているが、果たしてX-01/UX-1
でピックアップされたSACDレイヤーのDSD信号はどのように処理されて
いるのだろうか? 当日の試聴を前に私はマラソン試聴会で初めて両者
を演奏する前に気になって大間知社長に質問したことがあった。
私は、前述しているようにDSD信号をそのままアナログ化することが
最良でありパイオニアのDV-AX10や一部のメーカーがDSD信号をPCMに
変換することはせっかくのSACDの魅力を半減させてしまう邪道な設計
ではないのかと思っていたのである。いや、それもソニーの石田氏の
話しを聞くまでの先入観だと言えるのだが…。さて、大間知氏への
質問とはこうだった…。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

実は、その件については、あの京都のYAS様からの問い合わせが発端と
なったものでした。

> YAS様いいことをうかがいました。
> DSDを一端PCMに変換するということは、以前にもパイオニアのプレー
> ヤーがやっていたことで、これでは本来のSACDの音質にはならないと
> 評価しなかった記憶があります。
>その点を大間知社長にも問い合わせてみますね。

そうしたら、大間知社長からこんな回答がありました。


川又店長 殿

大変遅くなりましたが、YAS様からお話が出ていましたX−01について
の下記の質問、お答え致します。

・SACDをマルチビット化した理由
DSD用のDACを並列に配置し、使い分ける方法もありますが
ESOTERICとしてはDSDの音質的な不満(主に中低域の楽器
の質感、分解能、エネルギー感)を現時点ではマルチビット化することに
よって改善するのが賢明と考えた次第です。

新VRDSメカはP0s VUK同様、ディスクの読取り精度が非常に
高く、なかでもCDより約4.5倍も回転数が高くなるSACDに於い
てはその真価を遺憾なく発揮いたします。

特に軸摺動型光ピックと速度帰還型スレッド送り機構との両者の読み
取り技術とマルチビットDACとのマッチングは、音楽的にもオーディオ的
にも上記の課題をクリアーでき納得のいくものでした。

・デジタルアウト
S/PDIFのデジタルアウトは搭載しています。
IEEE1394または他の方式でのSACDの出力が可能なデジタルアウト
については、今後のバージョンアップで対応させていただきます。
どの方式が将来ハイエンド用として適切なのか、著作権問題を含め
じっくり見守りたいと思います。

・アップコンバート
CD再生時は、デジタルフィルターで8倍(352.8KHz)のアップ
コンバートを行って,L.R完全分離し片CH4個のDACに信号を入れ
るようなシンプル構成になっています。

                               大間知

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

というものでした。それを思い出して当日改めてこの点を質問すると、
何とX-01/UX-1でもPCM化して176.4KHzに変換してから4DACによって
アナログ化しているということがわかったのです。しかし、音質的な
判断ということであれば各社のアイデンティティーを認める上からも、
思い出せば古くはP-0のトップに丸いクリスタルの窓を付けたという
ことも音質的な判断でということであれば認めざるを得ないものだ。
しかし、期せずしてソニーの石田氏が述べているようなSACDフォーマット
で実用上の良いところだけをリスナーに届けるという考え方はどうやら
シャープ以外のメーカーでは選択の上での判断ということになってきた
という趨勢を感じるものである。

「ノイズに埋もれた100キロよりも、新鮮な響きとエネルギー感を伝える
 良質な40キロまでが確保できれば十分だと考えました」

ソニーの石田氏のコメントであるが、今後の高級SACDの音質的な設計の
選択肢に一石を投じる発想であるし、既にESOTERICも同様な考えで
X-01/UX-1を開発してきたのである。私もこの時の演奏を聴いて納得した。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、ここでX-01/UX-1の検証が終わってしまったわけではない。
最近ここでの試聴ディスクにSACDでのラインアップを増やしてきたが
その中の一枚がこれ。

リムスキー=コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》バラキレフ:
イスラメイ(東洋風幻想曲)、ボロディン:交響詩《中央アジアの草原にて》

キーロフ歌劇場管弦楽団、指揮:ワレリー・ゲルギエフ
SACD:UCGP-7007
http://www.universal-music.co.jp/classics/gergiev/discography.htm

この4.第4曲:バグダッドの祭り−海−青銅の騎士の立つ岩での難破−終曲
の冒頭から4分程度を比較することにした。

UX-1では…!?

「おー!! これはいけるぞ!! オーケストラでも十分な解像度だ、文句なし!!」

さて、X-01では…!?

「あっ、エコーが長い!! バスの重みが違う!! あっ、ヴァイオリンの質感が
 滑らか!! それに後方のパーカッションへの距離感が更に深い!! 」

と、演奏の経過をたどって相違点がリアルタイムに記憶とのクロスチェック
を進めていく。うーん、音質だけでブラインドテストしたら、一般のユーザー
でも支持率は100%こっちだな〜。と、誰でもわかるアドヴァンテージの
付け方をUX-1の評価をそのままに巧みに上乗せした演奏がそこにあった。
H.A.L.のレベルで常設展示OK!! という太鼓判を押してしまった。

しかし、ドラマはここで終わらない。
私は直ちにP-0s+VUK-P0→D-70+VUK-D70でも同じ曲をかけて確認したのだが、
すると先ほどのスティングと同様にP-0sの能力はやはりこれほどか!?と
思わせる豪快、かつ緻密な演奏がほとばしり出てくるではないか!!
今まで抱いていたイメージからD-70+VUK-D70の株が一気に上昇してしまった。

さて、こで一ひねり!!
X-01で同じディスクのCDレイヤーを読み取りさせて、44KHzでD-70+VUK-D70
に送り、同時にP-0sも出力を44KHzに切替えて、トランスポートとしての
X-01のパフォーマンスをテストして見ることにしたのだ。

えっ、勝敗ですか!? そりゃ〜もう決まっていますよ!!P-0s+VUK-P0に!!

しかし、その負け方がいい!! 解像度という各論においては互角の勝負を
しながらP-0sは低域に向かうに連れて力感というかエネルギー感のほとば
しりを感じるのだ。この負け方は上手い!! 上記の大間知社長のコメント
にもあるように、X-01は44KHzのデジタル出力をCDレイヤーを読み取りする
場合のみ出力することを許されるのだが、サンプリング周波数による向上
は主に解像度アップにつながるという共通項を考えれば同レベルと言って
も差し支えないくらいの見事さなのである。新メカの実力は想像以上に
高いものがある。あ〜、TA-DR1がまだここにあったら国産ならではの素晴
らしい組み合わせが出来るのに…、と胸の内で独り言をつぶやいてしまった。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、当日の試聴で私は何の問題提起もしないで諸手を上げて賞賛したの
か!? と言うと、それほど甘くはなかった。

単純な発想ですが、X-01の8DACとクロック精度に比較してD-70+VUK-D70は
4DACでありクロック精度もちょっと劣る。それなのになぜここまで音楽を
聴かせるのか!!
低域方向へ向かうに連れて厚みと重厚さを増し、余韻感のあり方も鮮明で
印象的だ。X-01は8DACという贅沢な設計をしながらも、なぜこの音が出せ
ないのかと…。

すると、大間知社長は同行したエンジニアに「君、あれを試してくれよ!!」
と私に分からない言い回しで指示をした。すると、エンジニア氏はてきぱき
とX-01のトップパネルを開けて何やらパーツを入れ替えたのか、付け足した
のか…。「川又さん、こっちを聴いてくださいよ」と一言。

どうやら私が不満としたポイントは既に検証済みのようなのである。
では、聴いてみましょう!!

「あっ…、これは!!」

キーロフ歌劇場管弦楽団の録音は低域の楽音にはかなり輪郭を鮮明にした
傾向があるのだが、確かに重厚さと量感が湧き出てきた!! しかし…。

「最初はいいぞ!! と思って聴いていましたが、弦楽器の質感がちょっと
 変化してしまって、聴き進むにつれて前の方がいいと思いましたね」

と、私は低域方向への“エネルギー感の増量”というリクエストに対して
オーケストラの核となる弦楽器の質感を尊重したいという意見を述べた。
そして、私の求めた方向の変化もESOTERICとしては選択肢のひとつであり
既に吟味していたという事実を証明され、私は前言撤回をしたのだった。

「川又さん、言いたいことはわかりました。これから量産に入る前に
 生産段階で調整可能なポイントですから、完成を楽しみにしていて
 ください!!」

と、大間知社長の自信たっぷりの発言に私もほっとしたものだった。更に、
今日以上になって完成されるのであれば、あとは何も言うことがない。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

最後に、ソニーのTA-DR1のように年内生産分はX-01/UX-1の各々で三桁
までは作れないという状況があり、私としては何台をキープしたら良い
のか、という戦略面で考え始めてしまった。う〜ん、これは売れるぞ!!
と、言うより売らなければ…。私がこのように内心を述べるのは決して
押し売り的な発想からではない。

このH.A.L.という環境と空間でX-01/UX-1を、そしてTA-DR1を演奏すれば、
その演奏にユーザーの皆様が感動されるだろうという予感が強く強くする
からなのである。その感動を実演してこそH.A.L.の存在感を証明できる
ものであり、お客様が納得の上で導入を検討するという自然な成り行きが
起こってくるのである。さあ、商品確保と新たなプロモーションをこれ
から展開しなくてはならないぞ!!

営業マン 川又はこれから更に多忙な日々を覚悟したのであった!!

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実は、今回の国産ハイエンド認定の新製品で私が鳴らしてみたいと思う
やはり国産のスピーカーがあるのです。それを含めて他店では実現でき
ないようなMade in Japanの本領発揮というプレゼンテーションを近い
将来にご提供しますので、今後の配信にぜひご注目下さい。

これまでの迷いと苦労と、そして出費をすべて清算しても見合うような
素晴らしい可能性を、ここH.A.L.で実演致します。ご期待ください。

そして、最新情報をご希望の皆様はぜひハルズサークルにご入会下さい。


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.co.jp
お店の場所はココの(5)です。お気軽に遊びに来てください!!

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