発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明
    
2018年6月28日 No.1482
 H.A.L.'s One point impression!! - Very Exciting Sound by HIRO Acoustic and Accuphase

「HIRO Acousticにしか出せない低域!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1481.html

「理解しづらい喩えかもしれませんが、重たい低音を軽く出してしまうのです!」

という結論で締めくくった前回ですが、いよいよその日はやってきました!

6月25日は最高気温32℃という猛暑、ダイナミックオーディオ勤続40年という私が
今まで一度もH.A.L.で聴いたことがないAccuphaseをホームグラウンドに迎える
事になりました!

■HIRO Acoustic MODEL-CCCSをオールAccuphaseでマルチアンプ駆動するシステム
http://www.dynamicaudio.jp/5555/7/H.A.L.'s_Sound_Recipe-HIRO_Acoustic_Accuphase.pdf

合計13台ものコンポーネントを使用してのシステム構成、先ずはチャンネル
ディバイダーと8台のパワーアンプを用意したラックに収納するにも一苦労しました!
http://www.dynamicaudio.jp/file/2018.06.25.02.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/2018.06.25.03.jpg

当フロアーのリファレンススピーカーHIRO Acousticとの本邦初のシステムが完成!
http://www.dynamicaudio.jp/file/2018.06.25.01.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/2018.06.25.04.jpg

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

しかし、私はいきなりマルチアンプ駆動でHIRO Acousticを鳴らすことはしません。

http://www.dynamicaudio.jp/5555/7/H.A.L.'s_Sound_Recipe-HIRO_Acoustic.pdf

そもそも初めて聴くAccuphaseなので、その実態を上記のESOTERICコンポーネントと
入れ替えて、クロスオーバーネットワークMODEL-CCX Improvedを使用してバイアンプで
Accuphase A-250を2セット4台使用しての試聴からはじめたのです。
http://www.hiro-ac.jp/networkimpr11.html

大掛かりなパワーアンプの台数とセッティングでしたが、最初はそのうちの4台の
アンプだけを使い試聴開始したのですが…!?

電源投入直後ではありますが、先ずは穏便なスタートとして鳴り始めたHIRO Acoustic。
しかし、これは頂けません!

一口で言えばピンボケの音。フォーカスは滲み音像が感じ取れず欲求不満をもたらす。
オーケストラでもスタジオ録音の課題曲でもいいところなし。これは参った!

2015年4月に発売したモノパワーアンプM-6200が1ペアで180万円、それに対して
2017年4月に発売したA-250は1ペア250万円、この70万円の価格差で新たに純A級
動作のパワーアンプとしてA-250をなぜ開発したのか? という疑問が浮かぶ…。

この音じゃ聴いていても仕方ない、以前とあまりにも違うHIRO Acousticの音に
愕然とし、いらいらしてしまう音なので試聴中断。M-6200に切り替えることに。
すると…。

「同時に電源投入したのに、こっちの方が全然いいじゃない! 」

こんなエピソードが最初のAccuphaseでした。M-6200の方が最初から音像を結び、
フォーカスも鮮明であり私にとっては普通の状態という第一印象。なかなかのものです!

初めて聴くAccuphaseで先ずはストレスを感じない音質としてM-6200のバイアンプで
課題曲をどんどん聴いていきました。一台90万円で重量40キロというモノパワー。
これがここまでHIRO Acousticを鳴らしてくれれば及第点です。

音像の描き方も無理なくテンションもくっきり表現し、今まで先入観としてもっていた
低域に膨張性ある軽さがあるのではと、今までに耳にしたAccuphaseユーザーからの
コメントに関して全く心配ないとの実感を得ました! いいです、このプライスで
買えるモノアンプとしてはお安いのではと早速に商売っ気が頭をよぎります!

これは同時にAccuphaseのソースコンポーネントとプリアンプに対しても言える
事であり、クロスオーバーネットワークを使用した通常の鳴らし方において、
先ずはAccuphaseのパフォーマンスに関して私の推薦範囲であることを実感しました!

さあ、そうすると先程のA-250の音はいったい何だったんだ!?

私としては中高域にA-250を低域用にM-6200を組み合わせるという想定で予定して
いたマルチアンプシステムに移行するには、どうしてもA-250の存在意義を確認
しなくてはならなかったわけです。

電源投入してから二時間ほど経ってからでしょうか、再度A-250に接続し直して
試聴することにしました。すると…!

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団

先程も最初に聴いた必須の課題曲をウォームアップしたA-250で再度スタート。

「何と! これには恐れ入りました! 先程とは全く別物じゃないですか!!」

弦楽五部のハーモニーにはしっかりとした各パートの秩序が質感の提示として表れ、
その結果ヴァイオリン二部の演奏者一人一人の微妙な音色の変化を克明に示し、
木管楽器の音像にはジャストフォーカスにスポットライトが当てられた見事さ!

オーケストラの個々のパートが鮮明に描かれ、弦楽五部のそれぞれに国産では
珍しいほどの潤いとしなやかさが感じられる。この艶やかな弦楽器の質感は純A級
動作のアンプの特徴であり、それは課題曲を聴き進むうちに空間表現の素晴らしさ、
見事な余韻感の再現性ということで、A-250の存在感をしっかりと確認したのでした!

初日での好印象をマルチアンプシステムにつなげるべく、この試聴室を三日間
貸し切り状態としてセットアップと試聴、そして色々な実験をしていこうと思い、
私はクロスオーバーネットワーク使用の状態でこんなことを試してみました。

私はパワーアンプにはメーターは不要だと考えているのですが、それは音質本位の
発想であり果たしてAccuphaseのパワーアンプではどうなのだろうかと…。

CDプレーヤーのDP-950とDC-950のディスプレーは残念ながら消灯は出来ませんが、
プリアンプC-3850にはディスプレーのオンオフスイッチがあります。これをオフ!

A-250はパワーメーターのオンオフが出来るので、これもオフとして各アンプの
ディスプレーのオンオフで実験したのですが、HIRO Acousticで比較すると見事に
その違いを聴かせてくれました。

それは楽音の質感を変えるほどのものではありませんが、楽音の発祥から消滅に
至る時間軸と空間構成の情報量に影響するようで、各アンプともにオフにした方が
余韻感が美しく最後まで聴きとることが出来るようになります。これはいいです!

そんな通常接続におけるAccuphaseの基本的な能力と魅力を先ずは確認し、今までの
先入観を私の記憶から消し去ることが出来ました。同社の音質的基礎体力とセンスに
関しては当フロアーでの実演にて十分にH.A.L.レベルであるということを先ずは宣言します!

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そして、二日目の午後から来店されたAccuphaseの設計陣と廣中さんに、上記で
私が判断したアナログ伝送による通常接続での音質をスタートラインとして試聴
して頂き、これから全員で取り組んでいくマルチアンプシステムに対する原型の
音質を確認して頂きました。

私が今回の企画でもっとも気にしていたこと心配していたこと、そして疑問点と
考えていたことがあります。上記にてアナログ伝送と表現しましたが、今回使用する
AccuphaseのDF-65はA/D変換を行いデジタル領域で帯域分割やゲインの調整、更に
ディレーや位相などの制御を行うものです。

CDプレーヤーで最高レベルの技術を駆使して、D/A変換して極めつけのアナログ
信号を出力してプリアンプに送っているのに、再度それをA/D変換し、もう一度
D/A変換してパワーアンプに送るわけですから、せっかく高純度なアナログ信号を
ソースコンポーネントで作り出しているのに二回も変換作業を行う事で音質劣化が
発生してしまうのではないだろうかという疑問でした。

マルチアンプシステムにてスピーカー付属のクロスオーバーネットワークを使用
しなくて良いというメリットが帳消しされてしまっては元もこうもないのではと
いう懸念があったのです。

果たして、クロスオーバーネットワークのパッシブ素子をシグナルパスから外す
ことのメリットが、A/D変換とD/A変換を再度行うというデメリットに勝るのかどうか?

アナログのチャンネルディバイダーでは心配しなくて良いことですが、今回の
場合には私のこだわりの焦点はそのポイントにピタリとロックオンしていたのです!

さて、両社の皆さんにアナログ伝送での音質を一通り確認して頂き、いよいよ
DF-65を介してのマルチアンプシステムにセッティングを変更していきます。

各帯域の設定は前述の通りでA-250がミッドハイ、M-6200がウーファー二基へと
配線変更していきます。

では、肝心なDF-65の各チャンネルの帯域設定はどうしたのか!?

実は熱心な廣中さんは下記のように事前にAccuphaseを訪問してMODEL-CCCSの
各種特性をDF-65の設計者に伝え、あらかじめ基本設定をしておいてからここに
持ち込んできたというものでした。実に情熱的な行動力ではありませんか!
https://goo.gl/Wcdj35

HIRO Acousticは各モデルのクロスオーバー周波数は非公開としています。
ここではDF-65にプリセットされているクロスオーバー周波数から、自社製クロス
オーバーネットワークMODEL-CCX Improvedとの近似値を選択したということで、
下記にお知らせしておきます。これが基本設定となります。

■ウーファー・ローバス・カットオフ周波数  355Hz - 18dB/oct

■ミッドレンジ・ハイパス・カットオフ周波数  400Hz - 18dB/oct

■ミッドレンジ・ローバス・カットオフ周波数  3150Hz - 18dB/oct

■トゥイーター・ハイパス・カットオフ周波数  3550Hz - 18dB/oct

見る人が見ればウーファーとミッドレンジのクロスの違いに気が付くと思いますが、
実はこれは廣中さんのこだわりであり発売後の研究から当初とは違う特性を編み
出して変更したものでした。これがスタートとなります。

昨日から十分なバーンインを行い配線変更も行って、いよいよマルチアンプシステムでの
第一声ですが、もちろん選曲はこれでした。

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団

その第一声を聴いた私の内心は!?

「おー!! いいじゃないですか!! なんとも自然な響きじゃないか!!」

私は自然な音…という表現はしないたちなのですが、何故にそう思ったのかと
いうと、最も懸念していたA/D変換とD/A変換を再度行っているという臭いが
まったく感じられなかったからなのです!

この最初であり最大の関門が真っ先に氷解したのですから、この段階で驚きと感動が
喉元までせり上がってきたのですが、関係者の前でそうそう早くから本音を表情と
言葉にするのは癪に障るので我慢していました。うん、中々いいじゃない程度に!

というのは、廣中さんはMODEL-CCX Improvedと同じ特性を最初にDF-65のメモリー1に
記憶させておき、スピーカー設計者としてアナログのクロスオーバーネットワークでは
出来ない実験をメモリー2から5までの4パターンで設定しておき、それらすべてを
自分でも確かめてみたいということ、それを私に聴かせて選択してもらおうという
魂胆があったわけです。

そして、その前にやっておかなければならないのが、ミッドレンジとトゥイーターの
アッテネーターの設定です。

MODEL-CCCSではミッドレンジとトゥイーターともに-2dBというのが設定値ですが、
熱心な廣中さんは測定用マイクと専用アプリをインストールしてあるパソコンを
持参されており、にわかに研究室モードに切り替わり測定を始めたのです。

DF-65でのアッテネーターを先ずは-2dBとして測定すると、廣中さんはパソコンを
見て唸り始める。こんなはずじゃなかったのにと…、そこからDF-65の設定値を
細かく変化させながらミッドハイの伝送特性を数パターン実測し、これだと導き
出したのがミッドレンジ-1.8dBとトゥイーターが-2.5dBという値でした。

これを先ず私に確認してくれということに。せっかく第一印象が素晴らしかったのに、
その後に微妙な判定をしろという。どうですか? と訊かれても比較する対象がなければ
私とて判断は出来ない。そこでAccuphase担当者に私は細かい注文を付けることに。

先ずはミッドレンジを-2.0dBに戻してくれ、次にトゥイーターを-3.0dBにしてくれ。
両方とも-2.0dBにしてくれ、と何回も設定値を変えて比較試聴していきました。

これには私も驚きました! なんと、HIRO Acousticはミッドレンジの0.2dBの違いを、
更にトゥイーターの0.5dBの違いをオーケストラによる再生音で驚くべき変化として
きちんと私に聴かせてくれるではありませんか!

こんな微妙な伝送周波数特性の違いを音質変化として表現するスピーカーなのです!
結果的に廣中さんが測定して決定したアッテネーションが最適ということに。

そして、Accuphase DF-65はデジタルだからこそ、こんな細かい芸当もやすやすと
やってくれるということなのです!! これには正直驚きました!!

これを反面教師として言い換えれば、MODEL-CCX Improvedというクロスオーバー
ネットワークがいかに緻密で正確な設計をされていたかということでしょう!!

マルチアンプシステムだから出来る、こんな第一の実験と選択の後にいよいよです。

さあ、メモリー1からメモリー2ではこんな特性の変化を用意していました。

■ウーファー・ローバス・カットオフ周波数  355Hz - 24dB/oct

■ミッドレンジ・ハイパス・カットオフ周波数  400Hz - 24dB/oct

■ミッドレンジ・ローバス・カットオフ周波数  3150Hz - 24dB/oct

■トゥイーター・ハイパス・カットオフ周波数  3550Hz - 24dB/oct

これでボストン交響楽団を聴き初めて私は直ちに却下しました。質感がだめです。
どうだめかは微妙過ぎて語るのは難しいので独断と偏見、ただし私という経験値と
感性をもった人間の判断ということにしておいて下さい。さて、次のメモリー3です!

■ウーファー・ローバス・カットオフ周波数  400Hz - 24dB/oct

■ミッドレンジ・ハイパス・カットオフ周波数  400Hz - 24dB/oct

■ミッドレンジ・ローバス・カットオフ周波数  3150Hz - 24dB/oct

■トゥイーター・ハイパス・カットオフ周波数  3550Hz - 24dB/oct

これも小澤征爾の腕が振り上げられた瞬間に判定していました。だめです。
楽音が乾燥してしまったようで質感が荒れてしまっています。次のメモリー4です!

■ウーファー・ローバス・カットオフ周波数  400Hz - 48dB/oct

■ミッドレンジ・ハイパス・カットオフ周波数  400Hz - 48dB/oct

■ミッドレンジ・ローバス・カットオフ周波数  3150Hz - 48dB/oct

■トゥイーター・ハイパス・カットオフ周波数  3150Hz - 48dB/oct

このMahlerも直ちに却下。ぎすぎすした音色は聴き続けるに堪えません!
スロープ特性の減衰量が大きいほど各ユニットの音が混じらなくて良いのだ!?
なんてことは言い切れません。こんなことが出来るのもデジタルだから!!
次のメモリー5です! これは廣中さんもデリケートな違いだと期待していました。

■ウーファー・ローバス・カットオフ周波数  400Hz - 48dB/oct

■ミッドレンジ・ハイパス・カットオフ周波数  400Hz - 48dB/oct

■ミッドレンジ・ローバス・カットオフ周波数  3550Hz - 48dB/oct

■トゥイーター・ハイパス・カットオフ周波数  3550Hz - 48dB/oct

ミッドレンジとトゥイーターのクロスを変化させたポイントお判りでしょうか?
この第二楽章も始まった途端に私はダメダシしました。理由は美しくないからです。

技術的な判断材料に私は感性で答えを瞬時に出してしまいましたが、私はこの時の
判断に何の迷いもありませんし自信があります。ダメなものはダメ、すみません!

しかし、このスピーカーは何なんでしょうか!? 周波数特性で0.2dBの違いを聴かせ、
その敏感さでクロスオーバー周波数とスロープ特性の違いを的確に音で示してきます!

そして、そんな細かい設定変化を実現したDF-65とAccuphaseコンポーネントに対する
技術的信頼性を、私の頭の中では反論できないレベルの高さとして合格! という
スタンプを大きな音を立ててバンッと押していたのでした。恐れ入りました!

さて、こんな廣中さんサイドの研究者としてやってみたかったという基礎的実験で
次々と解答を出しながら、ここでAccuphaseサイドも動きました。

MODEL-CCCSのタイムアライメントを測定するというのです。その結果は縦軸に
時間、横軸に周波数というグラフで表示されました。

横軸の周波数が高域になるにつれて、縦軸で上限に振幅する音波の到達時間のずれが
見て取れるのですが、これも見事にMODEL-CCCSはクリアーしてくれました。

低域の周波数帯域では縦軸での変動幅が大きいのは当然のことなのですが、
1KHzあたりから上の周波数では次第に振幅が小さくなり細くなっていくのです。

これはスピーカーの優秀さもさることながら、DF-65における上記の帯域分割と
位相特性がいかに優秀であるかを裏付けるものであり、その後の試聴に期待が
膨らんでくるものでした。

私の選曲は次から次へと進行し、スピーカーユニットがアンプダイレクトで発生
させる音質がこれ程のものか! という感動に心打たれながら聴き続けましたが、
実は私はマルチアンプシステムの初日で結論を出すのは早計であると考えていました。

今までの経験からシステムアップしてから十分なバーンインを行ってからでないと、
本物の音は出てこないものだ! 更に今夜一晩エンハンサーCD-ROMをリピートさせて
三日目のチューニングと試聴を行うことにしたのです。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

三日がかりの音決め、こんな取り組みは滅多にありません。それも二社の皆さんも
初体験という試みであり、自社製品の音質で未開の地があったのだ…という思いを
前日に味わっているのですから今日も情熱は冷めることはありません。

私と廣中さんが朝一番から試聴開始、前日との変化を先ずは確認し、続いて来店
されたAccuphaseの皆さんにも同様に一晩熟成させた音質を確認して頂きました。

マルチアンプシステムにしてからのバーンインがこれ程の音質変化をもたらした
ということを全員で確認して昼食をとり、午後からは再度の測定と試聴となりました。

そして、廣中さんから新たな提案がもたらされます。ダブルウーファーのMODEL-CCCSを
DF-65の設定変更で簡単にシングルウーファーのMODEL-CCSに切り替えることが可能なはず。
そうであればマルチアンプシステムで聴くMODEL-CCSの音質も是非確認しておきたいとのこと。
なるほど…。この結果は素晴らしいの一言にしておいて下さい。続きが重要なのです。

今日は実に多数の課題曲を聴きましたが、私はこれからも聴く時間があるので
一通りの試聴が終わったら各社の皆さんにもセンターポジションで聴いて頂こう
ということにしました。しかし、そういう時こそ時間が経つのは早いものです。

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団

一晩熟成させたシステムで聴き始めた瞬間に、私はオーケストラの彩が増加して
実に多彩に変化していることに気が付きました。特に弦楽器の質感に多大な変化が!!

美しいという言葉で片付けるのは簡単なのですが、その美しさに経験がないという
ことをどうやって伝えたらいいものか悩んでしまいました!

艶やかに奏でられる弦楽が空気に浸透していくような響きを湛え、何の抵抗感もなく
空中に滑り出していくような柔軟性としなやかさにうっとりとする自分に気が付く!

弦楽器の摩擦音が清らかな歌声のごとく耳に心地よく、しっとりとした楽音には
空気中に美音のきらめきを流星の尾ひれのように残しながら消えていくビジュアルを
思い描いてしまう!

この時点でHIRO Acousticというスピーカーが金属製であるというイメージは瓦解して、
あめ色に輝くヴァイオリンが目の前に浮かぶ不思議に戸惑う私がいる。

合間に響くトライアングルは一打ごとに揺れて光を反射し、きらきらと響きの
オーラを周囲にまき散らしながら中空にピンポイントで定位する素晴らしさ!

木管の響きは極めてクールな超小型の音源サイズとなり、そこから立ち昇る余韻は
私の目線を30度ほど上に向けないとカバーできないほどにステージの上空に響きの
クラウドを滞空させる妙技!!静かな興奮に心ざわめく私がいる。これはなんだ!!

心地よいオーケストラについついボリュームが上がっていくが、そこに心的ストレスは
皆無であり、爽快な楽音の連動に忘我の境地と恰好を付けてつぶやきたくなる素晴らしさ!

この曲は数え切れないほど聴いてきたが、今ここに過去最高レベルというステッカーを
記憶のファイルに貼り付けて次の曲を早く聴きたいという気持ちに言い訳する自分がいた!

■UNCOMPRESSED WORLD VOL.1
http://accusticarts.de/audiophile/index_en.html
http://www.dynamicaudio.jp/file/100407/UncompressedWorldVol.1_booklet.pdf
TRACK NO. 3 TWO TREES

この曲のサックスの質感には以前の記憶はまったく歯が立たなかった!

オーケストラでの各パートが、あれほど正確無比に再生されると、それは輪郭が
鮮明になったことの証として楽音の内面的質感に磨きがかかったということなのか?

たった一本のサックスの楽音がこれほどまでに劇的変化をしたとはどいう事なのか?

リードのバイブレーションと管が連動して響かせる音色に新たな実態感が加わった。
それはリスナーが至近距離まで接近してサックスの音を目前で聴いた時に類似する
音響的拡大鏡の役目をAccuphaseのコンポーネントが果たした結果だと言い換える
ことが出来るかもしれない。

スピーカーユニットのボイスコイルに対して、インダクターとキャパシターに
レジスターという素子を通すことなく音楽信号がダイレクトに流れ込んだとしたら、
サックス一本の楽音をここまでリアルに再現できるという見事な証明がなされた!

息を吹き込み上体を動かしながら演奏する楽音の揺れと強弱のきめ細かさが前例の
ないほどの鮮明さでHIRO Acousticの周囲に独自の音場感を拡散させていく!

続くピアノの一打一音の極めつけの鮮明さにつながったアンプダイレクトによる
HIRO Acousticの神業は、空中では成し得ないと思われた鍵盤の分離感を小刻みに
発生する打音の一粒ずつに与え、一弦のヒットは独立した響きを持っていることが
聴いてわかってしまうという解像度の極致にたじろぐ私がいた。

その転がるように展開するピアノの一音ごとの響きと、余韻が空間で交差し立ち上がり
から消滅までを目視して追いかけることが出来るほどの音像提示の正確さに圧倒される自分がいた。

大編成のオーケストラと、たった二人の奏者によるサックスとピアノの再生音で
相反する要因がありそうで、私の推論を筋道だてる方法はないかと考えていた時に
この課題曲が頭に浮かんできた。

■FIFTY SHADES OF GREY ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK
  3.THE WEEKEND / EARNED IT(TRADUCIDA EN ESPANOL)
http://www.universal-music.co.jp/p/UICU-1262

冒頭のダイナミックな低域の破裂音とも言える立ち上がりから、重厚であり重々しい
低音が床に垂れ落ちてくることなく見事に空中にとどまって消えていく未体験の音。

ウーファーに一台ずつのパワーアンプがボイスコイルに直結されることで生まれた
制動力の高まりが再生音に何をもたらしたのか、フレミングの左手の法則によって
発生するパワーが純度を高めることでダイヤフラムに叩き付けるエネルギーが強化
された結果、この低域の高速反応を可能としたのだ! 何たるグリップだ!!

ミッドハイのユニットに比べて振動系の質量が大きいウーファーでの変貌ぶりは
アンプダイレクトによるトランジェント特性の究極の高まりであるはずだ。

それは当然、中高域ユニットにも同様な恩恵をもたらすが、それは再生される
音楽の種類と楽音本来の質感再生という進化のベクトルをいっきに拡張したと
いうことではなかろうか!?

私が聴いたすべての曲での印象を述べることは困難なので、音質表現の事例には
限界があり全曲での分析を書き続けるのは無理だと思いつつ、今夜は閉店後に残り
ひとりでじっくりと聴き直してみたかった選曲がこれ。

■HELGE LIEN / SPIRAL CIRCLE   7. Take Five
http://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245411462

このTake Fiveは大胆にもドラムソロからスタートする。特に録音品位にこだわった
ディスクという触れ込みはないが、実に素晴らしい録音に冒頭から度肝を抜かれる!

ストロボライトの高速な点滅をイメージさせるようなドラミングの素晴らしさに
目と耳を奪われる。各種の金物を多数散りばめて叩くパートと見事な切れ味のタムが
空中を飛び回るがごとくに展開し、引き締まったキックドラムでは打撃の瞬間と
終息の間に余分な音のぜい肉を排した素晴らしい打音が炸裂する!

ピアノは前述のような余韻感を含ものではなく眼前で弾いているようなアタックの
鋭さと、鍵盤が左右に並んでいるビジュアルが目の前に映写されるようなリアルさ。

そのピアノはベースのざらっとした重低音のアルコが始まると左手のみで低音階の
リズムを刻み始めるというトリオとしての緊密な連携が素晴らしいプロフェッショナルな
演奏を私は大音量で気持ちよく聴き続けてしまった!

アンプのパワーメーターを消灯させた方が良いと前述していながら、私はマルチ
アンプシステムで各々のアンプが一個のスピーカーユニットに対して、どんな
パワーを送りこんでいるのかに興味を持ち、8台のアンプのピークメーターを
呼び起こしてすべてのメーターにピークホールドを設定していた。果たして…。

A-250は40ポイントのバーグラフの他に五桁のデジタル表示にて数値化したパワーを
ピークホールドさせてみると、なんと! トゥイーター一個に対して瞬間最大で526W。

同様にミッドレンジには465Wというパワーを送り込んでいた。M-6200のメーターは
レッドゾーンの中間で静止しており、7オームのウーファーで換算するとピークでは
300W以上が出力されていたことになる。

MODEL-CCCSの4個のユニットに対して、このパワーハンドリングが何をもたらしたのか?
それは音量だけではないのです! ボイスコイルで熱に変わってしまった電流でもないのです!

スピーカーに入力された音楽信号に対して、その信号波形をどれだけ忠実にボイス
コイルを介して振動板に対する制動力を高めているのか、という一点にマルチアンプ
システムの本当の魅力という事実に終結すると実感しました!!

そして、その制動力の究極の高まりが音の立ち上がりだけではなく、異例のサイズと
言えるほどに音像を凝縮させた成果の副産物として、楽音の余韻が記録されている
時間軸の最後の一端まで微細な響きを完全に再現しているという、未経験と言える
広大な音場感の創生に重要な貢献をしているということなのです!!

LCRという電子素子を音楽信号が通過せざるを得ないという事実が必要悪とは言わないが、
アンプとスピーカーユニットが直結されることによってアンプの本領が発揮され、
全帯域でトランジェント特性が想像を絶する向上をしたとしたら、そこには音楽の
豊かさ、演奏者の情熱とセンスが浮かび上がってくるという事!!

それがマルチアンプシステム本来の素晴らしさではないだろうか!!

Very Exciting Sound by HIRO Acoustic and Accuphaseと題した私の拙文で何が
皆様に伝えられるかは疑問ですが、間違いなく言えることがあります。

このシステムを聴いたあなたは間違いなく興奮します、それも心の底から!!

★最後に下記の個別試聴の応募にて皆様も体験されますことを推奨致します!


■上記システムの期間限定実演に関して次のように試聴予約を承ります。

Act.1「個別試聴」

7月5日(木)を除く6月29日(金)から7月9日(月)までの期間中、当店の営業時間内にて
センターポジションを独占してのベストポジションでお一人ずつの試聴予約を承ります。

★下記の応募要領にて試聴希望の日時をお知らせ下さい。予約決定の順に下記の
 googleカレンダーにて公開して参ります。これを確認の上ご応募下さい。
  http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/

7月7日(土)午後3時から予定していた「試聴会形式イベント」は中止しました。
その時間帯も個別試聴が可能です。

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      << HIRO Acoustic with Accuphase inspection Event >>

            キーワードはズバリ!!

            「HIRO & Accuphase個別試聴応募webより」

このキーワードを件名に貼り付けて署名の上で下記にメールを送信して下さい。
Act.1「個別試聴」の場合には希望日時を記入して下さい。

       mailto:kawamata@dynamicaudio.co.jp

先着順受付けとなりますので希望時間の予約が出来たかどうかを返信致します。
6/28は定休日のため29日以降の返信となりますのでよろしくお願い致します。

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本企画は他ではあり得ないグレードによる期間限定の一過性のシステム構成です。
この機会に試聴体験をお薦め致しますので是非ご検討頂ければと思います!

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.co.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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