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H.A.L.担当 川又利明
    
2015年12月18日 No.1272
H.A.L.'s One point impression!!-MIKI YAMAOKA New Album-One Day,Foreverに興奮!!
山岡さん、先ずは最新アルバム発売おめでとうございます!!

■One Day,Forever/MIKI YAMAOKA & BENNY GOLSON
http://mikiyamaoka.maiougi.com/page6.html

早いもので山岡さんとの出会いから三年経ちましたね〜。
今回はハルズサークル会員に向けたオーディオ的分析というよりは、シンガー
として更に磨きをかけていらっしゃる山岡さんのNew Albumの感想ということで
語らせて頂きたいと思います。そもそもの出会いはこんな感じでしたね。

「H.A.L.'s One point impression!!-リアル-山岡未樹-の魅力!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/900.html

前作「I'm a woman,Now-MIKI-」を聴いてのインプレッションは下記にて。

H.A.L.'s One point impression!!-I'm a woman,Now-MIKI- Vol.1
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/896.html

H.A.L.'s One point impression!!-I'm a woman,Now-MIKI- Vol.2
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/897.html

H.A.L.'s One point impression!!-I'm a woman,Now-MIKI- Vol.3
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/898.html

さて、録音作品の音質にこだわる私としては国内外のジャズヴォーカルを
今までに多数聴いてきましたが、録音する国、あるいはスタジオ、そして
プロデューサーや録音エンジニアの感性などで国内制作と海外録音では
再生音に独特の個性があります。

一口に言いますと、国内録音で日本人のエンジニアやプロデューサーによる
作品ではヴォーカルのマウスサイズは小さく、音像とリヴァーヴの差別化を
しっかり捉え、バックの演奏も楽音各々にスポットライトを当てたように鮮明。

それに対して海外録音のヴォーカルの音像は大ぶりになり、バックの演奏は
主役のシンガーの存在感を重視するかのように遠近法的にはヴォーカルと等距離に
配置される傾向があります。もちろんレーベルや作品によって異なる傾向が
ありますが、何と言っても国産CDの方が細やかさに勝り、海外録音では雰囲気
とエネルギー感が重要視されるような傾向と言えるでしょうか。

前作「I'm a woman,Now-MIKI-」との対比でもそのような傾向がありました。
さて、そんな豪華メンバーで行われたニューヨーク録音という新作を聴くに
当たり私がコーディネートしたオーディオシステム構成は次のような感じです。
http://mikiyamaoka.maiougi.com/page1.html

スピーカーはSonus faber	Aidaで1Pairのお値段は¥14,600,000.
http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/AIDA.html
簡単に言うと高さ1.7mで重さ165Kgというイタリア製高級スピーカーです。

Accustic Arts	PLAYER II	¥2,500,000.
http://www.dynamicaudio.jp/file/20141027-AccusticArtsPLAYERII.pdf
Accustic Arts	AMP III	2台	¥5,360,000.
Accustic Arts	TUBE-PREAMP II	¥1,430,000.
http://www.hifijapan.co.jp/accusticarts.htm
簡単に言うと250万円のドイツ製CDプレーヤーと679万円のドイツ製アンプ。
このCDプレーヤーは内部で192KHzにアップサンプリングするので、普通のCDも
今流行りのハイレゾに変換して聴くことが出来るものです。そして、上記に
述べた海外録音の雰囲気をいかにして出すかという事でスピーカーの選択も
ありますが、このアンプとCDプレーヤーには真空管が使われているという事も
特徴の一つです。ただし、全てが真空管ではなくソリッドステートの回路の
中でアナログ・シグナルパスのみに使用するハイブリッド型というもの。

その他にAccustic Artsの電源やケーブル関係を含めると、ざっくり2,500万円
くらいのオーディオシステムということになります。これを十分にウォーム
アップして、今日はじっくりと聴かせて頂きました。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

1.Whisper Not
冒頭からいきなりのBenny-Golsonのソロ。いや〜、驚きましたね、深々とした
響きの中にエネルギーを感じさせ年齢を思わせないサックスに痺れます!!

前述のように前作の国内録音よりも温度感というか音像がゆったり感じられる
山岡さんのヴォーカルがすーっと私の目の前に浮かびあがります。

ジャズ界の美空ひばりと例えたらお叱りを受けてしまうかもしれませんが、
山岡さんの声質というか声音は実に多彩で千変万化の歌声が一曲目から聴かせます!!

サックスのイントロからヴォーカルにセンターポジションを譲り、聴き惚れて
いると中盤からはBenny-Golsonと山岡さんがセンターで絡み合うように展開し、
各々がくっきりと分離しながら聴こえる録音の素晴らしさを感じさせます。

2. Peaceから、3. Paradice Cafeを気持ち良く聴き進み、心地良さにうっとり。
4. I Remember Cliffordも楽しみながらついついオーディオ的に聴いてしまう。

Buster-Williamsのペースは落ち着いたコード展開でしっかりと演奏全体を支え、
Benny-Golsonともどもセンター定位で充実した演奏が見事。そして、ドラムの
Carl-Allenのハイハットとシンバルに左右のパンをかけてセンターより両翼に
涼やかなリズムを刻んでいます。

まるで山岡さんを包み込むようなバックの布陣は録音エンジニアDennis-Wallの
センスが光るところだと思います。野力奏一さんのピアノとCarl-Allenの
ドラムを左右に広げる定位感を設定していますが、どちらかというとセンター
定位の山岡さんの周囲に手厚く伴奏者を並べている録音です。

5.My Romanceですか〜、思わず体が動いてしまうノリの良いリズムに山岡さん
のヴォーカルがジャストミートして軽快な歌声が実にいいですね〜。気持ちいい!!

6.Autumn in N.Yの聴き慣れたメロディーに山岡さんの歌声が実にしっとりと
マッチしています。ある時は哀愁を帯びた少し儚いような歌声に心ひかれ、
曲によってヴォーカルのテンションが緩急自在に変化する素晴らしいさ!!

7.I Love Youや8.Feeling Goodでは山岡さんの声が虹色の変化を見せて、
フレーズごとに呟くような声音から伸びのあるサビまで、数分間の長いクレッシェンド
を思わせる盛り上げ方が物凄いですね!!さすがでございます!!

9.One Day Forever あ〜、この曲ロマンチックですね〜。オーディオのことを
忘れさせてくれる素晴らしい旋律を切々と歌い上げる山岡さんのヴォーカル。
若手のシンガーと何が違うかっていったら、伸びのある豊かな声量と迫力(失礼)
そして、聴く人の気持ちを熱くしてくれ、元気を下さるような情熱でしょうか。

10.Fly Me To The Moonはやってくれましたね〜!!山岡さんじゃないとダメな
ベースとのデュオです!!思わずRon CarterとのLullaby of Birdlandを思い
出してしまいました!!

前半での名手Buster-Williamsのインプロビゼーションが印象的です。だって
聴いているうちに自然にノッテくるのですから。そこに山岡さん登場!!

ヴォーカルのみが広い音場感を支配する爽快な録音であり、シンガーの実力が
浮き彫りになるアレンジに山岡さんの歌唱力がぴったりマッチした選曲。

最初は異なるメロディーというかベースと山岡さんが独自の旋律で進行するも、
中盤にさしかかるところで出ました!!山岡さんの鋭いFinger snapです!!

まるでBuster-Williamsに鞭を入れたような(失礼)鋭く弾ける山岡さんのノリに
ベースが次第に寄り添ってくるように聴こえるから不思議です。エンディング
に近づく頃にはBuster-Williamsはすっかり山岡さんのヴォーカルに従順な
コード進行になり、さすがというサポートでFly Me To The Moonを締めくくる。

思わず身を乗り出して聴いてしまうラストで山岡さんのサプライズあり!!

「I Love Buster」という肉声が何ともチャーミングでした!!

これから当分はこのフロアーでリピートさせて頂くことになるでしょう。
ここには老若男女、様々な方がいらっしゃいますが、まだ山岡さんを知らない
人々もいるのは事実。そういう皆様から「この人誰ですか?」と訊かれる事が
私の楽しみでもあります。例えば…↓こんな事もありましたから…。

「川又さ〜ん、聴かせて〜! とあの方がアポなしでご来店!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/918.html


担当:川又利明
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