発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18
ダイナミックオーディオ5555
TEL 03-3253-5555 / FAX 03-3253-5556
H.A.L.担当 川又利明
    
2018年10月11日 No.1494
 H.A.L.'s Hearing Report募集!!第42回マラソン試聴会-私がやったこと!!

今年のテーマは「SIZZLE SOUND」音、オーディオ、音楽の”味わい”をより直感的に
体験して頂こうと企画した劇場型試聴会です。

■Solo Stage:【H.A.L.'s Sizzle Sound Recipe】の実演プログラムは下記にてご覧下さい!!
https://www.dynamicaudio.jp/MARATHON/42/

■速報!! Marathon Sound Trial-H.A.L.'s Sizzle Sound Recipe!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1489.html

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

今年は台風の当たり年。台風21号の暴風で関西地方では甚大な被害が出ました。
続く台風24号では首都圏の鉄道が計画運休となり交通網が遮断され、そして
台風25号が南方洋上に発生したというニュースを聞き開催予定日まで不安が募る
一週間でしたが、初日から好天に恵まれほっとして会場に赴いたものでした。

開演前から多数のお客様が来場され、午後にはほぼ満席状態が続くという状況で、
ご来場頂いた皆様には改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

さて、ここで簡単にマラソン試聴会の歴史をご紹介させて頂きます。
今年で第42回となりましたが年に二回開催した年がありましたので、正確には
40年前にスタートしたイベントということになります。

その第一回目は東京都千代田区永田町にあったホテルニュージャパンの2フロアーを
借り切って開催されました。ここは1960年に開業した都市型多機能ホテルであり、
宿泊だけでなく大中小14の宴会場と舞台付100畳敷の広間、ホテル部と旅館部の2種
業態併存、充実した料飲施設、ショッピングアーケード、高級レジデンスなどが
盛り込まれていました。その後、1982年に不幸な火災により閉鎖された経緯を
ご存知の方も多いと思います。

話しを戻しますが、そのホテルニュージャパンにて国内外のブランドを集結させて
朝から晩まで長時間の試聴会を行うということで、当時の弊社社長がマラソン試聴会と
命名した当時としては画期的なオーディオイベントだったのです。

その後に、輸入オーディオ協議会が1983年に「輸入オーディオショウ」として
東京都千代田区飯田橋にあるホテルグランドパレスでも同様な形式のイベントを
行うようになり、日本のオーディオ業界で先駆的な試みをダイナミックオーディオが
実行してきたという歴史があります。

その第一回マラソン試聴会から携わってきた営業としては現在では私一人となって
しまいました。現在の弊社会長を除いては勤続40周年という私しか昔を知る社員は
いなくなってしまったということで寂しい思いもあります。

もう大分前ですが、1990年代前半では私一人がMCを行い、昼食なしで連続8時間の
ステージを務めたこともありました。

その長丁場の演目と使用コンポーネントも全て私一人で考え実行したもので、
超の二乗くらい疲れましたが、今となっては貴重な思い出となっています。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、初日と二日目は同じシステム構成ですが、私のプレゼン内容は微妙に違います。
それを二つのシステムごとにご紹介したいと思います。★画像提供:avcat様より

会場内ホールの全景です。これは10/7の開演前ですが、こんな空間で演奏するのです!
お客様は座っているだけでステージ上の実演システムが次々に変わっていく劇場型
試聴会、この壮大な音響空間とボリュームがマラソン試聴会の最大の特徴です!
http://www.dynamicaudio.jp/file/P1620033.JPG

開演前に実行委員と私が挨拶のスピーチを行い、前述のマラソン試聴会の歴史を
簡単に説明しているところです。この段階でステージ前は既に満席となっていました。
http://www.dynamicaudio.jp/file/P1620914.JPG

私が使用するソースコンポーネントとプリアンプを収納したラックです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/P1600407.JPG

二機種のスピーカーは正面から見るとこんなセッティングです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/P1610909.JPG

初日のスタートはこんな感じ。
http://www.dynamicaudio.jp/file/P1610898.JPG

二日目は違うスーツを着てスタートしました。
http://www.dynamicaudio.jp/file/P1630377.JPG

そして、両日とも私は冒頭にこんな話しをしています。

「私はオーディオマニアじゃないから、いい音がどんな音なのか分からない…、
 というお客様からの言葉を良く耳にしますが、何も難しいことはありません。

 食べ物と同じで美味しいと感じる音がいい音なんです。人は誰でも生まれて初めて
 口にしたものでも美味しいと感じますよね。それと同じなんです。そして、それは
 特別に訓練しなくとも本能的に誰でも聴けば判るものです。それを実験しましょう」

と、こんな前口上を述べてから試聴に入っていったわけです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/P1610912.JPG

■Marathon Sound Trial-H.A.L.'s Sizzle Sound Recipe / Sonusfaber Aida II
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1489.html

先ずは上記のSonusfaber Aida IIのシステムでスタート。初日は次の二枚のCDを使い、
ある実験をしました!

ARTHUR GRUMIAUX / アルテュール・グリュミオー J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲(全3曲)
https://www.universal-music.co.jp/arthur-grumiaux/products/uccd-9832/

グリュミオー57歳で40年前のアナログ録音です。私はこの演奏が大好きで38年間
ずっとLPレコードで聴き続けてきたものですが、今回はCDを用意してきました。

Daniel Lozakovich / ダニエル・ロザコヴィッチ
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番
https://www.universal-music.co.jp/daniel-lozakovich/
https://www.universal-music.co.jp/daniel-lozakovich/products/uccg-1797/
http://lozakovich.com/

下記のインプレッションでも使用したロザコヴィッチが17歳という昨年の最新録音です。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1493.html

かたや40年前のアナログ録音、かたや最新技術によるドイツ・グラモフォンの録音です。、
この二枚のCDを次の二機種のCDプレーヤーで演奏したのですが、どちらにどのCDを
入れたのかは内緒ということでブラインドテストをしてみたわけです。

前者:CD Player  Burmester 069+PSU  ¥7,000,000
http://www.noahcorporation.com/burmester/069.html

後者:CD/SACD Player  dCS Vivaldi One    ¥7,770,000
http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-one/

かけた曲はバッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番第一楽章。グリュミオーは3分51秒、
ロザコヴィッチは3分56秒で演奏していますが、同じ音量で同じ曲を演奏してから、
私は来場者に尋ねました。

「さて、どちらが40年前の録音だったでしょうか?」

手を挙げたお客様は半々だったでしょうか、グリュミオーの演奏が良かったのか。
そして、次のような質問に変えました。

「さて、皆様にとってどちらの音が美味しかったでしょうか?」

これに対しては七割くらいの皆様が前者と手を上げられました。
そこで私は種明かしをしました。前者がロザコヴィッチで後者がグリュミオーです!

私はdCS Vivaldi OneにてDSD×2ということで5.6MHzにアップサンプリングさせて
40年前のアナログ録音を高度なDSD変換によって聴いて頂きたかったのです。

そして、Burmester 069+PSUではPCM192KHzにアップサンプリングして最新録音を
皆様に聴いて頂き、プレーヤーの特徴が録音年代を補完するような鳴らし方で
二種類のヴァイオリン協奏曲を比較試聴して頂きました。

最初からお客様の美味しさという自己主張が確認されて私の前説通りになってきました!

二日目はこういう実験をしました。敢て古い録音のグリュミオーでバッハ:ヴァイオリン
協奏曲第1番第三楽章をdCS Vivaldi Oneにて二回繰り返して演奏しました。ただし、
一回目と二回目では微妙に音質を変えて演奏したのです。そして、こう尋ねました。

「皆さん、最初の音と二回目の音に違いを感じられた方はいらっしゃいますか?」

これはほぼ全員が手を上げられました。私は思わずニンマリです。そして…
http://www.dynamicaudio.jp/file/P1630367.JPG

「では皆さん、美味しいと感じられたのはどちらの音でしょうか?」

ほぼ全員が二回目の方が美味しかったと手を上げられました!

そこで私は種明かしを始めたわけです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/P1610929.JPG

Sonusfaber Aida IIにはサウンド・シェーパーと呼ばれるリアスピーカーが搭載されています。
http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/catalog_aida2.pdf

全く同じシステム構成と音量で同じ曲を繰り返しましたが、実は最初の演奏では
上記のリアスピーカーをオフにしていたのです。そして、二回目はリハーサルで
私が試聴してチューニングしたレベル3でリアスピーカーを鳴らしていたのでした。

こんなブラインドテストを予告なしに行いましたが、皆様は両日ともに私が考えた
シナリオ通りに反応して下さったということなのです。美味しい音は誰でも分かるのです!!

次の選曲は両日ともに同じ。しかし何を演奏するかは語らずに、こんな予告をしました。

「バッハのヴァイオリン協奏曲の次は、バッハのピアノのためのパルティータ第二番
 シンフォニアの旋律から始まるこの曲を聴いて下さい!」

またバッハのクラシックか〜、と皆様に思わせておいてBurmester 069+PSUに入れた
CDをスタートさせると…、何と女性ヴォーカルのスキャットでバッハのパルティータが
始まり、絶妙な音階のつなぎ目から全く違う曲が始まったのでした! これです!

シェリル・ベンティーン(Cheryl Bentyne)「コール・ポーター・ソング・ブック」から
9.You'd Be So Nice To Come Home To だったのです。
http://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICJ-567/

プロフェッショナルの素晴らしいヴォーカルがバッハからお馴染みのメロディーに
変わっていき、リズムセクションの小気味よいバックの演奏が弾けるように展開し、
弦楽器が得意なスピーカーというSonusfaber Aida IIのイメージをひっくり返していきます。

You'd Be So Nice To Come Home To と言えば、やはりこの演奏が有名じゃないですか!
https://www.youtube.com/watch?v=YM0PhsP7ulk

Helen Merrill with Clifford Brownが録音されたのは1954年の事ですが、
「ニューヨークのため息」と言われたHelen Merrillは、この時何歳だったか
知っている人はいますか〜、と私は客席に呼び掛けたのですが誰も知らないようです。

あのセクシーなハスキーボイスが魅力的なHelen Merrillなのですが、
この時彼女は何と24歳だったのです!

こんな話題を提供しながら、では私がHelen Merrillよりもいい! と思っている
1960年に録音されたYou'd Be So Nice To Come Home To を聴いて下さい!

と、またまた歌手は誰かを先に言わず、ただ演奏のうま味だけを話していきました。

「ジョニー・ホッジス(as)やベン・ウェブスター(ts)らのデューク・エリントンと
 ゆかりあるプレーヤーがバックを務め、抜群にスイングする最高の一曲です」

この古い録音は前述のようにdCS Vivaldi Oneでかけました。さて、美味しいか!

「皆さん、これは音質を比較試聴する選曲ではありません。今の音は美味しかったですか」

と問いかけると嬉しいことにほぼ全員が手を上げてくれました。そこで種明かしです。

JO + JAZZ / ジョー・プラス・ジャズでのYou'd Be So Nice To Come Home Toでした!
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245599471

さあ、次の選曲も両日とも同じで、私の前置きとしては、かつてオーディオの試聴会で
この曲を演奏したことは一度もありません。1985年から活動を始めた日本人アーチスト
ALI PROJECTを知っている方はいらっしゃいますか〜と問いかけると…。

初日はお二人、二日目は三名だけですが手を上げてくれました。特に知名度が低いと
いうことではなく、マラソン試聴会というイベントに参加された皆様の好みではなかった
ということなのでしょうが、私はSonusfaber Aida IIを使って、このホールで鳴らせば
とても美味しい演奏になるのではないかと予感するものがあり思い切って鳴らしました!!

その曲とはこれです。『月光嗜好症』9. 共月亭で逢いましょう
https://aliproject.jp/content3/?no=JEVICnfucCfvC83qsbSR3

Burmester 069+PSUで再生されたストリングスバックの女性ヴォーカルが空間に
溶け込んでいくように展開し、美味しかったですか〜と問いかけると多くの皆様に
挙手を頂き大成功でした!!

さあ、私はのってきました! 初日では次の選曲。

メロディ・ガルドー / MELODY GARDOTのマイ・オンリー・スリル+2 [SHM-CD]から
https://www.universal-music.co.jp/melody-gardot/products/uccu-5843/
11.Somewhere Over The Rainbow をdCS Vivaldi Oneで聴いて頂き、その後に
同じ曲を2013年のチューリッヒにおけるライブ録音で演奏しました。
https://www.universal-music.co.jp/melody-gardot/products/uccm-1243/

このライブ録音での伴奏はチェロだけというシンプルなものなのですが、その
チェロの変幻自在な素晴らしい演奏と、ライブ空間の素晴らしさを皆様に聴いて
頂きたく、Aida IIのサウンド・シェーパーの威力がいかんなく発揮されたのです!
https://www.universal-music.co.jp/melody-gardot/

二日目は時間の関係でライブ録音のみ演奏しましたが、やはり皆様には美味しいと
大変評価を頂いたものでした。さて、でもまだクラシック、そうオーケストラは
一曲もかけていないな〜、ということで最後の選曲です。

オーケストラでは交響曲をかけるのか、いや時間も迫ってきたしな〜と、

アンドリス・ネルソンス/ボストン交響楽団 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番、8番&9番
https://www.universal-music.co.jp/andris-nelsons/products/479-5201/

劇付随音楽《ハムレット》の第三楽章「ファンファーレと舞踏音楽」2分22秒のトラックです。
この冒頭には強烈なグランカッサの打撃音が入っていて、リハーサルの時にこの部分
だけを何回もリピートさせ次第にボリュームを上げていき、Aida IIが悲鳴を上げる
直前まで音量を上げて行ったのです。これを先ずはBurmester 069+PSUで再生しました。

輸入元担当者の一声、こんな音量で音楽聴いたことない!

短い演奏ですがドカーン! と響く大太鼓の後には軽妙なリズムと管楽器が絡み、
そこに弦楽が素晴らしいは音場感と美しさで展開する絶妙な選曲となりました。

でも、まだ終わりたくない…、dCS Vivaldi Oneにディスクを入れ替えて、押している
時間を気にしつつラストの一曲はこれ。

ショスタコーヴィチ:交響曲第8番の第三楽章です。勇壮な弦楽器のアルコが響き
金管楽器の低音階がぐさりと空間を貫き、スネアの連打が爽快に空間を構成する!

6分30秒のトラックですが、小太鼓の連打から続いて次の楽章に進行してしまうので、
私は慎重にカウンターを見ながらフェードアウトさせました。

皆様、お楽しみ頂けましたでしょうか! はい、多くの皆様が手を挙げて下さいました!
でも、これからが大変なのです!!


■Marathon Sound Trial-H.A.L.'s Sizzle Sound Recipe / HIRO Acoustic Multi-Amp Drive
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1489.html

私も過去のマラソン試聴会でやったことがないマルチアンプドライブです。
その錚々たる物量のパワーアンプがこれ!
http://www.dynamicaudio.jp/file/P1600416.JPG

通常はトゥイーターとミッドレンジはフラットに置くのですが、マラソン試聴会
だけの特殊なアングルをつけたHIRO Acousticの登場です。
http://www.dynamicaudio.jp/file/P1630315.JPG

さて、このシステム構成でプログラムには書かれていない重要なポイントがあるので、
ここで紹介しておきましょう。

片チャンネル四台のパワーアンプからHIRO Acousticの四つのスピーカーユニットに
つなげるスピーカーケーブルは何を使ったのかというと、何と全てWireworldの新製品です!
http://naspecaudio.com/wire-world-series8/new-8-series/
http://naspecaudio.com/wire-world-series8/technology-for-series8/
http://naspecaudio.com/wire-world/

トップモデルPlatinum EclipseからGold Eclipseへと上位四機種で3.0mのスピーカー
ケーブルを用意しましたが、4セット合計での予価としては約600万円くらいになります。

そのごっついPlatinum Eclipseを何とトゥイーターに、ミッドレンジはGold Eclipseで
ということで、スピーカーケーブルの重要な存在感を最初にお知らせしておきます。

H.A.L.'s One point impression!! - Very Exciting Sound by HIRO Acoustic and Accuphase 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1482.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1483.html

このステージで私が最も重要視したポイントが上記のレポートにも書かれています。

「LCRという電子素子を音楽信号が通過せざるを得ないという事実が必要悪とは言わないが、
 アンプとスピーカーユニットが直結されることによってアンプの本領が発揮され、
 全帯域でトランジェント特性が想像を絶する向上をしたとしたら、そこには音楽の
 豊かさ、演奏者の情熱とセンスが浮かび上がってくるという事!!

 それがマルチアンプシステム本来の素晴らしさではないだろうか!!」

私は今回トランジェント特性が究極的に向上すると何が起こるのかを表現したかったのです!!

さあ、この超豪華なマルチアンプシステムでの最初の一曲は何か!
さぞ大編成で豪快な曲を持ってくるのではないかと想像された方も多いと思いますが、
私が選曲したのはたった一本のサックスによる演奏でした。

ダブル・レインボウ〜ジョビンに捧ぐ [SHM-CD]ジョー・ヘンダーソン
12.モジーニャ MODINHA これです!!
https://www.universal-music.co.jp/joe-henderson/products/uccu-5571/

先ずは、Joe Hendersonの図太い、しかし繊細なサックスの音に痺れます!
途中から入ってくるChristian McBrideの正確無比なベースに痺れます!

たった二人のプレーヤーが発する音が、あのホールに響き渡る爽快感!
これはのっけから興奮ものです!

皆さんに「どうですか〜、今の演奏は美味しかったですか!?」と問いかけると
待ってましたとばかりに満場の挙手を頂きまして私のシナリオは好スタートを切りました!

このステージは初日と二日目は選曲を変えているのですが、共通している曲と
大変良い演奏が出来たものを紹介していきますので、一日しか参加されなかった方には
聴いていない曲もあるかと思いますが、ご容赦頂ければと思います。さて、次です!

私は上記のトランジェント特性の例を見ない向上に際して、先ずは小編成の録音と
いうことと、このシステムで最初に聴いて頂くヴォーカルに関して大変悩みましたが、
これも過去の試聴会、イベントでは使用しなかった一曲を皆様に披露したのです!

シェリル・ベンティーン(Cheryl Bentyne)「コール・ポーター・ソング・ブック」から
11.ビギン・ザ・ビギンです。
http://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICJ-567/

素晴らしい歌唱力のシェリル・ベンティーンですが、この曲の伴奏は何とドラムだけ!
このドラムの低音はHIRO Acousticにしか出せないものです。

つまり、重たい低音を軽く出す! 膨らまず引き締まっていて、バスレフスピーカーの
変調された低音もなく純粋な音楽信号だけで再現されるドラムの素晴らしいこと!

更に、ヴォーカルが極めて大きな音場感を描き、あのホールの隅々まで豊かな声量を届け、
澄み切ったシェリル・ベンティーンが空間に溶けていく美しさに私は内心でガッツ
ポーズをとってしまいました!! いや〜、この選曲はヒットだな〜と自画自賛しつつ…

「さあ、どうでしたか〜、このヴォーカルとドラムだけの演奏は美味しかったですか!?」

と問いかけると、待ってましたとばかり多数の挙手を頂き私は内心でニンマリです。

さて、女性ヴォーカルの次は男性ヴォーカル。しかも、ライブ録音、しかも伴奏は
エレキギターだけという小編成の録音。でも、このライブ録音は観客の叫びと拍手の
音量が大きく録音されている傾向がある。なぜか?

私は思うのです。演奏空間のホールで観客の拍手も叫びも第二の伴奏楽器なんだと!

さあ、こんなライブ録音の選曲ですが、およそオーディオイベントでかけられると
いうことはないでしょう。私も初めての試みです。そんな語りをするだけで演奏者は
誰かということは一切言わずにMSB Reference Transport のリモコンでスタートさせ、
一切アップサンプリングしない44.1KHz/16bitのままで誇らしい再生音がスタートしました!!

この歌手の声が出始める時のお客様の表情を私は注目していました。あの人が
こんなライブ録音を残していたんだ、そしてここで聴くその興奮のステージが!!

山下達郎 JOY  01.ラスト・ステップ    これです!
https://www.tatsuro.co.jp/discography/
https://www.tatsuro.co.jp/discography/#album-moon12

この曲は1976年のソロデビューアルバムに収録されているもので、私は若い頃に
買ったLPレコードで聴いてきたものでしたが、これはライブの方が興奮します!!

さあ、この曲は美味しかったでしょうか〜!? はい、ザッと効果音が聞こえるように
皆様の手が上がりました。このホールで実際に当時36歳の山下達郎が歌っているようです!!

さて、次の曲も両日ともに演奏しました。

HELGE LIEN / SPIRAL CIRCLE   7. Take Five
http://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245411462

今回同様にマルチアンプシステムで演奏した下記の企画の際にも試聴した選曲です。

H.A.L.'s One point impression!! - Very Exciting Sound by HIRO Acoustic and Accuphase
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1482.html

当フロアーとは比較にならないエアボリュームのホールで果たしてキックドラムは
ロングストロークの大音量で破綻しないかどうか、ほぼ満席という観客が入った
状態でのトライアルに不安がありましたが、見事にトランジェント特性の素晴らしさが
功を奏して迫力あるドラムが響き渡りました!

また瞬間的に輝くようなシンバルやハイハット、ベルを多用した多彩なパーカッションも
くっきりと描かれていて、ウッドベースのアルコが右側で鳴り始めた時にも安定した
低域の再現性が素晴らしかったと思います。そして皆様の反応もほぼ全員挙手でした!!

「第38回マラソン試聴会の一幕をご紹介します!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1182.html

2014年にマラソン試聴会に初登場した上記も是非ご覧下さい。
初日と二日目は選曲が違いましたが、私は四年前のデビューの際の第一声となった
この曲を今回のマルチアンプシステムで鳴らしました!

UNCOMPRESSED WORLD VOL.4-on the piano 18.Kirk Montreux / ETERNAL DESERT(LA CALIMA EDIT)
http://www.hifijapan.co.jp/accusticarts.htm

切れ味のいいギターとピアノの背後にうねるような重低音が響き渡り、たった2分40秒の
曲なのですが迫力満点の空間を作り上げました!! これは良かったな〜と自画自賛!!
そして、お客様の反応も上々でした!!

オーケストラはこれです! サンサーンス交響曲第3番 ハ短調 「オルガン付き」 Op. 78
よりご存知の II. Poco adagio
http://ml.naxos.jp/album/DOR-90200

このオルガンの脈動感は正に低域におけるトランジェント特性の素晴らしさを見せつけ、
ホールを満たす低音がずっしりと軽く!? 響き渡る快感が堪りませんでした!
皆様にも美味しく味わって頂けた様子でした!

二日目だけですが、ピアノでも確認して頂こうと下記を選曲しました。
ビヨンド・スタンダード 上原ひろみ~HIROMI’S SONICBLOOM  9.アイ・ガット・リズム
https://www.universal-music.co.jp/hiromi-uehara/products/ucct-1197/

2008年1月ニューヨークにて録音とありますが、ライナーノーツによると車で長時間
かけて山の上にある農場を改装したスタジオで録音したとのこと。

農場の納屋はテニスコートくらいの大きさで、その隅にピアノが置かれていた。
9.アイ・ガット・リズムはピアノソロですが、上原ひろみは満足せずに20数回の
テイクを繰り返し、やっと納得できる演奏が出来たというテイクが収録されています。

テニスコートくらいの空間と言えば、ちょうどマラソン試聴会のホールくらい。
その空間で鳴り響く圧巻のピアノを聴いた皆様、いかがだったでしょうか!!

次は初日の最後の一曲、二日目は最後から二番目というタイミングでかけたのがこれ。

このディスクは非売品です。1999年に横浜みなとみらいホールでライブ録音されたもの。
ピアノだけの伴奏でホールに響き渡るWynton Marsalisのトランペットが素晴らしい
質感で魅了されました。これは評判がよかったですね〜!

Wynton Marsalis playing Spring Yaounde
http://wyntonmarsalis.org/videos/view/wynton-marsalis-playing-spring-yaounde

さて、二日目の最後の一曲とはこれです!

和田薫/伊福部昭/外山雄三:日本の管弦楽(マルメ響/広上淳一)
http://ml.naxos.jp/album/BIS-CD-490
外山雄三作曲 交響詩 「まつら」 4.Symphonic Poem, "Matsura"

実は、この曲は四年前HIRO Acousticのデビューステージでの最後の一曲でした。

私は会場の皆様にSN比向上をお願いしました。この曲では最弱音として横笛一本、
トライアングルだけのパートなどが途中にあり、それから次第に盛り上がり最後の
ファンファーレまでダイナミックな展開が素晴らしい曲なのです。

その最後にはトランペットと同時に壮大なドラムが叩かれ、主題としたマルチ
アンプシステムの成果を最後の一曲で感じ取って頂ければ何よりです。

そして、この曲が終わった時、私からいかがでしたか〜と問いかけることなく、
皆様から盛大な拍手が沸き起こったことが大変感動的でした!!

オーディオの試聴会で観客から拍手を頂けるようなイベントは他にあるでしょうか!?

マラソン試聴会は完全にダイナミックオーディオの営業マンによる手作りのイベントです。

評論家もメーカーの人任せのイベントではありません。それが私たちの誇りなのです!!

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、出来るだけ演奏した曲を思い出して書いてみましたが、実際にご来場頂いた
皆様の感動の記憶とマッチさせることは出来ましたでしょうか。

皆様に手を挙げて頂き、最後には拍手まで頂き本当にありがとうございました。

聴き手としてどのように感じられたのか、上記の選曲紹介に照らし合わせて皆様の
ご感想をお待ちしておりますので何卒よろしくお願い致します。
ありがとうございました。

mailto:kawamata@dynamicaudio.jp

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


戻る