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H.A.L.担当 川又利明

No.1217 2015年5月7日
 「驚きの発見!!ケーブルをも裸にするスピーカーHIRO Acoustic!!」

HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improvedは製作者の廣中さんの手元を
離れてここにやって来てから早八ヶ月が経とうとしています。

その間、数々の実験試聴を行いMODEL-CCSそのものの潜在能力を引き出し、
Improvedモデルへと進化し、フルESOTERICシステムからdCS Vivaldiシリーズ
とCH Precisionによって更に高みに上り詰めたHIRO Acousticの素晴らしさ!!

その過程においてケーブルに関しては最初から妥協なきようにと私は一貫して
ZenSati	Seraphimを中心に使用してきました。

しかし、パワーアンプからネットワークへのスピーカーケーブル2ペアだけで
940万円というのは現実的ではないというか、せっかくHIRO Acousticの素晴ら
しさをご理解頂いたとして実際に推薦出来るシステム構成としてはいささか
ケーブルの予算がかかり過ぎるきらいがある。

もちろん、スピーカーを入手してからの将来性という楽しみが残されている
ことは楽しいものですが、システムとして導入されるお客様に対して当初に
推薦出来るケーブルがなくては…、という私の思いがあったのが本音。

そして、この八ヶ月間というものHIRO AcousticにはZenSati Seraphimという
組み合わせをずっとリファレンスにしてきたため、私がこれまでに感動し評価
してきたHIRO Acousticの音が、実はZenSati Seraphimによってのみもたらさ
れる唯一無二の音なのではないか?

つまり、HIRO Acousticの評価はZenSati Seraphimあってのもので、それ以外の
ケーブルでは従前の分析と評価が瓦解してしまうのではないかという一抹の
不安を持つようにもなっていたのです。それを確認しなければという思いも
あり、既に数種類のスピーカーケーブルを試してみたところ、HIRO Acoustic
の個性と魅力を引き立たせるものには中々行き当たらなかったものでした。

現時点では製作者よりも聴いている時間が圧倒的に長くなってしまった私が、
ケーブルチョイスに関してもガイドラインを引かなければならないという思い
から一つの候補を頭に描いていました。そのケーブルはあくまでも私の経験と
感性からイメージしていたものなのですが、その背中を押すようなエピソード
が↓これでした。このケーブルを実は以前から想定していたのでした。

「突然の来訪Mr.George CardasにHIRO Acousticを聴いて頂きました!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1209.html

そのCardas Audioのトップモデル、Clear Beyondが果たして私の想像していた
ようなオーディオ的化学反応でHIRO Acousticとどのようにマッチするのか!?
http://www.cardas.com/clear_beyond_sp.php

私のセンスで候補に挙げていたClear Beyondをじっくりとバーンインして下記
のシステム構成にて試聴に臨むことにしたのです。
http://www.taiyo-international.com/products/cardas/speaker/#beyond

◇ H.A.L.'s Sound Recipe / Cardas Audio Clear Beyond-inspection system  ◇
 
………………………………………………………………………………
Abendrot Audio STUTE(税別¥3,500,000.)
http://jp.abendrot.co.uk/
     and
dCS Vivaldi Clock(税別¥1,920,000.)
http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-clock/
     and
TRANSPARENT PLMM2X(2本)+PI8(税別¥1,050,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Cardas Audio Lightning BNC Cable
http://www.taiyo-international.com/products/cardas/digital/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
dCS Vivaldi Transport(税別¥4,740,000.)
http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-transport/
          and
Aurender W20 (税別¥2,185,000.)
http://www.aurender.jp/products/w20/
          with
dCS Vivaldi Upsampler(税別¥2,450,000.)
http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-upsampler/
     and
TRANSPARENT PLMM2X(3本)+PI8(税別¥1,330,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
TRANSPARENT REFERENCE XL 110ΩAES/EBU DigitaL (XLR)×2(税別¥960,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1037.html
http://www.axiss.co.jp/ftran.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
dCS Vivaldi DAC (税別¥3,870,000.)
http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-dac/
     and
TRANSPARENT PLMM2X+PI8(税別¥770,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

TRANSPARENT "REFERENCE"  RBL 10 (3m)(税別¥740,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
CH Precision L1 (税別¥4,100,000.)★E.M.G-board二枚使用!!
http://www.zephyrn.com/chprecision/page/L1%20pict.html
     and
CH Precision X1 Single(税別¥2,000,000.)★E.M.G-board二枚使用!!
http://www.zephyrn.com/chprecision/page/X1%20pict.html
     and
TRANSPARENT PLMM2X(2本)+PI8(税別¥1,050,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

CH Precision BLANCED-LINK 8.0m(税別¥700,000.)
http://www.zephyrn.com/chprecision/page/Blanced-link%20pict.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
CH Precision M1 Mono Power Amplifier 1Pair(税別¥13,000,000.)
http://www.zephyrn.com/chprecision/page/M1.html
     and
TRANSPARENT PLMM2X(15A+20A)+PIMMX(税別¥1,100,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
CH Precision SBOARD×2(税別¥360,000.)
http://www.zephyrn.com/chprecision/page/SBOARD%20pict.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Cardas Audio Clear Beyond 2.0m(税別¥1,301,000.)★Mid-Hi
http://www.taiyo-international.com/products/cardas/speaker/#beyond
     and
ZenSati	Seraphim/Speaker cable 3.0m/Bi-Wier(税別¥4,704,000.)★Woofer
http://www.zensati.com/
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html 

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improved(1Pair予価1,400万円以上)
http://www.hiro-ac.jp/
………………………………………………………………………………

パワーアンプとMODEL-CCS Improvedのネットワークを結ぶスピーカーケーブル
は上記のように中・高域のみCardas Audio Clear Beyondにしましたが、これは
試聴に用意出来るケーブルが1ペアしかなかった事によるもので、その条件で
判断するにはウーファーだけに使うのでは意味がないという考えからです。

さて、実はこの試聴と相前後してMODEL-CCS Improvedのネットワークと3ウェイ
のスピーカー本体を接続するための専用ケーブルの開発も行っており、つい
昨日の事ですが試行錯誤の結果これがベストと思われるケーブルが決定しました。

このケーブルを使用してMODEL-CCS Improvedの音質基準を設定したものであり、
詳細は後日ご紹介するとして、肝心なネットワークを含めて製品としての音質
が仕上がったというところでスピーカーケーブルの判定をしていく事になりました。

そして、ネットワークからスピーカーへというケーブルの選定に際しては選曲
をほぼオーケストラだけで行いました。その理由としてはスタジオ録音の楽曲
では楽音個々の質感という各論における音質変化をチェックするのは良いのですが、
それは選曲した録音内容によって当意即妙の選択で解釈の仕方が複数あり、
聴き手の好みによって選択肢が異なるもので、音楽全体のバランス感覚を優先
しないといけない考えたからです。

それはオーケストラによる弦楽五部の調和と融合であり、管楽器のホールと
いう大空間における響き方の振る舞いであり、大きな演奏空間における楽音の
質感においてケーブルの選択を判断しなければならないと考えたからです。

簡単に言えば標準的な50人編成の弦楽五部の音色の調和、質感の統一性、響き
を発散するための空間表現などの項目で違和感なく自然な弦楽器の再生音が
得られるかどうかというポイントに絞り込んでの試聴という事です。

Cardas Audio Clear Beyondを接続してから三日間のバーンインを行い、本日
慎重に試聴を開始した。私は一度端子に接続したケーブルを一度着脱しただけ
でも楽音の質感が微妙に変化してしまうのが分かるので、本格的な試聴前夜から
エンハンサーCD-ROMをリピートさせておき、その状態のままで試聴することを
今までにも習慣としてきました。ケーブルメーカーのこだわりとして、Cardas
Audioサイトのバーンインに関する関連リンクを下記にて紹介しておきます。
http://www.cardas.com/insights_break_in.php

このCardas Audioのケーブルに白羽の矢を立てていた私は同社の製品に関しては
既に20年以上前から取り扱っていたものの、ケーブルメーカーとして他社との
決定的な違いがあるポイントをここで述べておきたいと思います。

先ずは高温で融解している状態の銅素材をアニールいる際に不活性窒素と水素
による環境を作り、非常な低速度でアニールすることで銅の結晶構造を管理し、
オーディオ用として高品位な素線を作り出すという同社の技術力でしょう。
http://www.cardas.com/insights_low_eddy.php

次に下記ページの動画をご覧下さい。
http://www.cardas.com/insights_cable_construction.php

大手金属メーカーに素線から撚り線まで制作依頼して、絶縁から外皮の加工まで
外注といういうことで、自社では企画と設計だけを行うというケーブルメーカーが
多い中で、このようにこだわりのある設計方でケーブルの構造そのものを
自社で作成するというメーカーがCardasなのです。私がCardasを知った20年
以上前には、このような動画による制作場面などの資料はまったくありませんでした。

そして、私がCardas Audio Clear Beyondにおいて他社との違いを最も大きく
感じる技術がこれです。高圧プレスによる鍛造技術です。
下記のページの上の動画Cardas:Compression Die Forgingをご覧下さい。
http://www.cardas.com/insights_forging.php

このようにスピーカーケーブルのYスペードプラグを二段階で高圧プレスする
ことで銅製のプラグと多数の素線が高圧高温によって融合し一体化します。

Cutting Open a Forged Spadeという下の動画を次にご覧下さい。プレスした
プラグ部分をGeorge Cardasがカットして断面を見せてくれます。ネジで圧着
するでもなく、半田も使わずに自社製の高品位な銅で作った撚り線とプラグを
このように完全に一体化させるという手間暇と技術力は他社にはありません!!

この素晴らしい端末処理技術で作られたケーブルなのです。下記もご覧下さい。
http://www.cardas.com/art/01-Forged-Connector-Cut-Away.jpg

下記の輸入元作成のカタログの3ページには面白い画像があります。
pdfファイルを拡大して見ると良いでしょう。一回目のプレスでは撚り線の
状態がわずかに残っていますが、二回目のプレスでは完全に一体化されており
純粋な銅のみで導体とプラグが結合されているのがお分かりになると思います。
http://www.taiyo-international.com/download/catalog/cardas/clear.pdf

独特なフィルターを追加したり、高価なプラグやパーツなどで外見に特徴の
あるケーブルは他社でいくらでもありますが、このようにオーディオ用ケーブル
として根本的な銅素材から素線、そして撚り線の構造、仕上げの端末処理まで
という内面に隠されたCardas Audioの技術力が果たして音質的にどのような
貢献をしたのか、今回ケーブルをも裸にするスピーカーHIRO Acousticによって
明らかにされたのです!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

No.1203 2015年3月29日
「オーケストラを裸にするHIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improved!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1203.html
上記ではZenSati SeraphimをBi-Wire(税別¥9,408,000.)にしていました。
http://www.zensati.com/
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html 

二か月前に上記で選曲したこの曲を聴くことにしました。

■小澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラによるブラームス交響曲第四番・
ハンガリー舞曲第五番・第六番(90年当時PHILIPS 426 391-2)

なぜこのディスクにしたのか、というと録音された場所がホールでもスタジオ
でもなく、何と教会での録音だからです。ベルリンのダーレムにあるイエス・
キリスト教会で1989年に録音されたものであり、この教会では1960年代に
かのカラヤンが好んで録音に使った空間なのです。

前回はホール録音ではないという視点で演奏空間の再現性ということで主に
音場感の相違を聴き取ろうとしましたが、今度は弦楽器の質感と音色です。

大きなホールでの残響やステージとの距離感、空間が大きい故の発音した後の
弦楽器の音質がスタジオワークでお化粧される要素の少ない教会録音という
このディスクに注目したわけです。

さて、試聴室の空調と換気扇を全て止めて集中力を高めて聴き始めました…。

そして、TOYAL PLAYING TIME 45:49と表記されたディスクを一気に通しで聴き
続けてしまいました!!

言葉もありません、何と美しいオーケストラであり弦楽であることか!!

この私にして感動的な音を語るボキャブラリーが見当たらず戸惑いを覚える程
の素晴らしい演奏でした!!

こんな音はHIRO Acousticを聴き始めて八ヶ月間経った今になって初めて聴きました!!

純白のHIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improvedは絵具を乗せるパレットであり、
その周囲の空間は極めて透明度の高いキャンパスです!!

今までZenSati Seraphimで聴いてきた音は、パレットに乗せた絵具の原色その
ものが如何にしてクリアーであり鮮明であったかを競って感じとってきたもの
かもしれません。

純白のパレット上で薄めたり濃くしたりという作業の中で、原色の色彩感が
変化しないことにただただ正確に、その原色に極めて忠実な再現性を追求して
来たのだと思います。それをHIRO Acousticは見事に守り抜き、絵具の原色に
一切の変化を与えずに克明に聴かせるという役目に徹していたのでしょう。

ところが…、Cardas Audio Clear Beyondで聴く弦楽器は実に官能的でありセクシーなのです!!
人間の本能であり生理的な快感を催す器官として私の耳がこんなにも敏感で
あったのだしょうか!!

聴き手の耳にすーっと甘い吐息を吹きかけられて、無意識のうちにぶるっと
震えて感じてしまうような、耳から胸へ、更にその下へと滑り落ちていくような
快感をもたらす弦楽器の響きの艶めかしさが席を立つことを許さなかったのです。
正にBeyond!!

純白のパレットに乗せた多数の色は、Clear Beyondというアーチストの筆に
よって少しずつ混ぜられて新しい色を中空で調合しているのです!!

そして、その筆には多数の色彩が混じり合い、色と色の境目では全く未知の
色彩が生み出されていくのです。↓こんなイメージでしょうか!

http://www.facebook.com/photo.php?fbid=383009438423910
facebook「Shaman Medicine Womanさんの写真」より

「Everything You Can Imagine Is Real」
-想像することができるものはすべて真実-  かのPablo Picassoの言葉です。

HIRO Acousticが中空というキャンパスに描く音色には、絵筆の毛一本ずつが
残す流麗な線が響きのレイヤーを構成し、弦楽器奏者の数と一致する微妙に
異なる音色が多数の色彩感として分離して見分けられますが、その一瞬後には
空中で響きとして調和し融合するという離れ業をClear Beyondとの共同作業で
成し遂げていくのです!!これは素晴らしい!!

更に以前と比べて明らかな違いとしてClear BeyondがHIRO Acousticに届けた
信号には潤いがあるのです。しっとりとした感触が心地良いヴァイオリンの
質感に発揮され、繰り返されるアルコの弓の動きにしなやかさをもたらし、
その動きに魅惑的な魔力があるかのように私のハートをからめとってしまいました!!

Clear BeyondはHIRO Acousticに新しい可能性を与えてくれたのです。それも
とびきり魅力的であり、弦楽器の質感に新境地を開いてくれました!!

更にピッチカートの残響は滞空時間を倍化して教会の隅々まで広がっていくと
いうイメージがあり、響きのふくよかさが音場感を空間というキャンパスに
模写していくのですから堪りません!!

というのは瞬発的な発音の楽音が漂うような微小な響きを伴うということは、
管楽器と打楽器の両者が発する音に対しても、Clear Beyondのネーミングを
肯定する能力があることを証明してくれるからなのです!!実に素晴らしい!!

ケーブルをも裸にするスピーカー、HIRO Acousticによってコスチュームを
はぎ取られてしまったClear Beyondはすこぶるつきの美しいプロポーションで
あったということです!!

更に磨かれ進化して行くHIRO Acoustic、実はHIRO Acousticを体験することで
聴き手の感性も裸にされて自身のセンスが再発見されるということなのです!!

さあ、未体験の音がここにあります!! 皆様も一度裸になってみませんか!!


担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!


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