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2007年8月7日
No.521 「あなたの音のbefore-afterとは!?“B-board”の驚くべきパフォーマンス!!」
「My sound before-after-“B-board”の物凄さ!!」

数日前に入荷していたものの多忙を極め中々手を付けられなかった“B-board”。
やっと昨日梱包を解かせたのだが、試聴しているゆとりはなく今日こそは…!!
ということでセッティングを行なった。その辺の経緯は天野のブログで述べている
ものでした。

http://dyna5555.cocolog-nifty.com/5555blog/7f_1/

この“B-board”はそもそも下記のような要求に応じて商品化したもの。

 480×680×35(42s)   税込み販売価格\128,000.
(B&W N800 Sig800 800d など上記サイズにて使用可能なスピーカー用として開発)
詳細はこちら↓
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/B-bord.html

“MG-Block”のエピソードでも述べているが、不思議なものでスピーカーの重量と
して何十キロと聞いても、あるいは実際に扱ってみても40Kg程度は大したことはな
いというのが私の経験。

何を隠そうMOSQUITO NEOの70Kg程度はスピーカーとしてはミドル級程度でヘビー級
という程のものではない。
しかし、いったん床にべたっと置いた“B-board”を持ち上げようとした時に、
何と持ち上がらない、いや指が入らないので床から引き剥がすことが出来ない!!
これには参った^_^;

この仕事は重量物を扱うし私も若くないので、ウエイトリフティングをやっていた
という新人の天野は私にとって力強いアシスタント。(^^ゞその天野が唸る!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0363.html
これを実感として思うと↑この福井県のS様の奮闘には本当に頭が下がります。
42KgのB-Boardに128KgのSignature800を一人でセッティングしたというのですから
私から見れば人間業ではありません。

その他にも…

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0350.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0198.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0297.html
宮崎県延岡市のT H 様↑にも既に“B-board”は納品済み。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0220.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0229.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0267.html
そして、今月末には上記のように↑一昨年よりエフコンに熱心に参加して頂き、
これらの経験からMOSQUITO NEOとGOLDMUND MIMESIS24ME+TELOS 600のシステムに
決定した東京都世田谷区 S I 様の新居がいよいよ完成ということで、妥協なき
セッティングで納品して欲しいということで早速“B-board”もご注文頂きました。
その選択は正に大正解という事実が判明したのです。

私が“B-board”が来たら真っ先に試したかったスピーカーがMOSQUITO NEO。
セットアップするとこのように。

http://www.dynamicaudio.jp/file/070804/B-board02.jpg

あれ? 何で裏面を使っているのかって!? はい、ここの床は一般家庭と逆なんです。

http://www.dynamicaudio.jp/file/070804/B-board01.jpg

厚みは35mmという“B-board”はご覧のようにタバコの箱よりも分厚い。
そして真紅のフェルトが大変きれいですが、ゴムシートの上に毛足のあるタイル
カーペットの上にフェルト面を乗せるとがっちり噛み合ってしまい殆んど滑らない。

これではポジションの微調整が出来ないので、磨き上げられたMMW素材の黒い面を
下にすると何とか滑らせる事が出来るので重宝するからです。

そして、いつ何時ハルズモニターによって送り出さなければという可能性を含み
黒い上面には今の段階では傷を付けたくないし、見た目もきれいですから(^^ゞ

ただし、一般的なフローリングの床では当然フェルト面を下にして使用して頂く
ことで滑りやすくセッティングもし易いというレポートがあった通りです。

さあ、このようにNEOの二個のステンレスボールとNEO TAILのスパイクがきっちり
と“B-board”にセットされた!!


             ◆ “B-board”inspection system Vol.1 ◆

………………………………………………………………………………
ESOTERIC G-0Rb(税別\1,350,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0rb/
     and
ESOTERIC PS-1500+7N-PC9100(税別\950,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync用)(税別\240,000.)→ESOTERIC D-01×2
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC P-01 (税別\2,200,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
     and
ESOTERIC PS-1500+7N-PC9100×1(税別\950,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/powercable/9100mexc.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m×2 Dual AES/EBU(税別\560,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC D-01(税別\2,200,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
     and
ESOTERIC PS-1500+7N-PC9100×2(税別\1,300,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/powercable/9100mexc.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m×2(税別\560,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
HALCRO dm8(税別\2,200,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm8_dm10.html
     and
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6100 MEXCEL RCA 7.0m
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
HALCRO HALCRO dm88 ×2 (税別\7,600,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm88.html
http://www.halcro.com/productsDM88.asp
          and
TRANSPARENT PIMM+PLMM(税別\606,000.)×2set
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

■TRANSPARENT  Reference MM  Speaker Cable 2.4m (税別\2,600,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#REFERENCE

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
MOSQUITO NEO(税別\4,800,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.html
………………………………………………………………………………


最初に選曲したのはこれ、マーラー交響曲第一番「巨人」小澤征爾/ボストン交響
楽団の定番から第二楽章をかけた。とにかく、この曲でバランスがまずい、質感が
思わしくないと思われたものは他の曲を聴いても感動することはないという第一の
ハードルとしてオーケストラから聴き始めた。すると…

「えー!! NEOってこんな音してたっけ!? HALCROってこんなにタイトだっけ!?
  待ってよ、ESOTERICってこんなにも情報量があったの!? 」

と、あまりの違いに茫然自失、いや思わず内心ではニンマリという実感!!

単に低域の量感と重量感が増したというような量的な変化のはるか先を行っている
新しいNEOシステムが誕生したのです!!

第二楽章の弦楽器群の重奏で始まる冒頭から今までのNEOシステムとは違うという
実感が聴き進むほどに感じられる。高硬度のMMWマテリアルで超ヘビーなB-board
を使ったら弦楽器の質感も硬化するのでは…、温度感も下がってひんやりクールで
シャープ一辺倒の弦楽器に変質してしまうのでは…、などという事前の想像は見事
に裏切られました。そうですよね〜、クラシックをこよなく愛する福井県のS様が
あれほどに認めてくださったのですから、そんな野暮な音になるはずがないです!!

ボストンシンフォニーの弦楽器群は逆に熱気を帯びた質感に変貌し、不思議なこと
に更に弦楽器各々の分離感が飛躍的に向上するので今までにないレベルでほぐれて
くれるのです!!

特にコントラバスの音像がくっきりとすることで、低音階のホールエコーが鮮明に
なり、これは楽音の輪郭表現が鮮明になり一種の固体感をもってステージでの定位
置を聴き手にしっかり見せ付けることで他の弦楽器との空間的な差別化を実現した
ということだと思います。

ヴァイオリンも当然楽音の核というか中心部分の色彩感が濃厚になり、そこから
立ち上る余韻感というグラデーションのレイヤーが倍増し、自身が発したエコー感
と自分のポジションを見事にセパレーションさせるのですから驚きです!!

オーケストラにおいて多数の楽音が固体としての分離を実現し、その固体各々の
質感がきっちりと感じ取れることによって、管楽器と打楽器を含むすべての楽音に
遠近法が成立し、ステージの奥行き感をイメージさせ、各パートの楽器が放った
音がホールの壁面と天井を迂回してくる時間差を私の耳に以前になかった情報と
してインプットしてくれるのです!! こんな音は初めてと言っていいでしょう!!

オーケストラ全体に濃厚さを増しながら解像度を高め、不思議なことに弦楽器は
柔軟性を加味された質感に豹変するという事実が私を呆然とさせました。
予想とは全く逆のベクトルへと“B-board”による進化が確認されたのです!!

そして、セミヨン・ビシュコフ指揮/パリ管弦楽団 ビゼー「アルルの女」「カル
メン」の両組曲から1.前奏曲8.ファランドール10.アラゴネーズ15.ハバネラ
更に、指揮: ワレリー・ゲルギエフ/チャイコフスキー《くるみ割り人形》全曲
サンクトペテルブルク・キーロフ管弦楽団、合唱団

私の定番とも言える通常のCDで次々にオーケストラものを聴き続け、すべてに同じ
変化を確認することが出来た。
本当にNEOで聴くオーケストラのベストがこれだろう!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/517.html

私がここで↑述べているすべてを軽〜く凌駕していることが直ちに実感された!!

たった一本のスピーカーケーブルがここまで劇的な変化をもたらすのか、と発言し
た私の舌の根が乾かないうちに今度はたった一枚のボードがこれほど大きな革新を
システム全体にもたらすのか、と言わざるを得ない状況になってきました。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

次はヴォーカルだ。MICHAEL BUBLE「Fever」
http://wmg.jp/artist/michaelbuble/profile.html

イントロのベースが出始めた瞬間に低音楽器に表れている固体感に唖然とする。
そもそも600HzまでカバーするNEOのウーファーは敏感に環境の変化、システムの
変化、そしてケーブルの変化を直ちに示してくれる。

“B-board”によって起こったベースの変化は連続する低音楽器の在り方として、
すーっと周囲の楽音とエコー感を置き去りにする。この表現は立ち上がりが前例の
ないほどにハイスピードだということ。

ともすると低音楽器という図太い演奏のタッチに視野を奪われ、その楽音が内包す
るバイブレーションの凄み、ウーファーの位置関係から床に垂れ流しになってしま
うような低域のエコー感、音像として判別できない低音の塊が迫力とすりかえられ
てしまうような曖昧さが一切…繰り返すが一切ないのである!!

明らかにNEOが繰り出す低域の質感、特にスタジオ録音で鮮明な輪郭を前提にして
収録された数々の低音楽器が空間に提示される解像度が段違いに向上している。

更に時折ヴォーカルの背後で響くブラスセクションの質感は爽快無比であり、鋭い
タンギングでメリハリが効いているのに刺激成分が皆無で聴きやすい。
ドラムの質感は見事にドライな反応を見せ、ヘッドの振幅が目に見えるように鋭い
立ち上がりで中空に打点を観察することが出来る。

そして、ヴォーカルは…

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

The Best of Cantabile 1. チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》
〜こんぺい糖の踊り マリインスキー劇場管弦楽団、指揮:ワレリー・ゲルギエフ
http://www.universal-music.co.jp/classics/release/m_topics/umcl200702/uccd3681.html

ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/chiaki/disco/ce32335.html

“Basia”「 The Best Remixes 」Epic (Japan) ESCA-5164
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/Basia/
http://www.basiaweb.com/

「closer to the music - vol.1 」
http://www.stockfish-records.de/stckff/sf_r_artists/sf_sampler_re.html
Sara K.が歌う3.トラックめの「Turned My Upside Down」

諏訪内晶子/詩 曲(ポエム)より
http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/akiko-suwanai/
1トラック目のサン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ 作品28

星乃けい『NEARNESS OF YOU / KEI HOSHINO』から1トラック目の「Day by Day」
http://www.upstream.co.jp/~kei/

ワレリー・ゲルギエフとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるこれ。
http://www.universal-music.co.jp/classics/gergiev/discography.htm
チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 作品74《悲愴》第二楽章。

http://www.kkv.no/
kirkelig Kulturverksted(シルケリグ・クルチュールヴェルクスタ)
・Thirty Years’Fidelity より
7. Som en storm/Ole Paus/Oslo Kammerkor/Det begynner a bli et liv(1998)
10 Mitt hjerte alltid vanker/Rim Banna/Skruk/Krybberom (2003)
http://www.kkv.no/musikk_klubb/tekster/285_fidelity.htm

Audio labの「THE DIALOGUE」から1. WITH BASS
http://www.octavia.co.jp/shouhin/audio_lab.htm

「Muse」からフィリッパ・ジョルダーノ 1.ハバネラ
http://www.universal-music.co.jp/classics/healing_menu.html

などなど…、実はこの二日間というものNEOシステムをずっと聴き続けていた。
あまりの変貌に興奮と興味をそそられ、ここにある多数のディスクをあれこれと
とっかえひっかえ聴き続け、そのどれもが以前と全く違う次元の音質であることが
発見され、それらの一曲ごとのこのパートがこうだ!!という各論で述べることが
重荷になってしまいました。(^^ゞ それほどすべての曲で素晴らしいのです!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0363.html
↑この福井県のS様のレポートの一節にこんな言葉がありました。

「設置後、三日経ちました。

 今日はとびきり素晴らしい再生です。
 何か細かく文章で表現するのが億劫なくらい素晴らしいのです。

 今は好みのCDを次々とかけています。
 久しぶりに対投資効果の非常に高い製品に出会うことができました。」

私も同様に完全に「もう元には戻れない症候群」にがっちり感染してしまったよう
なのです。「何か細かく文章で表現するのが億劫なくらい素晴らしいのです」とは
全く同感です!! 私が分析した多方面の選曲の中で共通する要素を整理してまとめ
てみることにしました。

■オーケストラの弦楽器は予想に反して? 質感は柔軟性と潤いを帯びてしなやかな
 方向へと変化する。

■管楽器は遠近感をもたらすステージでの位置関係を奥行き方向へと拡張する情報
 がホールエコーと音像の明確さというポイントで存在感を高める。

■ホール録音でもスタジオ録音でも低音楽器の輪郭表現が素晴らしく向上し、その
 シルエットが鮮明になるにつれて中身の色彩感が濃厚になる。言い換えれば重厚
 な密度感は重量感として感じることが出来て同時に固体感として隈取りがくっき
 りとしてくる。

■ヴォーカルを含む継続する音声の再現性では音像のエッジがしっかりするので
 輪郭表現が鮮明になり、その周辺に拡散するエコー感の領域が拡大され、同時に
 余韻感の滞空時間が延長される。

■楽音すべての鮮度が大変素晴らしく向上する。この場合の鮮度というのは別な
 表現を借りればエネルギー感とも言えるものであり、楽音の発生時点での立ち
 上がりが大変高速化し、どの帯域でも質感と音像の再現性に一切の曖昧さがない。

これらがなぜ起こったのかという機械的なセッティングの環境因子を考えてみると、
ここでは厚さ2ミリのゴムシートに毛足が4ミリ程度という肉厚感のあるタイルカー
ペットの上にNEOの二個のステンレスボールとスパイクを直接乗せていた。それは
コンクリートの床材に直接貼られていても、適度なクッション性があったことは
否めないものだろう。

これは一般家庭で言えばフローリングの床材というものと同様に、木材という材質
にも幾分かのクッション性があるのと同じだと考えられる。ただし、硬質な木材を
直接コンクリートの床面に接着したような床はちょっと条件が違ってくるかもしれ
ないが、いずれにしてもMMWマテリアルのような高剛性であり高質量、更に高内部
損失であるという条件とはあらかに違うものだろう。

二個のステンレスボールとスパイクという三点支持できっちりと設置するNEOに
おいても、私はここの床の状態やフローリングに置いた場合でも何らかのエネル
ギーロスが発生していたのではないかと推測している。

単純に言えば一切木材を使わず高剛性の素材で作られているNEOは、それ自体に
エネルギーを溜め込み時間軸を遅らせて放出すると言うことはない。

ドライバーに入力された信号が磁束のギャップに位置するボイスコイルを動かして、
結果的にダイヤフラム(振動板)に運動エネルギーを与えるからこそ音波に変換さ
れるのだが、ダイヤフラムの前後には当然空気があるので反作用が生じてスピー
カーそのものにダイヤフラムの挙動と反対方向への瞬間的な反作用が生じる。

木材を使用したエンクロージャーだと、その反作用は木材の内部で吸収されてしま
い、好都合なこともあるが純粋なダイヤフラムの運動エネルギーをキャビネットが
数パーセント消滅させてしまうこともある。

GOLDMUND PILOGUEやYG AcousticsのAnatシリーズや“Voyager”などが理想的な
キャビネット素材としてアルミニウムや真鍮などの金属を採用しているポイントは
NEOと全く同じそこにあると考えています。

非常にデフォルメした例えをすると次のようなイメージではないだろうか。

NEOの合計4個のドライバーのダイヤフラムがピストンモーションを繰り返している。
これを時間軸を極めて短くして観察していくと、ダイヤフラムの前後への運動方向
に対して正対する反作用のエネルギーがNEO全体に発生する。

もちろんミクロ的な見方をしてのことですが、ダイヤフラムが前方へ動くとNEOの
場合にはNEO TAILのスパイクに極めて微妙な反作用のエネルギーを発生させ、スパ
イクの先端から床に向けて波動エネルギーが伝達されます。その時に床材にわずか
でもクッション性があるとNEOのボディーそのものが後方へと極めて微妙に傾斜す
るような挙動を起こします。

逆にダイヤフラムが後方へ動くとNEOの足元のボールにエネルギーが発生し、床に
接しているボールの一点が微妙に床材を押し込み、極論を言えばNEOのボディーは
前方にミクロのお辞儀をすることになります。

本当に拡大解釈というかデフォルメした表現ではスピーカーにはこのような反作用
によるボディーの前後運動が発生するということを前提にして、ボディー自体に
反り返ったりお辞儀したりという挙動を許してしまうということは、そのような
機械的なエネルギーの発生源であるダイヤフラムの足元・土台が動いてしまうと
いうことであり、ダイヤフラムの正確な運動エネルギーがそがれてしまうという
ことになります。

こんな例えはどうでしょう!? 剣道の素振りを道場の床の上で繰り返す分には腰の
据わり方もしっかりして全身の筋肉がきっちりと竹刀の動きのために活用されるで
しょう。
でも、仮に手漕ぎボートの上で同じ素振りをやれと言ったらどうなるでしょうか?

私は長年の経験からスピーカーのスパイクによる設置は大変有効であり、この試聴
室のタイルカーペットでもスピーカーの重量でスパイクの先端が下のコンクリート
まで貫通する効果を何度も体験してきました。

そして、今回B-boardを使用してみて、以前のNEOには数パーセントのエネルギー
ロスがあったんだと逆説的に気がついたのです。“B-board”を使ってからの
NEOの再生音に満ち溢れたエネルギー感を説明するには、このような仮説しか思い
当たりませんでした。

それほど躍動感と充実感がすべての音楽で感じられたということです!!

今回の経験はサイズ的に載せられるのであれば“B-board”はすべてのスピーカー
に強固なメカニカル・アースポイントを簡単に提供してくれるのです!!

“B-board”それはもともとB&Wを代表とするスピーカー用にということで命名しまし
た。

しかし、その絶大な効果を目の当たりにして、これはB&W向けだけということでは
すまないという思いがしてきました。

“Base-board”という解釈がふさわしいようです!!

コンクリートに直接張られた床材以外の床にスピーカーを置いている場合、つまり
フローリングや木材の根太の上に仕上げられた床ということになりますが、その
環境でスピーカーを使用している皆様には絶対の自信をもって推薦いたします。

「もう元には戻れない症候群」は皆様の足元までひたひたと迫っていますよ〜(^^ゞ


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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