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発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556 H.A.L.担当 川又利明 |
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あれは思い出せば2004年9月27日のこと。前日までインターナショナルオーディオ
ショーに会場にあった試作段階のAnat Reference studioを設計者であるヨアヴ・
ゴンツァロフスキー氏が自らセッティングに来てくださったものだった。
当時のAnat Reference studioは現在webで見られ、また雑誌で見られるような本体
すべてがシルバーアルミフィニッシュではなく、フロントを除いた本体はブラック
だったのである。その貴重な写真はステレオサウンド誌No.153の341Pにインター
ナショナルオーディオショーの速報として掲載されている。
試聴室でのセッティングは数時間をかけて輸入元とヨアヴ・ゴンツァロフスキー氏
にお任せして、セットアップできたところに私が聴きに行ったものだった。
しかし、その時の音は…!? 残念ながら私を納得させ感動させるものではなかった。
低域はストイックに過ぎ、私が求める必要最小限の量感に欠け、オーケストラを
かければ感想肌のように潤いがなくかさつき、ヴォーカルではサ行の発音が耳に
刺激を与える。これには参った^_^;
見ればゴンツァロフスキー氏はハンディーなスペクトルアナライザーを持って特性
重視のチューニングをされたのだろうが、いかに優秀なレシピがあろうと最後は
人間の感性によって味が決まるのだろうが、当時28歳の彼には音楽・音質の美味と
いうものがわからなかったのだろうという推測を私の脳裏をよぎったのであった。
そして、あれから一年たった今日、全身がシルバーのAnat Reference studioが
ここにやってきた。
-*-*-*-*- YG Acoustics“エフコン”システム -*-*-*-*-
ESOTERIC G-0s
↓
7N-DA6100 BNC(Wordsync)×3本
↓
ESOTERIC P-01 & D-01 and 7N-DA6300 MEXCEL AES/EBU 1.0m ×2
↓
ESOTERIC 7N-DA6300 MEXCEL RCA 1.0m
↓
HALCRO dm8
↓
ESOTERIC 7N-DA6100 MEXCEL RCA 7.0m
↓
HALCRO dm68 ×2
↓
STEALTH Hybrid MLT Bi-Wire Speaker Cable 5.0m H.A.L.'s Special Version
↓
YG Acoustics Anat Reference studio(550万円)
http://www.accainc.jp/yga.html
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私は先日頭の中で想定したGOLDMUNDによるシステムではなく、上記のシステムで
セットアップを開始した。今日ではゴンツァロフスキー氏の指導を仰ぐことなく
私が自分の感性でチューニングさせて頂くことにした。そうしたら…!?
まず、Anat Reference studioはアクティブウーファーなので、そのチューニング
が肝心なポイントであるのは承知していたが、最初はすべて調整ノブを12時の角度
に合わせて取りあえず音を出してみることにした。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/369.html
最初の曲は上記のトライでも使用した大貫妙子「Pure acoustic」東芝EMI TOCT-
9690から「横顔」という選曲だ。http://www.toshiba-emi.co.jp/onuki/
このイントロのウッドベースが出始めた瞬間に私は一年前のイメージを白紙化しな
ければいけないと直感したものだった。大変安直にセットしただけなのに重量感と
テンションが同居したクリアーなベースが私に偏見を捨てよ!!とでも言いたいよう
に響いてくる。おいおい、これは一体どうしたことだ!!
アクティブウーファーのチューニングは50Hzから150Hzまでのクロスオーバー周波
数の設定、ウーファーのブーストレベルとブーストさせる周波数の選択、そして
内臓アンプのボリュームというセクションに分けられている。
輸入元に聞けば昨年ここに持ち込まれたAnat Reference studioには何と!!
ウーファーのクロスオーバー周波数の調整ノブがなかったというのだ。
これは大きい!!
メイン・モジュールの下側は70Hzからだら下がりになる特性なのだが、これにサブ
ウーファーモジュールをどのように乗せていくかで中高域の質感も大きく変化する。
そして、肝心なのはオーケストラのようなホール録音での低域の量感とスタジオ
録音での鮮明さと固体感ある低音とのバランス感覚だ。
ホール録音でゆったりした低域を狙えばスタジオ録音ではオーバーな低域となって
しまうので、私は両者共に満足できる点はないかと輸入元担当者といっしょに一時
間ほどサブウーファーのダイヤルの各々を複数の曲を聴きながら調整を行ってみた。
すると…、どうだろうか!!
村治佳織のTransformations 19トラック 「ラストワルツ」
http://www.universal-music.co.jp/classics/kaori_muraji/index.html
ギターの低音弦が弾かれたときにもギターの胴が誇大化せず、すっきりと輪郭を
鮮明にしながら響かせる美しさはなんということだろうか!!
http://www.stockfish-records.de/
この中から
http://www.stockfish-records.de/stckff/sf_stockfisch_e.html
Sara K. 3.トラックめの Turned My Upside Down
ここで聴けるエレキベースのフィーリングとエコー感を飛び散らせるアコースティ
ックギターの対比がひとつの空間で完璧に解け合い、ま〜あ、Sara K.のヴォーカ
ルはこれでもか、というくらいに音像を縮小し輪郭をくっきりさせ、そのリヴァー
ブが常識はずれに長く広く拡散していく快感は前例を見ないほどなのだ。
ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》(ラヴェル編曲)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:ワレリー・ゲルギエフ
http://www.universal-music.co.jp/classics/gergiev/uccp1053/uccp1053.html
18トラック目のゴパック(歌劇《ソロチンスクの市》から)
ここでもアクティブウーファーのチューニングがものを言う!!ボリュームを下げて
もコントラバスの豊かさがきれいな比例関係で他の楽音と同等に音量は下がるのだ
が、確実にホールにゆったりした余韻感を投げ出しているのが感じられる。これは
何としたことだろうか!!
私は次回の“エフコン”において100%金属製のスピーカーとウッドを基調とした
スピーカーでの対比を狙っているのだが、フルメタルのYG Acousticsから、このよ
うな麗しい質感の弦楽器が再生されようとは思ってもみなかった。いや、一年前の
経験からYG Acousticsの未熟な思い出だけにとらわれていたようだ。
ああ、なんということか!! いつから現在の仕様に変更されたかは聞いていないが、
事実として今ここにあるAnat Reference studioに関しては皆様にお聴かせして
恥ずかしくない音質、いや私のレベルで推奨したい音質がみなぎっていることを
“エフコン”の前に確認できたという収穫は大きい!!
さあ、ここで各論の試聴印象を述べるよりも、皆様に体験して頂くことで一年間の
時が洗練したYG Acousticsを次回の“エフコン”で皆様に聴いて頂けるということ
が私の残業時間を短縮してくれる根拠になってくれた(笑)
皆様に申し上げます。
これまでにどこかで聴いたというAnat Reference studioの音は一旦お忘れ下さい。
今週金曜日の夜に、私と同じように成長した姿と声を聴いて頂ければと思います!!
今週も皆様に参加して良かった〜(^^ゞと思って頂けるような仕込みが着々と
進んでおります。どうぞご期待下さい!!
まだお席のゆとりがありますので、ハルズサークルにご入会の上ご応募下さい。
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| このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。 | |
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担当 川又 |
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