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H.A.L.担当 川又利明




2006年8月1日
No.440 「小編『音の細道』特別寄稿 *第53弾* 」
Avalon Acoustics“Isis”Story Vol.1「“Isis”で“Basia”!?」

1997年に取り組んだAvalon AcousticsのOsiris(オザイラス)は私の常識を超えた
大型ハイエンドスピーカーでした。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto43.html

それは大変うれしいことに未だに同社のwebサイトに掲載されている。
http://www.avalonacoustics.com/press04.html

Isis:アイシス…それは英語で「古代エジプトの豊穣の女神」の名前を意味する。
そして、神々の王オシリス(Osiris)の妻であるとも言われている。
http://www.avalonacoustics.com/twochannel.html

このIsisを冠したネーミングの新製品が2006年7月25日遂ににH.A.L.に登場した!!
先ずはその雄姿をご覧下さい↓
http://dyna5555.cocolog-nifty.com/photos/secret/avalonisis01.html


私は女神の名前を付けたこのデザインに珍しくセクシーさを感じてしまった。
正面から見たときの黒いグリルのシルエット、斜めから見たときのCurly Mapleの
白木との対比によるイメージが、どこから見ても女性的なイメージを感じさせる。

修道女が着る質素な長衣か優雅なドレスをまとったセレブなレディーのイメージか、
花嫁の頭に飾られたティアラから流れるベールのシルエットにも思えるようなプロ
ポーションがそこはかとない色艶を感じさせてくれる。

初日はセッティングしてからの時間もなくバーンインをしてから本格的に試聴しよ
うと思いつつも、私のテストCDとして定番のマーラー交響曲第一番「巨人」小澤征
爾/ボストン交響楽団の第二楽章をつまみ食いの心境でついついかけてしまった。

「あっ…、こんな弦楽器、いやこんなオーケストラの質感は記憶にないぞ!!
 いや〜、色っぽいな〜、これはいい!!」

本気で聴かないはずが思わず引き込まれてしまう魅力は、やはりセクシーとしか
言いようがない。バーンインCDをとにかく一晩回して明日からだ…、と自分に言い
聞かせていた。この“Isis”は私の第一印象でかなりの魅力を発揮してくれた。
これは長い付き合いになりそうだ。当然、色々なコーディネートを試してみるが、
最初はこのシステムから始めることにしよう。


   ◆ Avalon Acoustics“Isis”inspection system Vol.1 ◆

ESOTERIC G-0s(税別\1,200,000.)*Rubidium only
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0_g0s.html
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
      ↓
ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Word-sync用 税別\240,000.)×3本
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/
      ↓
ESOTERIC P-01 (税別\2,200,000.) +
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
TRANSPARENT PLMM+PI8+PIMM(税別\996,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
      ↓
ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m  Dual AES/EBUで二本使用(税別\560,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html
      ↓
ESOTERIC D-01(税別\2,200,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
TRANSPARENT PLMM+PI8+PIMM(税別\996,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
      ↓
TRANSPARENT  OPUS MM Balanced INTERCONNECT CABLE 2.0m *税別 240万円
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#OPUS MM
      ↓  
KRELL Evolusion Two(税別 \5,900,000.) 
http://www.axiss.co.jp/fkrell.html
TRANSPARENT PLMM+PI8+PIMM(税別\996,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
      ↓  
KRELL  CAST ケーブル
      ↓   
KRELL Evolusion One(税別 \7,400,000.) 
http://www.axiss.co.jp/fkrell.html
TRANSPARENT PLMM(20A)+PIMM(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
      ↓  
TRANSPARENT  Reference MM  Speaker Cable 2.4m (税別 \2,480,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#REFERENCE
      ↓
Avalon Acoustics“Isis”(税別 \8,500,000.)
http://www.ohbashoji.co.jp/products/avalon/isis/

          -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

最近は目覚まし代わりにCDをタイマーセットして鳴らして着替えを済ませるまでの
短い時間でも朝の音楽を聴くようにしている。今朝思いついたのがこれ“Basia”

http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/Basia/

http://www.basiaweb.com/

私の自宅では大分古いCDばかりだから現在のwebには紹介されていない。探してみ
たら見つかりました。「 The Best Remixes 」   Epic (Japan) ESCA-5164

http://members.tripod.com/~Basiafan/moreimages.html#remixes1

骨太のリズム楽器と打ち込みの鋭さ、透き通るようなBasiaのヴォーカルをベッド
サイドのちっちゃなスピーカーで聴いていたら以前の記憶が蘇ってきた。この録音
は結構良かったはずだ!! これを持っていって“Isis”で聴いたらどんなだろう…
といたって単純な思いつきで一枚のディスクを持って出社することに。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0304.html
T I 様のホームページは→ http://homepage3.nifty.com/tokei/

午前中には上記の三重県四日市市 T I 様の予約がありましたので、NEOをじっくり
と試聴して頂き正午を回ってからでした…私が何度目かの恋に落ちたのは…(^^ゞ

このディスクの一曲目、6分46秒のCRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX)がスタート
した瞬間に私は思わず微笑んでしまった!!

33cm ノーメックス・ケブラーコーンウーファー 4基が叩き出すドラムの質感が
素晴らしい!! “Isis”の頭頂部に位置する2.5cm ダイアモンドダイヤフラムトゥ
イーター の間隔はいつものように3メートル、私の耳との距離は4メートルのトラ
イアングルでセットアップした左右“Isis”のセンターに力強く表れたキック
ドラムの質感が凄い!! これまで数多くのスピーカーを聴いてきたが、ダンピング
の加減によって重々しいがつまり気味という雰囲気で出そうな場面だが、近代の
AVALONはフロアーポートと称して床面に向けたバスレフポートを設けている。

http://dyna5555.cocolog-nifty.com/photos/secret/isis02.html

“Isis”ではこのように二個の大型ポートを床面に対して向けているが、スパイク
を使ってわずかに床との隙間をあけてセットアップされるが、このわずかな空間が
33センチウーファーからのバックプレッシャーとなる強烈なエアーの流動に微妙な
ダンピングをもたらしているのだろう。重量感と引き締まった輪郭表現がパワーを
上げても破綻しない爽快さは私を虜にしてしまった!!

AVALONの歴史はここで述べているASCENTから始まり…
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto02.html

7年後にはここでひとつの頂点を迎え…
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto43.html

翌年にはここで述べているアイドロン(EIDOLON)で大きな変革を見せている。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto45-01.html

このEIDOLONで行なわれた改革は同社の今後の設計に本当に大きな変化をもたらし、
特に以前は密閉型エンクロージャーからポートチューニングへと、そしてそれは
ネットワークの技術革新と大きな関連性があるということを物語っていた。

さて、私は“Isis”が叩き出した低域の質感に魅了され、それもつかの間右チャン
ネルでは恐らくサンプリングによるギロの音だと思われるパーカッションが、更に
両チャンネルを通じて打ち込みによる鋭い打音の数々が洪水のごとく溢れてくる。

スチールドラムの乾いた音が弾け、17秒くらいからサンプリングされたBasiaの
コーラスが中空に飛び交う。そして40秒からベース、このエレキベースの質感が
これまた素晴らしい!! 重たさを引きづらずにテンションをきりりと引き締め、音
階の変化にも音像の大きさをぴくりとも膨らませない描写力に私は舌を巻いた!!

同時に入ってきたフリューゲルホーンは漂うようにエコー感を振りまくが、この
音場感の大きさはボディーサイズにふさわしく広大に余韻感の領地を拡大する。
1分と6秒、激しい打ち込みが賑やかに続く中でピアノが、そしてチェロが電子楽器
の傍若無人ぶりを無視するかのようにゆったりとアコースティックな響きを生む!!
こんなバランス感覚を何の違和感もなく聞かせる“Isis”に私は魅了された!!

ダンスミュージックのリミックスでよくある、背景となる派手な打ち込みのきらめ
きがす〜っと去っていく1分30秒、この曲のオリジナルメロディーが待ってました
とばかりに左右の“Isis”を包み込むように登場する。この時に私の頭はしびれ、
感動に打ち震える大脳は他の刺激を一切受け入れないと宣言するほどに私を惹き
つけた。ずっと続くドラムとベースのリズムにピアノとチェロが喧騒のあとの息継
ぎという感じでメロディーを奏で、ジャスト2分00秒にBasiaが登場する!!

このBasiaのヴォーカルが入ってきた時には、私の目頭の数センチ内側にある脳の
皮質に一種の電撃が加えられたような刺激を自分の内側から溢れ出していることに
やっと気が付く!!

このフロアーでは巨大と言えるサイズでもない“Isis”だが、3メートルの間隔を
もって天空を支えるColumn(円柱)と例えたらいいのか、全く空気だけのはずの
二本の柱の間にフォログラフィックなBasiaの姿が立ち上がったのだから驚くなと
言うほうが無理である。使い古された言葉であるが、ポンと空間に浮かぶ口許は
スピーカーと私のトライアングルでの頂点に位置を取らなければ体感できない。

「あ〜、セクシーなヴォーカルだなー!!」

声の余韻には幾層ものレイヤーが垣間見え、それは余韻のヒダが濡れているように
輝きながら揺らめいているようで艶かしい!! 思わず内心でうなってしまった一声!

こんなヴォーカルをもっと聴き続けたいという気持ちがロングバージョンのリミッ
クスでよかった…と思わせながらも残り時間が気になる。5分45秒からサックスが
“Isis”のセンターに登場するのだが、この音像の輪郭がなんと小さいことか!!
ところが、リスニングポイントを数十センチずらすとがらっと変化する。

そう、まさに点とも言える最小面積で浮かんでいたサックスの音像の輪郭は崩れ、
ふくらんだシルエットに面影はない。このスピーカーがリスナーに伝えようとする
ベストポジションは設計の厳密さを表すものとして私は大きくうなづき納得した。

“Isis”との出会いは私のスピーカーに対する価値観を変えたようだ。

さあ、これから組み合わせるアンプも幾通りもある。聴きたい曲もたくさんある。

久しぶりに私の食指を激しく揺さぶるスピーカーが登場した!!

最後に、感動の大きさに文章量は比例する…とは私の言葉だが、時間と体力には
限界があるようだ(^^ゞ 

このレポートは今後も続くことを宣言して今夜は帰宅の途に着こう。


                               Vol.2へ続く


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
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