2021年4月28日 No.0728
 新着投稿⇒H.A.L.'s Owner's impression!! - H.A.L.'s E.S.M Insulator
 Vol.2「広がった空間を埋める個々の音の躍動が堪りません!」

新着投稿⇒H.A.L.'s Owner's impression!! - H.A.L.'s E.S.M Insulator

東京都大田区 K.T 様より

Vol.2「広がった空間を埋める個々の音の躍動が堪りません!」

最新の投稿をご紹介致します。

新着投稿⇒H.A.L.'s Monitor Report-CHORD Power ARAY
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/fan/hf_moni0635.html

新着投稿⇒H.A.L.'s Hearing Report-Y'Acoustic System Ta.Qu.To-SPL & XLR & BNC
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/fan/hf_hear0724.html

新着投稿⇒H.A.L.'s Hearing Report-ESOTERIC Grandioso C1X
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/fan/hf_hear0722.html

新着投稿⇒H.A.L.'s Hearing Report-Hybrid-ANKH
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/fan/hf_hear0719.html

足し算の原理を考えると効果過剰となってしまわないのか?
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/fan/hf_moni0630.html

以前の投稿をご紹介致します。
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/fan/hf_moni0628.html
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/fan/hf_moni0624.html
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/fan/hf_hear0713.html

これまでの投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0612.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0674.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0609.html

下記のページでも紹介させて頂きました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0665.html

■K.T 様の代表的な使用コンポーネント

DEVIALET Expert 1000 Pro (¥4,300,000.)
https://www.devialet.com/ja-jp/expert-pro-audio-system/

MAGICO S7 (M-CAST 1Pair¥9,500,000.)
http://www.electori.co.jp/magico.html

ESOTERIC Grandioso D1X(¥3,500,000.)
https://www.esoteric.jp/jp/category/grandioso

ESOTERIC Grandioso C1X(¥3,500,000.)
https://www.esoteric.jp/jp/category/grandioso

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

H.A.L.'s Electromagnetic Wave & Static Electricity & Mechanical Vibration Insulator
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/ESI/opt.html

さて、くだんのインシュレーターですが、C1Xの増幅部に装着してみました。
(もはや装着ですよね、これ)また凄いものを見つけてきましたね!

今回は途中で例のアレも追加になったりと、長めの報告になりますが、オーディオの
ソムリエには自分の嗜好を把握しておいて頂くのが我々にとって何よりの財産になり
ますので貴重なお時間を割かせて申し訳ありませんが、お付き合い下さい。

先日のハルズサークル配信で川又さんがP1X、C1Xに装着した部位の画像を拝見しましたが、
我が家にはP1Xは(まだ)ないため、今回はC1Xの本体の筐体に独自の解釈に基づき使用してみました。

そもそも、E.S Insulatorは販売開始当初にDevialetで試聴してから購入し、
合計4セット使用しています。

効果については折り紙つきですが、使用感については自分の環境特有かもしれませんが、
一点悩ましいこともありました。

それは、E.S Insulatorが比較的背が高くコンパクトで軽いため、機器によっては
ズレたり、最悪の場合地震の際に滑り落ちたりしないかと一抹の不安がよぎる機器の
組み合わせがあること。

Devialetもそうですが、実際数か月の間に少しズレて(4点支持なので、一つ浮いた状態)
いることがあります。

またE.S Insulatorはズボラに設置すると若干渇いた音の印象になることがあるため、
定めた位置に固定しておきたいのです。

Devialetでは、滑り止めのリングが付いた脚部よりその外側の四隅を利用したときの
効果が気に入ってます。

なんとかならないかなぁと思っていたところ、E.S.M Ring Kitの発表、
P1Xでの試聴記事を拝見し、コレだと思い飛びつきました。

かなり待つのかなと思っておっとり刀でお願いし、その間にリングを底板のどこに
装着すべきかゆっくり考えようと思っておりましたが、思ったよりずっと早く納品
して頂いたこともあり、結局届くまで何も具体化せず現物を前に。

さてどうするかと考え込むこと30分。。。

というのも、最近のEsotericの筐体設計は、あえて天板を構造体として使用しないとか、
底板にスリットを入れるわ、脚も、取れないけれどグニャグニャ動くように取り付けら
れているなど振動の抑制と逃がし方にかなり工夫を凝らすようになっています。

その一環でしょうが、今世代のGrandiosoは脚の位置も先代と大きく違っているようで、
C1Xの後脚はかなり前方に移動しています。

これを踏まえると、明かに吟味されている底板と脚の位置関係に対して無頓着に
インシュレーターを接地してしまうと、せっかく整えた振動の経路を台無しにする
であろうことが頭をよぎります。

また、後脚の位置をあえて前寄りにすれば、当然後ろに尻餅をつくリスクがあるので、
(C1Xの電源を3系統にしようとして止められたらしい)”あの”加藤さんが脚を前に
つけるんだよ!と提案したとしても、営業やサポートの方々は相当慎重に検討した
のではないかと思うのです。

開発としては後脚の位置は(あれでも)安全性のためにギリギリまで後ろに下げた
のかもしれません。

とすると、これより後ろにインシュレーターを接地するのは、わざわざ前に出そう
とした開発の見識を踏みにじることになりはしないか…

かといって後脚より前にE.S Insulatorを設置すると、かなりの確率で転覆(もはや
船扱い)するのだろうなと…

等々、何も決まらぬまま(硬すぎて指の皮が剥けそうになりながら)底板をコツコツ
叩いてみたり、リングなしでずらしながら(これもこの重さになると結構大変でしたが)
バランスを探ってみたり…

他にも公開されている内部の配置図とかを見て理想的な位置を考察したりもしたんですが、
全然全くひらめきませんで。。。

結局なんとかの考え休むに似たりと観念し、下記の写真の位置にえいやっとリングを装着しました。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20210425151220.jpg

後ろ側のリングは、後脚の後端のラインより後ろ側に出すぎないように特に悩みました。
とはいえ、実際に装着した川又さんは写真をご覧になってムムッと思われたかもしれません。

製造元のwebサイトや川又さんが紹介しているシンプルな装着方法では、この位置に
固定する事はできません。

脚に近すぎてリングガイドをインシュレーター本体に装着する際に干渉してしまいますし、
後ろ側はリングガイドでも届かない位置だからです。

どうやったのかは、今度伺った際にでも苦労話を聞いてやってください(笑)

前置きから長い。。。
(単に一応考えては見たことと、努力はしたってコトを伝えたかっただけだが、
 でも実際にここまで実際に2時間以上かかている)

そんなこんなでようやく設置が完了したところで、(安定感は期待通りなので、
いい結果だったらアレにもコレにも全部装着してやろうなどと思いながら)
先にPlaylistの再生を開始しつつ、床に散らばったテープのシートや包装などを
拾い集めて茶を淹れようかと立ち上がり、キッチンに向かうために左スピーカーの
前を通り過ぎた瞬間でした!

かかった曲のフルートのパートが始まったところで、
思わず「勝ったな」と呟いてしまいました。

この時C1Xのvolumeは、(事故防止の開始設定としている)-40dBのささやくような
音量なのにです。

しかも、設置のためにC1Xは電源ユニットも含めて数時間電源offにしており、
全く暖機されていない状態でした。キンキンに冷えたC1Xでこの変化!

今回は利便性優先でテストなしで購入したため、(いつもたっぷり試させて頂いて
からの思い切りのわるい購入ですみません)多少効果ありくらいならまだしも、
C1Xの魅力をスポイルする方向に振れてしまっては…と一抹の不安もあった中での
成功を実感したことから口をついた呟きです。

杞憂は一瞬にして吹っ飛んでいきました。

ちなみに試聴機器はいつものPCからUSBで入力したGrandioso D1X-C1X-Devialet1000pro Dual
パススルーモード-Magico S7です。

その時たまたまプレイリストに入っていて再生した曲はこれでした。

・音の旅 〜夜明けのセレナーデ〜 工藤重典, 福田進一flac 384kHz/24bit
1.ヴィラ=ロボス・エイトル 花の分類 

スピーカーの前を横切ったのは、開始30秒過ぎのフルートの入りの瞬間だったのですが、
フルート特有の空間にふわっと漂う響きはそのままながら、俗にいう音の通りについて、
音が出てくる勢いから空間を伝わっていくエネルギーが高まったことがVolumeを下げた
状態ですらわかりました。

発音源から起こって、力感のみなぎる何かが、こちらに向かってまっすぐに伸びて
くるような感覚、瞬間的に頭に浮かんだイメージは、レーザーと称されたあの
イチローのバックホームです。

プロと素人の演奏のテクニックの違いといえば、もちろんありとあらゆるところが
違うのですが、最初に音を出す段階で最もかなわないと感じるのが音の”つよさ“です。

それもただ音が大きい小さいというのとは違って、遠くまで届く能力の違いなのです。

楽器を取り換えて弾いても、うまい人が弾くと音がピーンと伸びていって届くように聴こえるのです。
(直後に同じ楽器で同じ曲を自分で1フレーズ弾くとがっかりします…かなりへこみます。
 単に強くたたいても同じようになりません)

音速が違うはずはないのですが、放物線を描いてバウンドしてようやく届く自分の
返球とイチローのそれの違いが一目でわかるように、うまい人とそうでない人では
勢いだけでなく、楽器から出てくる音の速まで違うように感じるのです。

当然どちらの返球が美しく感じるかも、一目で見分けが…

それを彷彿とさせる変化が、この軽いインシュレーター(と両面テープで留めた
薄い2枚のリング)一式だけで起こったので、これは!と思わず勝利を確信しました(笑)

さて、いい具合にお茶も入ったので試聴を続けます。

お茶をすすって冷静になってみれば、フルート1フレーズでさえこれだけ激変するとなると、
やはり劇薬の疑いもありやと抱かずにはいられません。
(仕事がら、その判断本当にそれでいいのか?という性分でして)

細かい部分は置いておいて、全体的なバランスに対してどういう効果があるのか、
試聴用のプレイリストを聴いてみました。

どの曲を聴いても普遍的に感じるポイントとして、

1)定位感、空間情報の把握が非常にしやすい。

音の勢いの良さから来るのか、音源の定位感、距離感が非常にはっきりしてきます。

TransparentのOPUSやChordのArrayシリーズで感じた定位情報の改善とは、特にOPUSなどで、
音それ自体が(点や面ではなく楽器の形を感じられるという意味で)まるで立体的な空間情報をもち、
音場内に固定されたかのように微動だにしない不思議な安定感で上下左右、前後に配置されるようでした。

それに対して、H.A.L.'s E.S.M Insulatorの効果はそれぞれの位置から立ちあがる
音の力感が明瞭なので、起点から音がこちらに向かってるエネルギーのようなものを
感じることで、音の出てくる位置が正確にわかる感じです。

あえて違いをクローズアップすると、鳴っている位置がわかるOPCに対して、
音が伝わってくる軌跡がわかるE.S.M Insulatorです。
(もちろん実際にはどちらにもどちらの要素もあります)

また強弱の情報がより明確になるため、遠近感もはっきり感じられるようになりました。

多方面から空間情報の把握に必要な情報の再現性が向上した結果か、今や部屋の中を
移動して試聴位置を多少変えても、全体的なステレオイメージはほとんどくずれません。

2) 強いとはいっても、硬いわけではない。

今だから言います(言えますが)、数年前に川又さんのところに半年ほど入り浸って、
色々なアンプやプレイヤーを同じスピーカーで集中的に試聴させて頂いた頃、
まだハイエンドの機器のハイエンドたる魅力について味わい方を知らなかった頃、
直線的で正直キツいと感じて苦手に感じた製品がありました。
巷で非常に評価の高いブランドです。

お蔭様で、今ではその得難い魅力もよくわかるようになりましたが、今でも
どちらかというと直截的すぎる製品には尻込みするところは変わっていません。

ですので、ESMで音の出方は大きく改善できたとしても、きつい音がノッてしまったり、
質感が固くなったり逆にデッドになりすぎていてはNoGoです。

これには、失敗談がありまして、以前D1XのES-Link端子に某社の金属製HDMI端子保護
キャップを購入し試してみたのですが、これが何を聴いてもびっくりするぐらい
キンキンと小うるさい音がのって、1時間と聴けずにお蔵入りにしたことがありました。

(P1X用と別にもう一系統あるのだから)当然やがて来たるべきGrandioso N1(かな?)まで
空きっぱなしなのが気になっているのですが、今はむき出しにしたままです。トホホです。

さて、またまた前置きが長くなりましたが、その点についてもまた杞憂でした。
Vo.は通りはよくなっても刺さるようなことはなく、繊細さ軟らかさ、ふくよかさや
艶っぽさなどニュアンスの違いが素晴らしく明瞭に出てくる様に唸ります。

EsotericがGrandioso Xシリーズに共通して追求している抜けの良さはスポイルされていません。

・Wallflower[Deluxe Edition] Diana Krall  flac 48kHz/24bit
4.Alone Again (Naturally)

余談ですが、この曲は子供の頃に聴いて以来なぜかとても好きで、歌詞の意味が
分かるようになってエッと思った後も嫌いにはなれないのですが、E.S.M Insulator
装着後に聴いていたら、ダイアナクラールが飛び降りるくだりを歌うところまで
来たところで学生用のリスニング教材かと思うほど英語の歌詞が聞き取りやすく
なっていることに気がつきました。

イントネーションが明瞭になるからなのか、他の英詞の曲や、民放のアナウンサーの
滑舌まで良くなって聴こえます。ちなみにこのカバーでは、相棒のMichael Bubleが
いい味を出しています。

とにかく細かいニュアンスがよく出て、声帯をわずかに絞ったりしている様子など
がつぶさにわかって、正に自分がマイクの位置で聴いているようにも感じます。
(気配が近すぎて、すこし後ろに下がりそうになることも)

3)帯域バランスにいびつな癖はない(が…思わぬ展開に)

2)とも重複しますが、極端にハイ上がりに振れたり、低域が強調されるような
いびつな変化は感じませんでした。

全体のプロポーションは保存され、E.S.Insulatorがうまく設置できていない時に感じる、
やせて渇いた感じも無いようです。

ただ、ここで困ったことが起こりまして…

両端の端の端まで細かいところがよく聴こえてくるので、曖昧にしてごまかしていた
ある点を暴露されてしまいました。

実は、使い始めて5か月間C1Xはいまだ付属の電源ケーブルのままだったのです!

というのも、PCM系の音源については、D1Xのアップサンプリングフィルターで
わりとシャキッとした音にもできるので、C1Xはすっぴんのままにしておいて、
M1Xの持ち味を把握してから電源ケーブルを選べばいいよなとサボっていたのです。

これが、E.S.M Insulator装着後は、すっぴんケーブルだと両端の端の端までは
色味が出せないことが明らかになってしまいました。

画像でいう明部(明るさだけになってしまう)と暗部(黒さだけになってしまう)の色抜け状態です。
平均輝度は見やすいけど、ダイナミックレンジは実際の1/100のSDR画質です。超ナローレンジです。

更に悪いことに、なんとD1Xのアップサンプリングフィルターも音源によっては
向き不向きがあることが白日の下に。

振り返ればさすが川又さん、ハルズサークル配信の中でE.S.M Insulatorは手を
尽くしていない機材だとナンタラカンタラと注意書きをされていた記憶か。。。

チグハグでどうしようもないので、何かマシなものはないかと周囲を見渡し、
ちょうど床に2本転がっていたOPUS Power Cordとかいうのを装着してみたところ
一気に色彩感が改善。

もちろん帯域の両端にも色がのり、まるで枯れて干からびた枝の先に芽が吹いて
花が咲き始めたというか、洗濯してぺちゃんこのへにゃへにゃになっていた手袋に
指を差し込んでいって、先の先まで身が詰まっていくような様子で目の前がパッと
明るくなるようでした。

ああこのリング価格は手ごろだから、春のこころはのどけからましと
かるーい気持ちでお願いしたのに、予想だにしなかったものまで欲しくなる羽目に。
E.S.M Insulatorはトロイの木馬系アクセサリーと分類しておこう。。。

また、機器の寝起きのダメさと、暖機の進んだ状態の落差が更に目立つように。。。
これについては、先日伺った川又式暖機運転法と必要時間の目安に従って乗り切っています。

際限がなくなるので、ここからは書き足りないことをまとめてしましますが、
音場は奥行感がものすごく拡張されて聴こえます。

このところ川又さんのところに伺うたびにGrandioso P1X,D1Xへのモデルチェンジ、
壁面の改装と音場の前端から後端までの距離感はどんどん広がって感じられるように
なっていて、いいなぁと思って聴いていましたが、E.S.M InsulatorをC1Xに使用した
だけで、うちでもびっくりするぐらい前後に広がります。(特に後端の拡張)
オーケストラなど、広がった空間を埋める個々の音の躍動が堪りません。

ここ数年の各メーカーのスーパーハイエンド機器ってこの奥行きの深さと音の強さが
凄いと感じるものが多いですが、今や格を表す必須のフィーチャーでしょうか。

ベースのピッチやタッチのニュアンスが非常に明瞭になります。
量感が増したり、これ見よがしにドスンバタンと派手にならないことがまたいい。

スピーカーはMagicoの端くれなので、低域の解像度はもともと悪くなく、茫洋と
していたところはもともとそういう録音だと解釈していたのですが、確かに
そういう録音ではあるものの、室内灯で出来る輪郭が不鮮明な影と、太陽光で
黒くはっきりした影の違いのように、ここまで明瞭になるかといった感じです。

バスレフなんかだとどうなるのでしょう。
1〜5kHzが肝のエレキベースフェチの方などには特にこのインシュレーターが向いていそうですね。

・Absinthe  Dominic Miller  flac88.2kHz/24bit/ MQA 88.2kHz/24bit 1. Absinthe

最初に音の強さに対する衝撃を強調してしまいましたが、繊細さの表現力の向上の一例として、
ヴァイオリン、キーボード、エレキベースなど楽器ごとの音の始まり方、広がり方の違いも
体感できるレベルで明瞭になり非常に楽しいものです。

この曲のように冒頭から各楽器が順番に音を奏で始める楽曲だと、その差異が余計に引き立ち、
鳥肌が立つようです。

鏡面のように静止した水面にabsintheのしずくを一滴そっと落としたように入ってくる
Manu Katcheもいいし、Santiago Ariasのバンドネオンがふっと飛び出してきて、
そのまま空間に拡散している様が、また沁みるんですよねぇ。

・Kaleidoscope Khatia Buniatishvili 192kHz/24bit
15 Pictures at an Exhibition: IX. La Cabane sur des pattes de poule (Baba-Yaga)

ピアノを聴けば、音を聴いているだけでアーティストの肩から先、手までの動きが
浮かんでくるようです。またこの録音はピアノの筐体の奥行きの立体感が凄い!

手前で短い弦がなっている向こう側に、長弦が奥少し右寄りから炸裂するのが
手前の音を透かして見ているような気になります。

Grandiosoって使い方でまだこんなに良くなるのか。

もうパワーアンプはDevialetのままでいいじゃん!と思わなくもありませんが、
M1X聴いたらすぐ気が変わるんだろうな…

リングは5個ありますが、手持ちのE.S Insulator自体の数が足りないので、
併せて試聴することは出来ていませんが個別に使った場合はD1Xにも、なんと
送り出しのPCとその外部電源でも同じ方向の変化があります。

その方式から、滑りやすい機器にも安定して使えるので、ちょっと不安定だけど…
といった心のつかえがなくなり使いやすくなりました。

最近インシュレーターの世界にも木材や金属、水晶などの単一の素材の物性や
形体による効果をうたったものから、一歩進んで複数の素材を組み合わせたものが
多くなってきているようです。
(いつかは欲しいMagicoのM-PODは少なくてもアルミ、銅、高分子?の複合構造です)

Grandiosoにも立派な脚がついていますが、アルミの筐体に対しやはり金属製の
スパイクとプレートになっています。

さすがにプラスチック製の脚をつけるわけにはいかないでしょうし、ゴムまで
行くと経年劣化が問題になるでしょうから、物性の選択肢は意外と狭いのかもしれません。

脚から天板まで金属の筐体に対して、H.A.L.'s E.S.M Insulatorは固定せず且つ
安定する点に加え、金属とは物性の異なる支持構造として機能してくれるがいい
のかもしれません。

また、Grandiosoはどれも筐体自体が重く、とことん軽い(振動しやすい)素材を
挟んで起きた変化をみると、重さ(硬さ)自体が音質の足を引っ張る要素になって
いる面(音が飛び出せない)もやはりあるのかなとも感じました。

スピーカーユニットの素材の二律背反と似た仕組みなのかもしれません。

Esotericの(なんでもお願いを聞いてくれそうな)加藤さんには、是非、次期
Grandiosoにどんなラックにおいても音の変わらない脚を作ってくれることを
お願いしつつ、当座はH.A.L.'s E.S.M Insulatorを活用することに致します。

今回もおいしいアイテムを紹介して頂きありがとうございました。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

K.T 様 ありがとうございました。お礼を申し上げるのはこちらの方でございます。
さて、私は近年に紹介した多数のアクセサリー製品に関して次のように述べる事が
多くなっていました。

「しかしながら、このH.A.L.'s E.S.M Insulatorを推薦したい対象ユーザーは
 ある意味で熟成したシステムをお使いの方々になるであろうと私は考えています。

 その熟成とはどういう意味か?

 先ず、使用されているコンポーネントがひとしおのグレードであり、それらに対して
 一定の満足感を持たれている皆様という意味です。つまり、使用システムの何かを
 アップグレードしたいという気持ちを持たれていない皆様ということになります。

 もっと簡単に言えば、現状システムおいて何らかの疑問や不満を持たれていた場合に、
 それを解決するための対処療法としては推薦しないという考え方であるとご理解下さい。」

K.T 様の長いオーディオ歴においてアクティブスピーカーによるシステムの合理化と
簡略化において最先端デジタル技術の魅力を享受するという時代から、それに飽き
足らないご自身の感性に目覚めて来られたというストーリーがあったと思います。

その意味においては今後のアップグレードに夢を託し目標設定をしているという事を
私は大変に嬉しくありがたく思っているものです。

今回のご感想を拝見しても、今よりも更に明日を…、という意欲が感じられるものであり、
それは一種の現状否定から湧き起った心境の変化であろうと思うのです。

そして、ご自身の現状システムと当フロアーで試聴して頂いた経験則が新たな意欲を
もたらしてきたものと考えています。そうです!

H.A.L.での試聴体験によって皆様に新たな可能性と道標を発見して頂ける事、それこそが
Hi-End Audio Laboratoryの存在価値なのだな〜とありがたく実感させて頂きました!

この私にして…、まだまだここの音を磨いて行かなくてはと教えて頂いたものと
感謝しております。そして、H.A.L.の音をより多くの皆様に体験して頂きたいのです。

K.T 様 本当にありがとうございました。次は何にしましょうか〜(笑)

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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