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H.A.L.担当 川又利明




2005年10月25日
No.369 「One point impression ⇒私が挑んだWisdom Audio M-50の素晴らしさ!!」

 ◇10/21開催“エフコン”に出品される新製品を初めて鳴らしました◇

the subject .1「Wisdom Audio The Adrenaline Series M-50の可能性を探る!!」

 Brumester 948 Power Conditioner (税別 \790,000.)
http://www.noahcorporation.com/burmester/p_c948.html
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 Brumester 969 CD Transport (税別 \3,900,000.)
http://www.noahcorporation.com/burmester/cd969.html
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 Brumester 970SCR D/A Converter(税別 \4,400,000.)
http://www.noahcorporation.com/burmester/da970.html
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 STEALTH  Indra 1.0m H.A.L.'s Special Version (税別 \1,268,000.)
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 Brumester 808MK5  Pre Amplifier(税別 \3,700,000.)
http://www.noahcorporation.com/burmester/pre808.html
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 STEALTH  Indra 3.0m H.A.L.'s Special Version (税別 \2,380,000.)
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 Wisdom Audio  M-50付属専用チャンネルディバイダー
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 Brumester 911MK2  Power Amplifier×2台(税別 \5,400,000.)
http://www.noahcorporation.com/burmester/power911.html
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STEALTH Hybrid MLT Speaker Cable 5.0m H.A.L.'s Special Version
(税別 \1,711,000.)
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 Wisdom Audio The Adrenaline Series M-50 (税別 \4,100,000.)
http://www.wisdomaudio.com/
http://www.wisdomaudio.com/products_adrenaline_m50.html

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この未知のスピーカーが本日搬入されました。しかし、他社からの新製品の持ち
込みもあり、セッティングを行いやっと音が出たのが夕方になってから…。最初は
このチャンネルディバイダーのダイヤルをただセンターに合わせて音を出したもの
だった。その第一声を聴いて「あ〜、こりゃあひどいや…」という落胆の声が思わ
ず口に出てしまい、輸入元に直ちに電話する。
そう、問題はM-50付属専用チャンネルディバイダーのチューニングである。

電話ですべてが解決するとは思えないが、せめて基本的なセッティング方法を
教えてもらわなくちゃ、ということで問い合わせると思わぬ事実が…!?

「えー!!オーナーズ・マニュアルが来ていないですって!!」

せめて取り扱い説明書からチャンネルディバイダーの基本的なセッティングを
知っておかないと、こんなものチューニングは出来やしない!!
更に話しを聞いてみると本国でも販売した場合にはメーカーが直接ユーザー宅へ
セッティングに行くのでマニュアルはないと言う。

「えーい、仕方ない!! 私の耳で合わせていくしかないか!!」

ということで、初体験のスピーカーセッティングに挑戦することになってしまった。

おおよそ左右の間隔を3メートルにし、微妙なアングルは最後に微調整するという
ことにして、スパイクも付けず動かしやすい状態でラフにポジションを決めた。

最初に電気的なセッティングをチャンネルディバイダーで行わなければ意味がない。
そこで、女性スタッフをひとりチャンネルディバイダーの前に座らせて、私が日頃
テストに使用する曲を何回もリピートさせ、この曲のリファレンスとしている音質
を引き出していくという地道な作業を行うことにした。

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このチャンネルディバイダーには“ACTIVE BRAIN”というネーミングがある。
ウーファー用とミッドハイのプレーナードライバーに2ウェイの配線を行う。

“ACTIVE BRAIN”のフロントパネルには左右独立して各々に調整用ノブが四個ずつ、
合計八個のノブがある。

左から“Qb”ダイヤルの目盛りとしては最も左下が25、中央が4、最も最大の右下
が1.0となっている。

二番目は“Low Frequency Regenerator”最も左下がoff、中央が0、最も最大の
右下が6となっている。

三番目は“Damping”最も左下が25、中央が0、最も最大の右下が4となっている。

そして、一番右が“Planar Line Souce”最も左下がoff、中央が0、最も最大の
右下が6となっている。

低域と高域の量的なレベル調整として中高域が“Planar Line Souce”で、低域が
“Low Frequency Regenerator”だろうという推測が最も左下がoffであることから
出来る。事実、これらを回すと確かに低域と高域のバランスが変化するのはわかる。

しかし、一般的なチャンネルディバイダーであれば、クロスオーバー周波数、
スロープ特性、位相調整、など数値で示されたフロントパネルがあるのだが、一体
これらの表示は何を意味するのか?

とにかく、センターポジションに座り、アシスタントの女性にこれらの四つのダイ
ヤルを私の指示で次々に回してもらい、その変化を耳で聴きながら最適値を探して
いくという何とも過酷な調整が始まったのである。

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まず、気が付いたことは“Qb”と“Damping”の二つは音楽信号の周波数帯域の
バランスを変化させるというものではないようだ、ということに気が付く。

この時にリファレンスに使ったのは大貫妙子「Pure acoustic」東芝EMI TOCT-9690
から「横顔」という選曲だ。http://www.toshiba-emi.co.jp/onuki/

この曲はもう何年もマラソン試聴会の会場で音決めの時に使用している私の貴重な
ものである。イントロでのウッドベースで低域の質感を、次に入ってくるピアノで
全帯域のバランスとアタックの鮮明さを、もちろんヴォーカルの質感もチェックし
ながら豊かな音場感も確認できる。そして後半では弦楽四重奏がバックで演奏する
のだが、左のヴァイオリンソロ、センターではギターのようにカッティン奏法、
そして右側ではチェロのソロと、リズム楽器と弦楽器とヴォーカルを一曲でテスト
できるという重宝なものだ。

まずイントロのウッドベースからピアノ、ヴォーカルが入ってくる最初の30秒程度
を本当に何回もリピートさせながら女性スタッフに“Qb”と“Damping”を最大と
最小にするということで、各楽音の変化を見ていく。

音像が縮小したり拡大したり、テンションが高まったりゆるくなったりという変化
が次第につかめてくる。

ウッドベースの輪郭が変わり倍音の出方が変わり、ピアノが曇ったようになったり
研ぎ澄まされてシャープになったりと、この二つのノブが支配している音質変化が
なるほど〜、だんだんに理解されてきた。

女性スタッフには気の毒なことをしてしまった。数秒間鳴らしては、あれを11時の
角度に、これを午後2時の角度に、とわかりやすい表現で何十回も回してもらう。
そんな作業を二時間近く続けていたのである。

その結果、私は“Qb”を5.5、“Damping”を+1とセットした。

すると、私の電話を受けた輸入元の担当者が国際電話をかけたのかメールを送った
のかわからないが、私に電話をしてきた。

「川又さん、申し訳ないですね〜。一応彼らの基本セッティングを聞きました。
 “Qb”は必ず5.5にしろということでした。“Damping”は0以上のわずかな
 ところで。それから“Low Frequency Regenerator”と“Planar Line Souce”は
 0以下でバランスをとってくれ、ということなんですよ〜」

おー!! 私が聴きながらセットした“Qb”はジャストではないか!!“Damping”も
ほぼ彼らの基準にぴったりだ!! そうでしょう、そうでしょう(^^ゞと、自信が持て
るようになってきたぞ!!

この電話があるまでに私は“Low Frequency Regenerator”“Planar Line Souce”
の両方もかなりの回数でいじってみた。“Low Frequency Regenerator”は興味
深い変化を見せる。ジェネレーターというのだから、単純な低域のレベルをアップ
ダウンさせるものではないという気がしていたし、ジェネレーターの前に“Re”が
付くのだからなおさら厄介である。

“Low Frequency Regenerator”はウッドベースの量的なもの、重さ軽さを調整す
るというよりは、低域方向でのフォーカス、輪郭表現などを司っているようだ。
そして、“Planar Line Souce”をいじると一見中高域が輝いたり曇ったりと量的
な変化にも聴こえるのだが、注意してみるとピアノのアタックやヴォーカルの質感
にも変化が現れている。

私は“Low Frequency Regenerator”を0に固定し、それを基準として中高域をどの
くらい乗せていくかという発想で“Planar Line Souce”をプラスの方向に次第に
上げていくという手段をとった。

しかし、この方法では一般的なチャンネルディバイダーであれば、あるいはJBLの
4344などウーファー以外のミッドバス以上の3ウェイに付いているアッテネーター
の調整だったら中高域の分量を加えていくということでいいのだが、この場合の
“Planar Line Souce”を上げていくということは質感までも変化させていくので
うかつに出来ないものだった。

しかし、やっと輸入元からのアドバイスで、加えるのではなく引いていくというこ
とで、センターのゼロを基準として“Low Frequency Regenerator”と“Planar
Line Souce”のいずれかを下げていくことでバランスをとるという方向性が示され、
その後は女性スタッフに時計の11時と12時を比べ、11時半にして…、という微妙な
ところまで追い込んでチューニングが出来上がってきたのだった。

その結果“Low Frequency Regenerator”はマイナス2、“Planar Line Souce”は
マイナス3ということで落ち着いてきた。^_^;

マニュアルなしのマルチアンプ調整に結局三時間を要したことになる。

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今夜は時間がないので、いつものように詳細な曲目まで紹介できないが、私は過去
に経験がないヴォーカルの素晴らしさをこのWisdom Audio  M-50から引き出すこと
に成功したようだ!!

Nautilusのように中空に浮かぶというのは同様なのだが、Nautilusの2.5センチの
トゥイーターががんばってがんばって描いてくれるヴォーカルと音場感とは違い、
その歌声が大変ゆとりある厚みを持っており、その余裕が歌手のニュアンスをひと
きわ引き立たせるのである。

これはミッドハイレンジのユニットを多数搭載しているプレーナータイプの得意と
するところであり、楽音の微細な表現が今まで気が付かなかったところまで実に
鮮明に聴かせてくれる。

世の中のスピーカーの大半が500円玉と同じ面積のトゥイーター一個で表現してい
る世界とは別格のダイナミックさと緻密さが見事に再現される。こんなスピーカー
は私のキャリアの中でもなかったものだ!! これは素晴らしい!!本当に!!

また、低域に大きなエネルギーを含む伴奏がちりばめられた録音も当然チェック
したのだが、この低域がくっきりとした音像を示し、ダンピングが不足してふくら
むということが皆無なのである。これは古くはインフィニティーのIRSシリーズや
同じアーニー・ヌデール設計のGENESISの各シリーズに見られたサーボシステムを
使用した低域とも違うのである。

サーボアンプで駆動した低域はどちらかというと低域の加減を足し算で調整すると
いう趣向のものであり、量的にも豊満でありゴージャスな低音を響かせたものだ。
つまりは、ホールにおけるオーケストラを主眼として狙った設計であり、これらで
スタジオ録音の解像度と引き締まった音像を狙おうとすると無理があったものだが、
Wisdom Audio  M-50では引き算の原理で低域をチューニングしているのである。

ウッドベースは輪郭が鮮明で重量感との両立を果たし、打楽器のずしーんと余韻を
残す低域でも打音とエコー感の分離がすこぶる見事に再現される。こんなタイプの
スピーカーは初めてだ!!

AVALONのようにウーファーに大きなダンピングをかけたイメージの低音、B&Wのよ
うに大きなポートから噴射するゆったりした低音とはかけ離れている。
“Low Frequency Regenerator”はストイックにも大胆に私が期待している低域を
叩く音と低弦楽器のピッチカートという両方で見事に近代化しているのである。

最後に述べておきたいのは、このスピーカーは只者ではないという可能性が本日
確認されたということだ!!

Wisdom Audio  M-50は皆様に未体験のショックを与えるという予言をして、今夜の
緊急レポートの締めくくりとさせて頂く。

そして、私の驚きと感動を皆様にも体験して頂けるイベントにはまだ空席があると
いうことを今夜お知らせしたかったものだ。


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.co.jp
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