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H.A.L.担当 川又利明




2008年8月11日
No.603 「Documentary of“Friday concert”Vol.31」
今回で31回目となりました。本当に会員の皆様あってのハルズサークルであり、
皆様のご愛顧に感謝しております。ありがとうございました。<m(__)m>

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/596.html

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>

http://www.dynamicaudio.jp/file/080808/guest.jpg

今回の企画は上記のように最初はESOTERICの新製品という単独のものでしたが、
結果的には思わぬ新製品のお披露目が相次いだものでした。

それらを当日の私の選曲の意味と解説を加えてご紹介させて頂きます。


the subject .1「ESOTERIC Master Sound Worksの進化形を体感する!!」

使用システムはBrief News No.596でご紹介している内容であり、今回は先ず
同一システムの中核を担うプリアンプとパワーアンプに対して電源環境を変化
させることで音質的な成長を皆さんに確認して頂きました。

■電源環境のよる進化・究極の音を絞りだす試み。

Take.1 C-03 & A-80 の電源ケーブルは付属品を使用する。

Take.2 C-03 & A-80 の電源ケーブルを同社7N-PC9100に変更する。

Take.3 一台のA-80に一台のPS-1500+7N-PC9100×2を使用する!!

この実験では、各々の電源環境において次の三曲を課題曲として演奏し、一曲
に対して三種類の音質を体験して頂き合計九通りの試聴を行いました。

その選曲について下記にご説明致します。

1.noon  Smilin' 01.SMILE
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A018348/VICJ-61344.html

今回は一番最初から大編成・大音量という曲目は使用しないことにしました。
ギター一本にヴォーカルだけというデュオの演奏ですが、noonのヴォーカルの
背景にはたっぷりとした空間提示があり、ヴォーカルの口許が確かに存在し
その周辺に空気感がどのように広がっていくのか、このポイントは電源の変化
のあり様を忠実に音質に反映して聴かせてくれます。

同時に、電源のグレードが上がって行くたびに声質も変化しギターのエコー感
も変わってきますので、先ずはシンプルな録音からスタートしたものです。
皆様はどのように三段階の変化を聴きとられたことでしょうか?


2. 諏訪内晶子/J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲集 
       01.J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV1043
http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/akiko-suwanai/discography.html

次は弦楽器の質感に注目して頂きました。ただし、まったくのソロではなく
バックにはコントラバスまでを含めて低域成分の重量感も一緒に聴いて頂き、
弦楽器の周辺に漂う雰囲気というか背景の広がりもチェックして頂きました。


3. DIANA KRALL「LOVE SCENES」11.My Love Is(MVCI-24004)
http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/diana/disco.html

三曲目は私の訪問記でも多用しているこの曲です。指を弾く音、ウッドベース、
そしてヴォーカルと、三者三様にスタジオワークで処理されたリヴァーヴが
どのように空間に広がっていくのか、また低域の音像はどう変化するのか。
NEOのポテンシャルが十分に引き出された実験だったと思います。皆様はどの
ように感じられたことでしょう。

今回は皆様の集合が早く定刻より10分早めてスタートしましたが、やはりこの
ような実験試聴には時間がかかります。
9回も電源をつなぎ換えた天野君ご苦労様でした。

この比較試聴が終わってから私のお勧めの曲を通しで一曲お楽しみ頂きました。

4. Cheryl Bentyne「This Masquerade」
http://www.kingrecords.co.jp/cherylbentyne/index.html

今回は前半はBrief News No.596でご紹介しているシステム構成ですが、これ
をどこで次のシステムに切り替えるのか。その演出にもこだわりました。その
流れを作るのに次の二曲を先ずはNEOで聴いて頂きました。


5. 《カラヤン/ベートーヴェン:交響曲全集》
ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 第一楽章 
http://www.universal-music.co.jp/classics/release/superaudiocd/sacd_sym.html

これは1963年の録音ですが、その代りSACDによってリリースされたディスク
です。アナログマスターをSACDという高忠実度のメディアで再現したもので
すが、使用している楽器はすでに近代化されたものでの演奏です。
それに対して、同じ曲でも…

6. 指揮: ガーディナー(ジョン・エリオット)
演奏: オルケストル・レボリュショネル・エ・ロマンティク
ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 第一楽章 
http://members.a1.net/gardiner/

1994年度レコード・アカデミー大賞受賞盤のこれは古楽器を使用しての演奏で
あり、ガットを使った弦楽器、バルブのない金管楽器、キーやレバーのない
木管楽器、堅いスティックで叩かれる皮張りのティンパニーなどオリジナル
楽器を使いながら更にオリジナル・スコアーで演奏し、そして録音年代は前曲
より30年も新しくデジタル録音となっている。

つまり、前曲のカラヤン/ベルリンフィルの録音よりは高音質でありながら、
少なくとも近代的な楽器を使っているカラヤン/ベルリンフィルで録音技術は
古いものと、ガーディナーのそれは使用している楽器と楽譜は200年ほど古い
ものだが近代的なデジタル録音という対比に私は注目していた。

そして、ベートーベンの交響曲の中でも打楽器が多用され迫力ある演奏では
なく、第6番 第一楽章をNEOを聴き比べたという選曲の意味は次の展開への
接続詞という意図を込めていたものでした。

このガーディナーの第6番 第一楽章をNEOで聴いた後に、直ちに私は次の
システムに同じディスクをかけて前置きなしに再生を始めたものです!!


◇Friday concert Vol.31 Kharma Grand Ceramique Midi 1.0-inspection system◇

………………………………………………………………………………
Vitus Audio SCD-010<専用ANDROMEDA ACケーブル1.5m付属>(税別\2,000,000)
http://www.cs-field.co.jp/vitusaudio/vitusaudiomain.htm
          and
TRANSPARENT PIMM(税別\480,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m×2 (税別\560,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Ayer KX-R(Silver) (税別\2,960,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/file/080212/Ayre_KX-R.pdf
     and
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Vitus Audio  ANDROMEDA INTERCONNECTS XLR-XLR / 1.5m (税別\496,000.)
http://www.cs-field.co.jp/vitusaudio/cable.htm

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Ayer MX-R(Silver) (税別\2,960,000.)
http://www.axiss.co.jp/fAyre.html
          and
H.A.L.'s original“Z-board”(二枚/税込み\114,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/521.html
          and
TRANSPARENT PIMM+PLMM(税別\606,000.)×2set
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Vitus Audio  ANDROMEDA SPEAKER CABLE-SINGLE / 3.0m (税別\1,183,000.)
http://www.cs-field.co.jp/vitusaudio/cable.htm

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Kharma  Grand Ceramique Midi 1.0 (税別\5,800,000)(ペア)
(グランド・セラミック・ミディ1.0 w/エニグマ)GR CE M-E-1.0  
http://www.dynamicaudio.jp/file/080730/Kharma.pdf
………………………………………………………………………………

□Kharma Grand Ceramique Midi 1.0(グランド・セラミック・ミディ1.0 w/
 エニグマ)を以降は GR CE M-E-1.0 と表記致します。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/598.html

私は上記のBrief News No.598でGR CE M-E-1.0の印象として低域の微小信号に
対する追随性と感度が素晴らしいということを述べていますが、今回この場で
初めてGR CE M-E-1.0を聴く皆さんに先入観を与えたくなかったものであり、
最初からおどろおどろした低音楽器がズドーンと録音されたもので低域を
クローズアップした選曲をしたくなかったのです。

ですから、低音楽器に近代的な音量感を持たないオリジナル楽器による録音の
ガーディナーの第6番 第一楽章という選曲で、スコアーとしてあからさまな
低音楽器の盛大な活躍がないものを選び、どちらかというと楚々とした雰囲気
の中で軽やかな低域の情報量というものをGR CE M-E-1.0から聴きとって欲し
かったという狙いがありました。これが五番や九番という選曲だったら少し
印象が違っていたでしょうが、GR CE M-E-1.0の第一印象は粛々として精緻な
再現性というところからスタートしたかったものです。

さて、GR CE M-E-1.0の微細な表現力と膨大な情報量というエニグマ・テクノ
ロジーの素晴らしさを前提にして、スピーカーだけが音質を支配しているわけ
ではなく、優秀なスピーカーはその手前で起こった変化に敏感に反応すると
いうこと。言い換えれば、スピーカーという出口の部分に至る過程で使い手が
意図した変化にきちんと反応してくれるということが重要なのです。

さて、その意味で上記システムを使ってCopulare Coral Lifterの使用前・使
用後の実験をやってみることにしました。

使用するポイントはVitus Audio SCD-010のみに4個使用しています。

7.Rameau: Une symphonie imaginaire
Les Musiciens du Louvre / Marc Minkowski
http://www2.deutschegrammophon.com/special/?ID=minkowski-rameau

この曲の冒頭から勇壮なドラムが響きます。そのドラムが豊かな残響に包まれ
ながら消えていく過程を繰り返し、そこにオリジナル楽器の弦楽器が流麗な
調べを重ねてくる演奏は低域の質感ばかりか弦楽器のディティールをどのよう
にCoral Lifterが変化させていくのかを楽しんで頂きました。


8. "Basia"「 The Best Remixes 」CRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX)
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/Basia/
http://www.basiaweb.com/
http://members.tripod.com/~Basiafan/moreimages.html#remixes1

次に、これも訪問記で多用するテスト曲です。くっきりはっきりしたサンプリ
ング音源によるドラムがCoral Lifterのありなしでどのように変化していくの
かというポイントは誰しもが気がつかれたことと思います。

そして、ここで私はGR CE M-E-1.0に付属するスパイクの受け皿ベースを使用
した時としない時の違いも実演しました。設計者が推奨するスパイクベース
ですが、結論としてはこの試聴室のようにタイルカーペットの上で使用すると
音像の鮮明さは後退するという現象を実演したものです。

この辺からCoral Lifterを使用した方が好みかどうかという問いかけをして
来場者に挙手によってCoral Lifter使用の好き嫌いをうかがっています。


9. Paganini Ensemble/Smoke Gets in Your Eyes 廃盤

この曲では面白い実験をしました。先ず、06.LA CAMPANELLA(Paganini)をかけ
てCoral Lifterのありなしで皆さんに問いかけたところ、なしの方が好きだと
いう方の方が少し多かったのですが、私はその結果も想定内のことだったので
同じCDから 07.AIR(J.S.Bach)をかけてCoral Lifterのありなしを問いかける
とほぼ全員がCoral Lifterありを指示しました!!

面白いものですね。同じディスクでも曲によって好みが変わるということもあ
るわけですが、実はセンターポジションで一人で試聴されればすべて結論は
Coral Lifterのありということになるものなのです。イベントですから、その
辺の手応えを探りながら私が仕掛けた実験でした。


10.Hallelujah - Summer of '86/  01  SUMMERTIME
http://www.afusotakako.com/

さあ、この辺でCoral Lifterのありなしという比較はおしまいにして、私の
選曲でじっくりと音楽を楽しんで頂こうということで皆様にお聞かせしたのが
この歌手です。いいですよ〜(^^ゞ


11. Wes Bound / Lee Ritenour 02 Boss Sity
http://www.universal-music.co.jp/jazz/best200/UCCU-5149.html

さてラストは派手に行きましょうということで、この曲を選びました。実は
この時すでに予定時間をオーバーしており、結果的に二時間二十分と延長して
のエンディングとなりました。皆様、お楽しみ頂けましたでしょうか?

また、上記レポートの選曲に沿ってご来場の皆様がどのように感じられたかの
ご感想を頂ければ大変うれしく思います。どうぞよろしくお願い致します。

こんなイベントに参加したいという方は先ずハルズサークルのご入会から。


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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