発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明


2009年2月17日
No.638 「Documentary of“Friday concert”Vol.34」
 
今回で34回目となりました。本当に会員の皆様あってのハルズサークルであり、
皆様のご愛顧に感謝しております。この言葉は毎回述べさせて頂きたいものです。
ありがとうございました。<m(__)m>今回はこんな企画でした。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/637.html

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>

http://www.dynamicaudio.jp/file/090213/guest.jpg

オーディオのイベントと言えば評論家を招いての講演がつきものですが、私の
イベントは言わば完全ハンドメイドです。企画からセッティング、当然音質の
決定も行い、選曲から解説までほとんど自作自演というものです。

そして、毎回のテーマに対して参加者がどのように反応するかということを
かなり高い確率で予想し、その反応を見越した上でストーリーを組み立てて
いくものです。

今回の主題は同ブランドの新製品のパワーアンプ二機種の徹底比較試聴でした。
しかし、これにはMarklevinson No.53 (税別720万円)No.532 (税別280万円)と
いう単なる価格の違いだけではなかったわけです。

モノラルアンプ対ステレオアンプ、デジタル(スイッチング)アンプ対アナログ
アンプ、という図式での比較ポイントもありました。そして何よりも高い水準
をクリアーしている両者の個性の比較ということでしょう。

それらがどなたにでも分かりやすいようにスピーカーの選択と選曲によって
私がコーディネートして、参加者をいかにして騙すか!?(^^ゞ

今回の進行はスピーカー三機種を選曲によって切り替えながら、同じ曲を二つ
のパワーアンプで比較試聴して頂き、参加者が自分の好みの音質と判断した方
に挙手して頂くという二者択一の判定を繰り返していくというものでした。

ここでのポイントはNo.53とNo.532を聴き分けて、最初のアンプAか二番目の
アンプBが各々どちらであるかを聴き分けて頂くということではなく、あくまで
も自分自身が音質的にこの演奏にはこちらのアンプの音の方が好ましいという
主観的な評価をして頂こうというものでした。ですから、曲ごとにNo.53とNo.532
を交互に切り替えますが、最初のアンプAと二番目のアンプBは曲ごとに順番を
私が指定して切り替えましたが、参加者には完全なブラインドテストという
ことで演奏前にはいずれのアンプかということはお知らせしていません。

また、当日使用を予定していたMarklevinson No.512は都合により変更し、
ここのリファレンスであるESOTERIC P-01/D-01/G-0Rbのフロントエンドにて
実演することになりました。さあ、参加者の反応はいかに!?

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

今回も第一声となる最初の選曲にこだわりました。弦楽器はこう鳴ってほしい、
ピアノはこう鳴ってほしいという風にオーディオ装置で聴く各種の楽音には
必ず皆様の思い入れというか先入観というのか、期待する音を自分のイメージ
で作り上げてしまう傾向があるものです。

ですから、各種の楽器の再生音にはリスナーの主観が多分に入り込んでいる訳
ですが、このような曲であれば個人的な思い入れを排して客観的に音質の違い
を観察して頂けるというものなのです。

そこで私がH.A.L.のライブラリーから選び出してきたのがこのディスクです!!

■神山純一【水の音楽】 (VICG-5297 VICTOR)  2.Misty Pastoral
http://www.supercompany.co.jp/
http://www5b.biglobe.ne.jp/~scomp/cd/cdd2.html
使用パワーアンプ:Marklevinson No.532 (税別\2,800,000.)

1945年に創業したHOYA株式会社クリスタルカンパニーの協力によって作られた
音源を使用したものです。 http://www.hoyacrystal.jp/

様々なHOYAクリスタル製のガラスの器に色々な分量の水を入れ、それに水滴を
垂らした時の音をサンプリングして楽曲に仕上げたものです。ガラスの厚みや
形、同じガラス容器でも入れた水の分量によって水滴の音は千差万別です。

このように客観的に先入観のない音で、まず最初に三種類のスピーカーを自己
紹介ということで連続して鳴らしました。

………………………………………………………………………………
REVEL AUDIO ULTIMA SALON 2(税別\3,600,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/product/revel/ultima2.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/547.html
             vs
Kharma / Ceramique 3.2.2 (税別\3,200,000.)
http://www.axiss.co.jp/fKharma.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/598.html
             vs
Raidho Acoustic C-3(税別\3,400,000.)
http://www.timelord.co.jp/Consumer_audio/Raidho/ayra_c3.html
………………………………………………………………………………

先ず三種類のスピーカーの個性を最初に手応えとして感じ取って頂こうという
ことで、水の音楽を皆様に楽しんで頂きました。

それに今回の三機種のスピーカーの形式ですが、ULTIMA SALON 2はサブウー
ファーを搭載した4ウェイ、Raidho Acoustic C-3は3ウェイ、Ceramique 3.2.2
はネットワークとしては2ウェイですが、ポートチューニングにより2.5ウェイ
という独特な方式。

これらの低域の再現性における特徴も、私が課題曲を鳴らし分ける時の選曲の
理由となっているものです。さて、これからがいよいよパワーアンプの比較に
進んでいきます!!

JEFFROWLAND  Criterionのプリアウトから二系統同時にNo.53とNo.532に接続。
スピーカーケーブルもSTEALTH Hybrid MLTを二系統として極力同じ条件を
設定し、切り替えを担当する天野が私の指示によって各スピーカーの後方で
二つのパワーアンプから来ているスピーカーケーブルのいずれかを接続すると
いうことで参加者にはどちらのパワーアンプが鳴っているのかわからないよう
にしての比較試聴です。

No.53とNo.532のどちらを先に演奏するかということも私の想定で毎回順序を
変えていきます。参加者にお知らせしているのは最初に鳴らしたアンプAとい
うことと二番目に鳴らしたアンプBという表現で演奏後に好きな音質に手を
上げて頂くという繰り返しです。使用するスピーカーは私の判断で次のように
進行していきました。

さて、最初のスピーカーはREVEL AUDIO ULTIMA SALON 2でスタートしました。

■Quincy Jones 「From Q, With Love」1.Setembro (Brazilian Wedding Song)
http://www.quincyjones.com/ 
http://www.quincyjonesmusic.com/ 
http://www.quincyjonesmusic.com/SongCatalogue/contempindex.html
http://www.amazon.co.jp/Q-Love-Quincy-Jones/dp/B000A2H8XA

この曲はSARAH VAUGHANとTAKE6の、それはそれは重厚なコーラスが余韻感豊か
に展開する演奏で、一見複雑に絡み合っているような複数のヴォーカルの個々
の音像が見えるかどうか、また低域のリズム楽器のゆったりした楽音の質感が
きちんと分離しているかどうかなど、聴きなれる程に隠されたチェックポイント
に気が付いてくるものなのです。しかし、初めて聴くとどうでしょうか〜(^^ゞ

さて、聴き終わってから皆様に問いかけると次のような投票数となりました。
そして、皆様の回答をうかがった後でアンプの種明かしをしていきます。
カッコの数は支持された人数で使用したパワーアンプはこうでした。

アンプA.(4)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.53 (税別\7,200,000.)

アンプB.(5)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.532 (税別\2,800,000.)

一曲目はほぼ互角ということでスタートしました!!


■Renato Sellani Trio「My Foolish Heart」(VHCD-1001)1.Besame Mucho
http://www.venusrecord.com/v2/release/VHCD-1001.html

これは最近購入したディスクです。イタリア人のピアノトリオというユニーク
な録音ですが、このレーベルお得意のハイパーマグナムサウンドという個性的
な音質傾向で録音レベルが大きい再生音です。しかも、各楽音の解像度をこれ
でもかと克明に録音しているのではなく、多少オフマイクでありながら楽音の
余韻感と広がりも適度に含んだライブ演奏の雰囲気をたたえたダイナミックな
録音です。つまり、スタジオ的ハイファイという傾向とは違うというところが
ミソなのですが、これはどうだったでしょうか!?

アンプA.(1)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.532 (税別\2,800,000.)

アンプB.(8)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.53 (税別\7,200,000.)

はい、皆さんの投票数はこのようになりました。さあ、どんどん行きましょう。


■Sting「NOTHING LIKE THE SUN」3.ENGLISHMAN IN NEW YORK
http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/sting/pocm2087.html

これはもうスタンダードと言える選曲です。しかし、弦楽器のピッチカートや
ジャズモードのドラム、印象的なサックスとこじんまりとしたStingの口許を
表現するヴォーカル、途中で叩かれるダイナミックなドラムなどチェックポイ
ントは結構あるものです。さて、どうなったでしょうか!?

アンプA.(1)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.532 (税別\2,800,000.)

アンプB.(8)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.53 (税別\7,200,000.)

はい、こんな投票数となりました。この第一ラウンドではデジタルアンプと
アナログアンプの個性の比較ということが知らず知らずのうちに参加者の耳に
楽音の鮮明さと透明感の度合という比較要素を印象付けたのではないかと私は
察していました。

重なり合うコーラス、アコースティックなジャズ、楽音の明快なポップスとい
う三曲ではモノラルアンプであり、デジタルアンプのNo.53の支持率が高いよ
うでしたが、さて、これからが問題です〜(^^ゞ


さて、第二ラウンドのスピーカーはKharma / Ceramique 3.2.2でいきます!!

■TUTTI! An Orchestral Sampler "The Absolute Sound Super Disc List"
6 Wolfgang Amadeus Mozart: Piano Concerto No. 21/Andante, Eugene Istomin, piano, Gerard
Schwarz/Seattle Symphony;
http://www.referencerecordings.com/SAMPLE.asp#samplers

今回の選曲ではクラシックが少ないのですが、私は意図的にこの曲を選びました。
オーケストラ全体の音場感も広大であり、その中心で演奏されるピアノの音像
の描き方も雄大に録音されています。

このピアノは打音個々の解像度がどうこうというよりも、背後のオーケストラ
のテクスチャーにうまくマッチして溶け込んでいるピアノの質感が聴きどころ。

そのオーケストラの弦楽器とピアノの打音が空間で混じり合うようでいて分解
能がきちんと聴き取れるところがパワーアンプの好き嫌いにどう影響するのか。

アンプA.(4)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.53 (税別\7,200,000.)

アンプB.(5)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.532 (税別\2,800,000.)

皆様の投票数はこのようになりました。ほぼ互角というところですが、やはり
弦楽器とピアノという打楽器の再生音には好みを自己主張しやすいポイントが
あるものでしょう。さて次です!!


■山下達郎「ON THE STREET CORNER 3」2.STAND BY ME
http://wmg.jp/artist/tatsuro/WPCV000010032.html

さて、この選曲では弦楽器も打楽器もなくアカペラという声だけの録音です。
しかし、純然たるスタジオワークでオーバーダビングされたヴォーカルの口許
が多数であればあるほど着目点もそこに集約してくるものでしょうか?

あるいは、アコースティックな余韻感よりはダイレクトな声の響きのひとつ
ひとつに鮮明さを感じられたのでしょうか? こんな結果になりました。

アンプA.(1)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.532 (税別\2,800,000.)

アンプB.(8)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.53 (税別\7,200,000.)

これは圧倒的な違いでした。上記のピアノトリオやStingと同じ結果ですね〜。


そして、第三ラウンドのスピーカーはRaidho Acoustic C-3です。

■Ali Project「月光嗜好症-ストリングスアルバム」9.共月亭で逢いましょう
http://aliproject.info/discography/album.html   AECP-1008より 

この曲は私が用意した「ひっかけ問題」(笑)の一つでもありました。つまり、
これこそ高い確率で結果を予測した選曲であり、No.532の魅力というものを
クローズアップさせたいという正念場だったのです。

宝野アリカというシンガーの声質がなんとも魅力的で、ストリングスのバック
がピッチカートによる大変美しい演奏を繰り広げる。

当然アルコで奏でるヴァイオリンの質感もチェックポイントなのだが、実は
この録音の弦楽器の質感は意図的かどうかわからないが、ちょっと毛羽立った
印象の音質傾向があるのです。

だから、私もシステム構成によっては弦楽器の摩擦感が微妙に強調されたよう
に感じられ、乾燥したヴァイオリンの質感がちょっぴり耳障りに感じることが
あるという録音。独特の雰囲気があるヴォーカルを聴きながら、無意識にこの
弦楽器の質感に滑らかさを求めてしまうのが聴き手の共通した心理かもしれま
せん。そして、皆様の投票は…!?

アンプA.(1)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.53 (税別\7,200,000.)

アンプB.(8)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.532 (税別\2,800,000.)

私が先にNo.53をお聴かせして、その後でNo.532を聴いて頂くという順番に
したというところもミソなんですね〜(^^ゞ

どうですか、大逆転という結果になりました。再生音を分解する、分析すると
いう解像度の素晴らしさは録音の個性や傾向も浮き彫りにします。それを追求
しようとする志向性でシステムチューニングしていくのであれば良いのですが、
多様な録音品位に対してある程度の平均化を促し、滑らかさを促す傾向の音質
がパワーアンプだけの違いという今回の比較試聴で浮き彫りになったようです。

さあ、次に続きます!!


■Yo-Yo Ma Plays Ennio Morricone/1.  Gabriel's Oboe
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/SR/YOYOMA/index.html

これはYo-Yo Maの演奏したチェロがバックのオーケストラにどのように混じり
合いながら余韻感をイメージさせ、また空間の大きさを連想させ、しっとりと
した弦楽器の群れにソリストの楽音が埋もれることなく絶妙に分離感を保つの
かという聴きどころがありました。

私はRaidho Acoustic C-3が奏でる弦楽器の美しさを本当に美音として評価し、
すがすがしくも流れるような弦楽器の質感を楽しんで頂ければという狙いも
ありました。しかし、前曲のような録音の特徴はなく、どんなシステムで聴い
てもまろやかでありしなやかな弦楽器がこの曲には録音されています。

その質感と余韻感を参加者はどのように評価されたのか?

アンプA.(3)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.53 (税別\7,200,000.)

アンプB.(6)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.532 (税別\2,800,000.)

いいですね〜、そうですね〜、No.532の魅力というのはこういうところにある
と私は思っています。ガツンとした手応え、個体感のあるリズム楽器、ソリッドな
切れ味のよさを再生音に引き立たせるということよりは、しっとりとして温度感
のある肌合いの、そう!! ふくよかな演奏を心地よく聴きたいという向きには
好適ではないでしょうか? でも、誤解しないで下さいね。締めるべきところは
きちっと締めて聴かせますので(笑) さあ、次にいきましょうか〜!!

でも、二時間というのは本当にあっという間です。既に残り10分程度なのに
私がかけたい曲はまだ三曲あります。今回も時間延長でお付き合い下さい(^^ゞ


■アンドレ・プレヴィン/ガーシュウィン・ソングブック6.I've Got Rhythm
http://www.universal-music.co.jp/classics/release/m_topics/umcl200702/gershwin70.html

このRaidho C-3は何と3KHz以上の帯域をシールディッド・リボン・ツィーター
が一手に引き受けているという大きな特徴があり、3個の115mmという小口径の
セラミック製ウーファーは30Hzから150Hzを受け持っている。これは上記の
ULTIMA SALON 2のサブウーファーとほぼ同じ動作帯域ということになるが、
二者の低域の傾向は大分大きな違いがある。

私はそれを聴いて頂こうと、この選曲をしてみた。大きなホールでピアノと
ウッドベースのデュオというシンプルであり音場感豊かな録音である。

ピアノとウッドベースの両者に大きな空間をイメージさせる豊潤なホールエコー
が重なり合い、楽音の核心部分とエコー感のセパレーションをいかに鮮明に
聴かせるかがポイント。しかし、この録音では上記のスタジオ録音で弦楽器が
ドライに聴こえたような心配は全くない。それだけ豊富な余韻感が含まれて
いるのだが、再生装置が再現する余韻感の癖から楽音のコアな部分をいかに
きれいに洗い落してくれるかが楽しみなところ。

都合のよい解釈をすれば、解像度は素晴らしく鮮明でありながら、豊潤な余韻感
をわずかでもロスすることなく聴かせてほしいということになろうか。

ピアノもウッドベースも確かに長い尾ひれの余韻感をまとっているが…、さて
皆さんはどう思われたのか!?

アンプA.(2)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.532 (税別\2,800,000.)

アンプB.(7)名→使用パワーアンプ:Marklevinson No.53 (税別\7,200,000.)

おおー!! と驚くことはありませんが(笑)そうでしたか〜皆さんはこのように
ご自分の感性で「うまい、美味しい」を判定されたわけですね〜(^^ゞ

予定時間をオーバーしてしまいましたが、エフコンはあくまでもコンサートと
いう形式を最後には示したいものです。比較試聴で楽しんで頂いた最後では
前曲と同じ「I've Got Rhythm」をピアノソロで楽しんで頂きましょう!!

■HIROMI 『Beyond Standard』9.I've Got Rhythm
http://www.hiromiuehara.com/discography/
この曲での使用パワーアンプ:Marklevinson No.53

秋葉原という夜になると人口が激減する地域性もあってか、地上七階のこの
フロアーでは夜間になるとグランドノイズも減って結構静かになります。

真夏では出来ませんが、試聴室の空調と換気扇、照明も落として最後の一曲を
存分に楽しんで頂きました。

このHIROMIの演奏は凄かったですね〜!!
皆様はどのように感じられたことでしょうか!?

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

今回は三機種のスピーカーを使ってMarklevinson No.53 (税別720万円)と弟分
のNo.532 (税別280万円)を徹底比較するという企画でしたが、上級機の方が
当然素晴らしいだろうということは間違いなく証明されました。

しかし、上級機とは言えども異母兄弟のごとく流れている血は全く同じもの
ではなく、デジタルアンプとしての完成度を追求したNo.53とNo.33Lという
名器の血を引くNo.532では性格と魅力が異なるということかと思いました。

No.53のパフォーマンスを語るということは決してNo.532を踏み台にして語る
べきものではないということです。両者ともに個性と魅力があり、それはプラ
イスという絶対値で高低の違いはあっても低価格?のNo.532がすべてにおいて
劣るということはないのだ、という証明ができただけでも良かったと思います。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/632.html

以前には上記のようにGOLDMUND TELOSシリーズを一気に比較するという試みを
行いましたが、TELOSシリーズという共通したテクノロジーをアンプの価格に
反映させるとこうなるんだ〜という発想では同種同族の中での上下関係の比較
ということで、ある意味当然の格差が聴きとれたものでした。

しかし、今回のNo.53とNo.532の比較ということでは、決して同じ血統に基く
格差ということで割り切れない個性と魅力が実感出来たものと思います。

参加された皆様、ご自分の好みを主張されたときに必ずしも価格差と同じ結論
ではなかったということを思い出して頂ければと思います。

参加者の皆様からもご感想をお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願い
致します。遅くまでお付き合い頂きありがとうございました。<m(__)m>


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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