発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明

No.1069 2013年9月25日
 「H.A.L.'s One point impression!!-Aurender W20」


2009.4.24-No.1951-では次のようなブリーフニュースを掲載していました。

■「“We Love D!!”とはこんな新企画だったのです!!」

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/646.html

上記の配信では“We Love DCS!!”ではありませんと述べましたが、本日この
プロモーションの内容を公開致しました。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/wl_d/index.html

Dyna5555が出した一つの結論。・・・・・We Love D !!

ソースコンポーネントとしては古くはLPレコードプレーヤー、FMチューナー、
カセットデッキ、 オープンデッキなどアナログ機器がありました。

近年ではiPodに代表されるようなメモリーに音源を記録したものや、パソコン
を使用した USB DACなどの登場もあり、PCオーディオというカテゴリーを形成しつつあります。

それらの新しいオーディオソースの登場を私たちは歓迎し育てていきたいと考えています。

しかし、“現時点では…”音にこだわり音質本位で追求した場合には、 CD/SACD
プレーヤーのようなディスクメディアを再生するプレーヤーがやはりいい!!と、
音にこだわるDyna5555全員が同じ結論に達しました!!

そこでDyna5555の各フロアーで一押しの推薦モデルをエントリーし、各々の
フロアーにおいてディスクプレーヤーの魅力を引き出すシステムコーディネートで
最高の音質を皆様に体験して頂こうとリスニング・キャンペーンを展開致します!! 
それが“We Love D !!” すなわち We Love Disc !! です!

そうです、これです!! ぜひぜひ当店全フロアーに聴きにいらして下さい!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

これは4年前の企画なのですが、今では「ハイレゾ」という言葉が普及して
専門誌まで刊行されるようになってきました。PCオーディオやネットワーク
オーディオという言葉が一般化していく中で私はハイエンドオーディオを研究し、
販売するという仕事を続けながらも、その分野の拡大をずっと静観してきました。

それはなぜかというと、非常に単純明快な事で当フロアーに展示している
ディスクプレーヤーを上回る音質の製品ではなかったと試聴の上で判断して
いたからです。その分野の新製品が出る度にメーカー・商社から何度か製品が
持ち込まれて比較試聴したのですが、遂にそれらに感動することはありませんでした。

「ふむふむ…、悪くはないけど感動しないな〜、普通の16bit/44KHzの音を
 無難に出しているだけだよね…」

これが当時の私の率直な感想でした。PCオーディオの最初のスタートはディスク
プレーヤーの回転系ピックアップではどうしても読み取りエラーが発生している。

しかし、それに対してハードディスクドライブ(HDD)からのデータ読み出しでは
エラーがないので音質がいい…、というのがセールスポイントだったと思います。

しかし、エラーがないことだけが音質を支配しているのか、というと私には
その恩恵を音質としては感じとることは出来ませんでした。

そして、世の中では「ハイレゾ」という言葉が繰り返されていく状況の中で
スペックの数字が大きければ、すなわち良い音なんだという誤解が一般論と
してまかり通ってしまう事に危惧を覚えていたものでした。

オーディオシステムの音質とは何によって決まるのか!?それは、やはり最初に
スピーカーのクォリティーでありアンプの能力であり、ソースコンポーネントの
情報量であり、そして音響的空間環境がありケーブルや各種アクセサリーなど
の関連製品によるチューニングという順番であると考えています。

画面上に示される数値が大きいのだから自分が今聴いている音はいいのだ!!
という短絡的な発想で肝心な音質構成要素と優先順位を忘れてしまうのは問題
ではなかろうかと、前述のような考え方と試聴体験から私は「ハイレゾ」という
関連商品への興味関心は高まることなく静観していたものでした。

しかし、そんな私の思いを知ってか知らないでか、PCオーディオをH.A.L.では
取り入れないという方針に果敢に挑戦してきた商社がありました。

■2012年6月12日「突然のアポイントメント」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/939.html

上記にて紹介している株式会社エミライ 代表取締役 河野 謙三 氏 と同社
取締役 島 幸太郎 氏らがこの夏から本格的に輸入を開始した新鋭ブランド、
Aurender W20をぜひ聴いて欲しいというアポイントメントだったのです。

ここで今回のAurender W20の試聴からの結論を先に述べてみることにします。

■私は既に10数年前から「ハイレゾ」を聴き続けてきたということです。

PCオーディオの黎明期から二年間ほどの間に、ここに持ち込まれ私が試聴した
ものはすべて44.1KHz/16bitでした。

ところが、古くはdCS 900シリーズで972D/Dコンバーターを使ってアップサン
プリングした音質から始まり、ESOTERIC P-0s+VUK-P0sではDual-AESで176KHz
で色々なD/Aコンバーターに信号を送り、近年ではsoulution 745のように内部
で384KHz/24bitにアップサンプリングした音質を当然のように聴き、Vivaldi 
TransportではCDディスク(PCMデータ)のDSD変換、DXD 24bit/352.8KHzへと
アップサンプリングした再生音を当たり前のこととして私は聴き続けてきました。

そのような音質を標準としていた私にとって、いくら読み取りエラーがないから
と言って44.1KHz/16bitの音を聴かされても私には新鮮さも魅力も感じられなかった
ということなのでしょう。

事実、普通のCDをリッピングしてみるとファイルとしては44.1KHz/16bitの
データにしかならず、それをAurender W20で試聴した時にも過去の経験と同じ
という評価にしかなりませんでした。やっぱりな〜というのが私の第一印象だったのです。

しかし、その続きがありました。Aurender W20の資料を見るとDual-AESデジタル
出力があるということで、ここにあるESOTERIC P-01やdCS Vivaldi DACに接続
出来るというポイントが私の興味を引き、当フロアーのソースコンポーネント
につないで聴いてみたいという好奇心をかきたてたものでした。

そして、Vivaldi DACにはAES1+2とAES3+4というDual-AESの2系統を同時に接続し、
リモコンで両者を切り替えて比較できるという点に着目しました。そうすることで、
Vivaldi TransportとAurender W20を簡単に比較試聴出来ます。

このシステム構成で試聴すれば文句はないだろうと、セットアップしました!!

 ◇ H.A.L.'s Sound Recipe / aurender W20-inspection system  ◇
 
………………………………………………………………………………
dCS Vivaldi Clock(税別¥1,740,000.)
http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-clock/
     and
TRANSPARENT PLMM2X+PI8(税別¥695,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
Cardas Audio Lightning BNC Cable 
http://www.taiyo-international.com/products/cardas/digital/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
dCS Vivaldi Transport(税別¥4,270,000.)
http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-transport/
          vs
Aurender W20 (税別¥1,900,000.)
http://www.aurender.jp/products/w20/
     and
TRANSPARENT PLMM2X+PI8(税別¥695,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
TRANSPARENT REFERENCE XL 110ΩAES/EBU DigitaL (XLR)×2(税別¥860,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1037.html
http://www.axiss.co.jp/ftran.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
dCS Vivaldi DAC (税別¥3,550,000.)
http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-dac/
     and
TRANSPARENT PLMM2X+PI8(税別¥695,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ZenSati Seraphim / Interconnect cable XLR 1.5m 1Pair (税別¥1,302,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
soulution  720 (税別¥4,000,000.)
http://www.noahcorporation.com/soulution/720.html
     and
TRANSPARENT PLMM2X+PI8(税別¥695,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.)
http://www.axiss.co.jp/fFE.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
ZenSati Seraphim / Interconnect cable XLR 8.0m 1Pair (税別¥4,032,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
soulution 700 (1Pair税別¥12,600,000.)
http://www.noahcorporation.com/soulution/700.html
     and
TRANSPARENT PLMM2X×2+PIMMX×2(税別¥1,440,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
ZenSati Seraphim / Speaker cable 3.0m / 2Pair (税別¥6,720,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Sonusfaber“The Sonus faber” (1Pair税別¥23,000,000.) 
http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/SONUSFABER.html
………………………………………………………………………………

ネットワーク・オーディオ・トランスポートという新しい分野の製品ですが、
この写真のようにフロントパネルにメーターが!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/20130924-2p_image.jpg

実はこれはAMOLEDディスプレイ(アクティブマトリクス方式有機ELディスプレイ)
によって描かれる画像だったのです。でも、実際にこのメーターの動きを見て
いると反応が速すぎて針の軌跡が残像に残らないので、古き時代に機械式の
メーターを見てきた私にはちょっと馴染みがありませんでした。(笑)
http://www.dynamicaudio.jp/file/20130923-aurender03.jpg

それから肝心なことですが、W20はバッテリー駆動です!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/20130924-4p_image.jpg

W20のオーディオ信号基板は2系統のLiFePO4(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリー
により給電されることで、ノイズフィルターやアイソレーターを過剰に搭載する
必要性から解放されただけでなくメンテナンスフリーを実現しています。

もう1系統のLiFePO4バッテリーはUPSとして機能しており、不慮の事故が起こった
場合でもW20はダメージを負うことなく安全にシャットダウンします。

私はCDプレーヤーのように簡単に操作出来ることが大切だと思っています。
そうしたら、何とiPad(Wifi/16GBモデル)を無料で付属させているという。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20130924-6p_image.jpg
★ここで一つ特典進呈!!上記の写真に写っているのはiPad miniなのですが、
 私が操作した時には画面の大きな普通のiPadの方が使いやすかったのです。
 http://www.aurender.jp/reseller/
 このように↑一般的にはiPad miniですが、私からお求め頂ける場合には
 普通のiPadを進呈出来るように致しました!!

iPad miniによるコントロール画面の一例は下記にてご覧下さい。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20130924-IMG_0031.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/20130924-IMG_0032.jpg
Aurender W20とのサイズ比較ですが、これもiPad miniです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20130923-aurender02.jpg

■ただし、このiPadを使ってAurender W20をコントロールするには、ユーザー
 のお住まいにWifiルーター(一昔前の表現では無線LANです)が設置されている
 ことが必要になります。しかし、そのWifiルーターや初期の設定なども
 こちらでサポートさせて頂きますのでご安心下さい。

dCS Vivaldi DACの横幅は444mm、Aurender W20は430mmなので違和感なく
レイアウト出来ます。dCS Vivaldi Clockも含めて、この三台でフロントエンド
がシンプルに構成できました!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/20130923-aurender01.jpg

さて、試聴です!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

私は何を聴くにしても自分の課題曲を聴かなければ気が済まないので、いつも
使用しているCDを先ずリッピングしてもらわなければならない。
迷わず下記の二枚をリッピングして頂くことにした。

■Stereo Sound Flat Transfer Series/石川さゆり「天城越え」「朝花」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/990.html

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章  小澤征爾/ボストン交響楽団

ここでエミライの島さんからアドバイス。W20はUSBタイプのディスクドライブ
を接続することでCDのリッピングも自動で行われるのだが、これだと処理スピード
が遅く時間がかかってしまうという。それに作業中の進行状態も表示はされな
いのでイライラしてしまう事もあるという。

ですから、ディスクドライブ内蔵のPCか、あるいはノートPCのUSBにディスク
ドライブをつないでリッピングする方が早いということで、一旦ノートPCに
ファイルを作成してからW20内蔵のHDDにコピーするのが推奨であるという。

■ステレオサウンド No.188最新号の268Pから4ページに渡り詳細記事あり。

リッピングして作られたファイルはFLACでした。フォーマットはAIFF,ALAC,
FLAC,WAV,M4A,APEなど192KHz/24bitまで対応しているのだが、FLACが推奨
のようです。

リッピングが終わったらCDはVivaldi Transportに入れて、リモコン片手に
Vivaldi DACの入力を切り替えるということで試聴開始。最初はAurender W20。

「ありゃ〜、やっぱりそうなのね〜。以前に聴いた他の製品と同じだね〜」

CDからのリッピングはやはり44.1KHz/16bitにしかならないので、W20の特徴で
あるDual-AESでは出力されない。シングルで44.1KHz/16bitのステレオ信号が
同時に二系統出力されるだけだという。

もう聴き始めた直後に私の分析と評価は完了。全曲聴くまでもなく、やっぱり
という感想でストップ。一方、Vivaldi TransportでCDを聴くと…、これはもう
面目躍如たる素晴らしい音質。オーケストラでは弦楽器の絶妙な質感と雄大な
空間表現が素晴らしく、聴き慣れた音質に信頼感を上書きする思いです!!

私は日頃の演奏ではVivaldi Transportの出力の設定はDXD 24bit/352.8KHzに
しているのですが、このようなディスクプレーヤーのテクノロジーと音質を
固定化した商品として提供出来ることに価値があると考えています。

PCオーディオの世界ではリッピングするソフトウエアによっても、再生する
ドライバーソフトによっても音質変化があると聞きますが、個人の好みで色々
と楽しめる事はよいでしょうが、商品としての価値観を音質で示してくれる
安心感と完成度がやはり重要と考えいます。

さて、iPadできれいなジャケット写真を見ながら、ここにあるディスクで比較
出来るものはないかと探したらありました。Norah Jonesのデビューアルバム。
『Come Away With Me』が入っていました。

こちらには同じアルバムのSACDがあるので、それをVivaldi Transportに。
iPadの写真のところをタップして選曲するとAurender W20のディスプレーには
24bit/96KHzと表記されていました。これでお馴染の『Don't Know Why』を!!

「おー!!さっきの44.1KHz/16bitから比べれば格段の進歩かな! 解像度もいい。
 パーカッションの細かさギターの質感、特に不満はないですね〜。しかし」

Aurender W20で聴くと音像が大変コンパクトでシャープな印象を受けます。
それが解像度の素晴らしさとして認識できて、この音質だったらH.A.L.の名に
かけて採用してもいいかな〜というレベルだと思いました。

では、Vivaldi Transportをスタートさせましょう。SACDなので送り出す方にも
DSDのシンボルマークが点灯し、Vivaldi DACにもDSD表示されました。では…

「あ〜、これはいいでね〜。残念ですが、ここでもディスクの方がいい…」

427万円もするのですから当たり前と言ってしまえばそれまでなのですが、
伴奏楽器の発する余韻感が豊富になり、ヴォーカルの抑揚もふっくらして気持ち
いいのですから仕方ない。2.822MHzで伝送されるSACD本来の魅力がVivaldiの
グレードで聴かされるのですから仕方ないことでしょうか。

中途半端なシステムでは違いが分からないこともあると思いますが、今回の
システム構成ではソースコンポーネントの威力を忠実に序列化して再現しています。

「こりゃ〜、比較する相手が悪かったかな〜」と内心では思ってしまいました。
今回の試聴では4時間という時間をかけましたが、実はその殆んどは質疑応答。

私の考え方やAurender W20の特徴や使い方についてのディスカッションに大分
時間をかけてきて、音質だけでなくAurenderというブランドのこだわりにも
私は大変関心があったのです。それを象徴するのがこの写真。

http://www.dynamicaudio.jp/file/20130924-AurenderListeningRoomPic2.JPG

これが彼らのリファレンスシステムなのです!!どうですか〜MAGICO Q3、
dCS Vivaldi DACもPaganini DACも、MSB DiamondもCHORD QBD76HDSD、そして
Constellation audioまで揃えているのですから大したものです。
このシステムで音質決定してきたということであれば文句のつけようもありません。

さあ、私は既にCDをリッピングしたものには興味を失ってしまいました。
「ハイレゾ」という言葉を何とか音で表現して欲しいものだと探していたら…

24bit/192KHz FLACというスペックのミュージックファイルです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20130924-IMG_0031.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/20130924-IMG_0032.jpg

Rachmaninov: Symphony No. 2 in E minor Op. 27, Vocalise No. 14 Op. 34 
Budapest Festival Orchestra Ivan Fischer (conductor) 

http://www.channelclassics.com/fischer-21604.html
そして、このSACDが当フロアーにありました。さあ、両者比較です!!
私の好きな第二楽章と第三楽章で比較することにして先ずはAurender W20から。

「お〜、これは中々!!さっきリッピングしたマーラーとは大違いだ!!」

前述のNorah Jonesでの印象でも述べましたが、音像がとにかく細かく粒立ちが素晴らしい!!
それは弦楽器の切り返しの早いアルコの合奏部で顕著に聴き取れ、実に多数の
色彩感が散りばめられていることが一目瞭然!!

ディスクプレーヤーでのアップサンプリングした176.4KHzでも同様な情報量は
汲み取れるだろうが、Aurender W20では細部に渡り緻密な印象が好ましく、
合奏部では弦楽器奏者の一人一人が微妙に違う音色でありながら空間で調和
するという解像度が素晴らしい!!

勇壮に響くティンパニーの引き締まったテンション、またその音像もくっきり
と存在感を示し、気持ちいいのはホールエコーの拡散領域が広大に感じられる
ことだろうか。これはリッピングした44.1KHz/16bitと大きな違いだろう。

金管楽器の輝きはまぶし過ぎず、かつタンギングの鋭さを殺すこともなく、
見事にピンポイントの発生源から空間に飛び出してくる迫力を感じさせる!!
これはいいかも!!

Aurender W20は外部マスタークロックからワードシンクを取りこむ事も出来る。
日頃ここのdCS Vivaldi Clockでは出力周波数は176.4KHzとしているのだが、
W20のディスプレーを見るとクロック入力表示の部分に横線が引かれている。

これは再生中のファイルのサンプリング周波数と同一周波数のクロック信号が
入力されるとAurender W20は自動的にスレーブ動作となり外部クロックを受け
入れるが、ファイルの周波数と一致しない場合には内部クロックに自動的に
切り替えてマスター動作となるという。

実は、先ほどのNorah Jonesでの試聴でも、この動作を確認しVivaldi Clockの
出力周波数をファイルに合わせて切り替えていたのでした。その時点でも、
マスタークロックが同期したときの変化は直ちに感じられていましたが…

「おー!!何これ!? Vivaldi Clockを192KHzにしたとたんに激変じゃないか!!」

いやいや、これは見事でした!!オーケストラの発する余韻感がホールの天井を
ぐっと押し上げたかのように余韻感が延長され滞空時間が延びて行きます。

あとから聞きますと、実はAurender W20に付属しているケーブルでVivaldi Clockと
つなぐと、W20がこれから再生するファイルのサンプリング周波数をUSBから
Vivaldi Clockのパラレルポートに信号として伝えて、Vivaldi Clockの発振
周波数を自動的に切り替えてくれる機能があるというのです。

AurenderはdCSとの関係が良好であり両社製品のパフォーマンスが十分に引き
出されるように設計上での協力関係があるというのです。これは素晴らしい!!

http://www.dynamicaudio.jp/file/20130924-AurenderListeningRoomPic2.JPG

だからAurenderの試聴システムにVivaldi DACがあるのも納得というもの。
ユーザーフレンドリーで良い機能性ではないでしょうか!!

私が過去にディスクプレーヤーによる「ハイレゾ」で聴いてきた世界が見え
始めたかな〜と思っていたら、エミライの島さんが後ろから…。

「川又さん、同じ曲のDSDファイルが入っているのを見つけましたよ!!」

という一声がかかる。おー!!それはいい!!DSDファイルを再生出来るのは国産
で一機種だけあるというのだが、目下のところハイエンドオーディオという
レベルではdCS、そしてMSBとCHORDが対応しているとのことでした。

Aurender W20は設定さえすれば複数のiPadでコントロール出来、また逆に一台
のiPadで複数のAurender製品もコントロール出来るという。そして、iPadの
画面上で作成したプレイリストはW20の本体側に登録されているので、リモコン
として使っているiPadにトラブルがあったとしても本体にデータが残っている
ので安心出来る。さて、島さんが自分のiPadで選曲してDSDファイルで再生だ!

「おー!!やっぱりDSDいいですね〜。弦楽器が滑らかになった!!」

私はこのフロアーでDSDファイルの音を聴くのは初めてのこと。いいです!これ!
弦楽器の質感はピーンと張り詰めた印象からふくよかさを帯び、ただ解像度が
素晴らしいというだけでなく、ホールの空気感をもThe Sonusfaberに与えた!!

第三楽章のAdagioでは弦楽器の折り重なるハーモニーが何層ものレイヤーを
構成し、その一枚一枚が風で揺れるカーテンのごとく軽くなびきながら余韻を
漂わせる美観に聴き惚れてしまった!!

打楽器のインパクトは従前と変わらないが、打音の発生から消滅までに要する
空間の広がり方はDSDにしてから更に延長され拡大している。これはいい!!

木管楽器の質感は潤いが追加され、前述したW20の特徴として音像を鋭利に
描くのだが、発音から消滅までのグラデーションが倍の階層と言えるほどに
微細な色合いの追加が確認される。これは…予想を上回ってるぞ!!

私が求めている音像サイズの縮小と豊潤な余韻感が両立することに関して、
Aurender W20が再生してくれる「ハイレゾ」の世界観はディスクプレーヤーに
なかった新鮮さをもたらしてくれた。これだったらH.A.L.で演奏する品質に
合格ではなかろうか!!

さて、この辺でVivaldi TransportでSACDとして聴いてみよう。私の恐怖心が
実はここにあった。ディスクプレーヤーの頂点をAurender W20が追い越して
しまったらどうしようか…。同じDSDフォーマットで比較するのが怖い…。

「ありゃ〜、これはこれは…」

思わず失笑…。Vivaldi TransportとDACではすべての評価項目でAurender W20を
上回っていることが確認されました。実に素晴らしい!!価格的に見れば当然と
思われるかもしれませんが、弦楽器の質感は潤いを加え、余韻感の拡散領域は
更に拡大し、これがベストだろうという安堵感が私を包み込む演奏です!!

でも、散々持ち上げたAurender W20の評価をなし崩しにしてしまうものではない。
同一メーカーによるトランスポートとDACにおける音楽性の集約が見えたという
ことなのでしょう。この違いを私はしごく自然体で受け止めていました。

さて、時間経過を忘れてしまうほどに私はファイルの音を楽しみ確認した。
Aurender W20はネットワーク・オーディオ・プレーヤーではない。
ネットワーク・オーディオ・トランスポートなのである。これを強調したい!!

Vivaldi DACとの機能的なコンビネーションと音質の素晴らしさを確認した私には、
実はもう一つの課題があった。ハイエンドレベルのDACに、その音質を依存する
というAurender W20は自らの役目をきちんとわきまえていると考えられる。

そして、私はDAC内蔵のDevialet 500(税別¥3,960,000.)で鳴らしてみたかった!!
私は下記の中で次のように解説しています。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1057.html

「ただし、大変申し訳ございませんが私の7FではDevialet 500でのAirストリーミング
 による実演は行いません。ここではあくまでもDual-Monoの音質を追求して、
 当フロアーに展示しているESOTERIC P-01とdCS Vivaldi Transportからの
 AESデジタルケーブル二本による左右独立のデジタル入力にて実演しています。

 この設定ではDevialet 500の入力はAES/XLRデジタル入力のみとして、他の
 入力は一切オフとして音質追求を行っています。
 H.A.L.ではコンピューターを使っての音楽ファイルの再生は行っておりませ
 んので何卒よろしくお願い致します。」

約19キロというAurender W20を持ちあげてセッティングを変更し、Dual-AESの
二本のケーブルESOTERIC 7N-DA6300II XLRにてDevialet 500に接続する。

ただし、現状のDevialet 500では2チャンネル・ステレオ信号を二本のケーブル
で受け、各々のDevialet 240がLchとRchの信号を選択して再生するというもの。

ESOTERIC P-01の出力を「XLR STEREO」のモードで出力することでDevialet側
でLchとRchを判別して再生するので、正確な意味でのDual-AESとは少し異なる。

ここでの実験ではVivaldi Transportから二本のXLRケーブルでDevialetに接続
しても音は出なかったし、ESOTERIC P-01でも「XLR DUAL」とすると音は出ない。

そんな経験から果たしてAurender W20ではどうなのか!?
これをやってみたいというのはマラソン試聴会でAurender W20とDevialet 500
を組み合わせてみたいということで、演奏する曲目は私のCDからのリッピング
したものでなければならないという条件付き。

また、時間の関係からAurender W20で再生するファイルのサンプリング周波数
で「ハイレゾ」は試していない。現時点では44.1KHz/16bitのステレオ信号が
同時に二本のXLR端子から出力されてくれれば良いというところまで。

果たして、Aurender W20とDevialet 500をDual-AESでつないで鳴らせるのか!?
スピーカーはKiso Acoustic HB-X1です!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1062.html
曲は先ほどリッピングした石川さゆり「朝花」です。すると…

「あ〜、このHB-X1の音、今までと違う!!」

先ずはマラソン試聴会のステージでやろうとしているシステム構成で音が出て
安心しました!! 
Aurender W20とDevialet 500、何と言うコンパクトなシステムでしょうか!!

Aurender W20の特徴として述べた音像の集束感が素晴らしい。しかし、HB-X1
が作り出すエンクロージャーの響きと相まって展開する音場感の素晴らしさ!!

気が付くとDevialetのリモコンで私はどんどん音量を上げて行く。えっ!?
+6まで上がってしまった!!それでも破綻せずに美声を響かせ、ギターの響きは
得意技のHB-X1が約55畳という広い試聴室の空間に壮大な響きの空間を作る!!
これはいい!!素晴らしい!! Devialet 500のDual-Mono構成にジャストミート!!

■DevialetによるAirストリーミング再生は基本的にはiTuneからのデータを
 再生するわけですが、iTuneのファイルは圧縮されているので、同レベルの
 音質にはならないのでご注意下さい。ケーブルでつなぐ方が良いのです!!

実は、この原稿を書いている時にAurender W20はいいぞ〜という話しを当店の
天野にしたところ「店長の口からハイレゾなんて言葉を聞くとは思いませんでした」
などと言われてしまいました。(^^ゞ

でも、冒頭に述べていたようにディスクプレーヤーの高級機は既に内部で
「ハイレゾ」を10年以上前からやっていたということなのです。

今回は大変勉強になりました。そして、これからのH.A.L.のリファレンスに
Aurender W20を加えてもアンプやスピーカーの試聴評価に使えるグレードとして
私は納得することが出来ました。このシステムで試聴したのですから…!!

膨大なCDコレクションをお持ちの皆様へ、それらをリッピングしてAurender W20
で聴いて下さいということは上記の例からも推薦しません。それはリッピング
した結果として生成される音楽ファイルは44.1KHz/16bitにしかならないからです。

CDの音楽を聴くのであれば、同一メーカーのディスクトランスポートをご使用
頂くのが良いでしょう。その代わり、そのディスクトランスポートにアップ
サンプリングの機能があることが前提です。また、ペアとなるDACにも当然
176.4KHzまたは192KHzまでのサンプリング周波数を受け入れられることが
出来るという条件付きです。

それと同等か上回る音質をAurender W20で聴こうという場合には「ハイレゾ」
のファイルをダウンロードして入手することが必要です。そのために新規の
設定をコンピューターで行う事が必要ですが何なりとご相談下さい。

そして、優秀なディスクプレーヤーを既に使っている方でも、「ハイレゾ」の
音楽ファイルを既に相当所有している皆様もあると思います。それを一旦は
Aurender W20にすべてコピーして頂ければ良いのです。それだけで従来の
ファイル再生音質が格段に進化させることが出来ます。もちろん、優秀なDACを
使用して頂くということが前提ですが…。

そんな条件からするとハイエンドDACが既に存在しているH.A.L.では新規ソース
コンポーネントとしてAurender W20は実に見事に当てはまる結論となりました!!

さあ、私はこれからどうするのか!?
ハルズサークルでは早速の新企画が掲載されました。

こんなホットなニュースと新企画は先ずハルズサークルのご入会から!!


担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.co.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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