《H.A.L.'s 訪問記》


No.0008 - 2008/6/14

千葉県松戸市 S.Y 様-H.A.L.'s 訪問記

Vol.8「リスナーとMOSQUITO NEOのアライメントを調整するとこんなにも!!」

2008年6月某日、S.Y 様のご住所をwebの地図検索に入力すると、なるほど〜。
最寄りの駅は何と私の通勤途中にありました。もっとも、普段は各駅停車には
乗らないので、通過しているだけですが…。

そもそも私が最初にS.Y 様にお納めしたのは、練馬区T.I 様と同じくB&W N801
であり、2001年のことでした。

そのN801を長らくご愛用頂きながら、次世代のスピーカーを模索している時に
出会ったのがMOSQUITO NEOでした。2004年からご検討を始められ紆余曲折の
商談が何回かありましたが、やっと念願かなって2006年の7月にNEOオーナーの
一人となられたのでした。それからはオーディオが一段と面白くなってきたと
いうありがたいコメントも頂戴しておりました。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0420.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0429.html

何事もご自分で取り組むのが趣味の醍醐味というものですが、スピーカーが
変わるだけでシステムに与えたデリケートな変化が音質としてちゃんと認識
出来るようになってくるものです。例えば…

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又様

QRD日曜日に届きました。
壁に貼り付けようと音を出しながら、メジャーで採寸をしていたのですが、
「あれ?」、いつもと何かが違う。

ふと見るとNeoの1メートル先にQRDを横たわらせていたのですが、改めて
リスニングポジションで聞いて見ると。

驚きました!!

これまで聞こえなかった「余韻」が違う。明らかに長い。
女性ボーカルのサ行の破裂音が違う。はっきり聞こえる。
歌いだしの前の息を飲む音がはっきりと聞こえる。

今までの私の部屋は明らかに吸音のしすぎであったことがはっきりしました。
それからあちこち場所を変えて実験をしたのですが、なんと最初に適当に置い
た場所が一番でした。と、いうことでQRDはNeoの先、約一メートルのところに
横たわっております(笑)

アクセサリー類でこれほどの違いは初めてです。
ご紹介をいただいた川又さんに改めて御礼を申し上げます。
これからも音質改善グッズのご紹介をお願いします。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

このようにスピーカーが優秀になると使い手の感性も磨かれてくるということ
が良くあります。本当にスピーカーが重要ということですね。

しかし、今回の訪問までにはしばらくの検討時間を要しました。というのは
これまでにご紹介した皆様のシステム構成とオーディオへの取り組み方を
ご覧になっているだけに…

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又様

私のシステムはいわゆる5555品ではありません。
ガレージメーカーやTMDの塊です。
長い時間をかけてほとんど中古で手に入れてますから。

それに今までのレポートの方々を拝見すると^^;。
気遅れします。これマジです(笑)。

家のことですので家内の許可を得てから、ということでよろしいですか?

それにしても、気遅れするなぁ^^;。

まぁスカイラインの導入を考えてはいたので売り込みに来ていただこうかな。

ただし、本当に汚いし、これまでのような煌びやかな世界は本当にありませんよ^^;。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

はい、S.Y 様のおっしゃることは大変よくわかります。確かに今までにご登場
頂いた皆様はH.A.L.の歴代レギュラー展示品クラスのシステム構成の方ばかり
でしたから、確かに躊躇してしまうものでしょう。無理もないと思います。

でも、私とて今までに数多くの皆様とお付き合いさせて頂き、様々なお部屋で
の取り組みを拝見してきましたが、最も大切なのは音楽好きであるということ
であり、その情熱に関しては皆平等であると私は考えています。

どうぞ他の皆様も前例にあまりこだわりなく、本企画をご利用頂ければと思い
ますので、どうぞよろしくお願い致します。
そして、結局S.Y 様の背中を押して下さったのも奥様でした。

「家内のOKが出たので、お越しください。」

はい、ありがとうございました。<m(__)m>
それでは、お伺い致しましょう、ということで早速日程調整をしました。

前日には秋葉原で大事件があり、亡くなられた皆様の悲しみと怒りが翌日の
天気になったのでしょうか、当日は激しい雷と雨に追われるようにして地下鉄
の駅に駆け込みました。

国道6号線から少し入った住宅地ということで地図では理解していましたが、
歩くと15分くらいかかるという。あらかじめ電車の到着時間を打合せておき、
大変恐縮しながら待っているとS.Y 様が駅まで車で出迎えて頂いた。
本当にありがとうございました。

車では何回も通過している国道から住宅地に進み、何回も右折左折を繰り返し
て行きながら「はい、ここです!!」とすぐ目の前に表札が見える。

奥様にご挨拶を申し上げ、早速二階のオーディオルームにご案内頂きました。
何と、その途中にはS.Y 様がN801の前に使っておられたMagepan Unit Special
Designという特注のパネル型スピーカーが置いてありました。

さて、ご案内頂いたお部屋に一歩足を踏み入れると…。
おー!! これぞまさしく男の趣味の部屋だ。

サーフボードありパソコンあり、たくさんのレコードとCDにポスターや書籍、
部屋のコーナーにはワインセラーまで置かれていて、ついついこもりたく
なってしまうくつろぎの一室です。

http://www.dynamicaudio.jp/file/080610/589.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/080610/572.jpg

この反対側のお部屋が私としては気に入った光景だったのですが、その写真は
S.Y 様からNGが出されて掲載することはできませんでしたが(笑)

オーディオシステム全体を正面から見るとこのようになっています。左側に
白いシートでカバーされているのがワインセラーで、ドアのガラス面の反射を
嫌ってカバーを取り付けているということ。ご自宅にはこの他にも二台、合わ
せて三台のワインセラーがあり、常時300本以上のコレクションがあるという。

オーディオルームにあるワインセラーは運転音が大きいので、音楽を聴くとき
には電源を落としているというこだわり。上記のS.Y 様からのメールにあった
QRDのDigiWaveが床に置いてありますね。しかし、くつろげるな〜(^^ゞ

そして、S.Y 様のシステム構成は次のようになっています。



◆H.A.L.'s 訪問記-Vol.8  千葉県松戸市 S.Y 様システム構成◆

                 □ Digital System □

………………………………………………………………………………
ESOTERIC G-03X(税別\300,000.)
http://www.teac.co.jp/audio/esoteric/g03x/index.html

        □Power equipments□
TRANSPARENT PLMM(税別\240,000.)
http://www.axiss.co.jp/ftran.htmlhttp://www.dynamicaudio.jp/file/080610/577.jpg
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ECOSSE PRODUCER B/B  BNC Cable
http://www.hfr.jp/list-ecosse.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC P-05(税別\600,000.)
http://www.teac.co.jp/audio/esoteric/p05/index.html

        □Power equipments□
ガレージメーカー製 http://www.dynamicaudio.jp/file/080610/021.jpghttp://www.dynamicaudio.jp/file/080610/577.jpg
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
                                     
WIREWORLD STA5BAL/1.0m
http://www.naspec.co.jp/wire/ww-5-2digital.pdf

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………        
ESOTERIC D-05(税別\600,000.)
http://www.teac.co.jp/audio/esoteric/d05/index.html

        □Power equipments□
ガレージメーカー製 http://www.dynamicaudio.jp/file/080610/021.jpghttp://www.dynamicaudio.jp/file/080610/577.jpg
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
                                       
TMD INCARED
http://www.tmdjapan.com/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………          
Cello Encore  (税別\1,250,000.) 
               with
JEFFROWLAND  JS32 (税別\26,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/542.html
http://www.ohbashoji.co.jp/products/jrdg/accessories/

        □Power equipments□
ガレージメーカー製 http://www.dynamicaudio.jp/file/080610/021.jpghttp://www.dynamicaudio.jp/file/080610/577.jpg
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
                                      
ガレージメーカー製ケーブル/フィッシャー端子→バランス端子
     
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
KRELL 250M  (税別\1,850,000.) 

        □Power equipments□
AC POWER CABLE  AURAL SYMPHONICS ML-CUBE3              
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

TMD Electrum
http://www.tmdjapan.com/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
MOSQUITO NEO (税別 \4,800,000.)
http://www.mosquito-groupe.com/
http://www.dynamicaudio.jp/file/050413/oto-no-hosomichi_neo.pdf
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.html
               and
H.A.L.'s  Original Products“Z-board”×2(税込み販売価格\114,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html
………………………………………………………………………………


                □ Analog System □

………………………………………………………………………………
LINN  SONDEK LP12 (税別\380,000.)
http://www.linn.jp/products/detail/lp12.html
               with
SME Series V (税別\700,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/product/sme/series300_v.html
               with
PICUP-CARTRIDGE  BENZ MICRO GLIDER(税別\95,000.)
http://www.yukimu.com/auraFrameset.htmlhttp://www.dynamicaudio.jp/file/080610/578.jpg

………………………………………………………………………………

                ▽ ▽ ▽

………………………………………………………………………………
LINN  LINTO (税別\280,000.)
http://www.linn.jp/products/detail/lp12.htmlhttp://www.dynamicaudio.jp/file/080610/574.jpg
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
                                       
PAD mizunosei 

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………          
Cello Encore  (税別\1,250,000.) 
               with
JEFFROWLAND  JS32 (税別\26,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/542.html
http://www.ohbashoji.co.jp/products/jrdg/accessories/

        □Power equipments□
ガレージメーカー製 http://www.dynamicaudio.jp/file/080610/021.jpg
………………………………………………………………………………

S.Y 様のお部屋は約14畳という広さで窓も壁も二重構造にしてリフォームされ
たという環境であり、DVDを見る時にはスピーカーの間にスクリーンを設置さ
れてスピーカーの対面にあるソファーの後ろからプロジェクターで投影すると
いうもの。その際に使用するセンタースピーカーが床面に置かれている。

とにかく堅苦しい雰囲気もなく私と同年代…?いや、まだS.Y 様は40代なので
そういうと怒られてしまうが(笑)まだ学生ではあるが、ご子息も成人されてお
り、気さくに何でも話せるので世間話も自然だ。

かの有名なマーケティングの大手会社から独立されて確か四年ほど経っている
と思われるが、自宅近くに事務所を構え総勢四名の社員を要するコンサルティ
ング会社を経営されている。

http://rresearch.blog103.fc2.com/

今までにチャンスを見つけては私のところで音を聴き、イベントにも参加され
遂にNEOを導入され益々充実を高めるS.Y 様のシステムを聴かせて頂くことに
あいなりました!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章  小澤征爾/ボストン交響楽団

最近は色々なお宅にお伺いして最初にこの一曲を聴かせて頂くのが快感!?
というか大変楽しみになってきました。最も聴きなれたオーケストラがどの
ように展開するのか? 

お部屋とシステム構成によって当然室内の伝送周波数特性が違うので、この
オーケストラを聴いて極端な問題点があれば直感的にわかるというもの。
言わば往診に出向いた先の患者に聴診器を当て体温・血圧を測るということで
最初の診断はここからスタートするものです。

使い慣れたESOTERICのリモコンを片手に、そしてご愛用のプリアンプには
リモコンはないのでボリューム調整は手動で、ということでいつもS.Y 様が
聴いていらっしゃるソファーの真ん中に腰を下ろしてスタートさせてみました。

「あら〜、これはこれは実にNEOらしいというか、素直な音ですね〜。
 どこと言って伝送周波数特性には極端なピークディップはなく出足は快調」

そう、実に均衡のとれたバランスというのがスタートして数十秒の第一印象。
もちろん、これは口にした言葉ではなく内心でつぶやく私の声なのだが…。

この段階で異常なバランスの悪さが発覚すれば、その原因を追求し対応すると
いう、いわゆる“対処療法”という段階に入っていくのだが、そこまで極端な
偏りはなかったというものでした。先ずは健康状態としては良好と言えます。

しかし、入院したりするほど重症と言える要素はないものの、健康診断を受け
ると色々な項目でチェックされるようなことがありますね。コレステロールや
中性脂肪、血糖値に高・低血圧、肝臓・腎臓機能などなどの注意項目の指摘。

私のようにメタボの兆候あり、いやいやもう既に…(笑)などという改善要素と
いうことでS.Y 様のシステムが更に良くなるように、という発想でより良くな
るポイントを探っていこうということにしました。

そのように思いなおすと、オーケストラでのバランス感覚に私の理想的な…と
いう日頃の音質を標準にすると、ちょっと引っかかるポイントが見えてきます。

ちょうど、健康診断の結果で各数値が基準値に対してどうか、という見方と
同じようなものですが、この段階で私が気が付いたことはオーディオ的低血圧?
の兆候があるのではということでした。なんだそれ?

「低域の押し出しが弱いというか、量感がちょっと足りない、コントラバスの
 低音も線が細く打楽器の響きも終息が早いというかボリューム不足かな〜」

という例えで推測して頂ければと思います。全体の音量を上げれば低音楽器の
量的なものは出るには出るのですが、それにはちょっと大きな音量を意識的に
出さなければならず、もう少し小さな音量でも豊かさが欲しいもの。

さて、この初見をどのように確認し発展させ、最後に調整していくのか!?
それには他の曲での試聴で違う項目のテストをやってみるしかない。次だ!!


■“Basia”「 The Best Remixes 」CRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX) 
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/Basia/
http://www.basiaweb.com/
http://members.tripod.com/~Basiafan/moreimages.html#remixes1

低音のボリューム感を求めるとホール録音のオーケストラでの要求度合と、
スタジオ録音でのバランス感覚は違うというもの。そして、S.Y 様ご本人が
クラシックはほとんど聴かないということも配慮して、この曲を選んだ。

この曲の聴きどころも前曲同様に色々なケースで聴くにつけ、その都度の変化
の大きさと個性がきっちり聴き取れるポイントをすっかり私は記憶している。

そこで、意図的に大きめのボリュームで先ず聴き始めた。
NEOはスピーカーとして、ここH.A.L.と同じように低域のコントロールがなさ
れているか、その上で発した音波がルームアコースティックの影響から空中で
変調されていないか、それが聴きたかった。

「おー!! ここまでのパワーと音量でもNEOのウーファーはしっかりグリップが
 利いていてそれ自身が破綻することもなく、KRELLのハイパワーに応じて
 きっちり低域を締めていることがわかった。次に低域の周波数帯域で定在波
 が発生しているものでもなく、良い意味で木造住宅の二階という構造的な
 条件もあってか程良く抜けているという感じで、特定の周波数で引きずるよ
 うな低音の残響もなく、音量を上げてもすっきりした音圧感がある。」

つまり、オーケストラという全体像でのバランス感覚ではなく、サンプリング
音源のドラムというきっちりした低音楽器の打音を大音量で試すことで、その
部分的な質感をチェックしたのだった。今度は少しボリュームを下げて二回目。

「ふむふむ、音量を下げるとドラムの輪郭、チェロの音像がきちんとNEOの
 中間に表れてくるので問題なし。さて、そこでこのようなバランス感覚で
 良いのかどうか、というある意味好みの範疇ということになるが…次だ」

まあ、いうなれば血圧を図る時に圧迫帯を腕に巻いて、しゅしゅっと空気を
吹き込んで血管に圧力を加えていくのと同じような実験だとご理解頂きたい。

低域の楽音の輪郭がくっきりはっきりしていることは望ましいことだ。しかし、
スタジオ録音のバランスはホール録音とは違う。ありていに言えばクラシック
音楽の低域はゆったり感じられるようなボリューム感を意識して調整すると
しっくり楽しめるのだが、そのままでスタジオ録音を聴くとベースが出過ぎて
しまうのが常である。それをアクティブウーファーを搭載するスピーカーでは
いやと言うほど経験してきた。それはウーファーだけの調整機能があるという
ことから逆説的に発生するジレンマではあるが、NEOのようにクロスオーバー
ネットワークを搭載するパッシブなスピーカーではどのように理解し調整する
のか、この辺がポイント。

それにはなるべく多くのスピーカーで出来るだけ多くの曲を聴き、曲層の変化
とスピーカーの個性によって適度な低域のバランス感覚を身に付けておくとい
う、いわば高レベルの基準をマスターしていなければならない。

このBasiaを聴く限り低域の量感は特に不足しているということはなく、逆に
ポートチューニングをしているNEOのウーファーはしっかりダンピングされて
おり、輪郭表現は大変好ましい。

そこで、私はルームアコースティックのいたずらがないかと、上半身を前後に
動かして耳の位置を変え低域の変化を観察した。他のケースでも経験したこと
だが、ソファーに深くゆったりと腰かけた姿勢よりも前方に1メートル程移動
した方が低域の量感が増しウーファーの直接音が顔で感じられるようになる。

しかし、前方では量感は増すものの楽音の音像は大きくなり輪郭は見えなくなる。
そして、普段のソファーの深い位置の方が低域の解像度が上がり、NEOの中間
にくっきりとドラムやベースの輪郭が見えるようになってくる。こちらの方が
正解というポジションであり、S.Y 様のお見立てに間違いがないということを
私も確認しました。結構な位置取りでした!!

しかし、前後1メートルの違いでやはり低域に変化はありますが、これはどう
やらスピーカーとの距離感によって発生している現象であり、ルームアコース
ティックの影響ではないものと診断されてきました。

特に一部分の低音で誇張感があるわけでもなく、室内全体に低域のエネルギー
が充満することなく適度に抜けていくという感じが好ましい。すっきりした
低音が先ず先決なので、この状況を肯定した上で低域のバランスはどうなのか。

では、次の曲だ。


■MICHAEL BUBLE/1.「Fever」WPCR-11777
http://wmg.jp/artist/michaelbuble/profile.html

NEOで聴くMICHAEL BUBLEは私の定番中の定番と言ってよいくらいに過去に聴い
てきた回数が多いものであり、こうでなくては…というバランス感覚の典型的
な判断基準の一つになっている。もっとも、仕事でなければ、そして私ほど
こだわりがなければ同じ曲を数百回も聴いたりはしないでしょうが(笑)

CDの録音レベルはディスクによって大きなものでは10dBくらい違う。簡単に
言えばアンプのボリュームを同じ角度にしていても、CDを取り換えると大きな
音量変化があるということ。特に前曲では思い切った大音量と通常レベルと
いう二種類のチェックをしたが、この曲でも慎重にCello Encoreのカリカリと
いう心地よいクリックのボリュームノブを回して音量を調整し、急いで定位置
に戻ってリモコンで再度頭出しをして聴き直していく。

「お〜、そういうことですか〜!?」

と、心中でひとりごちしているにはわけがあった。前曲の低域の観察点として
は立ち上がりが鋭く人工的なくっきりした輪郭を描くドラムの打音だった。
今度は連続する低音として先ずベースがイントロで先行し、アコースティック
な生のドラムを叩いた打音が時折連続する。しかし、この曲のドラムは前曲の
ようにセンターの一定位置で一定のリズムを繰り返すというものではなく、
ドラマーの言うところのいわゆる“おかず”というアクションで演奏される。

この曲のドラムはミキシングの過程でパンによって左右に展開するように録音
されているものだ。そして、それとは別の重低音を含むドラムが一定のリズム
で叩かれ、そのズシッとした低域が他のドラムに対して演奏の重心を下げる
役目を果たしている。この低い周波数で再生されるドラムはイコライジング
してあるのか100Hz以下の信号を多分に含んでいるようで、ことさら音像を
描くようなものではなくNEOの周囲から湧き上がってくるような低音と言える。

この重低音のドラムと“おかず”という演奏で時折演出的に叩かれるドラムの
両方を聴き、Z-boardの貢献がNEOを引き立てていることを確認していった。

つまり、同じ打音であっても打点の定位が音像としてそこかしこに展開するの
を忠実に再現するということと、重低音の音像なしと言える低域の量感を比較
していくと、この重低音の方にもう少し厚みを加えたくなってくるのだった。

それを確認すべく次の曲に。


■MUSE 1.フィリッパ・ジョルダーノ/ハバネラ
http://www.universal-music.co.jp/classics/refresh/muse/muse.html

イントロでのフィリッパ・ジョルダーノのオーバーダビングしたコーラスから
して聴きなれたNEOがいつものように見事な音場感を発揮している。いい!!

この時点でも私は低域の量感というものにスポットを当てて観察することにし
ていたので、この曲では重低音の二連打によるドラムに注目していた。これは
スタジオ録音のドラムとは異質な楽音であり、バックのオーケストラを意識し
てか個体感のある音像の輪郭がくっきりした低域というよりは、ホールで叩か
れた大太鼓がホールエコーをたっぷりと身にまとって消えていくという演出の
低音だ。この低域もスピーカーによって大きな違いを聴かせるものだが…

「あっ!! これはちょっと!? しかし、これが解決にヒントになりそうだぞ!!」

今までの曲で聴かれるドラムは打音の立ち上がりは鋭く、そして次の打音が
入ってくる前にきっちりとNEOのウーファーにブレーキをかけて一瞬前の打音
が後を引かないように完全にストップさせることを繰り返していたようなもの
とイメージして頂きたい。

しかし、この曲のドラムの二連打は長く尾を引いて、NEOのセンターを中心と
して左右方向にゆったりと残響を広げていくところにポイントがある。つまり、
低音にもホールエコーが必要であり、この曲の背景で盛大に展開するオーケス
トラと演奏している空間のエアボリュームを共通にする必要性があるというこ
となのだろう。打音の後に余韻感の広がる空間表現を必要とする低音。これは
明らかに私の基準では不足気味という印象が強くなってきた。

ただし、再三申し上げるが、これは大変に高いレベルでの微妙なこだわりで
あり、一般の皆様が聴かれる分には高得点を付けるであろう音質という前提だ。

さあ、何かが見えてきたような気がする。次に行きましょう!!


■DIANA KRALL 「LOVE SCENES」11.My Love Is(MVCI-24004)
http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/diana/disco.html

今までのスタジオ録音は大編成、もしくは多数の楽器がちりばめられたものが
多かったが、いつものようにこの曲の出番がやってきた。楽器はみっつだけ!!

DIANA KRALLのヴォーカルと指の音。そして、クリスチャン・マクプライドの
ウッドベース。楽音の数はたった三種類だが、プロデューサーの腕の見せ所と
いう演出がなされている。

ウッドベースの音はほとんどノンエコーという感じてオンマイクで鮮明な質感
でクローズアップされた音像を描く。対照的にDIANA KRALLのヴォーカルと指
を鳴らす音は盛大に深いリヴァーヴがかけられているので、人工的でありなが
ら美しい音場感として空間に広々とした余韻感を提示する。絶対に同じ室内で
演奏したものを同時録音したら、こんな空間表現の大きな違いはあり得ないと
いう録音なのだが音楽として楽しく聴けてしまうのはプロデューサーの巧さ!!

実は、上述の一文は前回の訪問記からそっくり引用したもの。別に手抜きでは
なく、今まで注目していたドラムという低音楽器からウッドベースという楽器
に視点を切り替える際にポイントとなる要点が今回も重要だったのです。

この連続する楽音で、しかも音の強弱や弦を弾いた時のスピード感から開放弦
で伸びやかに膨らんでいく低音の変化のあり方など、前曲でヒントを得たと
直観したことを確認したかったのである。

「おー!!実に見事な輪郭表現で聴かせるベース、さすがNEOです!!」

ここで輪郭が見える利点は何も問題なく発揮されているのですが、弦を弾いた
時のアタックの強さから濃厚なエコー感を広げていく過程で私の知っている
NEOよりもストイックな鳴り方ではないかという見方をするようになってきた
のです。確かにくっきりはっきりは良いのですが、もう少しダイナミックで
奔放に聴かせるベースであってもおかしくはない。
そう、もうちよっとグラマーな音楽を聴かせてもいいのではないか?

この時点までは診察であり観察に終始しており、具体的な手はまだ何も施して
いない。逆に言えばZ-boardに乗せられたNEOは大変高い完成度であり、それを
チューニングするポイントは簡単には見つからないということだった。

しかし、何とかお役に立ちたいという気持ちから次の曲を…


■ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/chiaki/disco/ce32335.html

治療方針を決めてからの処方箋であり、今の段階ではまだ方針が見えてこない。
低域に関しての各課題曲での変化のあり様と傾向はわかった。しかし、それは
健康診断では特に悪いところが見つからず、“対処療法”という特定の改善を
求めるような必要性が感じられなかったということ。
つまり、現在のコンディションは悪くないということが前提だった。

そこで、国内録音の特徴をもって何かわかるかもしれないということで、この
一曲を聴き始めた。冒頭のギターとヴァイオリンからヴォーカルの質感まで、
時間経過とともに私は各チェックポイントのマークシートにチェックマークを
入れるように確認しながら聴き進めていった。

「いやいや〜、このくらいの再生音であればNEOとしては十分に…!?」

と、思い始めていた時に私の頭の中で、ここまで十分だと思っていた再生音に
対して、過去の記憶と基準と照らし合わせていくと、完全一致しないところが
表れてきた。

「あれ〜、フォーカスが? そう、このヴォーカルだったらもうちょっと鮮明な
 音像が表れていいはずなのに…」

今までの観察点に対して、国内録音のヴォーカルが私の検証ポイントに思わぬ
方向転換を加えることになってきた。さて、これをどのように修正したものか。

Sound checkとは商品の売り込みではないので、私はいつも特定の道具やアク
セサリーを持ちこんでいるわけではない。理想的には何も使わず、何も販売す
ることなく、言い換えればお客様の過去の投資範囲の中でベストを追求すると
いう発想である。

そして、最も大切なことは使い手であるユーザー本人が、その改善点を自覚し
て頂かなくては意味がない。私の頭はちあきなおみを聴きながらフル回転を
はじめていた。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

私がS.Y 様のお部屋に案内された時に静かに流れていたCDはというと。
MIKA NAKASHIMA/BEST でした。
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/mikanakashima/

私は、これからやることは当然予告せずに、S.Y 様に問いかけました。

「最近よく聴いている曲はなんでしょうか?」

するとS.Y 様は迷うことなく、先ほどの中島美嘉だとおっしゃる。ではその
アルバムの中で一番好きな曲はどれですか? と尋ねると即答で「6.愛してる」
というお答えが。それでは…とS.Y 様にセンターポジションに戻って頂き、
以前のままで何も変わらない状態↓で中島美嘉の「6.愛してる」を聴いて頂く。

http://www.dynamicaudio.jp/file/080610/585.jpg

そして、私も自分なりの判定をしなければいけないので、同じボリュームで
この曲を聴かせて頂き、しっかりと記憶に焼き付けていきます。そして…

「S.Y 様、大変申し訳ないですが、ちょっと手伝って頂けますか?」

と、私は上記の写真の中で右側のKRELL 250Mのそば、ラックの上にある何枚か
のCDの手前に置いてあるアルミのスパイク受けベースを手に持っていました。

http://www.dynamicaudio.jp/file/080610/591.jpg

このNEOの足元に置かれているスパイク受けベースです。そして、修正前のNEO
はZ-boardの上でこの↑ようにセットされています。

この状態でS.Y 様も、そして私も同じ中島美嘉の「6.愛してる」を聴きました。

さて、このスパイク受けベースは他社製品の付属品ということで現在は使用し
ていらっしゃらないということ。更にこの↓写真で右端に黄色い電源プラグの
手前に置いてあった四枚のフェルトが目にとまりました。(^^ゞ

http://www.dynamicaudio.jp/file/080610/578.jpg

このフェルトはJEFFROWLAND  JS32の付属品です。これも使っていないという
ことを確認し、すり鉢状にくぼんでいるスパイク受けベースに貼り付けました。
円形にくぼんでいる面積とフェルトのサイズが測ったようにぴったり合います。

そして、S.Y 様にNEOをちょっと傾けて頂いて私がやったことがこれ↓です。

http://www.dynamicaudio.jp/file/080610/593.jpg

これは左側のNEOですが、見た目では内側に向けている角度は大差ないように
見えますが、実際にはリスニングポイントに向けてリスナーがNEOの軸上にく
るように結構角度を大きくしています。簡単に言えばリスナーに正面を向ける
ようにしました。それと同時に上記で仕込んだスパイク受けベースをNEOの
フロントにあるボールに下に敷いたわけです。こんな風に…

http://www.dynamicaudio.jp/file/080610/595.jpg

スパイク受けベースのくぼんだ所に貼り付けたフェルトも同じように中心が
へこみ、NEOのボールをしっかりとホールドしてくれています。この変更で
真横からNEOを見ると後方に仰角を付けて傾けている様子をS.Y 様にも見て
頂きました。たった? これだけです。さあ、今回は私が味見する前にS.Y 様に
聴いて頂こうと思い、センターポジションにおかけ頂きました。

もちろん、ボリュームは先ほどのままでコンポーネントの設定は一切変化は
ありません。
私はリモコンで6トラックを指定しスタートさせました。すると…

「6.愛してる」のイントロが始まりました!!
すると、もうS.Y 様は笑い始めていました(^^ゞ

「え〜!? 違いますよ!! どうして〜!? いいですねー!!」

お好きな曲ほど何回も聴くのは当然。ご自身なりに調整してきたセッティング
で中島美嘉のハスキーでありセクシーなヴォーカルを楽しんでこられただけに
もう、この時点で起こった変化を感じていらっしゃいました!!

あたかも新曲を初めて聴いたような驚きだったのでしょうか、ずっと聴き入る
S.Y 様にお声をかけることなく曲の最後までゆっくりと聴いて頂きました。

「では、今度は私に確認させて頂けますか?」

と席を譲って頂き私も同じ曲を聴かせて頂きました。

「ふむふむ…、いいですね〜、ますますNEOらしくなってきましたよ!!」

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

そこでこれまでに使った課題曲を順番を逆にして次々に聴き直して行きました。

■ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」

フォーカスがビシッと決まると輪郭が鮮明になり、輪郭が鮮明になるというこ
とは多数の楽音で遠近感が引き立つようになります。同時に分離が良くなって
聴こえるので解像度が上がり、音像の引き締め効果と余韻感の両立するので
エコー感がきれいに観察できるようになってきます。

スピーカーのセッティングのちょっとしたことは実は大変重要なことだったと
言うことですね。ギターとヴァイオリンのイントロで早速両者の分離が際立ち、
そこに登場するちあきなおみのヴォーカルは以前よりもくっきりと中空に浮か
びました!!

そして、音像が明確になると音場感が広くなります。これです!!
ちあきなおみが発したエコー感が拡散していく領域、空間の広さを感じるよう
になったということは相対的にフォーカスが決まってきたということなんです。


■DIANA KRALL 「LOVE SCENES」11.My Love Is(MVCI-24004)

「えっ!! どうして!? ベースまで変わってる!!」

リスナーとスピーカーのアライメントを変更したことはフォーカスイメージの
向上を狙ったものだった。これはいいとして、物理的にはNEOのボールがどの
ようにZ-boardとの関連性をもつかということの変化だけだ。それもフェルト
一枚だけの変化。しかし、ベースの量感と重量感がわずかに向上していると
いう変化に思わずほくそ笑んでしまった。経験からの推測と実験、まずこれを
私よりも先にS.Y 様に確認して頂いたが、思わぬ副産物にやって良かったと
いう思いがこみ上げてきました。


■MUSE 1.フィリッパ・ジョルダーノ/ハバネラ

冒頭でのコーラスの解像度、低い音階のドラムの響き、フォルテではちきれる
ようなダイナミックな演奏での質感。そして何よりもヴォーカルにしっとりし
た潤いが添加されていることがフェルト一枚の効果としては上出来だった。

ラバー系、ゴム系の素材を使うということはヴォーカルや弦楽器の質感をソフト
に変質させることにつながる。しかし、このような柔軟性ある素材では低域が
膨らむ傾向を助長し、打楽器のテンションをゆるめてしまう傾向がある。

しかし、フェルトという素材は中高域に対する貢献はあれど低域を引き締める
効果を持っていることが、このような実験でも確認された。次の曲にも続く。


■MICHAEL BUBLE/1.「Fever」WPCR-11777

以前との比較で先ずイントロのペースが音像として鮮明になった変化を直観。
この変化は実に好ましい。第一印象でS.Y 様のNEOは健康状態がよろしいと
判断していたが、更にトレーニングすることで肉体美を際立たせたような
MICHAEL BUBLEのヴォーカルだった。

フォーカスがピシッと合うことでヴォーカルのリヴァーヴが鮮明になり、その
口許がNEOのセンターに浮かびながら左右のNEOの両翼まで広がっていく快感!!
スピーカーの基本的なセッティングの見直しでここまで変化するとは面白い。


■“Basia”「 The Best Remixes 」からCRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX)

スピーカーの角度の調整によって中高域のフォーカスが鮮明になるという変化
はこの曲でもすんなり証明された。しかし、例のドラムの音像が同様に鮮明に
なるということは一体どういう作用なのか? この打音の変化の一要因は上記の
ようにフェルトの使用もあるのだが、ウーファーが放射する高調波の伝送特性
が角度の調整によって耳に伝わる状況が変化したのだろうか?

大分以前にB&W N801が登場したとき、Nautilusと同じようにクロスセッティング
を行うと低域の音像も変化するという体験をしたことを思い出す。
クロスセッティングを行うとドラムの音像が収束し輪郭が見えてきたものだ。

そこまでの大きな変化ではないにしろ、クロスセッティングを行わずともNEO
の主軸をリスナーに合わせることでこんな変化があろうとは!!
いや、普段はこの試聴室で当たり前に聴いている音質だからこそ、それを基準
としている私が調整前の音質に微弱な違和感を感じていたということが証明
されたということだろう。これはうれしい誤算だった!!


■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章  小澤征爾/ボストン交響楽団

これまでのスタジオ録音で楽音の個々を聴き分け分析するという意味合いとは
違うオーケストラを最後にチェックした。

そして、意外な事にオーケストラの再生音に関して今回の調整法が想像以上の
貢献をしていることが冒頭の合奏から弦楽器の質感の向上ということで聴くこ
とができたのには正直に言って驚いてしまった。
え〜、最初に聴いていたオーケストラは一体何だったんだ!!

多数の弦楽器が主題のパートを交互に合奏し、その大規模な合奏の中で相互に
絡み合っていた要素があった…、などということを今になって発見した驚き!!

実際に調整後に聴く弦楽器群は各パートの中に更に個人の奏者が多数存在する
という分離感の充実があり、私は以前から“ほぐれる”という言葉で表現して
きたものだった。弦楽器に関する質的な向上がこれほどあったとは!!

また、管楽器の質感に関してもエコー感の伸びやかさ、音源としての点に絞り
込まれていくフォーカスの鮮やかさ、木管金管問わず発した楽音が消滅してい
くまでの過程を克明に聴かせ、ステージ上での遠近法を聴き手にイメージさせ
る説得力が備わっている。そう、NEOとはこういうでなければいけない!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

私がNEOに行った調整ポイントは水平軸、垂直軸の両方に対して変化を与えた
ということ。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.html

先ず垂直軸に関しては上記の随筆の48ページから述べているNEO TAILと同じ
原理です。結果的には随筆↑で述べている“A”と“B”ポジションの中間的な
角度にS.Y 様のNEOを設定し直したということ。

次に水平軸での変化としてはH.A.L.でのセッティングと同じように、リスナー
にNEOの正面を向かせるという変更でフォーカスの出方を最も鮮明にしました。

さて、次にスパイク受けベースとボールの間に挟んだフェルトが楽音の質感に
影響をもたらしています。高域の質感にぎらつくものをなくし潤いを与え、
更に硬質なボールとアルミのスパイク受けベースの両方が接するポイントに
微妙な緩衝材としての役目を持たせ、不思議な事に低域の量感をアップさせて
くれました。しかも、低域の輪郭表現も同様に向上しています!!

まさに、やってみるものですね〜という実感でした!!

翌日に私からお礼のメールを差し上げようとしていた矢先、S.Y 様から先に
メールを頂戴してしまいました。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又様

昨日はわざわざお越し願い、ありがとうございました。

何のお構いも出来ず、申し訳ありませんでした。
川又さんのクリニックは最初は緊張しましたが、的確なアドバイスに感謝して
おります。

今週末は部屋に閉じこもりになりそうです^^;

ますますNEOを買ってよかった、と実感しています。
また、とはもうしませんが(笑)、お越しください。

これで次のアンプの購入には川又さんに相談せざるを
得なくなってしまいました^^;

これからもよろしくお願いしますm(_ _)m。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

私の方こそ恐縮してしまいました。そして…S.Y 様のブログには新たな更新が。

http://rresearch.blog103.fc2.com/blog-entry-78.html

本当にありがとうございました。

Sound checkとは先ず皆様のシステムを聴かせて頂くことから始まります。
言わば皆様のシステムとの対話のようなものでしょう。

それは問診のようなもので、現在の調子はどうですか〜?
ということを私が聴きとっていくわけです。

冒頭に述べているようにS.Y 様のNEOは良好な健康状態でした。
それを理解した上で更なる体質改善のチューニングを行ったものですが、
些細なことではあってもS.Y 様ご本人が気が付いていないポイントがあり、
そこに変化を与えることで思わぬ効果が表れてきます。

そして、このような体験を通じて私のSound checkにおけるカルテの厚みが
増していくわけで、その経験則が多くなればなるほど将来に渡り皆様のお役に
立てるノウハウも蓄積されていくということでしょう。

Sound checkとは私にとってのトレーニングでもあり、もっと多くの皆様と
時間を共有していけることを願っています!!

最初は躊躇していたS.Y 様にこのように喜んで頂けて何よりでした。

皆様のお宅にも喜んで往診にお伺い致しますので、どうぞよろしくお願い致します。

そのためには、先ずハルズサークルにご入会下さい。


HAL's Hearing Report