《JORMA DESIGN-H.A.L.'s Monitor Report》


No.0344 - 2007/1/31

福井県のS 様より

モニターモデル
・Jorma Design No.1 XLR(1.0m)
・Jorma Design PRIME XLR(1.0m)
・Jorma Design No.1 SP Bi-Wire(3.0m)
・Jorma Design PRIME SP Bi-Wire(3.0m)

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0049.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0057.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0078.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0087.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0097.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0099.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0104.html

今となっては懐かしい程の時間が経過していますが、S様の情熱は覚めることなく
現在も熱心な追求を続けておられるようです。そして、私の随筆にも特別寄稿と
いうことで参加して頂いた歴史の持ち主でもあります。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto50-05.html
6 国内初オーナーの声を拝聴(福井県S様より特別寄稿)

私と似ているのは「感動の大きさに文章量は比例する」ということでしょうか?
久しぶりに感動のレポートを頂戴しましたので即日配信させて頂きました!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

「Jorma Designやいかに!?」

Jorma Designに対しては、今まで少なからず関心を寄せていたのですが、実際に
試聴する機会がありませんでした。

今回、H.A.L.'s Circle ReviewでJorma Designケーブルのモニターがありました
ので早速希望しました。あくまでもモニターだけだから、という軽い気持ちで希望
したのです・・・が、しかし・・・。

まず始めに、手軽なところでインターコネクト(XLR 1.0m)のNo.1とPRIMEを
試聴希望しました。

希望してすぐにシーエスフィールド様から2セット届きました。

私のシステムは以下の通りです。

CD/SACD Classe Omega SACD1
Pre-amp Mark Levinson No.32L
Power-amp Classe Omega Omicron mono(300W 8Ω−1200W 2Ω)
B&W Signature 800

システム、そしてケーブル類も幾度か変遷を経ましたが、今現在は自分の納得の
いくものに落ち着いています。
落ち着くと何となく虫が騒ぎ出すのでしょうか・・・。

上記システムのOmega SACD1とNo.32L間に使用してみました。お借りしたケーブル
はNo.1・PRIMEともデモケーブルなので、初期エージングは完了済みだろうと思い、
まず、No.1を2時間ほどウォームアップして聞きました。

これはかなりの出来です。

まず情報量が多く正確です。低域から高域まで音が軽々と出てきます。
ナチュラルで繊細かつストレスのない鳴り方をしているのです。
空間の見晴らしも良好で、楽器がよりよく見える感じです。
音調は十分な低域に支えられたピラミッドバランスで、中高域の抜けも素晴らしい。

この価格帯ではいきなりトップランクに躍進する出来だと思います。
これは最初からかなりの好印象です。

次はPRIMEです。

つなぎ変えて後、数時間集中して聞いてみて、ヨルマの素晴らしさと傾向がかなり
分かってきました。No.1と同様な傾向です。

しかし、素晴らしいんだけど、No.1の価格を考慮すると、PRIMEはその価格を超え
た化学変化は起こらないような感じだなという印象でした。

以前から、直感的にヨルマの本領はSPケーブルにあるのかな、と勝手に思って
いましたが、あ〜私の直感が当たってしまったか〜、と残念でした・・・

しかし、翌日その印象を撤回しなければならない事態になろうとは・・・。

翌日、曲をミュートでリピート再生したまま家族で4〜5時間外出し、帰宅して
聞いたところ、なんと!! 

全く素晴らしい再生が展開されているではありませんか。

PRIMEがNo.1とそう変わらないなんてとんでもない!! 

PRIMEはだてにNo.1の約2.5倍のプライスを掲げているわけではありませんでした。

聞き込むにつれてかなり大化けしてきます。

そうだったか!! 

ウォームアップが数時間では短すぎたんだ。

癖で聞かせるタイプではありません。どちらかといえば端正で正確なタイプですが、
ここまで空間の広大さを出すケーブルは初めてです。

空間をもやつかせて何となく広さを感じさせるのではなく、あくまでも空間は清澄
でいながら、どの帯域においても各楽器の実在感をしっかり描きつつ、それがホー
ルに響き渡り結果的にホールの広大さを表現する、これは並のケーブルにはできな
い芸当です。

超高価なケーブル、確かに高すぎる。

しかし・・・これに代わるものがあるのか・・・。

これはやばいぞ。

しまった!聞くんじゃなかった!と思いつつ、まるで何かに誘われるかのごとく
SPケーブルのモニターも希望してしまいました。

(今回はモニターだけと固く誓ったはずではないのか・・・)

PRIME SPと同時にNo.1 SPも希望したのは、まだ若干冷静な自制心が残っていたせ
いでしょうか。

それとも、PRIME SPのプライスに思わず腰が引けてしまったからでしょうか・・・。

さて、その後川又さんからSPケーブル2セット(PRIMEとNo.1ともに3m Bi-Wire)
が届きました。予定ではNo.1から聞き始めるはずでした。

しかし、SPが届く間もPRIME XLRはじわじわと成長を続け、我がシステムにしっか
り根を下ろし始めていたのです。

SPケーブルが届くやいなや、私の手はPRIME SPのケースを選択し開梱してしまった
のです。実はその後No.1 SPは全く試聴していません。

川又さん、せっかく送って頂いたのにごめんなさい。

言い訳をすれば、PRIMEを聞けばNo.1の実力も想像できるから、とか、先週は多忙
だったから、ということになりますが、結局は私が自分自身の欲望に負けてしまっ
たのです。

(おい、ちょっと待て! お前にはまだローンが残っているじゃないか!)

PRIME SP(3m Bi-Wire)接続後、今度は慎重に2日ほどウォームアップしてから
試聴しました。

本日やっと、PRIME XLR+PRIME SPの音を通常の音量で聞くことができました。

プリ=パワー間(5.0m)は違うケーブルですが、Jorma PRIMEの音調は十分確認で
きました。前段のたった1本のXLRの変更だけであれだけの向上が認識されて、
もうこれで十分だなと思っていましたが、PRIME SPを追加したその音やいかに。

これは凄い!! 

XLRの向上の仕方をそのままグーンと拡大したような印象です。

音調はあくまでも安定したピラミッドバランスです。
各楽器の実在感は増しながら更にピンポイント定位となり、空間はXLR交換のみの
場合より数段勝る空間の広大さをはっきり認識させます。

音像の凝縮と空間の圧倒的拡大という通常相反することが理想的に実現されていま
す。まるで、今までせき止められていた色んな要素が一気にブワッと開花したよう
な感じです。

輪郭をしっかり描きながらかなり下まで伸びる量感を伴った低域、中低域も例えば
チェロなど抜けがよく豊潤です。また、中高域は密度がしっかりとあり、クリアで
すがきつさを全く感じさせません。

そして一番素晴らしいのが、清澄な空間に絞り込まれた各楽器(群)その一点一点
の音が広大なホールに響き渡っていく様をはっきり認識させることです。

今日も朝から聞き続けています。

いつも試聴用に聞くCD数枚を聞いています。
いつもなら好みのトラックを部分的に聞くのですが、全曲通して聞いてしまいます。

例えば、ゲルギエフの「くるみ割り人形」トラック1の弦楽器群を聞いただけで
違いが分かります。

ある一帯からフワッと分離良く立ち上がり、次のチェロ群も抜けがよく弦の擦る
感じがリアルです。

続けて木管楽器、クラリネットのキーの動作音が初めて聞けました。トラック8の
ピストル「パアァーン」は、まず余韻が長くなり、広大なホールをパァと明るく
照らし出すそれこそ照明弾のような感じで鳴ります。

その他のCDでも随所で様々な発見、驚嘆、陶酔がありました。

総じてJorma Designは、まず非常に正確で圧倒的に情報量が多いこと。

空間がクリアになりどの帯域でも各楽器の実在感がしっかりあること。
上位モデルになるほど空間が拡大すること。(PRIMEでその特長が一気に開放され
る)大変簡単ですが、私の試聴では上記3点がJorma Designに対する印象です。

更に言うならずっと聞いていても不満点が出てこないばかりか、不満点の前にいく
つもの発見があると思います。

これならジャズからクラシックまで、その他多様な音楽にまですべて適用されると
思います。

今回のモニターでは、川又さんをはじめ、シーエスフィールドの皆様にご配慮を
いただきありがとうございました。

・・・しかし、この後、私はどういう選択をするのでしょうか。

今もまだJorma Designを移植した我がシステムから魅惑的な音楽が鳴り続けていま
す。(お前まだ懲りないのか)煩悩多き、いちサラリーマンからのモニターでした。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-


川又より

S様本当にありがとうございました。S様とは既に気心の知れた間柄なので下記の
ようなご返事をお礼として返信しておきました。


「大作のレポートを三回ほど読み直してしまいました。
 S様は私と同族であることがしっかりわかりました。

 感動の大きさは文章量に比例する。
 これですね!!

 Jormaの素晴らしさをご理解頂きうれしい限りです。
 早速配信にて引用させて頂きますね。

 > ・・・しかし、この後、私はどういう選択をするのでしょうか。

 さあ・・・どうなるのでしょうね〜^_^;
 いつものように私は何も申し上げませんので(笑)
 せいぜい煩悩と戦って頂き、ご自身の感性に身を委ねる結論を期待しております
 (^^ゞ

 そして、ここで実現したフルJorma Designの演奏もいつかは体験して頂ければと
 願っています。あっ、次回は車ではなくて電車でお越しくださいね。

 ありがとうございました。」

さあ、迷える子羊と化してしまったS様はどうなるのでしょうか?
そして、ハルズサークルの皆様にもJorma Designの試聴をお薦めいたします!!

そうそう、その前に先ずハルズサークルにご入会を!!


HAL's Monitor Report