2019年4月22日 No.0713
 新着投稿⇒H.A.L.'s Hearing Report-HIRO Acoustic C8CS & ESOTERIC New Grandioso

2019年4月3日 No.1536 H.A.L.'s Special Release - HIRO Acoustic Laboratory MODEL-C8CS
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1536.html

上記のリリースに敏感に反応されたベテラン会員が個別試聴にてじっくりと試聴され、
その思いのたけを貴重な感想と分析ということでお送り頂きましたので早速ご紹介致します!!

試聴システムは私も初めてという総額¥141,242,000.という途方もないオーディオシステムです!

H.A.L.'s Sound Recipe/HIRO Acoustic C8CS & ESOTERIC New Grandioso-inspection system
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/H.A.L.'sSoundRecipe_HIROAcousticC8CS_NewGrandioso.pdf

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Vol.2「ああ、あとに仕事がなければ閉店まで聴いていたかった!!」

東京都大田区 K.T 様より

Hi-End Audio LaboratoryであるH.A.L.を研究されてきたK.T 様の鋭い投稿の数々!

H.A.L.'s Hearing Report-FOCAL Grande Utopia EM Evo & CAD Reference Ground Control
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0690.html

H.A.L.'s Hearing Report - HIRO Acoustic with Accuphase
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0688.html

前回の投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0624.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0612.html

これまでの投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0674.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0609.html

下記のページでも紹介させて頂きました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0665.html

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ダイナミックオーディオ5555
川又さま

お世話になります。

昨日はあらかじめ期待していた範疇を大きく超えた楽しいひとs時を体験させて
いただいてありがとうございました。

端的ではありますが、お礼を兼ねて昨日お伝えできなかった感動をメールでお伝えします。

別々に聴いたわけではありませんので、GrandiosoとHiro Acousticそれぞれが
どのように寄与しているのかつぶさに聴き分けられたわけではありませんが、
まずスピーカーのHIRO Acoustic MODEL-C8CSとマルチアンプ駆動について。

最初にかけて頂いた曲の出だしのピアノの、まさに最初の一音が放たれた瞬間に、
そのトランジェントの見事さ(立ち上がりから音色が安定して定常状態になり
余韻が消えていくさまの正確無比なこと)に唖然としました!!

ただ音が軽々と放たれるとか、ぴたりと止まるというのではなく、それこそ
まるで複雑な線を全く外れずにになぞっていくかのようなのです。

ピアノの再生は打楽器弦楽器双方の音響特性を満たしつつ、囁くような弱音から
オーケストラと協奏できるほどまでの広大なダイナミックレンジにかけて行うのですから、
私見ながらスピーカーにとって悪夢(悪魔?)のようなものなのではないのでしょうか。

それをここまで理想的に聴かせてくれるとは!!

常々ピアノが一曲通して完璧だったら、それこそが自分にとって理想のスピーカーであると、
つまりどのスピーカーも未だ理想には程遠く、これはオーディオだからと妥協して聴いていました。

それが、まさかこんなに早く(自分の耳にとっては)理想に達したと感じる体験を
してしまうとは思いませんでした。

この先の何十年かでソースを含めたオーディオの進化ががどこまで理想に近づいて
くれるのかと(楽しみというか諦めというか)眺めていましたが、今後はどう聴いたものか、
これは困りました。

続くドラムやベースでも過渡特性の良さは言わずもがなですが、パートが増えて
くるとそれぞれの音の純度が異常に高いことにまた驚きました。

これも"ただ"の超高級スピーカー(ダジャレみたいだ)とは一線を画すところで、
超低域から頭のてっぺんまで混濁やにじみといったひずみ感がないと、こんなに
スムーズでストレートに聴こえるようになるのかと目から鱗が落ちる気持ちでした
(音でも目から落ちるのか?)

2枚目のマーラーでは、金管の音色が去年のマルチアンプのときと比べても段違い。
トランペットだけで聴いているだけでもその迫真の音色にうっとりしてしまう。

このように書くと、あのC8CSなのに、ウーファー8発の低域についてなぜまだ
触れないのかと思う方もおられるかもしれません。

しかし、川又さんならもうお分かりでしょうが、ここまでずっとC8CSの
ウーファー8発の低域の成果について感じたことを書いているつもりです。

もちろん、これ見よがしのベースや暗騒音ではなく、空間全体に染み渡るように
時に香るように広がる分厚い低音が得られているのですが、それはある意味これほどの
クオリティで設計製造されているスピーカーをウーファー8発揃えてみせれば予想
通りの範疇(帯域と音圧の)拡張であるはず。

真に白眉と言えるのは低域再生の負担を減らしてウーファーのおいしいところを
余裕をもたせ、マルチアンプでネットワークの…

L(ウーファーを、タイヤを引きずって校庭を走らさせる野球部員の顧問みたいな必要だけど嫌われ者)、
C (どんな逸品を選んだとしても固有の香りからは逃れられないカレー粉匹敵する濃いキャラ)、
R(音をスピーカーに磔けにして殺す暗殺者)

の三悪を可能な限り遠ざけることで、帯域によってやせたり、低レベルで萎むような
実演ではありえない歪みから解放された、何処までも均一できめ細やかさと厚み密度、
そして充実感を獲得したことなのでしょう。

空間情報についても、オーケストラの奥行の深さも、昨年のマルチアンプの時を
更に上回るものでしたね。

今回は体験したことのあるホールのCDばかり持参しましたが、ホールごとによる
音響の違いの再現度が、CDにここまで録音してあったんだとありふれたフレーズを
繰り返すことになってしまいました。

オーディオのクオリティを追及するには、何処を責めるべきなのか!?

恐らく一生に一度立ち会えるかどうかという壮大な規模(コストも)での貴重な
機会を体験となりました。

ESOTERIC Grandioso…

DACを自社設計にしてくることに関しては、Esotericの追及する進化として期待に
応えたということで驚きはありませんでしたが、P1Xの基幹部品であるVRDSを
まさかここまで変えてくるとは、このご時世にEsotericはすごいことをするなと、
報道を眺めておりました。

時を同じくして、アーティストと配信会社の諍いや権利問題でコンテンツが
削除されたり事件により某アーティストの旧譜が一斉に引き上げになるなど、
楽曲、文学、動画などのコンテンツを所持する一番大事な意義は、その手に
所有している実感を満たすという感覚上のものではなく、他人の一存で一方的に
取り上げられてしまうリスクから自由になることなのだと改めて気づかされる咋今です。

それを踏まえると、動作の確実性を含めてこれだけのクオリティのものを
国内企業が新たに製造しようとすることが本当にありがたいと聴く前から
拝んでしまう心境ですが、聴いてまた驚きました!!

従来からのESOTERICの強みを捨てて新たな方向へ進んでしまうのではなく、
そこはブレずに、強みに対して質感や色彩感を丁寧に高めて全体のバランスが
揃ったその完成度の高さが素晴らしいと思います。

色彩 輪郭、内部の充実感、DACだけの進化ではこうはいかなかったのではないでしょうか。

むしろ、トランスポート単体の寄与度がかなり大きいのではないかと、
旧P1と比べてみたくなるほどの進化です。

コストのかかる基幹部品の作り直し、その決断に対してしっかり成果を出して
見せるとは恐れ入りました。

ああ、あとに仕事がなければ閉店まで聴いていたかった。

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K.T 様こちらこそありがとうございました。長らくのお付き合いになりますが、
しっかりと進むべき道を模索し発見され、そして実現してこられた探求心と分析力、
更に記憶力の素晴らしさと比較論、適切なコメントの数々に敬意と感謝を表します。

私は今回お二人のハイクラスのベテラン会員より貴重なご感想を頂きましたが、
このような優れた感性と判断力のお得意様がいて下さるということに本当に感謝
あるのみです。

なぜ、このような素晴らしいお客様に私は恵まれているのかということは、
それは私の探求心、向上心、と情熱をご理解頂いているということに他なりません。

それを私は遣り甲斐とし誇りとして今後も頑張っていかねばと思っています。

何を頑張るのかって!? 販売店なんだから営業実績を上げることか!?

それは否定しませんが、そればかりではありません。皆様に聴いて頂ける音、
味わって頂ける音楽の品質追求が最も大切なことだと考えています!

K.T 様も思わず最後におっしゃっています。

「あとに仕事がなければ閉店まで聴いていたかった」

そうです…、そのような心境になって頂ければ、おのずと商売は続いていくもの!
もっと聴いていたい音を私はこれからも追求していきます!

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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