発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18
ダイナ5555
TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
H.A.L.担当 川又利明


2011年7月1日
No.831 「H.A.L.'s One point impression!!-MORDANT-SHORTの奇跡!! Vol.3」
 
昨夜の深夜に及ぶ試聴は多くの物を私に与えてくれた。最も聴き慣れた曲で
新たな感動が得られるのだから音楽とは素晴らしい!!そして飽きない。
 
目下のところ6月29日にデモ機を返却する予定であり、また私が手塩にかけて
バーンインして鳴らし込んできたPerformance6に次はどんなハードルを課すと
いうのか? それはこのスピーカーの最も弱点とも言える豪快かつ緻密な音像と
情報を含むスタジオ録音のポップス・フュージョン分野でのハイパワードライブ
を試してみなければ、と意地悪な選曲を用意する。
 
私がこれまでにコンポーネントの検証のために使ってきたスピーカーはどれも
相当なクラスであり、アンプやフロントエンドの能力を多項目のパラメータと
して探り出すのに適切な再現性を持つスピーカー達であった。
 
特にスタジオ録音でのドラムやベースなど鮮明なリズム楽器の大きなストロークを、
私の求める音量に対して余裕を持って再生できる器がなければアンプや
プレーヤーの評価基準にはなりえないだろう。
 
しかし、Performance6のたった? 165mmのウーファーが私の厳しいチェック
ポイントをずらりと並べた選曲で、しかも、その曲にふさわしい音量でダイナ
ミックなボリュームで果たしてついてこられるのかどうか?
 
昨夜までに一番の課題としていたオーケストラでのインプレッションをまとめ
ることが出来たので、今日は多少リラックスして演奏を楽しもうと試聴を開始
したのだが、実は後述するPerformance6の秘密?を発見することになった!!
 
■Fourplayの「The Best Of fourplay」(WPCR1214) このディスクを聴いた!!
http://www.fourplayjazz.com/
http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/fourplay/index.html
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/BV/FOURPLAY/index.html
 
このディスクは下記のレポートでも使用したものであり、昨夜のマーラー同様
に長らく私が使ってきたもの。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/822.html
 
1.Max-O-Man 
この曲が始まった時、私は先ずは胸をなでおろしていた。いける!と思ったからだ。
DEVIALET D-Premierのリモコンで徐々にボリュームを上げていく。大丈夫!!
 
Bob Jamesのピアノは華麗に展開し、Lee Ritenourのギターも私は最初から何も
心配していなかった。これまでの試聴でPerformance6の発するミッドハイの
再生音の特徴を裏付ける素晴らしい演奏が進行する。
 
私が気になっていたのはNathan EastのベースとHarvey Masonのドラムにおいて、
私が求める音量に破綻することなくついてこられるかどうか、というポイント
だった。
 
その心配を笑い飛ばすがごとくにPerformance6が叩きだすドラムは見事な音像
を示し、DEVIALET D-Premier Dual Monoの駆動力で舌を巻いたエレキベースの
脈動感がしっかりと感じられる。これはいい!そして、音量を次第に上げていく。
 
 3.Higher Ground
Nathan Eastのチョッパーベースのテンションが見事に音像を縮小し、Harvey 
Masonのスネアのリズムがびしっと決まる。これは気分爽快だ!!
 
Take6のコーラスはオーケストラでの体験からしても安心して楽しめる。
定位感がしっかりしながらハーモニーが見事な響きのレイヤーを構成して
Performance6の周辺に、また後方にと立体的な広がりを見せる様は圧巻!!
 
165mmの二個のウーファーが相当なストロークであるにも関わらず、fourplay
の演奏の土台をしっかりと提示してくれることに私は嬉しくなってしまった。
 
 5.Chant
冒頭のHarvey Masonの強烈なフロアータムの打音。この一打は実を言うと段階的
にボリュームを上げながら五回ほどリピートして聴いてしまった!!
 
スピーカーによっては、それ自身のエンクロージャー内部に残留している低域
と大口径ウーファーの質量によるオーバーシュート、つまり惰性によって信号
が終わった後も多少のスイングを残してしまう現象が迫力を装ってユーザーを
惑わすことがある。
 
私が知りえるところでは数社のメーカーによる38センチ口径のウーファーでは
キャビネット容積を100〜120リットルで設定しているモデルが何機種かある。
 
Performance6のキャビネット容積は調べていないが、私の推測では低域用と
して使用されているキャビティーは恐らく50リットル以下ではないかと思う。
 
38センチ口径のウーファー1基の振動面積から比較すれば16センチウーファー
が二つでも半分以下という比率。しかし、165mm口径のウーファーでは圧倒的に
振動系の質量は小さくなり、自ずと高速反応がメリットとなる。
 
Harvey Masonが叩き出したドラムは四基の16センチウーファーが私が次第に
上げていくボリュームに対して見事に追従してくる。おー!!これはいい!!
 
高速反応のウーファー録音の特徴も良く引き出す。私は他のディスクでも
スタジオ録音の鮮明な低域を聴いてみたが、ここでも新発見があった。
 
ドラムの録音ではボリュームアップに従って音像のサイズが変化する傾向が
ディスクによって違うのだ!!
 
極めて低い周波数まで含むドラムだと音量を上げるにつれて音像は少しずつ
大きくなっていくが、80Hz以下の低域があまり含まれていない録音だと他の
スピーカーよりも音像は引き締まりタイトな打音としてセンターに定位する。
 
その意味ではPerformance6が聴かせる打楽器の低音は、ウーファーの振動系が
高速反応するという特徴を音像の変化として聴かせるという他にはない魅力を
低域の解像度の素晴らしさとして評価しても良い!!
 
■Michael Buble Crazy Love(Hollywood Edition) 1.Cry Me A River
http://wmg.jp/artist/michaelbuble/WPCR000013987.html
 
この曲も先日のテストで使い最近はお気に入りの一枚。先ずイントロから物凄い。
 
バリトンサックスとバストロンボーンが見事にシンクロして低い音階の短音を
リズム楽器のように繰り返し、そこにトランペットが加わり更に高い音階で
トランペットが重なり、ホーンセクションが実に切れのいいタンギングで一音
ずつ発する余韻感がPerformance6の後方へと広がっていく。
 
そして3フレーズ目にセンターの左寄りの奥からVinnie Colaiutaの目の覚める
ような強烈なドラムが打ち鳴らされる。「パァーン!!」と弾けるような打音が
実に爽快に広がっていくのが見事だ。
 
さて、スタジオ録音にしては雄大な広がりを見せる課題曲なのだが、私は
Performance6の音場感たっぷりという個性にトゥイーター後方の突起物が
どのような働きをしているかが気になっていた。
 
昨夜のオーケストラでも、その可能性を意識しながらホールエコーという旨味
成分を掘り下げる事もなかろうと思っていたのだが、このMichael Bubleでは
ちょっといたずらをして見たくなった。
 
Performance6の後頭部に突き出る角を厚手のフエルトですっぽと覆って
しまったのである。この角に多数空けられた通気孔はトゥイーターの背圧を
抜くためのものなので、ガムテープで包み込んで密封してしまっては設計者の
意図に反することになる。
 
フエルトで包む事でトゥイーターの背圧を吸い取るだけにして、同じ音量で
聴き直した。すると…。
 
「おー!! そういうことか!! こりゃ〜背圧処理だけじゃないぞ!!」
 
後頭部の角は正面からは見えず放射されるトゥイーターの裏側の音波も正面に
回り込んで来るほど周波数は低くないのだから、トゥイーターの背圧処理だけ
というメーカーの言葉をそのまま信じていたが実態は違う!!
 
この角から放射される高域成分はPerformance6の魅力となっている音場感の
生成に一役買っているのだ!!
 
フエルトで包み込んでしまうと高域の楽音だけでなく、ドラムの打音の広がり方
にも変化が見られ、当然ヴォーカルの響きにも変化が起こる。これか!!
 
この試聴室ではPerformance6の後方には約4メートルくらいの空間があり、
壁面とはけっこうな距離があるにも関わらず後頭部の角から放射された音波が
楽音のリヴァーヴの絶対量に関わっている。
 
もしも、一般的な部屋はでPerformance6の後方に壁があるわけだから、この
角から放射されている高域成分は空間表現の隠し味として機能するだろう。
そして、私のように角を吸音材で包んでしまうと響きのコントロールも出来る。
 
スタジオ録音の鮮明でダイナミックな低域をものの見事に再現するPerformance6
の魅力を再確認するとともに、設計意図と違った効果をもたらしている角の
存在感を発見することが出来た。これは使える!!


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.co.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

戻る