発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明

No.1088 2013年12月14日
 「H.A.L.'s impression-壮大で緻密なESOTERIC Grandiosoを聴く-Vol.1」


「遂にやってきました!!ESOTERIC Grandiosoは想像以上・期待以上!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1085.html

本格的に試聴を開始しました!!結論から言えば感動しました!!

その音質たるや未体験領域の素晴らしさ。それを一度で語るのは到底困難で
あり、例の私の悪癖である「感動の大きさは文章量に比例する」という実例
からすると語り尽くすには相当な時間がかかるものと思います。

今後、様々なジャンルの曲を聴き、また試聴しながら思い付いたポイントを
開発者に質問として投げかけたりしながら、数回に渡り感想を述べて行きたい
と思います。先ずは今回のシステム構成をご紹介しておきましょう!!

◇ H.A.L.'s Sound Recipe / ESOTERIC Grandioso inspection system ◇
 
………………………………………………………………………………
ESOTERIC G-01(税別¥1,350,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/g01/index.html
     and
ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥360,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html
     and
TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6100II BNC(Wordsync用)×3 (税別¥750,000.)★Grandioso P1+D1
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7nda6300_6100_2/index.html
     and
ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync用)×3(税別¥720,000.)★P-01+D-01
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/mexcel/index.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC  Grandioso P1  (税別¥2,500,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html
     and
ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥360,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html
     and
TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
           vs
ESOTERIC P-01+VUK-P01(税別¥2,500,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p01/
     and
ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥360,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html
     and
TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

★Grandioso P1+D1は付属:HDMI Cable
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1083.html
           vs
JORMA DESIGN JORMA DIGITAL XLR 1.0m×2 (税別¥300,000.)★P-01+D-01
http://www.cs-field.co.jp/brand/jorma_index.html
 
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC  Grandioso D1  (税別¥2,500,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html
     and
ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(2本/税別¥720,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html
     and
TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
           vs
ESOTERIC D-01+VUK-D01(税別¥2,500,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/d01/
     and
ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(2本/税別¥720,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html
     and
TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
ESOTERIC 7N-DA6300II XLR 1.0m×2 (税別¥580,000.)★Grandioso D1→C-02
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7nda6300_6100_2/index.html
          vs
ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m×2 (税別¥560,000.)★D-01→C-02
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7nda6300/index.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC C-02×2 Dual-Mono(税別¥2,800,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/c02/index.html
     and
ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(2本/税別¥720,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html
     and
TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
ESOTERIC 7N-A2500/XLR 7.0m(税別¥2,280,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7na2500/index.html
 
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC  Grandioso M1   (1Pair 税別¥2,800,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/m1/index.html
     and
ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(2本/税別¥720,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html
     and
finite element Pagode Master Reference HD10+CERABASE 4P(2台/税別¥720,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
Viard Audio Design  Platinum speaker cable 3.0m(税別¥900,000.)
http://www.take5japan.com/ja/product/platinum/viard-audio-design-platinum-hd-speaker-cables

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Technical Audio Devices TAD-R1MK2(1Pair 税別¥7,000,000.) 
http://tad-labs.com/jp/consumer/reference_one/
………………………………………………………………………………

上記のシステム構成で試聴していますが、何点か事前に述べておきたいことがあります。
先ず、この試聴室で長らく大型スピーカーをセッティングしていたレイアウトを
下記のGenesis G2.2jrの展示導入に伴い変化させました。

「遂にやってきました!!Genesis G2.2jrの偉容は音質も表している!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1086.html

Sonusfaber The SonusfaberやAida、Daniel Hertz M1や上記のTAD-R1MK2など
左右スピーカーの中心軸で3.2mの間隔、スピーカーのフロントバッフルからは
4.6mの距離にリスニングポイントを置くようにでセットしていましたが、11月末
からは左右スピーカー間隔は4.2m、リスナーの耳からは5.0mの距離として三点
のトライアングルのサイズを変更しました。

長年親しんできた環境セッティングなので、特に左右間隔が広くなったことが
再生音にどのような影響をもたらすかが気になっていたものですが、試聴を
開始すると以前にまして改善点が見られるようになり好結果が得られました。
この点も後ほど述べることに致します。

次に、今後の私のインプレッションは主にP-01+D-01との比較に主眼を置いて
述べることになると思いますが、実は上記システムでスピーカーはTAD-R1MK2
を使用した事が本当に適切であったと実感させたものでした。

今年のマラソン試聴会でもTAD-R1MK2を多用しましたが、CSTドライバーの広帯域
再生能力と同軸2ウェイ構成で中高域の音源位置が同一点であり定位感と音像
再現性が素晴らしく、同時に正確無比な低域の再現性は各種のアンプの個性と
素性を克明に描き、音楽の脈動とも言える低音再生に関して抜群の反応で
スピード感にあふれ引き締まった低域の素晴らしさが、今回の試聴と分析に
大変大きく貢献してくれたことを最初に述べさせて頂きます。

このスピーカーがH.A.L.のリファレンスとして存在した事を幸運に思います。

最後に、Grandioso P1+D1とP-01+D-01との比較が中心になりがちですが、上記の
ようにスピーカーの素晴らしさに加えてESOTERICのプリアンプの存在とパワー
アンプGrandioso M1があったればこそ、正確な比較試聴が出来たという背景を
事前に述べておきたいと思います。

そして、そのP-01+D-01に関して重要なお知らせしておきたいと思います。
上記のように出来るだけ電源関係やケーブルを同一レベルとして比較出来る
ようにセッティングしました。しかし、実は決定的な違いはP-01+D-01本体
そのものにあるのです。

P-01+D-01が発売されてから9年間の間にESOTERIC開発チームは様々な新技術を
開発してきましたが、当フロアーの展示品は現在の技術力でアップデートして
もらった特別仕様になっています。

2012年7月5日
No.937 H.A.L.'s One point impression!!-驚きの低域ESOTERIC G-01の音!!
★webサイトや雑誌、取説にも書いてありませんが実はP-01は10MHzが入ります!! 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/937.html

P-01+D-01ともに数カ月間ESOTERICの開発に預けておいた結果、現在のノウハウ
でチューンアップされた上に、何とD-01も10MHzを受信するように改造されました。

もちろん、この改造はメーカー純正で保証範囲に入るものであり、これから
しばらくはGrandioso P1+D1と比較のために展示を継続しますが、いずれは
展示品も破格値で放出することになりますので、その時の品質として中古とは
全く違うという事でお知らせしておきます。

そのチューンアップされたP-01+D-01と比較してGrandioso P1+D1の音質はどうなのか!?
これを中心として、Grandioso M1とTAD-R1MK2が聴かせてくれた魅力を随所に
散りばめて私の感動を皆様にお伝えしていきたいと思います。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

実は、ここ数日というもの上記システムでの試聴を何回も何度も繰り返してきました。
私の考えとしては先ずはオーケストラで、次にヴォーカル曲で、その次に
スタジオ録音のジャズやポップスなどでの試聴体験を語っていこうと思っていました。

また、セッティングして10日間程経ち、初日の音質からは想像も出来ない熟成
が音質に表れてきたのですが、その反面私としては各課題曲を繰り返し聴くうちに
最初の選曲であるオーケストラでの試聴では比較しての相違点が実に多数あり、
どのポイントから述べて行ったら良いのか戸惑ってしまうという贅沢な?悩み
をここ数日間抱えていたものでした。

そんな折に、本日ステレオサウンドのご厚意でこのディスクが私の元に届きました。

Stereo Sound Flat Transfer Series 美空ひばり「愛燦燦」「みだれ髪」
http://store.stereosound.co.jp/products/detail.php?product_id=1884

以前にも下記のディスクをご紹介していますが、あまりの名曲をオーディオ的
に分析して語るというのは正直に言ってちょっと重荷だったことや、原曲が
ヒットした年代が私にしてみれば幼すぎた時期で現在の私の感性ではしっくり
馴染まなかったということもあるかもしれません。

「H.A.L.'s Recommendation-Stereo Sound Flat Transfer Series 美空ひばり!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1045.html

しかし、今回の「愛燦燦」は1986年の録音で作詞・作曲も小椋 桂という事で
私の記憶にもしっかりと定着していたメロディーであり、いつかは高品位な
システムで聴いてみたいものだという願望がありました。

日本のスピーカーで、日本製のアンプで、日本人技術者によって開発された
SACDプレーヤーシステムで、そして「昭和の歌姫」の録音に込められた情熱を
このフロアーのシステムで蘇らせるということに私は興奮しました。

「Stereo Sound GRAND PRIX 2013 on stage」
http://www.dynamicaudio.jp/5555/MonthlyHi-Fi/2013S06/

オーディオ的分析のためのオーケストラの課題曲は次に回し、Stereo Sound
GRAND PRIX 2013でGOLDEN SOUND賞を受賞したGrandioso P1+D1を語る最初の
一曲に本日届いたばかりの美空ひばり「愛燦燦」でのインプレッションを
語るのも一興ではないかと考えたのです。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

2013年12月10日、試聴室でStereo Sound Flat Transfer Series 石川さゆり
「天城越え」をGrandioso P1+D1で聴いていた時でした。ふとドアのガラス越し
に見ると株式会社ステレオサウンド販売部マネージャー早川晴介様がやって
来られたのが目に入りました。宅急便でお送り頂ければ良いものをわざわざ
お持ち頂き恐縮してしまいました。昨日正式発売された美空ひばり「愛燦燦」は、
このように人手をかけて私の元に届きました。
感謝しつつ早速聴きはじめることに。

イントロから左右スピーカーの軸上に定位するギター、センターにハーモニカ、
包み込むようにストリングスが抒情的に展開します。

「あ〜、こんな録音だったんだね〜、いいじゃありませんか、素晴らしい!!」

見事な解像度で美空ひばりの歌声がTAD-R1MK2のセンターに浮かびあがった時、
ハイエンドオーディオシステムで聴くこの曲の美しさに思わずため息が出ました。

実は、最初に聴いたのはP-01+D-01だったのです。初代ES-LINKを搭載しD-01
では24bitマルチビット型D/AコンバーターPCM1704を贅沢に8個組み合わせて
再生される音は、9年間H.A.L.のリファレンスを務めた完成度の高さを現在でも
素晴らしい分解能と情報量で音場感で提示し、中空に定位する楽音の分離感は
モノラルDACの魅力をしっかりと伝えてくれています。

「愛燦燦」一曲だけを聴き、更にイントロから聴き直してGrandioso P1+D1へ
ディスクを移しました。プリアンプのC-02ではXLR入力のレベル調整を行い
入力を切り替えても同じ音量になるようにセットしてあります。すると…

「あっ、こんなことあるのか!!音楽が輝き始めたぞ!!」

イントロの左右二本のギターが奏でるアルペジオの一音一音から違う!!
ギターの弦に金色の微粒子をまとわせておき、弾かれるごとにふわ〜と中空に
輝く響きの微粒子が飛び散り漂っていくように、一弦一弦の楽音が鮮明さを増し、
しかも空間に広がっていく残響がライトアップされたように明るく輝く!!

更に、一弦一弦の爪弾きがTAD-R1MK2のCSTドライバーという同軸型2ウェイの
魅力としてギターの弦一本一本に定位感を与える程に音像の鮮明さが向上した!!

明るく鮮明になったというのはセンターに定位するハーモニカを聴いた時に、
ぞくっとする程のリードの響きのリアルさとして頭の中にピンと張り詰めた
一種の興奮状態をもたらした!!

4メートル先にある左右スピーカーセンター位置まで歩いて行って手を伸ばせば、
薄く弾力性ある真鍮製リードの振動が指先で感じられるのではと錯覚してしま
うほどのリアルさがそこにある!!

「さっきは感じなかったハーモニカのバイブレーションがどうして!!」

ギター同様にハーモニカの音像が先ほどよりも凝縮していることに気づく。
ハーモニカを吹くと、リードの振動が微妙に手の中に伝わってくるのだが、
壮大さを表すGrandiosoはハーモニカという小さな楽器で、私の耳へリアルさ
という微振動を伝えてくれたことに驚く!!

音像が凝縮し響きの滞空時間が長くなるという私好みの音場感が形成され、
その背景をゆったりとストリングスが流れるように展開すると美空ひばりの
ヴォーカルが入って来る!

「えー!!これ同じCDなの!? 音像にピントが合うともこんなに違うのか!!」

先ずヴォーカルの音像サイズは先ほどよりも縮小し、色彩感は濃厚になり肉声
のエネルギーを音像の中心点にしっかりとホールドしている。

そして、ハーモニカのリードのバイブレーションの再現性と同じく、美空ひばり
の七色の美声が彼女の腹の底から胸郭を経て、喉元でも力強く声帯を震わせ
唇から発せられる時には細かな脈動をまとわせてチャーミングに定位する!!

このCD-RのオリジナルマスターはAMPEX の1/4インチPCMテープで、再生機器に
は当時と同MITSUBISHIのX-80 PCMテープレコーダーが使われたとあるが、
1986年当時はまだサンプリング周波数48KHzで24bit録音でったという。

それにしても、当時のマスターテープのクォリティーがこれほど素晴らしかった
ということをGrandioso P1+D1は見事に証明してくれた!!

音の表情、交響する美しさ、アーティストの情熱、ホールの空気感、オーディエンスの熱気。
エソテリックの「Master Sound Works=マスターサウンドワークス」は、
オリジナルマスターに捉えられた音楽情報のすべてを現代の先端をゆく技術で
再現するオーディオ理念です。

この思想がStereo Sound Flat Transfer Seriesと見事に一致した瞬間でした!
アーチストの情熱を、いや人生を語る再生芸術はあり得ると感動しました!!

この「愛燦燦」の録音から一年後体調を崩し、闘病生活を経て52歳で逝去。
惜しまれる短い人生の中で美空ひばりが輝く歌声を残した。

そして、ESOTERICの情熱と技術力、Stereo Soundの企画力と熱意が再び彼女の
歌声に輝きを取り戻し蘇られる奇跡を(高いレベルで)もたらしてくれたことに
私は感動しました!!

「ああ 未来達は 人待ち顔して微笑む 人生って 嬉しものですね」

この歌が作られ歌われ、そして録音された時代。この歌に歌われた未来達…
27年後の現在という未来において、技術力がここまで到達するまで人待ち顔で、
そして、GrandiosoシステムとこのCD-Rで「愛燦燦」を聴き、人生を嬉しく思う。

オーディオと音楽の究極の存在意義って、こういうものでしないでしょうか!?

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

昨年2013年はCDが世に出て30周年の年だったが、CD全体の売り上げが年々減少
しているご時世なので業界としても祝い事をする気分ではなかったのかもしれない。

私の立場でも0と1のデジタルの世界では、プレーヤー個体による音質の違いなど
なくったしまうのだろうかという発売前の評判もあった。しかし、いざ蓋を
開けてみたらアナログ時代と変わらぬ各社プレーヤーの個性が聴きとれた事に
一種の安心感もあったものだった。

そんな昔を振り返ってみると、CD再生にかける技術進歩は着実にあったことを
各社の製品を思い返す度に感じられるものだ。

アナログ信号をデジタル変換する際の宿命、量子化歪の存在からサンプリング
周波数の半分しかアナログ出力を得られないという図式はCD登場の初期から
言われ続けてきたもだが、アップサンプリングやオーバーサンプリングという
技術は既に80年代後半では各社製品に取り入れられてきた。

一例を上げれば…、

Pioneer PD-7030LTD  ¥69,800(1986年発売) 
http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/player/pd-7030ltd.html

Pioneer PD-3000  ¥180,000(1987年10月発売) 
http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/player/pd-3000.html

Pioneer PD-515  ¥49,800(1988年発売) 
http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/player/pd-515.html

なぜパイオニアなのかと言うと、当時の記憶では同社が最初にオーバーサンプ
リングという用語を使い始めた製品を出し始めたという記憶があるからです。

しかし、当時は「もともとのデータにないものを人工的に作り出しても意味が
ないのではないか」という下馬評が多く語られていました。

それに、上記の価格設定を見れば最新技術であるはずなのに価格は低下して
いくという図式にも、業界としてCDをもっと普及させなければという思いが
あった事も事実なのです。

さて、そもそもオーバーサンプリングをなぜ行うかという目的意識が近代とは
少し異なっていました。前述のようにサンプリング周波数の1/2までしか再生
帯域が得られず、22.05KHz以上の帯域ではアナログフィルターを使ってハイ
カットし高域輻射ノイズを取り除かなければならず、そのハイカットフィルター
による位相回転が音質に影響するという課題があった。

そのハイカットフィルターの特性がスローロールオフでゆったり減衰させる
ものは位相回転が少ないが、音質的には独特の陰影と微小ノイズが本来存在
しない余韻感として演出的な効果をもたらすこともあった。

また、シャープに減衰するフィルターでは高域の情報量として聴感上での不足感
を伴うという見方もあり、当時の設計者たちの選択による個性化のポイントにもなっていた。

これらのハイカットフィルターを働かせる際に何キロHzから減衰させるかと
いうターンオーバー周波数が可聴帯域のはるか上方に設定することが出来れば、
位相回転も少なく高域の情報量も維持できるという発想が、そもそものオーバー
サンプリング技術を採用し始めた最大要因ではなかったろうか。

上記事例のように1988年頃には既に8倍オーバーサンプリングで352.8KHzという
スペックが存在していたことを再認識するが、回路技術において実現可能な
これらは次々に多くのメーカーが取り入れ始めていたものだった。

しかし、DACチップの性能は半導体メーカーの技術力に依存することになり、
当時ではCDの基本フォーマットである16bitから18bitというレゾリューション
がせいぜいではなかったろうか。つまり、オーディオメーカー自体がDACチップ
を設計製造出来るということはほぼなかったという時代なのである。
異例とし私の記憶にあるのはNECがDACを自社開発した下記製品があった。

NEC CD-803 ¥215,000(1982年頃) 
http://audio-heritage.jp/NEC/player/cd-803.html

さて、そんなオーディオ的な時代考証をなぜ述べるのかというと、デジタル
オーディオの原理を分かりやすく皆様にイメージして頂くための布石でした。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

1980年にフィリップスとソニーによって規格化されたCD-DA (Compact Disc
Digital Audio) に関するハード的な企画書は表紙が赤かったのでレッドブック
と呼ばれている。

その仕様はデータ形式リニアPCM、サンプリング周波数44.1kHz、ビットレート
1411.2kbps、量子化ビット数(ビット深度)16bit、チャンネル数2.0chステレオ
ということで、1秒分のデータ量は16×44,100×2÷8=176,400バイトである。

これが74分だと176,400×60×74=783,216,000バイトとなり、これは約747MiBとなる。
全領域に音楽データだけを記録するならこれだけの記録が可能だが、
CD-ROMの場合はエラー訂正用データ等が入るため、使用できる容量は
783,216,000÷2352×2048=681,984,000バイトとなり、これが約650MiBとなる。

やたらと桁数の多い算数では無味乾燥で面白みがないが、CDに関わるデジタル
オーディオの原理を黒板を使わずにメモも取らず、皆様の頭の中でイメージ
して頂くために次のような比喩で説明したい。

トレーシングペーパーでできた方眼紙・グラフ用紙を皆様の頭の中に一枚用意
して頂きましょう。縦横1ミリの升目だとすると横幅は44.1メートル、縦軸では
65,536ミリなので大よそ65.5メートルということになります。

ここでピンとくると思いますが、横軸はCDの基本フォーマットのサンプリング
周波数で、縦軸は16bitの量子化ビット数ということです。目に見える単位で
1ミリと仮定しましたが、これだけでも物凄い情報量だと思いませんか?

この巨大なトレーシングペーパー製の方眼紙を演奏者の姿が映った写真に乗せて、
一つ一つの升目を塗りつぶしていく事で下にある画像を写し取っていきます。
これがA/Dコンバーターの仕事と思って下さい。

この升目はゼロか1かで読み取りしますが、仮に黒く塗りつぶした升目は反射光
が戻って来ないディスクのピットの存在だと思って下さい。そのピットとは
何なんだ? ということは私の下記の随筆をご覧頂ければ良いでしょう。

第52話「VRDS-NEO」   
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto52-01.html

横軸のサンプリング周波数と言うのは実は時間軸でもあり、実際の再生では
グラフ用紙の左から右へと信号を読み取っていく事になります。そして、
この黒く塗りつぶされた升目に光が当たり反射光が返って来なかった時に、
カチリと極小のスイッチがオンになります。

スイッチが入ってどんな電気が流れるのか、ということはCDプレーヤーの出力
電圧によって様々なのですが、初期のCDプレーヤーの出力電圧が最大変調時で
2Vだったことを一例に挙げれば大よそ0.00003V程度というものになりましょうか。

このスイッチとは何かというとD/Aコンバーターなのです。つまり、PCMの原理
ではCDの場合に量子化ビット数16bitというのは実数にして65,536であり、
肉眼では見えないミクロのスイッチが65,536個あるという例えになります。

この65,536個のスイッチのうち何個がオンになるのか、ということで縦軸の
棒グラフが出来るわけです。つまり、一秒間で横軸44,100個と縦軸65,536個と
いうドットの集合体によって写し取った写真を映像化しようということです。

昔の白黒だった頃の新聞の写真を思い出して頂ければ良いでしょう。虫眼鏡で
拡大すると小さい点々が無数に集まって画像を形成していたわけです。そして、
このような方法で画像を写し取り保存するトレーシングペーパー製方眼紙が
CDというデータの入れ物であるということです。

デジタルオーディオの原理を皆様の頭の中にイメージして頂くために長文に
なってしまいましたが、やっとここでESOTERIC Grandiosoの話しになります。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

上記では1980年代には既にアップサンプリングやオーバーサンプリングという
技術が使用されていたと述べましたが、その当時のアップサンプリングする理由
というのは前述の通りでした。そして、もともとのデータにないものを作って
も意味がないのではという通説は上記のD/Aコンバーターの性能が伴わないと
いう事情と密接に関係していた時代なのです。

2003年11月10日 
No.250 「話題の新製品!!Made in JapanのハイエンドをH.A.L.で検証!!」 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/250.html

それでは、近年はどうかと言うと…、一例を上げると今から10年前のESOTERIC
X-01の時代では下記のDACが搭載されていました。
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/x01/index.html

「DACチップには、バーブラウン製24ビットD/Aコンバーター・PCM1704を採用。
 電流加算などの技法も加えて2ch再生時片チャンネルあたり贅沢な4チップ構成とし、
 2DAC出力の加算によるリニアリティの向上と、この出力を差動で使用することで、
 コモンモードノイズを抑えています。しかも、左右独立基板とすることで、
 チャンネル間の干渉をも抑制しています。」

これは前回述べた初代ES-LINKを搭載したD-01で、24bitマルチビット型D/A
コンバーターPCM1704を8個組み合わていたということと同様で、D-01では
DACチップの個数は二倍になっています。しかし、DACチップの物理的性能とし
てはあくまでも24bitの解像度ということに変わりはありません。

しかし、多数のDACチップをデファレンシャルモードで動作させて加算された
データの集積を独自のアルゴリズムでアナログ化することで音質は向上します。

そして、それら複数のDACにデジタル信号を入力する前の段階でサンプリング
周波数がより高度になり、演算誤差が少なくなることで更に音質が向上して
いくという事実が近代のCDプレーヤーに生かされているわけです。これらは
1980年代におけるアップサンプリングの目的とは大きく変化してきていると
いうことで、積極的な音質向上策として今は定着している技術と言えます。

さて、ここで量子化ビット数はミクロのスイッチと例えましたが、それは実数
にすると一体いくつになるのかということを調べてみました。

16bit:         65,536
24bit:     16,777,216
32bit:  4,294,967,296
35bit: 34,359,738,368
36bit: 68,719,476,736

…しかし、こんな桁数をポンと見せられても何が何だか分からないでしょう。
歴代のESOTERIC製品の実例を添えて数字に読みがなをふって見ると…
(注:一時期の製品ではDACデバイスはDSD・PCM対応DACでbit数の表記はない)

16bit:            65,536
24bit:     16,77万7,216  ESOTERIC P-01+D-01 X-01
32bit:  42憶9,496万7,296  ESOTERIC K-01&K-03
35bit: 343億5,973万8,368  ESOTERIC P-02+D-02
36bit: 687億1,947万6,736  Grandioso P1+D1

http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html
上記ページより抜粋

■表現力際立つ「36bitD/Aプロセッシング」(特許出願中) 

D1は32bitDACデバイスを複数個組み合わせ、36bitの高解像度でPCM信号を
アナログ信号へ変換する36bitD/Aプロセッシング・アルゴリズムを採用。
ハイビットデータの階調を活かし、忠実なアナログ変換を行ないます。
32bitは24bitの256倍の解像度を誇りますが、36bitは更にその16倍(24bitの4096倍)
の驚異的な高解像度。ビット階調をより細かくすることで、演算誤差を最小に
とどめ、繊細な音楽信号まで際立つ表現力を誇ります。

http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/img/photo_02.jpg
この一文から上記の画像をイメージとして見せてくれますが…、私が思うに
上記の36bit: 687億という途方もない数値が示す解像度は、とてもとても
こんな細かさではないということです。

前述のトレーシングペーパー製の方眼紙を思い出して下さい。横軸は8倍に
アップサンプリングされて352,800個の升目に、縦軸は687億1,947万6,736へと
想像を絶する解像度を伝送するためのHDMIケーブルによるES-LINK4が必要とされ、
Grandioso P1+D1が誕生したのです!!

いやいや…、実に長大な前置きでございました。いくらスペックの数値が良く
ても聴いてみなけりゃ分からないよ!!…とは私の口癖でした。しかし、こんな
長い前置きをわざわざ私が書いたということは、どういうことなのか…!?

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

私は前回のインプレッションでは最初はオーケストラでの試聴を繰り返してい
たと述べましたが、その曲数は大変多く一曲ごとの感想を述べるには大変な
文章量になってしまうものです。

そこで、各選曲との共通項を含み最大公約数として語れる曲目はないかと意識
していたところ、ちょうど良い一曲を発見しました。それは先ず上記の特徴を
聴きとるためにも通常フォーマットのCDであること、そして以前から聴き慣れて
いる曲でESOTERIC歴代のプレーヤーでも聴いていることを条件としました。

第50話「Made in Japanの逆襲」ここで試聴に使ったものです。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto50-01.html

チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》TCHAIKOVSKY: THE NUTCRACKER
ワレリー・ゲルギエフ指揮:キーロフ歌劇場管弦楽団
1998年ピットストリーム・レコーディング / 19tr.  第13曲: 花のワルツ 
http://www.universal-music.co.jp/p/UCCD-2120?s=70370

先ずはP-01+D-01のチューニングバージョンで聴き始めました。冒頭は木管楽器が
主題を奏で、Lchからハープが登場し豊かなホールエコーが響きを存続させながら
弦楽器がワルツのリズムを奏で始めます。

6分24秒の演奏は安心感をもたらし、やはりここでもP-01+D-01の素晴らしさが
実感されるものでした。ここで思い返すのはスピーカーのセッティング変更。

従来よりも左右間隔を1メートル広げた事がオーケストラの再生では雄大な
広がりと管楽器の点在する様子が全体のスケール感を向上させたのではと納得
しながら比較のためにしっかりと記憶することを心がけて聴き込みました。

さて、いよいよGrandioso P1+D1にディスクを移しますが、ここで一つのエピ
ソードを披露しておきましょう。12月1日にここにGrandiosoシリーズをセット
したわけですが、私はプレーヤーやアンプのディスプレーは消灯させて聴く
事にしています。

もちろん音質のためですが、Grandioso P1+D1と二台のC-02は一つのリモコンで
同時にDIMMERのコントロールが出来るので便利。ワンタッチで全消灯します。

そして、Grandioso P1にリモコンを向けてボタンを押すと、受光した印に一瞬
ディスプレーが明るくなりますが動作しません!?これは一体どういうことか?

DIMMERは1-3までの三段階で明るさが調整出来ますが、リモコンのどのボタン
も反応しないことを確認して、ディスプレーを一番明るいDIMMER3にします。

すると通常通りリモコンに反応して動作します。試しにDIMMER2から最も暗い
DIMMER1までも同様に操作可能です。そして、再度DIMMER OFFとして消灯させて
本体のスイッチを押しますが、やはり何も反応しません。これは…!?

取り扱い説明書にもこのような事は書いてありません。ひとつ、色々とやって
みて気が付いた事はDIMMER OFFの時には本体でもリモコンでも二度押しすると
反応し動作することが分かってきました。

翌日、開発の加藤さんに問い合わせると、今回のGrandioso P1では故意にその
ような仕様にしたということでした。DIMMER OFFで完全にディスプレーが消灯
していると現在の動作状況が分からないので、誤操作によるアクシデントを
防ぐために、一度ボタンを押すと先ずはディスプレーが短時間明るくなり、
1-2秒程で消えてしまいます。その前に再度ボタンを押すことで動作に入る
ようにしたということが分かりました。後々のためにお知らせしておきます。

さて、そうしてディスクをP1に入れてからリモコンで10のボタンを二度押し
してからトラック9を再度押すことで19トラックの頭出しを行いスタートしました。
すると最初から…!?

「ちょっと待ってよ!!いきなりこれですか!?あまりにもあからさまだよ〜」

冒頭の木管楽器のひとつひとつの音像が実に鮮明になり、また各々の輪郭が
克明になった分、音像そのもののシルエットが示す領域が縮小しています!!

そうです、前回のギターやヴォーカルで感じた相違点と同様な現象です。
今までは左右スピーカー間隔の1/4くらいのスペースに左右でペアとなるよう
木管楽器が音場感の小グループを形成していたのか、管楽器の発する楽音が
寄り添ったように聴こえていたものでした。

それがGrandioso P1+D1で聴き始めた瞬間から、左寄りのクラリネット右寄りの
オーボエと管楽器奏者の一人ずつにピンスポットが当てられ、軽快に動く演奏者
の指先で開閉するバルブの金属パーツの動きが、一音ずつスポットライトに反射
するように煌めき存在感を高めている!!

しかも、特筆すべきは単純に音像が小さくなっただけではなく、個々の楽音が
実に滑らかな肌(耳)触りの質感になっていて、音像の中身そのものの純度が
極めて高いものに豹変していることが察せられた!!いや〜、これには驚いた!!

響きのグラデーションが三段階ほど増加し、リードの湿り具合で音色が決まる
木管奏者の譜面台の下には加湿器が置かれているのか?と失笑してしまう程の
艶やかな音色が最初から表れたことに驚かされてしまった。

そして、一瞬の思考で木管楽器で起こった変化のベクトルを感じとったが、
それを証明するような音がLchのハープの爪弾きから始まってしまった!!

近代のオーケストラでは47本の弦を変ハ長調全音階で張り7本のペダルを足で
操作することにより、複数の弦を同時に半音ずつ上げ下げできるダブル・アク
ション・ペダル・ハープが使われている。

この試聴室にもハープ独奏のCDがあるので時折聴く事もあるが、実はハープの
楽音は共鳴胴の働きもあり、相当なエネルギー感のある音を発する。指で弾く
弦の一本ずつに高精度なレンズでズームアップした画像で、弦の振幅を目視
出来るのでしないかと思うくらいに鮮明さが増し、潤いを含む楽音が空間に
浸透すると反対側のRchのTAD-R1MK2からもハープの残響成分が盛んに放射され
ホール空間の大きさを音で表現するという妙技がしばし私の耳を釘付けにする。

弓で擦り弦との摩擦で音を発するヴァイオリン属の楽器とは区別され撥弦楽器
に分類されるハープは、同じ弦による発音なのだが同時に複数の弦を弾いた時
の音は複数の弦による連続性を感じさせる響きとなり、残響を残しながら次の
弦が弾かれて空間で調和しつつ広がっていく美しさが見事に感じられた!!

前記の木管楽器が音場感の小グループを形成していたと述べたが、同様にこの
時のハープでは一弦一弦による発音の分離感が素晴らしく、その響きの一単位
に自由空間に拡散していく余韻感を提供するというGrandioso P1+D1が凄い!!

弱音で叩かれる太鼓を背景に感じながら、弦楽器によるワルツのリズムが後方
から聴こえてくると、右側ではホルンとトロンボーンが巧妙な演奏で同じ旋律
を奏で、対象的に左寄りにクラリネットがソロパートを奏でる。

「なんだこの空間は!!さっきよりもホールが大きくなったようだぞ!!」

穏やかな金管楽器が右側から発せられるのは知っていたが、ホルンとトロン
ボーンの奏者がはっきりと区別されていただろうか!? それほど寄り添った
位置関係で二種類の管楽器がふんわりした音色で響きを撒き散らしている。

そして、クラリネットのソロは対照的に自分の立ち位置と存在感を自己主張
するようにピンポイントで定位感を示し音像サイズは極めて小さい。いや!?

音源として認識できる点としては先ほどよりも小さくなっているのだが、
その反面で発音した後の残響成分が一回り大きな空間を形成して広がるのだ!!

クラリネットのソロが発した余韻が最後の一粒まで空間にたなびくので、
演奏空間のスケールをこともなげに倍化させるGrandioso P1+D1が凄い!!

この曲にして良かった!!
管楽器とハープの演奏だけで、こんな観察が出来たのだから!!
そして、左右スピーカーの間隔変更があっても音像の色彩感が薄くならないと
いう安堵感が次の観察点へと私の耳の指向性を切り替えて行く。

さあ、続けざまに弦楽器の主題が始まった。あっ、と思う!!違う!!

艶やかに輝きを増し、弦楽五部の各々の位置関係を鮮明に示しながら、各パート
が発する摩擦音の集合体には様々な色どりが映え、アルコの連続には起伏と
抑揚感が冴えわたる!!

そもそもが響きのグラデーションの増加を伴っているので、弦楽器群の頭上に
独自の反射板を配置したかのように、折り重なる響きのレイヤーが贅沢に
TAD-R1MK2の周辺に観察できるのは何ということか!!Grandioso P1+D1が凄い!!

特にビオラのパートではしっとりとした質感がため息を催す程に美意識を刺激し、
チェロの斉奏での濃密な響きと内部に包含された緻密な音色の融合は目を、
いや耳を見はる思いで私の上半身を硬直させる程の見事な再現性だ!!

流麗であり響きの階層が実に多数の温度感と色彩感を内包する弦楽器の音!!
二台のESOTERIC C-02から送られる情報量がこれほど大きかったのか!!
そして、Grandioso M1がドライブするTAD-R1MK2は見事に反応している!!

36bitD/Aプロセッシング、これだけカタログで見てもピンと来ないかもしれ
ませんが、前述のトレーシングペーパー製方眼紙の例えのように横軸は8倍に
アップサンプリングされて352,800個の升目に、縦軸は687億1,947万6,736へと
途方もない解像度が音楽再生に何をもたらしたか!?

そして、アナログ信号のシグナルパスでは二台使ったC-02の存在意義と、
完璧なドライブ能力を見せつけるGrandioso M1という土台を得て、今までの
TADスピーカーという常識を覆す素晴らしい順応性と発展性を見せたTAD-R1MK2。

これらの日本製コンポーネントの美学を音にして実演出来ることを、私は大変
幸運であったと各社の設計開発者に感謝してしまいました。素晴らしいです!!

しかし、私はまだまだGrandiosoで聴きたい音楽があります。
聴く曲の数だけ感動があるだろうと確信するようになりました。

そして、それは皆様も同様なのです!!
壮大で緻密なESOTERIC Grandiosoの音は皆様のために創り出されたのです!!


担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.co.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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