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H.A.L.担当 川又利明
    
2018年12月18日 No.1513
 H.A.L.'s One point impression!! - Kiso Acoustic HB-N1の魅惑!!

2018年12月現在展示中のスピーカーは次の通り。(価格は1ペア/税別)

Y'Acoustic System         Ta.Qu.To-Zero          【180Kg】¥29,800,000.
FOCAL                      Grande Utopia EM Evo   【260Kg】¥27,000,000.
HIRO Acoustic Laboratory   MODEL-CCCS             【207Kg】¥22,480,000.
Daniel Hertz               M1 Speaker system      【150Kg】¥14,000,000.
Sonusfaber                 Aida II                【165Kg】¥13,800,000.

そして、図らずも今回私が絶賛するスピーカーとはこれ!

Kiso Acoustic        HB-N1                  【3.6Kg】¥880,000.
https://www.kisoacoustic.co.jp/

錚々たる価格とサイズ重量のスピーカーたちと肩を並べて、私が皆様に平然と
推薦できる自信とは何なのか!?

それはこの私にして心震えるほどに感動したという極めて自然体での評価からです!

Kiso Acousticとのお付き合いは足掛け10年となり、その歴史は下記にて。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/hb1/histroy.html

Kiso Acousticの原点とは何か、下記をご一読下さい。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/655.html

触れることで響きを作る!!感性を揺さぶる前例のない音とは!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/660.html

上記の一節を再度述べておきます。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

私が設計者にインタビューする内容は営業的な視点よりも、むしろユーザーに
近い発想の質問を発することが多い。原氏にこう尋ねた。

「ところで型番のHB-1って何か由来があるんですか?」

すると、よくぞ聞いてくれました、と言わんばかりに即答が…。

「日本語の“響き”という意味からHとBを、その第一作として“1”なんです」

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

そして、新作のスピーカーを持参された原さんに尋ねると次のように述べられました。
HB-N1のNは“New”であり“Nature”のNなんです!

なるほどね〜。

何と! 88万円で発売するKiso Acousticの新製品情報!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1501.html

私がハルズサークルに上記のKiso Acoustic新製品のニュースを掲載したのは11月7日のこと。

Kiso Acoustic HB-G1特設ページ
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/kiso/HB-G1.html

上記のようにKiso Acousticに取り組んできたわけですから、新製品を出すという
事であれば、原さんから当然のように一言連絡があるだろうと思っていた私は
肩透かしをくらった感じでした。

それを原さんに言うと答えは簡単。

「川又さんは100万以下のスピーカーなんてやらんと思っとったわ」

いいえ〜、そんなことは全くありません!

「H.A.L.'s One point impression!!-MORDANT-SHORTの奇跡!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/828.html

上記にて取り上げたMORDAUNT-SHORT Performance6 は1ペア65万円でした!
http://naspecaudio.com/mordaunt-short/performance6/

その後も次のように続編が多数続くほど高く評価してきました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/829.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/830.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/831.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/833.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/835.html

「H.A.L.'s One point impression!!-MORDANT-SHORTの誘惑!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/841.html

このような私の興奮が伝わったお客様からも

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■2011年6月28日 (火) 0:03「楽しみでなりません」

色々とありがとうございました。
明日届くのが楽しみで今夜は遠足の前日の小学生状態です。

スピーカーが壊れてから、この数週間まともに音楽を聞いていないので本当に嬉しいです。
かと言って200万も300万もする新品が買えるはずもなく、どうしたもんかと
途方に暮れていた時でした。失礼ですが、100万に満たないスピーカーをあの
川又さんが絶賛するなんて…!!

と語って頂いたお客様の導入記も下記のように頂きました。

「H.A.L.'s customers comments!!-MORDANT-SHORT Performance6導入!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/832.html

納品後には次のようなコメントが…

■2011年6月29日(水) 0:51「ニヤニヤしてます」

聴ききました!  二時間ほど…、カミさんに遅いからいい加減にして!
と怒られて今日は終了です。(笑)

いえ、まだ本来の性能とは程遠いはずですから(ですよね?)
音がどうとかは言えません!

でも、なんだかこの前まで聞いていた200万の(くどいですね)10年以上も
鳴らしこんだスピーカーよりもいいような気が………

中略

高くていい物の方をもっといいと言った方が、きっとご商売はうまくいくのに
あえて65万のスピーカーを絶賛する川又さんの良識に敬意を表します。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

ありがとうございました。でも、価格に関わらず良いものは良いのです!

この時のお客様の興奮と喜びようは大変なもので、上記のレポートは是非
皆様にもご一読頂ければとお薦め致します!

このお客様が7年ぶりに興奮される出来事があり、本当に久しぶりに投稿が寄せら
ましたので、別紙にてご紹介しておりますので是非ご覧頂ければと思います。

Stereo Sound GRAND PRIX 2018 on stage 開催決定!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1505.html

上記の企画を実施するに当たり、Kiso Acoustic HB-N1が今回も受賞したとの
知らせを原さんから頂きましたが、何とKiso Acousticが発表した過去の3モデル全てが
このAwardを受賞してきているのです!! これは凄いことです。

そして、原さん曰く「音の出るHB-N1はまだ1セットしかないから、12月になって
取材とイベントが終わったら日帰りになるけど持っていくわ」とのことだったのです。

そして、12月某日のことでした。はるばる岐阜から原さん自身が運転されて、
遂にHB-N1がやって来たのです!

Y'Acoustic SystemとHIRO Acousticと日本製スピーカーと肩を並べてセットアップ。
http://www.dynamicaudio.jp/file/HB-N1.01.jpg

コストダウンのためにポリッシュ仕上げはしていませんがナチュラルフィニッシュです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/HB-N1.02.jpg

システム構成はY'Acoustic SystemとHIRO Acousticを鳴らしてきたESOTERICの
Grandiosoシリーズのフルセットで試聴を開始しました。先ずはこれ!

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団

2009年6月14日にHB-1の第一声を聴いたのと同じ選曲で“New Nature 1”でも第一声を…。

「お〜、何なんだ! この弦楽の質感と音色は!」

奇しくも9年前に私が発した次の言葉と同じになってしまいました。

「おー!! あ〜!! 何なんだ、この弦楽器は!!」

この、何なんだ! というのは疑問や不満を表しているのではありません。
この私の経験にして聴いたことのない弦楽器なのです!

ふくよかにして芳醇な響きが心地よく耳朶を撫で、その香るような色彩感に記憶はない。

ハイファイであることの原則は当然のことながら満たされているのに、スピーカーと
いうトランスデューサーが放つ音なのだろうかと我が耳を疑うような美しさ!!

なぜ美しいと感じるのか!? 

色の三原色は「光の三原色」と「色の三原色」があるという。

光の三原色は発光で見える色。光の三原色はRGB(赤Red・緑Green・青Blue)で
作られる色で、混ざると明るくなり白に近づいていく混色方法。

加法混色とも呼ばれ、テレビ画面やパソコンのモニター、電飾看板やライトなど
そのもの自身が発光しているものは光の三原色で色が作られている。

色の三原色は光が当たり反射して見える色。色の三原色はCMYK(シアンcyan・
マゼンタmagenta・イエローyellow・キー・プレートKey plate)で作られる色で、
混ざると暗くなり黒に近づいていく混色方法。減法混色と呼ばれ、理論的には
この3色を同じ割合で混ぜると黒になるが、実際には濃い茶色が精一杯という。

光が当たって反射して見える色。本やチラシなど印刷で出されるものは色の
三原色で作られていて印刷の際にはキープレートとして黒を加えて色の安定性を
高めているという。

それぞれの色の数値で表現できる色は、色の三原色が約1億色、光の三原色は
約1600万色だが表現領域は光の三原色の方が広くあるという。

こんな理屈を頭において、スピーカーの三原色とも言える要素は何かと考えた。

スピーカーユニット、エンクロージャー、クロスオーバーネットワークという
三大要素が再生音の品位と質感を構成するものだろう。

Kiso Acoustic代表の原さんは、その三大要素に対して物理的測定による音質決定法と
いうよりは、ご自身の耳による主観的な音質追求によって、同時に高峰楽器製作所の
職人技によるチューニング技法での選択肢に対して自身の感性をぶつけるという、
正に試行錯誤とカットアンドトライという時間と手間暇をかけたモノ作りの方法が
聴く人の耳と心に優しくも強烈に浸透し訴える音を作り出したのだと私は確信した!

上記で光と色の三原色を述べたが、最も重要なことはいずれの三原色にしても
数値的な配合で一定の色を作ることが印刷技術、工業製品などで求められることだと
思うのですが、芸術分野ではどうであったかということです。

画家、写真家、映画監督、映像作家、その他にも視覚的な芸術分野というと多種多様な
世界があると思いますが、それらアーチストは自身の目で原色の調合を行いオリジナルな
色を作り出していくものと思います。

聴覚ではどうか。スピーカーの三大要素に対してのこだわりは原さんのこれまでの
努力の結果として音を聴けば解かるというものでしょうが、最も重要なことは物理的に
その三大要素を作り、選び、調整するという作業を、どのような結果を求めて行って
いくのかという音に対する美意識が備わっていなければならないという事なのです。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

実は、原さんは現在は1セットしかないHB-N1なので、事前の打ち合わせでは
私に聴かせたら持ち帰ろうと思っておられたらしいのです。それでなくとも
雑誌の取材や各地のイベントの予定がつまっていたという事でした。

しかし、上記のように第一声を聴いた私が、傍らにいる原さんを振り返り放った
この一言で気が変わってしまったらしいのです。

「いいね〜」

これ以上は語っていません。たった、この一言でHB-N1をここに置いていくと
原さんはうなづきながら言ってくれたのでした。

左右のHB-N1トゥイーター間隔は約3メートル、私が選んだ聴取位置はスピーカーから
約4メートル、このトライアングルでセッティングしたHB-N1を存分に聴くことが出来ました!

先ずは、いつものようにマーラー交響曲第一番の第二楽章を初日に聴いて大変感動
した私は、二晩ほどエンハンサーCD-ROMをリピートさせて熟成度を高め、時間を
かけても第一楽章から最後までを聴きとおすことにしたのです。

弦楽器奏者が自分の楽器がどれだけ小さい音、ピアニッシモに挑戦することに集中し、
楽器そのものに耳を近付けるように自然に前傾姿勢となり、手首のスナップだけで
ppの細かいアルコの刻みを引き続ける第一楽章の導入部。

チャイコフスキーが交響曲第6番「悲壮」のスコアーでppppppを使ったと言われているが、
このパートでマーラーはいくつのpをスコアーに記しているのだろうか。

小沢征爾が要求した最も小さい音を弦楽器群に要求している演奏だろう。

それがしばらく続くうちにクラリネットが、そしてオーボエが短い旋律を交互に演奏する。
導入部からの数分で私の耳という受容器官は一瞬ごとの音質を記憶のファイルと照合し
類似した音があったかどうかを10分の1秒で完了した。

「ない!!こんな音はなかった!!」

第一楽章が始まったばかりだというのに、私の眉間には緩やかに縦じわが浮かび、
この一言に含まれる二つの意味合いに自分の不注意を呪い、同時に心中を揺るがす
感動が微小な音を発し続ける弦楽器のように最初は小さく、そして次第にフォルテを
迎える予感のように脳裏に < このクレッシェンドが浮かんだ!!

ひとつは、同じ音階を細かく刻む弦楽器、そしてぽっかりと中空に出現する
木管楽器の両者の質感がはっと息を呑むほどに鮮明であるということ。

鮮明であるだけなら他のスピーカーでもできる。しかし、HB-N1は他のスピーカー
では出せない響きのテクスチャーを織り交ぜながら聴かせるのだから堪らない!!

そう、HB-N1が聴かせる弦楽器は国産スピーカーというカテゴリーを脱しており、
いや! 高剛性高質量で設計される他社のあらゆるスピーカーとも異なる作者の
美意識が表現された独特の響きを空間に放っているのです!!

かと言って心地よいだけという虚飾に満ちた弦楽器を奏でるスピーカーとも違う。

定位感と輪郭表現が素晴らしいということが弦楽器に対して一種の透明感を与えて
いるようであり、弦楽五部編成の楽員50名が自前のマイナスイオン発生器を椅子の
下に置いているような清々しい見事な質感が素晴らしい。まさに惚れ惚れとした響き!

そして、この後にも共通する驚きとして随所で感じていくことになるのが木管、
後述では金管楽器も含んで管楽器全体の存在感を私は見直すことになった。

同じディスクなのに、この20年以上に渡り聴いてきた曲なのに、管楽器すべて
の質感がこれほど研ぎ澄まされ鮮明に聴こえるというのはどういうことなのか。

その鮮明さという表現は管楽器が発音した瞬間に生じる周辺情報として、自らの
余韻感とホールエコーの両方をきっちりと聴き手に認識させるという情報量の
大きさに由来するものだと考えられた。

楽音の中心点、楽音の核とも言える音像の中心部においてはハイファイスピーカーと
いう大原則を忠実に守りつつ、発生した楽音が消滅していく過程において、HB-N1は
自身の響板を震わせて広大な音場感を創生する。これが聴き手にとって、どんなに
魅惑的であり、音楽好きの人々の心をとらえる経験のない色彩感をもたらすのです!!

H.A.L.'s One point impression!! - Y'Acoustic System Ta.Qu.To-Zero Vol.1
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1493.html

私は上記でTa.Qu.To-Zeroの特徴を次のように述べていました。

■多くのハイエンドスピーカーの中で極めて低いノイズフロアを有する存在!
 スピーカーにおけるノイズには、スピーカー内部で発生するものと外部で発生する
 二種類があります。(抜粋引用)

Y'Acoustic Systemにおけるアプローチとは真逆と言える、HB-N1が自身のボディーを
使って響きを作っているが、私はこれをノイズとは考えていない。

それは作者である原さんの美意識がもたらした第二の音源と言える美音の創造に
他なりません。それを美しい音として聴き手のすべての人たちが認めてくれない
事には邪道の発想、異端児としての偏見による再生音の改造として思われてしまうでしょう。

しかし、そんな思いはHB-N1を聴いていて微塵も感じられないという事は一体
どういうことなのでしょうか?

前述の色の三原色は「光の三原色」と「色の三原色」があるという話しをしましたが、
HB-N1を、いやKiso Acousticの魅力を説明するためにちょうど良い比喩として
下記のサイトを見つけました。
https://www.nippondenshoku.co.jp/web/japanese/colorstory/05_spectrum.htm

「それぞれの色の数値で表現できる色は、色の三原色が約1億色、光の三原色は
 約1600万色だが表現領域は光の三原色の方が広くあるという。」

という解説がありましたが、私たちがスピーカーという道具によって再現される
音色の数を数値化したら、いったい何万種類と途方もない数値になるでしょうが、
Kiso Acoustic以外のスピーカーが再生できる音色の数があったとしたら、
スピーカーユニットの性能なのかエンクロージャーの構造に由来するのか、
あるいはクロスオーバーネットワークというシグナルパスの情報量に関わるものなのか、
不特定大多数の要素はあったにしても限界があったのだと思います。

ありていに言えば三原色をどのように調合するかで目で見える色が決まる。
スピーカーの三大構成要素をどのように調整するかで聴こえる音色が決まる。

オーディオマニアとしての好奇心から長年研鑽を重ねてきた原さんには、
Kiso Acousticというブランドのスピーカーを研究開発していくうちに、私たち
には見えない色と聴こえない音色を発見し品位を上げていくことで独自の音世界を
創造したということだと私は愚考したのです。

第一楽章のゆったりした夜明けをイメージさせる主題の展開を聴きながら、私は
今までにない感動に思いっきり心をゆだねる心境で聴き惚れていました。

営業中にも関わらずエアコンと換気扇を止めてしまい、室内のノイズフロアー
を出来るだけ確保し、アンプが発する熱が暖房替わりに試聴室の気温をじりじり
と引き上げていくのを覚悟の上で第二楽章を聴き始めたのです。

弦楽五部の壮麗なアルコによる合奏で始まる冒頭から新鮮な感動が湧き起こり、
聴き慣れた旋律に新たな発見が…。

「えっ! おい! こんな音色のボストンシンフオニーは初めてだ! 何でだ! 」

響きを作るスピーカーだと第一楽章を聴きながら考えていた推測は、眼前に展開し
突き付けられた現実の音で原さんの感性を代弁する美音、響きとしていったんは
納得したものの、経験のない新鮮な弦楽器、いやオーケストラ全体の響きのオーラに
こんなにも多彩な音色が含まれていたのかと愕然としてしまったのです。

その実に多数の響きのレイヤーが実はスピーカーのボディーが作り出した虚構なんだ、
と内心では理屈をこねて無共振思想で設計された高価なスピーカーたちの存在感を
何とか弁護し肯定しようとあがき、その価値観を尊重しようとする商売人としての
私の思いが第二楽章を聴き始めた瞬間からあっけなく覆されてしまったのです!!

「だめだ…、抵抗できない、この美しさには…。もういいや!」

この段階で私は原さんに、いや、HB-N1に白旗を上げてギブアップです。

ただ、眼前で展開するオーケストラの美音、それも体験したことのない魅力的な
色彩感の躍動に耳と心をゆだね、演奏にひたりきってしまいました!

第三楽章の冒頭から、やはりピアニッシモを意識した打楽器のゆったりした響きと
低弦楽器による葬送行進曲がHB-N1による広大な音場感のなかで進行していく。

前述のように管楽器の音像が立ち上がり、浮き上がるような余韻感を漂わせながら、
その背後にグランカッサの朗々とした響きがステージ奥から出現する。

それは口径10センチのウーファーとは思えない程の臨場感を保有し、同時に必要
最小限の重量感をきちんと含み、そのサイズ感は私が理想とする音像のあり方で
たるんで膨らむような質感ではない。

コントラバスの低弦にはたっぷりとした量感であるにも関わらず、打楽器の低音は
適度にシェープされて居住まいを正す低域表現に納得の二文字を頭にメモした。

他のHBシリーズよりも約1キロ軽い3.6キロというHB-N1が聴かせる低域は実に爽快な
抜けというか、目をつぶればウーファーサイズを想像することが出来ないレベルで
充実した低域を放ち、そして空間に溶け込ませていく低域の残響が実に素晴らしい!

次第に楽音が減り自然消滅していく終焉部の後、第四楽章の冒頭で爆発するオーケストラを
承知しているがゆえにボリューム調整は慎重になる。

グランカッサとティンパニーがミリセコンドの精密さで同期した打音が弾け、
きらめくトランペットが一陣の風のようにHB-N1の背後から吹き付けてくる。
いいです! 見事です!

他のHBシリーズでは採用しなかったリングラジエーターのトゥイーター、実は
その呼称にはないが、これはソフトドームトゥイーターということです。

HB-1を原型とすると、そのトゥイーターは黒檀で作られたショートホーン構成であり、
トゥイーター正面に対して放射効率を高めていますが、短く浅いながらもホーンです。

その放射パターンに対して、HB-N1ではダイレクトラジエーター方式であり、
高域の指向性はオフアクシスであっても大変広範囲な拡散パターンを持っていると
私は第四楽章でのダイナミックな主題の繰り返しを聴きながら感じ取っていました。

いや、正確には第一楽章からも、その特性は音質に表れていたのですが、前述の
ように音色の素晴らしさに注目し過ぎていたのでしょうか。

改めてトゥイーターの選択と使い方で原さんのセンスを雄大な展開が続く
オーケストラで見せつけられたのです!

前言を繰り返すことでHB-N1の魅力を述べたいところですが、聴けば聴くほど過去に
聴いてきたマーラーとの違いに感動し驚き、第四楽章はなすがままに聴き続けました。

これ程魅惑的なオーケストラ、特に弦楽器の質感であればヴォーカルが悪いはずはない。
定番中の定番である選曲で確認しよう。

大貫妙子ATTRACTION「四季」
https://www.universal-music.co.jp/onuki-taeko/

長文になりつつ、いや、既にそうなってきたことを自覚しつつ、これは一言のみ。

「こんな魅力的な大貫妙子の声は初めて! 」

定番の課題曲をたった一言で終わらせる理由がある。
それは皆様に実物を聴いて頂きたいという事、そこで感じて欲しいからです。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、このKiso Acoustic HB-N1は最初に述べてように錚々たるスピーカーたちと
同居することになりました。

それは私がHB-N1をどのようなユーザーにお薦めしたいのかということを示しています。

このスピーカーはセカンドシステムとしての位置づけではなく、第二のメインスピーカー
として皆様に愛用して頂きたいのです。

皆様がこれまでに手塩にかけて磨き上げてきたシステムがスピーカーを主役として
あるのであれば、そのメインスピーカーのフロントバッフルよりも手前で、かつ
メインスピーカーよりも外側にセットして頂き、スピーカーケーブルもそのまま
差し替えて使って頂きたいものです。

もちろん、長年愛用した相応のサイズであるスピーカーをもっと小型化して、
更に魅力的な音質で音楽を聴き直していきたいという皆様にも打ってつけでしょう。

HB-N1は他のHBシリーズ同様に職人の手による完全なハンドメイドで月産12セット
しか生産できないという。そのうちの三分の一が海外に輸出されていきます。

初回生産から出荷されるのは2019年の1月末あたりを予定しているとのこと。
その最初の生産分で何セット頂けるのか私は原さんに交渉しました。

更に今後の生産でも毎月何セットかを回して欲しいというお願いもしましたが、
確保できたセット数は同業他社の手前もあるので公言は出来ません。

【H.A.L.'s Documentary】「国内初!! Sonusfaber Olympica III導入記!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0654.html

「H.A.L.'s customers comments!!-MORDANT-SHORT Performance6導入!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/832.html

私の体験と推薦を元に以前には上記のような英断を下された事例もありました。
地方の皆様では試聴のためのご来店は中々難しいところがあるのも理解できます。

でも、次世代のスピーカーを私の感動と推薦に期待して聴きに来て頂けるという
事であれば大変に嬉しくありがたいものです。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/appoint.html

■HB-New Nature 1が皆様に提供できる感動に私も大きな期待を寄せているという
 最後の一言で締めくくりさせて頂きます。どうぞ安心してご検討下さい。

HBシリーズ全四機種が試聴できるのは世界中でここだけです!!

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.co.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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