No.0624 2018年5月8日
 新着投稿⇒H.A.L.'s Monitor Report - Computer Audio Design Ground Control

Vol.3「もう結論は一台購入のつもりが…、これが今回の試聴の真打でした!!」

H.A.L.'s One point impression!! - Computer Audio Design Ground Control!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1462.html

上記のインプレッションでは次のように述べていました。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

しかしながら、このCAD Ground Controlを推薦したい対象ユーザーはある意味で
熟成したシステムをお使いの方々になるであろうと私は考えています。

その熟成とはどういう意味か?

先ず、使用されているコンポーネントがひとしおのグレードであり、それらに対して
一定の満足感を持たれている皆様という意味です。つまり、使用システムの何かを
アップグレードしたいという気持ちを持たれていない皆様ということになります。

次に上記のinspection systemでもお分かりのように、前述のように振動対策を
施しているオーディオラックはもちろんのこと、電源関係やケーブルにも気配りし、
使用環境に存在する高周波への対策も行ったりH.A.L.'s E.S.Insulatorで静電気に
対する対策なども行ってきたりというコンポーネント以外の要素にも情熱をもって
取り組んでおられるという皆様ということになります。

もちろん前述の対策を全てやっているということではなく、いずれかの対策ひとつでも
実行していればという意味ですので誤解なきように一言追記しておきます。

このような熟成と自覚しながらも、今後はどのような方向性において音質向上の
手段があるのか…、と思案していらっしゃる皆様には大きな魅力となり得ることでしょう。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

この熟成システムオーナーの典型的存在と言えるDEVIALET 1000ProとMAGICO S7を
愛用されるベテラン会員に私は誘い水を打ったのでした!!

DEVIALET Expert 1000 Pro (日本価格未定)
https://www.devialet.com/en-eu/expert-pro-audio-system/

MAGICO S7 (M-CAST 1Pair¥9,500,000.)
http://www.electori.co.jp/magico.html

■東京都大田区 K.T 様より

前回の投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0612.html

これまでの投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0674.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0609.html

下記のページでも紹介させて頂きました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0665.html

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■川又より                    2018/04/11 (水) 14:55

K.T 様
いつもお世話になります。

最近配信にて話題になっているComputer Audio Design Ground Controlですが、
今までの販売事例の中でもDevialet PRO1000のユーザーがいます。

そして、本日のことですが、今ここにあるDevialet PRO1000でGC3を使用して
私は試聴してみました。すると…

更に、これからの15時よりDevialetのオーナーのお得意様が来店されて
試聴の予約となっています。

金曜日には発送できますが、この週末に一度試聴されてみてはいかがでしょうか?
Devialet PRO1000ユーザーとしてK.T 様のことが以前から頭に浮かんでおりましたので
推薦してみようと思ったものでした。ご検討頂ければ幸いです。

ちなみに私が試聴しての感想は現時点では述べないことにしておきます。
何卒よろしくお願い致します。

■K.T 様より                   2018/04/12 (木) 13:58

ダイナミックオーディオ5555
店長 川又さま

お世話になります。
大変光栄なご提案を頂き、ありがとうございます。

実は頂いていたサークルメールで興味津々だったのですが、今年もGWに入るまでは
試聴時間が取れるかどうか未定の日程ばかりで。。。

お願いするとしたら連休だけど、人気商品だし連休中は試聴希望が多くて
ご迷惑そうだなと皮算用しておりました。

ちなみに、この製品について考えていたことは以下のような点なのですが
いかがでしょうか

1)トランスペアレントのOpus Power IsolatorやXL Power Isolatorと比較した場合、
  それぞれの長所に違い(選択の余地)があるのか。

 例えば、どれも効果は似ていて、高価なものほど効果が高いと考えるべきなのか、
それぞれ長所に違いがあって、(全部使うのがベストだが)ユーザーが期待する効果に
よってそれぞれを選択する余地がある製品と考えられるものなのか。

昨年の今頃、我儘をいって試聴させて頂いたOPUS Power Cordの経験があまりに
鮮烈だったので、どうしてもOPIやXLPIにも気がいってしまいます。

価格も価格なので、ちょっとやそっとでは購入できませんが、もしGround Controlを
お借りして気に入った場合、トランスペアレントと比べたらどうなんだろうと結局
迷ってしまいそうな気が…川又さんは迷う余地があると思いますか?

■川又より回答

> Ground ControlとTransparentのアイソレーターとは変化の方向性が
> 異なるものであり、電源アイソレーターの役目ないし効果をGround Controlが
> 補完するという性質ではありませんので、別物としてご検討頂ければと思います。
>
> もとより、私の所ではTransparentの電源ケーブルとアイソレーターの
> 両方を完備した上でもGround Controlの価値ありと判定しているものなので、
> K.T 様の現状にてどれほどの貢献度があるかを期待しているものです。

2)Devialetとの相性と使い方。

ご案内頂いた程なので、十分な効果を確信していらっしゃるのだと思います。
確認しているわけではありませんが、Devialetは製品の特色からも高周波など
ノイズまみれであることが十分考えられるので、こういった製品が特に効果的なのか、
あるいは逆にノイズまみれでちょっとやそっとでは対応しきれないとか、
そもそもそういったアクセサリーにまったく鈍感なのかと頭の中で一人で悩んでいました。
川又さんのお墨付きがあるなら、期待十分ですね。
 
ちなみに、接続端子はRCAをお使いになったのでしょうか?
また、お借し頂けるとしたら2台以上つなげるようにケーブルが附属してるのでしょうか。
(確か標準では1本だけだと記載されていたかと思いますが)

■川又より回答

> 専用ケーブルとしてはRCA1本とスペードY型端子1本を同梱しようと考えています。
> 先ずはマスター側でRCAを試して頂き、その次にスレーブ側のアース端子に
> Yスペードプラグのケーブルでお試しください。
>
> 本来はRCA2本が推薦ですが、予備ケーブルのデモ機が足りないからです。
> もしも、これから準備することで間に合えば手配致しますが、上記の
> 2本で問題ないと思います。

■川又より                     2018/04/16 (月) 18:53
 
K.T 様
いつもお世話になります。

今日の配信にて実験試聴のレポートを掲載しました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1469.html
DEVIALETにはアース端子がありますのでGC1の追加希望があればお知らせ下さい。

一応確認まで。

■K.T 様より                   2018/04/25 (水) 13:03

ダイナミックオーディオ5555 
店長 川又さま

お世話になります。ステラからスペードのケーブルが届きました。

昨日は時間がなくて30分も聴けていませんが、確かにRCA端子につないだ時と効果が
異なるようですね。GC3側の端子で差し替えが簡単にできるので、何度か入れ替えて
みましたが、特に低域は聴いた瞬間にわかるほど全然違います。この効果は欲しい…

が、RCAに使用したときのメリットの一部が感じられなくなっている印象も。。。
GC1をRCAに追加しても完全には戻らないとしたら、GC3 2台が必要なのでしょうか? 
悩ましい…。昨夜は本当に一瞬だったので、よく聴いてみます。

■川又より                    2018/04/25 (水) 13:15

いつもお世話になります。
鋭い観察眼に恐れ入りました。

確かにシャーシアースとシグナル系アースでは変化が異なります。
現在ここには輸入元のデモ機のGC3が1台あるのですが、本日の返却予定を延期
してもらいK.T 様にお貸出し出来るようにしました。

私でさえ、まだGC3二台での試聴はしたことがありませんが、この際ですから
K.T 様に実験して頂ければと考えました。

■K.T 様より                   2018/04/25 (水) 13:37

ダイナミックオーディオ5555
店長 川又さま

お世話になります。

川又さんこそ、こうなることを半ば予想されていたのではないかと疑っておりますが(笑)
GC3を2台同時に試聴できるなんて特権的な機会はまずないでしょうから、
ここは素直にお言葉に甘えます。

明日の20時以降なら受け取れそうです。間に合わなければ明後日でも大丈夫だと思います。
よろしくお願いします。

■K.T 様より                   2018/04/27 (金) 15:26

ダイナミックオーディオ5555
店長 川又さま

お世話になります。昨夜もう一台のGC3を無事受け取れました。

時間が取れるのはやっと明日からになりますが、ぱっと聴いてもGC3+GC1とは
比較になりません。現時点でRCAに接続したGC3は外せないほどの効果があり、
もう返したくありません(返しますけど)受領のご報告まで


■K.T 様より                   2018/04/29 (日) 16:40

ダイナミックオーディオ5555
店長 川又さま

お世話になっております。今、GC3 2台をDevialetだけに使った試聴をしています。

先日お返事した通り、1台の場合はRCA端子に使用して、コレは、Devialetには必須だ!
と確信しました。

畏れ多くも2台目を受領し、まずRCAに一台、シャシーアースにもう一台をつないで
試聴しはじめたところ、確かに良さはあるけど…、まぁ、お金がたくさんあれば
損ではないかくらいかな。Devialetには一台RCAがベストかなと、残念なような
安心したようなゆるい空気になりかけていました。昨日までは…!!

今、目の前で何かが起こっています。
軽い気持ちでつなぎ方を変えてみただけなのですが。。。
GC3一台とは次元が違います。二台分に効果が増すのとは全然違います。

激変にびっくりしているだけかもしれないので第一報ですが、錯覚でなければ、
コレは全てのDevialetユーザーが知る価値があるグレードアップになるかも知れません。
一台でも十分あるとはいえ…。

そこでお願いなのですが、貸し出し予定などがなければ、もう少し返却期限を
伸ばして頂けないでしょうか。

■川又より                    2018/04/29 (日) 17:58

いつもお世話になります。熱心な取り組みに感謝致します。

二台では私もやっていないことなので、どのようなつなぎ方なのか大いに興味があります。
結論が出ましたら教えて下さい。どうぞ心行くまでお試し下さい。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■K.T 様より                   2018/05/06 (日) 19:04

ダイナミックオーディオ
店長 川又さま

お世話になります。

CAD Ground Controlsの自宅試聴の機会を頂きありがとうございました。
この連休中にDEVIALET Expert 1000 Pro他に使用して効果を十分に確認しました。

また、まだ川又さんご自身も試されていないというGC3二台仕様での試聴について、
DEVIALET Expert 1000 Proとの組み合わせで個人的には括目の効果が得られたことと
合わせて、ちょっと長くなりますがご報告します。

1) GC3 一台とDevialetをRCAケーブルで接続した場合

H.A.L.'s Circle Reviewで紹介されはじめたGC。数年前のMunichハイエンドショーで
話題でしたが果たして?川又さんの繰り返す”熟成システムにお勧め”というフレーズ、
効果は隠し味的な微妙なものという意味なのか訝る気分も。。。

今年DEVIALETはいわゆるPC/Network系の制御基盤をCore Infinityと呼ばれる簡易PCに
換装したので、高周波やアースについては何か対策することがかなり有効(必要?)
なのではないかと引っかかっていたところでした。

さっそくお借りしたGC1とGC3。
まずはGC3をDEVIALET Expert 1000 ProのMaster/ Companion unitのそれぞれの
RCA端子に接続してPCからUSB接続で試聴を開始しました。

◇川又より
しばしば複数のコンポーネントでオーディオ信号や機能的連携において私たちは
その主従関係をマスター/スレーブという表現をしてきました。しかしながら、
DEVIALETでは同社のDUAL MONO AMP間の伝送系統において、マスター/コンパニオンと
いう表現をしていますので一言追記しました。マスター/スレーブと同意です。

★一聴してDEVIALETには非常に効果的でした!!

具体的には…

◆音色:滲みなくきれいに最低域から最高域まで粒立ちよくスムーズに伸びる上、
これまで最低域や最高域は音色が十分に再現されていなかったことに気付かされます。

単なるブーンやシュ、シャと聴いていた音の中に、それぞれ音色や脈動が情報として
掘り起こされている。

トレモロやトリルの一音一音が空虚な泡ではなく、中身の詰まった袋が弾けるようで
粒立ちの良さが非常に楽しい。

DEVIALETに高域ノイズ対策をすれば、ここまで表現できるものかと驚きました!

何せ20年以上も聴いているある曲で、サックスに合わせて1フレーズだけVo.が
ハミングしているのに初めて気が付いたほどです。

◆帯域バランス:高域の再現性がよくなっていると感じられることは明らかで、
同時に低域もよりキッチリ、ハッキリ再現されるようになった印象。

MagicoのAlon Wolfが、低域がよくないときは高域を見直すべきと発言している
のはこのことか。

痩せるとか量感が増すとか、上下に伸びるといったプロポーション的な変化とは感じず、
全域にわたって微細な情報がつぶさに感じられるようになった。
キツさは全くなく、しかしすべてがピシッと整った感じが顕著にする。

◆音像・音場再現:これはそう変わらないだろうと思っていたところが、
あっけなく激変しました。

我が家は専用室ではないリビングオーディオで、正面の壁にはスクリーンも固定
されているため音場や定位についてはかなりネガがあるはずです。

それでも左右スピーカーの距離や向きは1/5mm単位まで揃え、周囲壁面とバッフル
正中は最短1.1m以上とっていて、OPUSやESIの効能もあり左右・奥行きとも定位が
ひどく狂って聴こえることもないし、これ以上を目指すのならば、スクリーンを
外したり、壁面にチューニング機材を置いたりすることが必要だと思っていました。

が、GC3をつないだだけなのに、朧気なファントム的な音像と違う、だからといって
輪郭が強調された音像でもない。

(音響的に)怖いほど整然とした空間内に輪郭線を全く感じないながらも、はっきりと
微動だにしない何かがその位置を占め、力みなくスムーズに音を発している感じなのです。

単に弦楽器、管楽器、パーカッション順番に並んでいるとか、ボーカルの後ろに
ベースが来てその後ろがドラムスでという以上の、それぞれがどれくらいの距離感で
並んでいるのかまで再現されています。

置き方や置く場所のほかに、機器のノイズがこれだけ悪影響を及ぼしていたのかと
愕然とする思いです。

更に、音場・サウンドステージというが、これは自分と”音”の鳴っている空間の
間に断絶を感じるから、つまり前方舞台の前端のような雰囲気を感じるからステージと
呼ぶようになったのだと思いますが、GC3とDEVIALETの組み合わせではサウンド
ステージは存在しなくなります。

録音時のノイズや暗騒音まで緻密に再現ようになったことが、そう感じさせるのかも
しれませんが、音場が自分の後方まで広がっているというべきか、再生が始まった
瞬間から試聴位置が音場内に含まれているように感じられ(つまりステージの前端が
自分の前方に存在しない)、いわばサウンドスペースに取り込まれたような、
得も言われぬ快感を呼び覚ます。

また、その空間もおぼろげに感じ取れるような蜃気楼のようなはっきりしない
ものではなく整然と安定して存在するので、妙な安心感があります。

これほどの改善効果があるならば、GC3なしでDEVIALETを使用するのは非常に
勿体ない使い方だという結論に至りました。

2) GC3 一台とDEVIALETをSpadeケーブルで接続した場合

次にGC3をDEVIALETのMaster/ Companion unitのそれぞれのアース端子に接続した
ところ、効果はRCA接続とはかなり異なっています。

全体的に安定性と充実性が高まって感じられ、特に低域は水で膨らませた風船の
中身を砂に詰め変えたような音像の充実感(重さ・硬さ)があります。

ところが、RCA接続で感じた美点のいくらかは再現されない印象です。

DEVIALETはシグナルグラウンドをシャシーアースに落としていないのか、
GC3をどちらにつなぐかで得られるメリットが異なるようです。

回路のノイズ対策がしっかりできている環境では、spadeケーブル接続の方が
いいかもしれません。

3) GC3とGC1の両方をDEVIALETに接続した場合

当然試したわけですが、これはどちらをどのケーブルでつないでも今ひとつでした。
結局GC3をつないだ側の効果が際立つので、GC1をつないだ側の効果がもうちょっと
欲しくなってしまう、ちぐはぐな感が先に立ってしまうのです。

この時点では、DEVIALET用にはGC3一台 RCAケーブル二本の組み合わせで川又さんに
お願いしようと思っていました。と、思っていたのですが…!?

もう一台GC3を試してみてはとの甘いお誘いが。

4) 2台のGC3をRCA、アース端子両方に接続した場合

A) 左右共通・シグナル、シャシーアース分離
(Master/ Companion unitのRCA端子を#1GC3に、アース端子を#2GC3に接続)

何も考えずに、一台目はそのままに、二台目のGC3を両unitのアース端子につないでみました。
予想通りシグナルグラウンド、シャシーアース両方の効果が釣り合いました。

非常に品位が高まった印象はあり、予算に余裕があればもちろんありですが、
個人的にはシグナルグラウンドに一台目をつないだときの感激が倍になった程とはいえず。
残念なような、安心したような微妙な感想です。

B) 左右分離・シグナル、シャシーアース共通
(MasterのRCA端子とアース端子を#1GC3に、CompanionのRCA端子とアース端子を#2GC3に接続)

もう結論は一台購入で出したつもりで、一度左右分離させてみようかと軽い気持ちで
試したのですが、これが今回の試聴の真打でした!

左右の連結がなくなったので、当然(?)セパレーションは圧倒的に改善します。

あまりに前述のサウンドスペースが広すぎて、もはや左右にも前後にもどこまで
続いているのかわからないほどです。

シグナルグラウンド接続の良さ、シャシーアース接続の良さもスポイルされる
点は全くありません。

しかし、この接続の効果は、そういった今までの延長的なものとは感じられません。
それとは全く違った、全てがピタッとあるべき状態におさまったような、何か異質な
完成度なのです。

どういうことなのかと理解するのに随分時間がかかりましたが、先ずあることに
気が付きました。長時間聴いていてもアタマが全く疲労しないのです。
そして、その理由を探っていくと、音色自体の変化に気が付きました。

概念的な話になりますが、目の前で聴くピアノの音は正三角形、人の声は真円で、
バイオリンは正方形だとします。

オーディオでそれを聴くということは、二等辺でも、直角三角形でも角が三つあるから
これはピアノの音だとか、楕円でもこれは角がないから人間の声だとか、ひし形や台形を
見てこれは三角でも丸でもないからバイオリンだとか、実際に聞こえた音をアタマで
それが何を表しているか変換して聴いているので、どうしても疲れてしまう。

そういった意味では、より高品位なオーディオ機器とは解像度やスピード、パワー、
トランジェントやバランスなど様々な要素の水準を高めて、バイオリンの音を台形より
正方形に近い長方形くらいにまで再現できる性能にしたものと例えることが出来る
かもしれません。

それが、この接続をしたDEVIALETに関しては、より正方形や真円に近い形に再現
できるようなのです。

しかし、ここで大きな疑問が。

それは、そもそも電気回路の設計において、ノイズ対策としてシグナルグラウンドと
電源アースはしばしば分離されていていること。

DEVIALETの設計が実際どうなっているかはわかりませんが、わざわざ二つのアースを
GC3を通して直結してしまうことは聴感的にはともかく、理論的には誤りではない
のかということです。

案の定、CADのHPにリンクされている論文にも、

“We generally don’t recommend connecting both signal ground of one component
 and mains earth together using the same Ground Control device.”の一文が。。。

聴感で一番ならいいじゃないかと思いながらも、なんとなく気持ち悪い。

これは、錯覚なのか?そこで製造側の見解はいかがかとCADのサポートにメール
してみたところ、何と設計者本人からDEVIALETでの経験についてや、日本の電源
環境との組み合わせによる考察について直接回答を頂きました。
最後にその一部を(拙い和訳で)紹介します。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

CAD Ground ControlsのデザインをしているScott Berryです。

DEVIALET (特に1000pro)に対してGround Controlを使用した経験はかなりあります。
素晴らしいモデルですよね。

仰る通り、我々はMains EarthとSignal Groundを同じGround Controlに使用する
ことは原則としてお勧めしていません。ただしあくまでも原則的にということです。

もし、あなたが1000ProのPhono Earth(Mains Earthになりますね)とRCA(これは
Signal Groundになります)を両方つないだ結果がベストなら、そちらを推奨します。

実はこちら(UK)にも、全く同じように1000proのPhonoとRCAの両方を一台のGround
Controlに使用している方が二人程いらっしゃいます。
おふた方ともこの接続方法に非常に満足されていますよ。

ひょっとして、日本にお住まいではありませんか?

私の知る限り、日本の多くの住宅の電源環境は我々の住むヨーロッパや北米とは異なり、
いわゆるMains Earthというものがありません。

であれば、Signal Earthとその他の利用可能なEarthを一つのGround Controlにつなぐと
効果的であることの説明がつくと思います。

私自身の日本の電源環境の経験は今のところ乏しいのですが、理屈の上ではそうなるはずです。

Signal EarthとMains Earthの違いについてですが、Signal EarthとはRCAやXLR端子などの
負極のことです。

それに対し、ヨーロッパや北米などの電源プラグのアース端子がMains Earthです。
高度なオーディオコンポーネントは概ねSignal EarthをMains Earthに落とさない
ようにしているようです。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

以上です。

少なくても日本に住んでいる限り、理屈が聴感を裏打ちしてくれる可能性があるそうです。
しかも、第一発見者ではなく、既に先行者がイギリスに二名いると。
急がないと三番目の座も危うそうです。

結果的に、GC3 2台、2RCA, 2Spadeの組み合わせでお願いします。

川又さんを通じて、ぜひDEVIALETを大事に使用している方に、この体験を広めて
頂ければと思います。

一台でも十分素晴らしいですが、気に入った方にはぜひ二台での試聴もお勧めします。

◆その後のメールで頂いた余談

期待以上の見積もりを頂いて大変喜んでおります。

まぁ、うちの試聴条件に特化している可能性はありますが…、ちなみに、Transparent
OPC2でDEVIALETに給電している電源には引越し当時アースケーブルも来ていたのですが、
Magico S3を使っていた時から聴感上外してしてしまっています。

製品としてGCがノイズ対策、仮想アースの両方として機能しているのであれば、
外的要因に影響されないノイズ、アース対策として非常にメリットがありますよね。

電源はこの前メールした通り近所の引っ越しやら、行き着く果てはMy電柱でも
外的要因は排除しきれないですし。アースはいくら掘っても電位はどこまで落ちる
かわからない上に戸建以外は無理ですものね。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

K.T 様ありがとうございました。詳細かつ緻密な試聴感想を頂き、最後には結論と
してのご注文まで頂きまして重ねてお礼申し上げます。

とにかく当フロアー用に注文した展示品は全国の会員の皆様に貸し出しの連続で、
現状では常設展示が出来ない状況です。K.T 様から戻ってきても次の会員が順番
待ちしているというもので、また旅だって行ってしまいます。

それにしても、GC3二台というのは私でさえ試したことがないのですが、実は私が
想像していたような結果になったことを嬉しく思っています。

B) 左右分離・シグナル、シャシーアース共通 ← これの事です!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1469.html

上記のレポートでは、ここにあるGC1 GC3は各々一台しかないので、シャーシー
アースと回路基板によるシグナル系アースに対して二台以上を独立して使用するのが
最高レベルのようです!! この変化量は大きいです!!と述べていたわけですが、
GC3が二台あったら別の方法論もあったでしょう。

また、ここではESOTERICのGrandiosoシリーズという個体数の多いシステム構成で、
パワーアンプを除いても電源部を含めると七台ものユニット数がある組み合わせ
での実験でしたから、K.T 様の場合とは大分条件が違ってくるものでした。

DEVIALET Expert 1000 ProはDAC、プリアンプ、パワーアンプ、更にフォノアンプまで
(強力な電源部や各種DSPによる多機能性などを含めても)ワンボディーという構造であり、
その内部での高度な集積技術の素晴らしさを認めつつ、コンパクトなボディーの中で
潜在的に存在する高周波の影響を今まで確認できなかったわけです。

そして、本文中のScott Berryのコメントにもあるように、日本でのバランス伝送に
代表されるようにアースフローティングという発想で、電源系統を通じてグランド
アースの電位を基準にして伝送・増幅するという方法を取らない設計のアンプが
多いのも事実です。

これは輸入される海外製品を日本で使用する場合には特に顕著であり、下手に
コンセントのアースを接続すると高周波ノイズ、極端な場合にはラジオや無線機
などの信号が再生音に混入してしまう場合もあります。

それは最後の余談で述べたK.T 様の見解とも一致することであり、いくら電柱を
専用に立てたとしても外来要因からの影響は払拭できないものなのです。

ですから、私はTransparentの電源アイソレーターの価値を推薦しているものであり、
それと共用できるのがCAD Ground Controlなのです! 目指す効果と手段が違うのです!

ところで…、気が付いた方はアレ!? と思ったかもしれませんが下記の写真です。

http://www.dynamicaudio.jp/file/2018.04.04.04.jpg

居並ぶラックの真ん中にDEVIALET Expert 1000 Proが、しかも2セット4台もあると
いうことに気が付かれた方はいらっしゃいましたか?

K.T 様はしっかりとチェックされており質問を頂いていました。私がDEVIALETを
取り扱うのかと…!?

しかも、DUAL-MONOでバイアンプという贅沢なセッティング、何のためか!?

それはHIRO Acousticを鳴らし切ることができるか、という挑戦状を私がDEVIALETに
送ったことに端を発する同社からの回答という事だったのです!

今後、日本でDEVIALETをどのように取り扱っていくのか、近い将来に皆様に報告
することが出来ると思いますが、現状では取り扱いは検討中ということにしておきます。

「川又さんを通じて、ぜひDEVIALETを大事に使用している方に、この体験を広めて
 頂ければと思います。」

https://www.devialet.com/en-eu/expert-pro-audio-system/

ですから、K.T 様の上記のお言葉に対して、私は将来性を含めて今回のハルズ
モニターを体験して頂く対象として、K.T 様の愛用システムを正々堂々とご紹介し、
過去にお求め頂いたDEVIALET製品に関するアフターサービスにも責任を持ち、
新世代モデルとしてのDEVIALET Expert Proシリーズの啓蒙を兼ねて、今回頂いた
レポートが大変に有意義であったと感謝しているものです。

K.T 様 本当にありがとうございました。そして、自分のシステムは十分に熟成して
いると自負していらっしゃる皆様にも、まだまだお楽しみがありますよ〜、
ということでCAD Ground Controlの推薦企画は今後も継続していくことにします!!

ハルズモニターは会員限定企画です。この機会にハルズサークルに是非ご入会下さい!!

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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