発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明




2008年8月4日
No.598 「H.A.L.'s One point impression!! Kharma Grand Ceramique Midi 1.0!!」
【Friday concert Vol.31- Kharma Grand Ceramique Midi 1.0出品決定!!】


「速報⇒Kharma Grand Ceramique Midi 1.0を私はこう聴いた!!」

2008年6月某日、今後日本で正式に輸入販売するという意向を固めたアクシス
よりKharmaの新シリーズ4機種を同時に搬入して頂き各フロアーにて試聴する
という好機に恵まれた。

http://www.kharma.com/

アクシス公式ファイル
http://www.dynamicaudio.jp/file/080802/Kharma_2.pdf

Grand Ceramic Midi 1.0, Including Enigma (GR CE M-E-1.0)\5,800,000 /pair  Piano Black
http://www.dynamicaudio.jp/file/080802/Kharma_GrandCeramiqueMidi1.0.pdf

Ceramic Reference Monitor 3.2.2, inc. stand (CRM 3.2.2)\3,750,000 /pair Jewel Green
http://www.dynamicaudio.jp/file/080802/Kharma_Ceramique3.2.2.pdf

Ceramic 2.3 w/ceramic tweeter and SDSS stand(Ce 2.3)\2,500,000 /pair  Lapislazuli Blue
http://www.dynamicaudio.jp/file/080802/Kharma_Ceramique2.3.pdf

Ceramic 3.2 w/ceramic tweeter and SDSS stand(Ce 3.2)\1,980,000 /pair   Piano Black
http://www.dynamicaudio.jp/file/080802/Kharma_Ceramique3.2.pdf

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

このKharma Grand Ceramique Midi 1.0を当時7Fで約二週間に渡り私は試聴し
たものであり、アクシスが正式な取扱い表明を行い、かつ私が述べたことを
実演によって証明できるという機会がFriday concert Vol.31にて実現するこ
とになったので、今でも鮮明な感動の記憶として残っているGR CE M-E-1.0の
音を語りたくなってきたものです。


  ◇ Kharma Grand Ceramique Midi 1.0-inspection system ◇

………………………………………………………………………………
ESOTERIC G-0Rb(税別\1,350,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0rb/
     and
H.A.L.'s original-JORMA DIGITAL/SMB Internal Wire (税込み\88,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/544.html
     and
ESOTERIC PS-1500MEXCEL+7N-PC9100(税別\1,250,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
     and
H.A.L.'s original“Z-board” (税込み\57,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/508.html
     and
H.A.L.'s original“P-board” (税込み\68,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/508.html
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync用)(税別\240,000.)→and ESOTERIC D-01 
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC P-01+VUK-P01(税別\2,500,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
     and
ESOTERIC PS-1500MEXCEL+7N-PC9100×1(税別\1,250,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/powercable/9100mexc.html
     and
H.A.L.'s original“P-board” (税込み\68,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/508.html
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m×2 Dual AES/EBU(税別\560,000.)
http://www.teac.co.jp/audio/esoteric/7nda6300/index.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC D-01+VUK-D01(税別\2,500,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
     and
ESOTERIC PS-1500MEXCEL+7N-PC9100×2(税別\1,600,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/powercable/9100mexc.html
     and
H.A.L.'s original“P-board” (税込み\68,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/508.html
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.5m×2 (税別\820,000.)
http://www.teac.co.jp/audio/esoteric/7nda6300/index.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
HALCRO dm8(税別\2,200,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm8_dm10.html
     and
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6100 MEXCEL RCA 7.0m
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/
          and
Cardas Myrtlewood Block / Large single notch  (税別 \9,800.) 
http://www.ohbashoji.co.jp/products/cardas/accessories/#woodblock

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
HALCRO HALCRO dm88 ×2 (税別\7,600,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm88.html
http://www.halcro.com/productsDM88.asp
          and
TRANSPARENT PIMM+PLMM(税別\606,000.)×2set
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Transparent  Reference XL  SPEAKER CABLE RXL8(2.4m)(税別\1,500,000.)
http://www.axiss.co.jp/ftran.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Kharma  Grand Ceramique Midi 1.0 (税別\5,800,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/file/080802/Kharma_GrandCeramiqueMidi1.0.pdf
………………………………………………………………………………

二週間という時間は長いようで短かった。当然色々な選曲で聴いてみたが、
最近の定番となっている課題曲を繰り返し聴くことが多かった。それは初日は
別としてバーンインが進行するにつれてクロスオーバーネットワークの熟成が
進んだのか、またドライバーユニットのスチフネスが向上したのか、ともかく
三日目から四日目、更に一週間という経過で様々な発見と驚きがあり、また
それらを系統的に理解していくのに共通した課題曲を何回も繰り返して聴いた
ということだった。そして、到った結論とは…!?

「こんな音を出すスピーカーは今までになかったぞ!!」という単純なこと。
では、今までになかったというのはどういうことなのだろうか?

□Kharma Grand Ceramique Midi 1.0(グランド・セラミック・ミディ1.0 w/
 エニグマ)を以降は GR CE M-E-1.0 と表記致します。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

GR CE M-E-1.0のユニット構成は素材の構造において各帯域で選択が大変ユニーク
であることが気になる。

11インチ・ウーファー:ダイヤフラムの素材はハニカム状のNomex(ノーメック
ス)の両面をKevlar(ケブラー)でサンドイッチしたEton オリジナル構造。
表面には特殊コーティングが施され、軽く剛性の高い低歪率性と固有共鳴を
排除した重低音を獲得。シャーシーフレームには、優れた振動吸収係数を持つ
AVT コンパウンドをKharmaが独自に塗布し、フレームの僅かな鳴きまでも追放
しています。

これはご存じのAvalon Acousticsが創立当初から採用しているウーファーだ。
まあ、しかし…、歴史的にはこちらのKharmaの方がAvalonよりも10年以上前に
設立されていたのだから先見の明を持っていたのはいずれかということか。

7インチ・ミッドレンジ: チタンのボイスコイルボビンを擁する7インチの
Accuton セラミック・ドライバー。そのセラミック・ダイヤフラムは厚さ僅か
100 ミクロン。セラミックならではの高い剛性と帯域外固有共振性によって
俊敏で滑らかな中域を受け持ちます。シャーシーフレームには、ウーファーと
同様にAVT コンパウンドが塗布され、フレームの僅かな鳴きまでも追放しています。

これもドイツのThiel&Partner社Accutonとして有名であり、同じアクシスが
輸入するlumen whiteをはじめとして世界中の多数のスピーカーメーカーが
採用しているドライバーユニットである。

1インチ・トゥイーター: チタン・ダイヤフラムにフェーズプラグをマウント
したFocalドライバーが超高域までスムーズにカバーします。

これも、フランス製のFocal.JM lab のブランドで自社製品にも勿論、同様に
世界的に多数のスピーカーメーカーが採用しているトゥイーターである。
このように素材も構造も全く異なる三つのドライバーが音楽再生において
どのような質感をもたらしてくれるのか、先ずはオーケストラという課題曲で
聴き始めたものだった。


■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章  小澤征爾/ボストン交響楽団

スピーカーのバーンインはマニュアルで一眼レフカメラのフォーカスを次第に
合わせていく過程に似ている。最初にファインダーをのぞいた瞬間の被写体に
対して、熟練した指先がレンズの回転を微妙なタッチで操るとピタリと焦点が
合ってくる経過を数日間かけて行うようなものだろう。

当然、私も三日、四日と熟成の時間をかけてからの試聴であり、毎日聴くたびに
大編成のオーケストラの個々の楽音が粒立ち、粒子のこまやかさが日増しに
なってくる状態を確認してきた。あれは一週間ほど経過してからだろうか…

この第二楽章が始まった瞬間に私は極彩色のkaleidoscopicをイメージしたの
だった。聴きなれた曲だけに弦楽器群のレイヤーの積み重なりとコントラバス
の余韻感の豊かさが桁外れに鮮明であり、同時に音色の数の多さが圧倒的な
表現力で展開することに我を忘れて聴き入ってしまった。

低音が豊かなスピーカーというのは量的に低域の音圧感、ボリューム感が豊か
であるというイメージだろう。しかし、この時のGR CE M-E-1.0が発する低域
は単純にたっぷりとした量感を聴かせるという次元ではなかったのである。

先ず、これは誰にでも分かってしまうことだが、コントラバスの楽音が発した
音像の中心点から広がるエコー感のスケールが並はずれて広く大きいというこ
とが強いインパクトをもたらした。

右手方向の定位感で演奏されるバスの余韻は何と左チャンネルの手前まで、
センターを乗り越えて左側のGR CE M-E-1.0の足元まで及んでいるではないか!

低音がたっぷり一杯出るというものではない。低音楽器の発したオクターブ下
の音階、1/2の周波数帯域まで軽々と発する敏感なウーファーの反応。そして、
微細な低音の信号までを正確に掘り下げて音響出力に変換するという職人芸と
も言える情報量の素晴らしさが低域に聴き取れるのである。

GR CE M-E-1.0のウーファーはクロスオーバー周波数が150Hzに設定されている。
スロープ特性は公開されていないが、低域の音圧はウーファーのダイヤフラム
のストロークの大きさが必要であり、そのストロークとはユニットのf0という
低域再生限界の周波数における振幅ということになる。

GR CE M-E-1.0の場合には再生周波数帯域は下が28Hzとされている。言い換え
ればウーファーの振動板が一秒間に28回のピストン運動を繰り返すということ
になるわけだが、150Hzまでという受け持ち帯域ではその5倍の周波数をも再生
しなければならない。つまり、毎秒28回という往復運動と毎秒150回という往復
運動を一つの振動板が同時に行っているということになる。

これをもっとかみ砕いて言うならば、28分の一秒に一回往復する間に、同じ
振動板は同時に150分の一秒の周期で前後運動しているということで、28Hzの
周波数を再生するために一往復する間に1/5の細かい振幅を同時進行でこなし
ているということになる。

例えるなら、扇子を毎秒28回振り回しているという状態があり、更に扇子の
軸に毎秒150回振動するバイブレーターを密着させたようなものだ。扇子を
あおいでいない時にも掌のなかのバイブレーターが一秒間に150回の頻度で
扇子を振動させている状態があり、今度はそれを手首のスナップを利かせて
毎秒28回あおいだとして、その時の扇子の表面に発する振動と同じように
大きな動きの中に細かい振動が共存しているという状況がウーファーの挙動と
言えなくもない。

さて、こんな比喩から連想して頂き、心地よい風を扇子が送ってくれるという
くらいの振幅で手首を動かすということであれば、例えば手首のスナップを
利かせてあおりの角度を90度、いや45度、もっと細かく30度くらいの角度で
扇子を動かしても風は感じられます。こんなイメージを私が従来から聴いて
きたスピーカーの低域とします。しかし!!

扇子をおある角度が90度、45度くらいで感じる風、空気の動きが一般的な低音
の音量感として例えるならば、GR CE M-E-1.0の場合にはわずか15度、10度と
いうわずかな角度でも微風と例えられる音圧を微小な信号に反応した証しとし
てGR CE M-E-1.0は聴かせてくれるのです!!これには私も驚きました!!

扇子の先端が30センチものストロークで振り回されれば結構な風が起こります。
でも、たった2-3センチ程度動かしただけで微風が顔を撫でるような心地よい
音を、それも低域の楽音で余韻感を司る微小信号に反応しているという事実。

これは私の経験からもドライバーユニットの性能だけではなく、クロスオーバー
ネットワークの設計と品位の素晴らしさだということを察することができる。

前代未聞の巨大なネットワークとして製品化されたAvalon AcousticsのOsirisの
思いでが脳裏をよぎる。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto43.html

そして、現在も http://www.avalonacoustics.com/ において健在ぶりを
発揮している NEIL PATEL その人とのインタビューが思い出される。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto45-01.html

上記の随筆に中にスピーカーの分析に欠かせないこんな一節があったことを
私はずっと記憶していた。

「ダイナミック型スピーカーは…、少なくともアヴァロンのスピーカーに
 おいては、ウーファーは電流によってコントロールされるべきドライバーで
 あり、ミッドレンジやトゥイーターは電圧によってコントロールされるもの
 と私たちは考えています。つまり、2ウェイ以上のスピーカーシステムに
 おいては、瞬間的には大変大きな電流を連続して流さなければならないウー
 ファー・セクションと、それ以外のユニットに対する回路とが一緒になって
 いるのが一般的なネットワークと言えます。

 これらを前提にして2ウェイ以上のネットワークでは、このウーファーに
 対する大きな電流がネットワークのアースラインと例えられる経路を伝わっ
 てミッドレンジ以上の帯域に影響を与えていることを、私たちは大分前から
 問題視していました。これが、これまでのアヴァロンのスピーカーシステム
 にユニット分の入力ターミナルを装備させ、各帯域のアイソレーションを
 優先した理由です。

 つまり、バイ・アンプやバイ・アンプなどに対応する複数のターミナルを
 装備したのは、それを商品にとってのセールスポイントにしようとするつも
 りではなく、当時の技術力では解決が出来なかったので単純な手段で対応し
 たということなのです。

 アイドロンの開発では、ネットワークの各帯域のアイソレーションも内部で
 解決することが出来たので、入力ターミナルは一系統になったわけです。
 シングルでも設計通りの音質と性能を発揮するのに、複数のターミナルを
 取り付け、一台のアンプで鳴らすときに入力ターミナルを外部でショート
 するジャンパーケーブルを使ったり、あるいはスピーカーケーブル二セット
 分の経費を使うことの方が不合理ではないでしょうか。

 ましてや、ジャンパーケーブルの品質が悪かった場合や、違う品質の二組の
 スピーカーケーブルでバイ・ワイヤー接続を行なったりすれば、設計者が
 意図した音質はことさら得られない状況となるでしょう。
 ですから、シングルのターミナルは逆にテクノロジーが進化した証拠である
 と理解してほしいのです。」 

このような記述がありますが、ぜひ全文をご再読頂ければと思います。
そして、私が今回のGR CE M-E-1.0を聴いて低域の情報量の素晴らしさに驚嘆
したということは…

「ウーファーは電流によってコントロールされるべきドライバー」

という理解を進めるとクロスオーバーネットワークの設計と内部配線の品質と
いうことにたどり着くからなのです。

GR CE M-E-1.0では次のようなテクノロジーが採用されています。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

Grand Ceramique Midi 1.0(エニグマ・バージョン)のEnigma とは、内部配線
材とクロスオーバー回路部品に独自のクライオジェニック処理を施し、電気
特性の改善を実現する高度な技術です。

クライオジェニック処理は、素材を一定時間超低温に置き、素材の分子・原子
レベルからその配列を整えることで、電気的、機械的な物理特性を向上させる
技術として高性能工具鋼工業の世界ではすでに多くの実績が証明されているも
のですが、その処理には、温度と過程によって様々なバリエーションがあります。

Enigma におけるクライオジェニック処理は冷却窒素ガスによる最高ランクの
超低温-196℃での冷却と復温との工程を独自のサイクルで時間を掛けて繰り返
し、常温でも安定した原子レベル再配列を得て物性の向上を図る究極的なプロ
セスによって行なわれます。

これによってsilver/gold 配線材とクロスオーバーを構成する各パーツは高い
導電性を実現し、過渡応答とS/N に優れた信号伝送が達成されています。

これです!! このテクノロジーがGR CE M-E-1.0で感じた低域の素晴らしさを
支えるものであり、同時にそれは中・高域における情報量とパフォーマンスに
も発揮されているわけです。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

3way構成の各ユニットの素材がまちまちであり、それを意識しつつオーケストラを
聴き始めた時の低域の素晴らしさから思わぬ方向へと話しが展開してしまいましたが、
そもそもNomex & Kevlarのウーファー、セラミック・ミッドレンジ、チタンダイヤ
フラム・トゥイーターという混成ドライバーの織りなすオーケストラでは低域だけ
ではない魅力が当然他にも感じられたものでした。再度ポイントを述べますと…

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章  小澤征爾/ボストン交響楽団

話しの順序が多少後先になってしまいましたが、低域の質感と情報量の素晴ら
しさを直観したのと同時に、実は弦楽器の美しさにも惚れ惚れとする再現性が
冒頭の重奏から発揮されていました!!

その弦楽器群を聴き、私が最初にひらめいたことはトゥイーターのチタンダイ
ヤフラムが発する高音階におけるヴァイオリンの質感でした。とにかく透明感
が素晴らしく、しなやかに伸びきる余韻がホールを埋め尽くす感じが絶妙!!

「待てよ!! この質感はどこかで聴いたことがあるような気がするぞ!!」

目前で演奏されるヴァイオリンは確かに摩擦音というかざらっとした感触が
感じられるものだが、距離を置いたステージと客席という関係、また大編成の
オーケストラならではの重奏で重なり合い微妙に違う音色の集合体が聴かせる
多重レイヤーの重厚さ。そして、何よりもホールエコーを含ませた録音作品と
しての弦楽器のリアルさを失わない程度のスタジオワークでの演出による質感
のなめらかさの追求。これらが総合的に弦楽器の音色に心地よさの成分を含ま
せているわけだが、摩擦感というよりは潤滑剤の効果によって滑っていくよう
な潤いあるヴァイオリンの質感に心奪われる。こんなに滑らかだとは!!

そう、これは何回も体験したことのあるリボントゥイーター独特の質感に似て
いなくもないではないか!!

刺激成分は皆無であり、弦楽器が表現するフォルテの高音階でも行き詰った
ような耳に刺さるような感触もなく、ふ〜と安堵感を覚えるような弓と弦の
交わりは擦っているというイメージはどうしても湧いてこない。絹の生地が
ひと肌にふんわりと接触し、それをそっと払っていく時に心地よく肌の上を
滑っていく感触と言える弦楽器を私は極上の再生音として記憶に焼き付けた!!

弦楽器の質感がこのように見事なスピーカーは管楽器に関しても何も心配は
ないというもの。トランペットが弦楽器群よりも高い位置関係から、しかも
遠近感を見事に聴き手に意識させながら響いてくる様子はホールの大きさを
巧妙に連想させるものであり、まぶしさを含まない金管楽器は壮大に広がる。

各ユニットの素材感の違いは全く意識する必要もなく、GR CE M-E-1.0の仕上
がりによって完璧な調和を実現している。そう、Avalon Acousticsのご存じ
Isisもトゥイーターこそ違うが、ミッドハイレンジのユニットは同様に異種
素材によって構成されていたものだった。Nautilusのように全帯域をアルミの
振動板で統一するという優先順位の発想も、また異なる素材のユニットを組み
合わせするということも、結果的には設計者の技術力と感性によって完成度が
高くなっているのであれば問題なしということだろう!!

余韻感や空間表現、そして楽音の質感そのものに関わる直接的な分析と評価は
大変素晴らしいものであり、当然そこにもKharma独自のEnigmaテクノロジーの
音質的な貢献が大きく発揮されているものだと実感されたものでした。

このスピーカーで聴くオーケストラ。皆さんが聴きなれた曲を聴いたとします。
以前のイメージよりも演奏している楽員の人数が三割増となって聴けることを
私が保証しましょう!! それほどいいです!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

すみません、ワンポイントのはずが…またまた長くなりそうな予感がしますが
ほどほどにまとめていくようにします(^^ゞ

■“Basia”「 The Best Remixes 」CRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX)

お馴染みの選曲で当然GR CE M-E-1.0を試してみました。ポイントは低域の
質感とバランス、そしてスピード感というところでしょうか? 
打ち込みのサンプリング音源によるドラムの音では色々なことを発見できます。

このドラムではスピーカーシステムのエンクロージャー設計とポートチューニ
ングのあり方がチェックポイント。重量感はあるが引きずるような感じがある
のはだめ、また音量の増加に伴ってウーファーのストロークが大きくなった
時に打撃音の立ち上がりと残響の部分で輪郭が乱れたり質感が破綻してもだめ
という簡単なことが即座に判定できる。

GR CE M-E-1.0でのドラムは第一印象からして過去の記憶を一蹴する程の新鮮
な発見をもたらしてくれた。先ずはどなたでも直観で分かって頂けるという
ものだが、立ち上がりのスピード感が極めて高速反応であるということ。

打音のインパクトが鮮明であり、またインパクトの瞬間の音像がしっかりと
認識できる。であるからこそ、そこから数瞬の間引き継がれる余韻感に濃密な
重さが加わり、しかも重量感はあれどいつまでもウーファーの振動板をもて
あそぶことなく、さっと次のインパクトに対応するブレーキの素晴らしさ!!

オーケストラでは余韻感というポイントで微弱な信号にしっかり反応するとい
う素晴らしさで表現したが、微小信号に反応するということは振動板がいかに
コントロールされているかであり、ウーファーに送り込まれるエネルギーに
時間的な遅れを伴わないという魅力がスタジオ録音でもEnigmaテクノロジーの
素晴らしさを聴かせてくれる。

Basiaのヴォーカルにしても非の打ちどころがない。弦楽器の質感であれだけ
素晴らしい再現性があるものはヴォーカルにおいても万全の再生音を引き出す。

音場感の素晴らしさは言うまでもないのだが、ことさら口許にフォーカスを
合わせ、そこから発したリヴァーヴの透明度の高い響きの拡散として、トゥ
イーターに送られる信号の鮮度の高さを思わせる情報量を含んでいる。

■MICHAEL BUBLE/1.「Fever」WPCR-11777

■DIANA KRALL 「LOVE SCENES」11.My Love Is(MVCI-24004)

■MUSE 1.フィリッパ・ジョルダーノ/ハバネラ

■ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」

定番の課題曲を当然すべて聴きまくりました!!

微細な余韻感を忠実に再現するというのは低域だけに限らず、ヴォーカルでも
ギターやピアノでも同様であり、国内外のスタジオワークの個性の違いでも
あるヴォーカルの口許サイズの違いもしっかりと描き、生き生きとした音楽を
明るい音色と雰囲気でダイナミックに表現するGR CE M-E-1.0に感動しました。

◆だから、私自身が過去に聴いたことがない音と発言したものです!!

あ〜、またやってしまいました。(^^ゞ
ワンポイント・インプレッションのつもりが、こんなにも語ってしまいました。

デザインは特に気負った奇抜さはありません。仕上げは素晴らしくきれいです。
しかし、その音質たるや今までのスピーカーの評価ランキングが揃って1段階
下がり、上位にGR CE M-E-1.0がポンッとはまり込んでしまうことでしょう!!

そして、このスピーカーの傾向を助長するようなエレクトロニクスの選択と
して私が次回ぜひ試してみたいという期待が大きいのがこれです!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/572.html

そうです!! Ayer KX-R & MX-RのキャラクターはDNA鑑定で証明できるほどに
GR CE M-E-1.0の魅力と個性に一致するであろうと私は予言します!!

■輸入元が同じアクシスだから言っているわけではありません。誤解なきよう。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

そうです!! そんな私の予言を証明することが近日中にできるではないですか!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/596.html

どうぞ体験しに来て下さい!!

そのためには先ずハルズサークルにご入会を。


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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