発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明
2012年2月2日
 No.896 「H.A.L.'s One point impression!!-I'm a woman,Now-MIKI- Vol.1」
 
「縁は異なもの味なもの」とは誰が言った事やら…。しかし、人生色々な出会い
巡り合いがあるものです。そんなエピソードが感動を呼びました!!

「第35回マラソン試聴会“音の絆”」 では次のように述べていました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/862.html

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「演奏家・アーチスト」が演奏したものは「レコード・ソフト制作者」が
パッケージ化して商品とするが、それらを実際に再生する場所とは
「ユーザー・音楽愛好家」の自宅であり、また当社のようなオーディオ専門店
でないでしょうか。

「オーディオ製品制作者」が設計し生産したコンポーネントを使う場面は
やはりユーザーであり専門店です。「オーディオ専門誌」というメディアが
オーディオ製品を紹介し、また「評論家」の解説によってユーザーの期待感が
高まった時に商品を聴きに行くのは雑誌社ではなくオーディオ専門店です。

言い換えればメーカーと消費者の接点、メディアとユーザーの接点も全て
オーディオ専門店であるという図式になると思われます。

音楽鑑賞という趣味を構成する要素として「演奏家・アーチスト」「レコード・
ソフト制作者」「オーディオ製品制作者」「オーディオ専門誌」「評論家」と
いう各分野の全ての接点にオーディオ専門が位置しており、さらに音楽によって
人と人、音と音をつなげていくという"絆"の役目をも担っていると考えています。

オーディオ専門店とは、このように音楽の演奏者と録音作品が実演される拠点
であり、そこに各分野の人々が集まってきます。

今回は「音の絆」とはオーディオ専門店であるという呼びかけを広く全国に
向けて行い、純粋に音楽を楽しみ感動して頂ける場面を作り出すことを主眼に
「マラソン試聴会」を実施致します!!

オーディオシステムで演奏する音楽に浸り、純粋に音楽に感動して頂き、
楽しさと喜びを提供していくという発想を、今回の「マラソン試聴会」では、
音楽を通じて精神的な復興に少しでも貢献し「音の絆」としてダイナミック
オーディオの存在意義を多くのユーザーの皆様に提供していきたいと思います。

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このポリシーは当然日々の活動にも生かされているというエピソードです。

2012年1月28日のこと、一枚のSACD/CD HyBridディスクが持ち込まれました。
山岡未樹デビュー30周年記念アルバム「I'm a woman,Now-MIKI-」です。
http://mikiyamaoka.maiougi.com/page6.html

受け取ったディスクは結構重い。20ページのフルカラーブックレットと歌詞
カードが別紙で付いているという親切なもの。ぜひブックレットの裏表紙に
ある山岡未樹のメッセージからお読み頂きたいものです。
彼女の人柄がにじみ出るような文面に思わず心安らぐと思いますよ。

実は、このディスクは現在では希少な存在であり簡単には入手出来ないもの。
あのアマゾン(1/29現在)でも在庫は3枚と表示され、恐らく今後は納期がかか
るという表記に変わってしまうだろうと思われます。そして、納期がどのくら
いかかるか、ひょっとしたら未定ということになりかねないと思います。

さて、将来皆様が実物を手にした時にネタバレになってしまいますので、
このブックレットの詳細は述べませんが最後の1ページだけは語っておきたい。

上記リンクで「SACDハイブリッド盤『アイム・ア・ウーマン…ナウ』の優秀性
と詳細が説明されていますが、ここに書かれていないポイントを二つ程。

SACDレイヤーとCDレイヤーは意図的に違うマスタリングで録音されており、
二種類の音質で楽しめるということ。これは面白いです!!

次にブックレットにはソニー・ミュージックスタジオにおけるマイクセット
アップの詳細がイラストにて示されています。24本のマイクロホンの機種名も
書かれています。30年前にはオーディオ的にこだわった録音のLPレコードで
同様な記載が付属シートに書かれていたものですが、近年は殆ど見かけません。

ショップス、ノイマン、シュアー、B&Kなど一流のマイクロホンを使っている
のはもちろんですが、ドラムスに10本のマイクを使っていることが後述する
再生音の印象を大変高めています。

特にキックドラムのフロントとバック、シンバルはトップとボトム、タムは
各一台に1本ずつ、これらのマイクアレンジがドラマー市原 康の細やかな
スティックワークを見事に捉えていることを以後述べることになるでしょう。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

私がこのディスクを聴いたシステムは下記の通りです。

■Speaker system:The Sonus faber  (税別 1ペア \20,000,000.) 
http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/SONUSFABER.html

■Power amp:soulution Mono amplifier 700 (税別 1ペア \12,000,000.) 
http://www.noahcorporation.com/soulution/700.html

■Pre amp:soulution Line amplifier 721 (税別 \3,250,000.) 
http://www.noahcorporation.com/soulution/720.html

■CD-Player:soulution  745 (税別  \6,000,000.) 
http://www.noahcorporation.com/soulution/740.html

■Tandem Reference RL02 に上記をセットしている。
http://www.tandem-audio.com/#/home
http://www.dynamicaudio.jp/file/111122/11.22.02.jpg

■そして忘れてならないのがBlack Ravioliです。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/893.html
現在ではコンポーネントだけでBF-3(1個5万円)を合計20個使用しています。

本当はアーチストの魅力を音楽評論家のように語るのが良いのでしょうが、
私は譜面も読めませんし楽器も演奏出来ません。カラオケは苦手でへたくそ。

そんな男ですから音楽的な分析や評価は無理なので、いつものオーディオ的な
見方で一音楽ファンとしての気軽なインプレッションとしてご理解下さい。
では、これから試聴室に行ってきましょう!!

■ 1.Just in Time

センターポジションのソファーに座りリモコンを手にスタートボタンを押す。

短いイントロはウィンドブレイカーズのブラスからスタート。サックス3人が
左側で右側はトランペットとトロンボーン。リードとマウスピースを使う楽器
がセクションを分けて定位しています。その第一声から…

「おー!!音場感が広い、リヴァーヴの広がり方、余韻感の拡散領域も広い!!」

ソニーが開発した特殊なグリーンのインクを使う「音匠仕様」のディスクは
他にも何枚かありますが、これも同様に微小な余韻感がほとばしる録音で
第一印象からgood!!

数小節のイントロから早くも山岡未樹のヴォーカルがセンターに登場。
そこで早くも、おっ!!と思う。

「このヴォーカルの音像はいいね〜。他の日本人歌手とは違うよ!!」

山岡未樹の第一声を聴いて直感的に分かるのは過分なリヴァーヴを付けていな
いということ。ここにも他の日本人女性ヴォーカルのディスクは何枚もあり
ますが、誰とは言いませんが時計の秒針がチクタクと進んでいく数コマの時間軸
で長く尾を引くリヴァーヴをまとっている録音が結構あるのです。

歌手の声量、発声のビブラートの上手さ、スイングしているフレーズの切れ味、
そういう基本がしっかりと出来ているからでしょうか、山岡未樹のヴォーカル
に施されたリヴァーヴは必要最小限というもの。こういう録音は希少でしょう。

ビジュアル的に山岡未樹をセンターにちょっと斜め上からカメラアングルを
とったように背後のウィンドブレイカーズの面々が後方にきちんと見えてくる
というイメージなのです。

しかし、ビジュアル的な定位感とは違う側面の演出もあります。でも、これが
また気持ちいいのだから楽しめる。前述のようにドラムスの細かい録音により
ホーンセクションが定位する位置よりもわずかに外側にシンバルが刻むリズム
が中間定位として空中に浮かびます。最初は左側、次は右側、演奏が進むと
再度左側サックスの外側でシンバルが小音量ながら鮮明な音像を見せます。

「当たり前ですが前田憲男のピアノって日本人じゃないみたい!?」

バックのホーンセクションの切れ目、ヴォーカルの節目ですーっと入ってきて
最後の一音で次のパートのキューを出しているような緊張感で、他のプレー
ヤーの隙間をしっかりと埋めてしまい乗せてしまう上手さでしょうか。

思わずつま先がリズムをとって動いてしまう演奏を楽しんでいると、お約束の
ソロパートがトランペットとトロンボーンの順番で展開します。この時に最初は
ステージに横並びしていた定位が、ピックバンドでソロ演奏をする時に歩いて
バンドの前に出てくるようにセンターに定位が変わっているのに気が付きますか?

ソロパートが始まるとトランペットやトロンボーンを取り囲む音場感も変化
しているのに気が付きましたか? 複数のホーンセクションが合奏する時の
空間提示ではなくソロでは思いっきり余韻感を広大に振りまいています。

大型スピーカーThe Sonus faberの左右トゥイーター間隔は4.6メートルと
いうセッティングのセンターに私の目測?で30センチ程度のサイズで山岡未樹
のヴォーカルが浮かび定位しています。

海外のヴォーカルは皆大きめの音像で口許の輪郭はさほど鮮明にせず、どちら
かと言うと周囲のリヴァーヴの大きな面積の中心点で最も濃厚な色合いの部分
に歌手の口許を推測することが多いのですが、山岡未樹は相当な実力者なので
しょうか!? 自信たっぷりに自身の口許にフォーカスされた録音でもびくとも
しない貫録(失礼!)を発揮した極めて鮮明なヴォーカルに聴き惚れてしまいました。
こういう歌手と録音のペアリングは私にして初めてかもしれません。
正に大人のシンガーです!!いいですね〜。


■ 7.My Foolish Heart

このアルバムではウィンドブレイカーズをバックにした曲の他に、カルテット、
トリオ、デュオと編成を変えて録音されています。素直に一曲目を気持ちよく
聴いてから次はピアノとヴォーカルのデュオを聴いてみることにしました。

「あっ…、このピアノきれい!!」

幼稚な言葉で申し訳ないが第一印象はこれ。前田憲男のピアノには合計4本の
マイクが使用されていますが、アンビエンス・マイクにB&K4003が2本使われています。

ミックスダウンの時にオンのマイクと絶妙に調和させて自然な空間を描写して
いるのはエンジニアの鈴木浩二氏の腕前なのでしょう。これいいです!!

「あっ…、このヴォーカルきれい!!」

山岡未樹のヴォーカルは一曲目に比べてリヴァーヴは増量されていますが、
その余韻感は上品というか巧妙というか、ブラスセクションとの録音では
バックとの音像の重複を避けるためにも薄化粧だったわけですが、この曲では
しっかりとメークした山岡未樹がよりチャーミングに聴けるのですから!!

しかし、山岡未樹はお弟子さんをとって20年近くジャズシンガーを目指す人々
を教えているという方。その実力と基本がしっかりしているということが
この曲でまざまざと見せつけてくれました。いや〜、こういう歌手がいたんだ。
いや、失礼しました<m(__)m>

一部のJ-Popやアイドル歌手の録音では収録した後に音程も何もかも修正して
いるケースがあるというのは知られている事ですが、1テイク一発で演奏し
録音してしまうというのがプロフェッショナルなジャズというものでしょう。

山岡未樹というシンガーが30年間も活動し続けていたという事の意味合い。
それは音楽作品をマーケティングを意識して制作するのではなく、プレーヤー
の実力に基づく自らの意志としてレコーディングした作品という重みを彼女の
歌声を聴きながら感じてしまいました。
上手いですね〜、本物とはこういうものでしょうか!!

「最後のMy Foolish Heart〜というフレーズが実に素晴らしい!!しみる!!」

優秀録音であることは間違いないのですが、それは反面ではアーチストの実力
をさらけ出す音質の克明さがあるという事であり、ごまかしが利かないという事。
こういうディスクこそ高品位なオーディオシステムで聴いて欲しいものなのです!!

コマーシャリズムで大そうな宣伝費をかけてセールスしようというつもりは多分…
山岡未樹にはないのではと思います。

彼女の歌を真正面から聴いて欲しい、そして私からは出来るだけ皆様のこだわり
のあるオーディオシステムで聴いて欲しいと思います。
さあ、これからどうするか!?

皆様に喜んで頂ける新企画として近日中に掲載していきたいと思います。
その前に明日も山岡未樹を聴かなくては!!


担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
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