発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18
ダイナ5555
TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
H.A.L.担当 川又利明


2011年7月5日
No.835 「MORDANT-SHORT Performance6 & ESOTERIC I-03 & Black Ravioliの奇跡!!」
 
またまた“奇跡”などと大げさなタイトルを付けてしまいましたが、それには
それなりの訳があります。一言で言うと私のチューニングに反応すること!!
これが実は素晴らしいことなのです。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/828.html
 
そもそも上記にて第一報を配信したのは6月24日のNo.2515でした。それからの
立て続けのインプレッションはご存じの通り。そして、ここで肝心な事は、
最初はDEVIALET D-Premier Dual Mono(税別2台/304万円)を組み合わせて私の
感動をお伝えしていたものでした。
 
しかし、現実的にはアンバランスというご意見もあるでしょうし、私も価格
無視で素晴らしいスピーカーだという事を素晴らしいと述べてきたわけです
から、アンプでも同様に価格にとらわれず素晴らしいものがあるということで
次のステップではESOTERIC I-03を組み合わせしてチューニングしていくとい
うことで取り組んでいるものです。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/833.html
 
初日は頂けない第一印象でしたが、今日で三日目の鳴らし込み、昨日も今日も
色々といじっては試聴するということを続けているものです。
改めて紹介しましょう。↓Performance6のリアビューです。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110702/msr6.06.jpg
 
でも、実は後ろ姿の足元に注目して頂きたいもの!!
最初のセッティングは↓こうでした。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110626/msr6.01.jpg
 
ここで使用しているのは、こだわりのジャンパーケーブルKIMBER KABLE 
バイワイヤリングスピーカー端子用ショートワイヤー KS-9038でした。
税込み定価 1セット 210,000円 →  http://goo.gl/kWIIJ
 
そして、シングルワイヤーの白いスピーカーケーブルとは↓これです。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/788.html
 
Viard audiodesign(Silver HD20)税別定価2.0m \128,000.という価格ですが、
私が認めた音質には自信あり、というスピーカーケーブルです。
 
そして、アンプをESOTERIC I-03に切り替えたのと同時にスピーカーケーブル
と配線方法も変更しています。現在は↓こうなっています。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110702/msr6.05.jpg
 
Wire World  Silver Eclipse バイワイヤー 5.0mSEB6/5.0m税別定価\500,000.
となっていますが、SEB6/2.0mでは税別定価\230,000.というものです。
http://naspecaudio.com/wire-world/speakercable-series6/
 
新しいセッティングで注目して頂きたいのは、付属ジャンパーを一切使わない
ように出来たということです!!銅板のジャンパーは便宜上の付属品であり音質
を考慮すると使用しないことをお勧め致します。
 
ワイヤリングの変更によってオーケストラの質感が更にきめ細かくなりました。
こんなスピーカー側のチューニングと同時進行していたのがアンプ側の隠しネタ
であったインシュレーターです。
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
このインシュレーターは他の製品とは違いバーンインタイムを必要とします。
使用する時間の経過によって、そのコンポーネントの構造と質量に応じて
それ自身が適正に形状変化を行い荷重と振動モードをセルフチューニングして
くれるという前例のないインシュレーターなのです。
 
ですから、24時間後、48時間後、更に時間をかければかけるほど音質が向上
していくという前例のないインシュレーターなのです。しかし、第一印象が
良くなければ我慢して使う気などしませんが、それが最初から素晴らしい!!
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110701/BlackRavioli_rev4.pdf
 
この詳細説明は下記にて。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110701/AndanteLargo0701.pdf
 
現地メーカーサイトは下記にて。
 
http://www.blackravioli.com/index.html
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
今回使用したBlack Ravioliの製品ではBF-2(1個/税別\36,000)が合計8個です。
先ずは、その内4個をESOTERIC I-03に↓このようにセットしました。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110702/br02.jpg
 
拡大するとこんな↓具合にセットしています。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110702/br01.jpg
 
次の4個は信号の最も上流であるCDトランスポートESOTERIC P-01+VUK-P01に
このように↓セットしています。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110702/br03.jpg
 
同様にクローズアップするとこのように↓完全に付属スパイクは浮いていると
いう状態です。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110702/br04.jpg
 
そして、今日はまだ実験していませんが、何とDEVIALET D-Premier Dual Mono
にも↓このようにセットしています!!
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110702/br06.jpg
 
これに使用しているBlack RavioliはBF-1(1個/税別\20,000)が4個、そして
Big Pad(4個1組/税別\64,000)を↓このように中間に挟んでいるところをご覧下さい。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110702/br05.jpg
 
私はD-Premier Dual Monoで相当なパワーで鳴らすので本体温度が50℃以上に
なることがありましたが、これでクーリングも良くなり一石二鳥というもの。
 
でも、こちらのD-Premier Dual Monoでの検証は後日の楽しみということで!!
なぜか? もったいぶるわけではないのですが、Black Ravioliのメーカーサイト
を見ても“the burn in”と声高々に述べており、数週間は続けろ…、という
事らしいのだが、せっかちな私がそんなに待てるわけがない!!
だって、使用直後だって相当良かったのだから…!!あー!!我慢できない!!(笑)
 
昨日はこんな事言ってました私…(^^ゞ
 
「使用直後のストレートな印象は今日は敢えて述べず、バーンインというよりも
 Black Ravioliに与えた荷重とコンポーネント底部の形状に馴染むまで辛抱し、
 然るべき時間をかけてから一気に外してみての変化を皆様にお伝えしたいと
 思います。」
 
昨日から約24時間経過したわけですが、30KgあるESOTERIC I-03に使ったBF-2
を外してみたらこんな風になっていました!!
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110702/br07.jpg
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/110702/br08.jpg
 
ちょっと難しい撮影でしたが、いかがですか? へこんでいるが分かりますか?
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/i03/index.html
実は、このポツンというへこみはI-03の5mm厚のスチール製ベースプレートを
ボトムシャーシに固定しているビスの頭の跡なのです!!
 
ですから、ある意味24時間でもBlack Ravioliの能力は発揮され始めたと考え
ても良いのだと思いました!! すみません、せっかちなもので(^_^;)
 
http://www.blackravioli.com/_images/br-set-up.pdf
 
Black Ravioliのメーカーサイトを見て↑お分かりのように、コンポーネントの
既存のフットには使うなという指示になっています。ESOTERIC開発の皆さん
ごめんなさい!!まあ、大目に見てお許しください。<m(__)m>
 
市販のインシュレーターの材質としては金属、木材、アクリル、合成または
天然皮革、水晶(人工の結晶体)、セラミックなどなど実に色々なものがあります。
 
そして、インシュレーターの機能性を示す効果のあり方は二種類あります。
スパイク構造に代表されるように機械的接点を点支持にすることで共振を防止、
または振動を伝搬する際に振動モードに歪を与えないでメカニカル・グラン
ディングをとるというもの。
 
もう一つは、点支持ではなく面接触させることでコンポーネントそのものの
振動を吸収する考え方で、既存のフットとラックの棚板の間で緩衝材として
機能するものです。
 
この二種類の機能性・効果には各々にメリットとデメリットがありますが、
その各論を私が述べてしまうと両方式の商品に対してイメージダウンになり
ますのでノーコメントとしておきます。もちろん両方の製品には特有の効果が
ありますので商品価値は認めた上での説明ですから、誤解なきようよろしく
お願い致します。
 
理屈はいいから早く使用前・使用後のインプレッションを言え!!
はい、ごもっとも<m(__)m> 
 
せっかちテストではI-03のみにて比較試聴しました。P-01はセットしたままです。
こちらは、もっとバーンインをしてから外してみることにしましょう。
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
http://www.up-front-agency.co.jp/artist/inaba/schedule_Info.php?id=2437
 
短期間ながら実に回数を聴いてしまったこの因幡 晃で「わかって下さい」で
比較することにしました。そのイントロでセンターのLchの中間で掻き鳴らさ
れる楽器Oud → http://goo.gl/n2o4t 日本のウード奏者の第一人者として
常味裕司 → http://goo.gl/zqRuK Oudを演奏しているのはズバリこの人
なのだから驚く。 → http://www.oud.jp/ このOudの質感が最初から違う!!
 
特有の音色をしているOudは弦一本ずつの再現性が素晴らしく録音されている。
その音階が低くなっていくと、どうだ!!Black Ravioliによって音階が下がった
時の弦の質感に重量感というか色が濃くなって土台がしっかりする。
こんなシンプルな弦楽器一本から効果が表れてしまうのだから物凄い!!
 
ヴォーカルが始まったと思ったら、ここでも驚き!! 今までPerformance6の
センターで左右間隔1/3くらいの面積というかサイズで因幡 晃が歌っていた。
それが何と1/4くらいに凝縮したヴォーカルに変化しているではないか!!
 
私が「凝縮」という言葉を使ったのには理由がある。エコー感をそぎ落とし、
響きがなくなってやせ細った音像ということではないのだ。広めの面積に分散
していた因幡 晃の声を両手で砂場の砂をかき集めて砂山を作るように盛り
上げていくように、ヴォーカルのエネルギー感が集約され密度感が高まる。
 
しかも!!これが大切なことなのだが、ヴォーカルが発した余韻感は濾過された
純粋な響きという印象で透き通り、空気に対する残響の透過性が良くなったのか、
因幡 晃の周辺に漂うように希薄な余韻までも聴けるようになってきた!!
これは素晴らしい!!私が求めている空間表現のベクトルにジャストミート!!
 
伴奏のピアノ!!上記を一読するだけで、もう皆さんは推測出来るでしょう!!
弦楽器に起こった一弦ずつの鮮明さと低音階でのエネルギー感が向上する。
そして、ヴォーカルのフォーカスが素晴らしく向上することで、音像の中身が
濃密になり、更に余韻感の滞空時間を驚くほどに延長する。
 
ピアノの音色がきれいになりました。大変よくコロコロとスピーカーの間で
ハンマーが踊ってくれるのですから楽しいじゃありませんか!!いいです!!
 
楽音の音像を観察しやすい選曲の後にはステージでのライブ感を試そう!!
でも、残念ながら、まだこのCDは発売になっていません。ごめんなさい。
 
http://homepage3.nifty.com/enricoonofri/  『愛をこめて』
エンリコ・オノフリ with チパンゴ・コンソート
スペシャル・ゲスト 森 麻季 ライヴ・イン・ジャパン
 
私が昨年大変に注目し感動したEnrico Onofriのライブ盤が出るのです!!
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/757.html
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/759.html
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/760.html
 
マスタリングを終えたばかりというホカホカのサンプルディスクをお借りして
いたのですが、これがまた素晴らしい演奏と録音です!!
 
「MORDANT-SHORT Performance6 & ESOTERIC I-03 & Black Ravioliの奇跡!!」
 
今回はこのようなちょっとオーバーなタイトルになりましたが、この三者が
織りなす弦楽器のライブ感が一曲目から鳥肌ものでした!!
 
普段は一曲目で「ふ〜ん、普通かな〜」などと感じてしまうとトラックをポン
ポンと送ってしまって、聴いたような気になってしまう事もありますが、今日は、
いや、このディスクはそんな不調法な聴き方を許してくれませんでした!!
 
私が集中して真剣な表情で聴き続けていたので、試聴室に入って来られた
フリー客の皆さんはずっと後ろのソファーで見学して頂くことになって
しまった事を本当に申し訳なく思います。
そんな皆さんから決まって聞かれるのがこの一言。
 
「どのスピーカーが鳴っているんですか?」
 
私がお答えするとカタログがはける事はける事(笑)価格を知って、また驚き!!
近くにある数百万円のスピーカーが鳴っていたと勘違いする人ばかり(笑)
でも、この音にチューニングするまで色々やってるということは私だけの秘密
ということで多くは語りませんでした。
 
ハルズサークルの皆様に真っ先にお知らせしたかったものです!!
そして、私が使用前・使用後のテストに使った曲はこれでした。
 
■Track13.-16.
W.A.モーツァルト:セレナーデ第13番ト長調 K.525
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
 
まず、Black Ravioliの効き目がどうこう言う前に演奏と録音が実に素晴らしい。
こんな晴れやかで素直で、紀尾井ホールのスケール感と演奏者との距離感を
実に鮮明に見事に収録しているということ。
 
更に、私が今までに聴いた「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」が全て
厚化粧で、各弦楽器のパートが平面的で一本調子の演奏であったという事が
思い返される名演奏でした。そうですとも、これこそEnrico Onofriその人が
指揮をしていたという妙味なのだと感動されられました!!
 
ソリストのアレッサンドロ・タンピエリ(コンサート・マスター)やアレッサ
ンドロ・パルメリ(バロック・チェロ)は勿論のこと、チパンゴ・コンソート
(古楽オーケストラ/リーダー:杉田せつ子)の皆さんが脈打つように演奏に
抑揚をつけて躍動し、演奏者すべての上半身がEnrico Onofriの片手と目線の
動きに反応して見事に同期し調和して揺れ動きながら演奏しているのが目に
浮かぶようです!!
 
シンプルなスタジオ録音のヴォーカルと伴奏で感じられた変化で、このモーツ
ァルトの名曲が65万円のスピーカーと60万円のアンプで再生すると、どうなる
のかは察しがついたでしょうか?
 
リードするヴァイオリンの質感は見事に化けました!!しっとりとして滑らか!!
チェロとのユニゾンのパートでは定位する位置を見事に分離させながら、異なる
音色がハーモニーのレイヤーとしてステージ上の空間を見事に包み込むのです!!
 
メンバー一人ずつの分離がこれほど良くなるというのはOudやピアノの同傾向
の変化と言ってよいでしょう。そして、チェロとコントラバスの質感がぐっと
濃厚になります。Black Ravioliを使うと五線譜の音符に重りがついたように
ぐっと沈み込む低音階の演奏がライブ感をぐっと高めます。
 
そうです、ホールエコーで本当に美味しいところは低弦が響くところでしょう。
スタジオワークで弦楽器のお化粧はヴァイオリンを中心として響きや残響と
いう音のファンデーションをスピーカーの周辺にパタパタとはたくように化粧
の下地を塗っていくもの。
 
でも、Black Ravioliは低音階の演奏に素肌が透き通るような薄化粧だけで
楽音に艶と滑らかさをもって、演奏者の顔にステージの照明に当たった一瞬の
反射光だけで私を魅了するのだから堪らない!!何を言いたいか? 
 
全く違和感なく音像の質感を整え、空間でのハーモニーの調和を変化として
示すコンポーネントたちが、黒いインシュレーターの効果に見事に反応して
いるということなのです。
 
こんな解放感があり、明るく軽やかであり、演奏に脈動感を与えた指揮者ぶり
を克明に捉えた録音の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は初めてです!!
このディスクは自信を持ってお勧め致します!!
 
そして、これを聴くなら…(^^ゞ
これは言わぬが華というものでしょうか!!
 
Black Ravioliとは心憎いネーミングでした。
二枚の薄い生パスタを小麦粉を水で溶いたもので張り合わせて具をはさむ。
 
今回のレシピではBlack Ravioliに挟んだ物はMORDANT-SHORT Performance6と
ESOTERIC I-03で、かけたソースはEnrico Onofriというところでしょうか?
 
ここでの試食は無料でございます!!
お後が宜しいようで!! <m(__)m>


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

戻る