発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明


2005年10月19日
No.366 「衝撃!!“PEIP”デバイスで統一これほど素晴らしい
      とは思ってもいなかった!!」
 
この仕事を長年続けてきて昨日までの“最高”が一瞬にして更新されてしまうこと
がよくある。同じコンポーネントなのに、どうしてケーブルによってこれほど違う
のだろうか!? という経験は数え切れないほどのものだ。しかも、電源ケーブルで
つい先ほどまでの“ベスト”がそうでなくなってしまうのだから面白い。

以前にも述べていたように電源関係の比較試聴は手間ひまがかかり、かつデリケー
トな個性があるのでまとまった時間がないと中々出来ないものである。言い換えれ
ば私が自分の試聴のために試聴室を数時間使えるか、または夜を徹しての残業覚悟
でなければ中々チャンスがないのだが、今日は不幸中の幸い(^^ゞと言うべきか、
数時間のまとまった試聴をこなすことが出来た。

課題はなんと言ってもフル“PEIP”デバイスを導入したらどうなるのか!? という
ことであり、それはおのずとここでリファレンスとして使用を続けているESOTERIC
の8N-PC8100とAC DOMINUSとの直接比較ということになってしまうものだった。

これまで避けて通ってきたものだが、ユーザーの中からも同様な比較に関する投稿
やご意見を頂くことが頻繁になり、もうそろそろ時効として頂くのも良いかと一人
で勝手に思い始めたものだった(笑) そこで、組み上げたのが下記のシステムだ。


   -*-*-*-*- フル“PEIP”デバイス検証リファレンスシステム -*-*-*-*-

 ESOTERIC G-0s ■8N-PC8100 vs“Pケーブル”+“PD”■    
     ↓
 ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync)×3本
      ↓       
 ESOTERIC P-01 ■8N-PC8100 vs“Pケーブル”+“PD”■
      ↓
 ESOTERIC 7N-DA6300 XLR ×2本
      ↓
 ESOTERIC D-01 ■8N-PC8100 vs“Pケーブル”+“PD”■
      ↓  
 TRANSPARENT  OPUS MM Balanced INTERCONNECT CABLE 2.0m *税別 240万円
      ↓   
 VitusAudio SL-100■ESOTERIC 8N-PC8100 vs“Pケーブル”+“PD”■
      ↓  
 ESOTERIC 7N-A2500 XLR 7.0m  (税別価格\2,280,000.)
      ↓      
 VitusAudio SM-100■AC DOMINUS  vs“Pケーブル”+“PI”■
     ↓  
 TRANSPARENT  OPUS MM  Speaker Cable 3.0m *税別 423円
     ↓
 MOSQUITO NEO   

このベースとなるアンプは下記をご参照頂きたい。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/322.html

次に今回テストに使用した曲だが…。

村治佳織のTransformations 19トラック 「ラストワルツ」
http://www.universal-music.co.jp/classics/kaori_muraji/index.html

http://www.stockfish-records.de/
この中から
http://www.stockfish-records.de/stckff/sf_stockfisch_e.html
Sara K. 3.トラックめの Turned My Upside Down

諏訪内晶子/詩 曲(ポエム)より3トラック目の3. ラロ:ギター 作品28 
http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/akiko-suwanai/

ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》(ラヴェル編曲)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:ワレリー・ゲルギエフ
http://www.universal-music.co.jp/classics/gergiev/uccp1053/uccp1053.html
18トラック目のゴパック(歌劇《ソロチンスクの市》から)

以上がSACDであるが、本当に最近は試聴用のディスクとしてSACDを使用することが
多くなったものだと改めて感心してしまった。そしてCDでは…

マーラー交響曲第一番「巨人」小澤征爾/ボストン交響楽団の第二楽章

「Pure The essence of Music」Primrose Path
http://www.maxanter.nl/primrose.html


http://www.kkv.no/  kirkelig Kulturverksted ・Thirty Years’Fidelityより
10 Mitt hjerte alltid vanker/Rim Banna/Skruk/Krybberom (2003) 
http://www.kkv.no/musikk_klubb/tekster/285_fidelity.htm

                 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、これまで各“PEIP”デバイスは約300時間以上のバーンインを行ってきた。

ESOTERIC G-0s P-01 D-01×2、そしてVitusAudioのプリアンプSL-100の合計5本の
電源ケーブルを今までは8N-PC8100をリファレンスとして使用してきたものだった。
定価合計で150万円する5本のケーブルを同時に“Pケーブル”に切り替えるという
実験から始めることにした。先ず上記の聴きなれた課題曲を必要なパートを抜粋し
て日頃親しんできた8N-PC8100で一通り聴き、自分の記憶の中に最新の音質として
イメージを記憶していく。頭の中に記録したイメージをケーブルを交換した後の
ものと比較して間違い探しをするように比較するための土台を作るのである。

さて、ここでどうしても事前に述べておきたいことがある。D-01からプリアンプに
接続するインターコネクトだが、H.A.L.に初めて登場したTRANSPARENTの OPUS MM 
である。価格もご覧のように大変高価なものなのだが、PADなきあとにステルスの
H.A.L.特注品をリファレンスの一環に加え、ESOTERICの7N-DA6300と共に愛用して
きたのだが、これもシステムエンハンサーを三日間リピートさせてのバーンインを
行ってから初めてじっくりと聴いたのだが、冒頭に述べたようにアナログ伝送の
オーディオケーブルとして、私は過去最高のパフオーマンスをここに発見すること
になってしまった。

圧倒的な情報量が微小信号の再現性をきっちりと支え、今までニュアンスとして
なんとなく感じていた余韻感の含みを明確な残響のしらべとして私の耳に届けて
くれたのである。そして、多数の楽音が前後に定位する立体感の克明さ、アコース
ティックな演奏の周囲に広がるエコー感のみずみずしさなど、私が知り得なかった
世界をここH.A.L.にもたらしてくれたのである。これは本当に素晴らしい発見だ!!

しかし、残念ながらプリとパワーアンプ間にこれを使うとして、ここでは6mの長さ
が欲しいので試算してみると308万円となってしまう。輸入元にもこのOPUS MMの
バランス・インターコネクトの試聴サンプルはなかったので、一度実際に聴いてみ
ないことにはわからないということで発注を頼んだものだった。しかし、さらに
308万円とはつらいものがあり、同時に導入が出来なかったのは残念だった。だが、
今回その威力を知るところとなり、何時の日にかOPUS MMで統一した演奏を何とか
実現したいものだという願望が私の胸に定着してしまったようだ。

当然のことながら電源の環境変化を探るにしても、このOPUS MMを一度聴いてしま
ったら使用せずにはいられない。このケーブルの伝送能力に大きなサポートを受け
て今回の比較試聴にのぞむことになったものだ。

                 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、話しを戻して過去一年以上にわたりリファレンスとしてきた8N-PC8100に
よる音質を確認したあと、いよいよ5本の電源ケーブルを“Pケーブル”と“PD”に
切り替えることにした。“PD”にはデジタル専用コンセントが一台に付き2個ある。
“PD”二台を使用し、ESOTERIC G-0s P-01 D-01×2の4ユニットにデジタル専用電
源を供給することにした。厚み44ミリという“PD”はラックの下に楽々収まり、
多数の“Pケーブル”を差し込んでもセッティングの仕上がりがいいのものだ。

この時の変化をチェックするのに私が最初に選んだのはこの曲。
KKVのThirty Years’Fidelityより Mitt hjerte alltid vanker である。教会で
録音したコーラスがスピーカーの周囲に広大な音場感を展開し、Rim Bannaのソロ
ヴォーカルのエコー感がチェックポイントである。これまでにも数々のコンポーネ
ントの検証に使用してきたが、そのたびに空間表現のあり方を教えてくれる一曲だ。
G-0sのルビジウム発振器が安定し、各コンポーネントがリセットされ、プリアンプ
のボリュームも先ほどと同じ-24dBにセットし、いよいよP-01をスタートさせた。

「おー!! 何なんだ、この大きさは!!」

一人きりの試聴室で声には出さない私の驚きで我が耳を疑ってしまった!!

大きさと表現したのは“Pケーブル”+“PD”に切り替えて最初に聴いたこの曲の
空間表現の広さ大きさのことである。冒頭のRim Bannaのソロは彼女の背後に大き
な教会という空間があることをひとまずはどんなシステムでも教えてくれるだろう。
しかし、そのスケール感の表現には天と地ほどの違いが聴き取れるパートなのであ
る。家庭では大型とされる50インチや40インチのテレビで世界遺産の教会や寺院な
どの建造物を映像として見たあとに、映画館のスクリーンで同じ画面を見たときの
ような驚きである。歌手の背景になる教会の天井と壁面はすーっと奥に高く高く
後退し、Rim Bannaののびやかな声がそれらから反射して戻されてくるまでの時間
軸をぐっと引き伸ばしているではないか!!

私はこの冒頭部のソロヴォーカルを様々なシステムで聴いてきたが、Rim Bannaの
声が天井からの反射音として指を三本折りながら数えられるほどに長く長く滞空
時間が感じられたのは初めてであった!! これは凄い!!

                 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

ここで思い出して頂きたい。

“PEIP”デバイスのハルズモニターのレポートでは次のように述べられていました。

横浜市中区 T S 様は…
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0258.html

[1]“Pケーブル”とNBSの比較

“Pケーブル”よりNBSの方がかなり高額でもあり、そのまま電源ケーブルの比較
 では、つらいかなと思いましたが、レベルに差は感じませんでした。
“Pケーブル”の方が「ブローアップ」でのベースがよくひびき、シンバルの音が
 柔らかく聞え、NBSの方が全体に音が硬く響きが少ないという結果でした。

[3]“Pケーブル”+“PD”という組み合わせ、CDで[1]との比較

“Pケーブル”だけの場合に比較して低音の伸びが全く違うので驚きました。
 鈴木勲のベースが下の方にズンと沈み込んでいき、聞いていて気持ち良くなって
 きます。ヘレンメリルでもそうですが、背景の静寂感がランクアップして、余韻
 感が出てきます。[1]と比較するとはっきり[3]の方がよく、“PD”は今すぐにで
 も欲しいと思います。

 NBS+“PD”の組み合わせよりも“Pケーブル”+“PD”の方がさらに余韻感が
 出て、NBSではシンバルの硬さが気になりました。“PD”と組み合わせると
 “Pケーブル”の良さがさらに出てくると言えそうです。


まさにその通りなのです。再三申し上げているようにエコーマシンを内臓したケー
ブルなどはありません。録音に含まれている残響成分をどれだけ維持・存続・再現
させるかという情報量を維持した再生音が大切なのです。

                 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

この大きな変化を察知した私は次から次に課題曲をかけて変化したものを冷静に
興奮しながら(笑)チェックして行きました。

マーラー交響曲第一番「巨人」
「あ〜、美しい!! 弦楽器群の合奏が潤いと広がりを更に増している。これが普通
 のCDの音なんだろうか!!」

「Pure The essence of Music」
「えっ!! ハープの余韻感ってこんなに長く鮮明に録音されていたんだ!!凄い!!」

SACDはどのくらい必要性があるのか? 私は今年のマラソン試聴会でもESOTERICの
X-01LimitedにSACDを、P-01+D-01に普通のCDで同じ曲を演奏し、会場の皆様にSACD
の音はどちらだったかを当てて頂くという実験を行ったが、4回同じ比較試聴をし
て、ほぼ4回ともP-01+D-01によるCDの音をSACDと答えた方が多数を占めたのだった。

これは何を意味するのか!?

ディスクのフォーマットの違いによる圧倒的なスペックの有利さは、再生装置の
能力による音質のレベル差を越えることが出来なかったということである。つまり、
再生装置が素晴らしければディスクのスペックが大きく異なっていてもSACD同等の
感動を与えることが出来る、ということなのだろうか。

私は“Pケーブル”+“PD”の導入によって、SACDの特徴でもある空気感というか
残響成分が織り成す立体感・臨場感の再現性が過去に記憶がないレベルで向上する
ことを確認したのである。

それでは、SACDではどうなるのだろうか!?

村治佳織のTransformations 19トラック 「ラストワルツ」

この変化は大きかった!! 
以前にテストに使用した21トラックの「フラジャイル」はギター奏者二人のデュオ
だったので左右の展開があったが、この曲ではセンターにたった一本のギターソロ
が定位しており、その前後左右と上下に余韻感が拡散していくステージがたくさん
あるものだ。であるがゆえに“Pケーブル”+“PD”による変化は激烈を極め、
NEOの背後にアンビエンス用のスピーカーを追加したのではないかと思わせるくら
いの空間の広がりを見せる。しかも、ギターの質感に凛としたテンションが追加さ
れ、茫洋と広がるだけではなくフォーカス感がきりっと引き締まった変化がある。

Sara K.の Turned My Upside Downでも導入部のギターがスタジオワークによって
加味された上手いリヴァーヴが壮快に広がり、Sara K.のヴォーカルは音像が小型
化されるという現象が直ちに発見された。

諏訪内晶子ではヴァイオリンのアルコが連続的にエコー感を伴うことから空間の
広がりが一層引き立ち、それに加えてしっとりとした質感に変じることから弦楽器
の再現性にこの上もないご利益が生じることになった。しかも背後で響くタンバリ
ンの金物ひとつひとつが、きらめくような残響をまぶしくない程度にすーっと拡散
させるので臨場感は否応もなく高まる。これは素晴らしい!!

ワレリー・ゲルギエフの18トラック目、ゴパックは冒頭からウィーンフィルの弦楽
器がホールエコーの含有量を三割り増ししたように合奏の合い間に見えなかった
エコー感が存在していることを再発見した。最後のフォルテで打楽器が重みを加え
たエンディングのあとで、オーケストラが残していった余韻感が一曲のボーナス
トラックのように最後まで延長されたように、まだNEOの周辺に漂っているのだか
ら驚いてしまった。先ほどまでの同じコンポーネントを使っていたのに、この違い
は一体何なのだろうか!?

あれほどご愛用頂いている8N-PC8100と比較して、どちらが良い悪いということを
ここで結論付けることはまったく考えていない。私も文中では良し悪しを語ること
はしていないつもりである。ただ、今ここで起こった変化を述べていくまでである。

                 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、次なる比較試聴には私の長年の思い入れと多数のオーナーの皆様にご愛用を
続けて頂いている実績があるAC DOMINUSとの比較をすることになった。と、言うよ
りも、既にこれまでの演奏ではパワーアンプにAC DOMINUSを使用しているのだった。

では、AC DOMINUSに替わって“Pケーブル”を壁のCRYO-L2のコンセントから直接と
いう同じ方法で接続し、各課題曲で変化を見てみることにした。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/365.html

既に私は上記の違うシステムでAC DOMINUS  vs“Pケーブル”を体験していた。
しかし、この時は“PI”を介しての比較であった。当時の模様は上記にごく簡単に
述べているのだが、今回はケーブルのみの直接対決ということになった。そして…

「う〜ん、これは難しいぞ!!」

これはケーブルのみの比較で課題曲を一通り試聴した私の率直な印象だった。

“Pケーブル”による音場感の拡大という魅力は確かにあるのだが、8N-PC8100と
比較してもAC DOMINUSは当初からその方向でのパフォーマンスは素晴らしく、ほぼ
互角という勝負なのである。あとは楽音の質感に各々の個性が微妙に嗅ぎ取れるく
らいなので、さすがに過去のリファレンスとして長年認めてきた実力が再確認され
たようだった。総じて上記の横浜市中区T S 様がおっしゃったような対比として
私は自分を納得させることにした。

では、次にパワーアンプに推奨したい“PI”を“Pケーブル”とコンセントの間に
使用してみることにしよう。

“PI”の効用がどのような曲で生かされるのか、最初のテストの際に体験した記憶
を元に一曲目はこれにした。村治佳織の「ラストワルツ」である。たったギター
一本の演奏が今回のテストの中で最大級の驚きと感動をもたらしてくれるとは私も
まったく予想もしていなかった。最初の一音が出たその瞬間に私の頭にひらめいた
一言はこれだった!!

「あっ!! 抜けてる!!」

この意味はこういうことだ。

今までのオーディオ装置で聴く音をジグソーパズルと例えてみたい。この場合には
村治佳織の写真をカットして作ったジグソーパズルがあり、それは画面の中央に
ギターを抱えた村治佳織が写っているとしよう。普通は外側の周辺からパズルを
組み立てていくのだろうが、この場合には中央の村治佳織を先に組み上げて彼女の
全身がわかるようになった途中経過としよう。

ジグソーパズルは周辺の縁取りがあり、パズルのピースと同じ模様の切り込みが
薄茶色の厚い台紙にも施され、ピースの形と照合できるようになっているものだ。
今までに体験してきたステレオ装置での再生音というのは、真ん中に村治佳織の
写真が組みあがったとしたら、その周囲には幾何学模様に切り込みがある色付きの
台紙が必ずあるということを既成事実として何も疑うことなく受け入れてきたよう
なイメージと考えて頂きたい。村治佳織のきれいな姿が見えてきた周辺には必ず背
景があったということだ。

ところが、何と言うことだろう!!

“PI”を使った瞬間から、村治佳織の姿を構成する数十枚のピースはいつもの台紙
ではなく、純白の光沢紙の上に移されてしまったのである!!

今まで見慣れていた切抜き模様がある薄茶色のざらざらした質感の台紙が演奏の背
景にあり、いかに美しい演奏と優秀な録音であっても、演奏者と楽音のイメージを
形作るには、この台紙なくしてはパズルのピースを並べて組み立てていくことは
出来なかったのであろう。最初から画用紙の上にピースを並べていくという手段は
我々の、あるいは私の常識ではなかったのである。しかし、この台紙の存在感を
今まで意識的に無視していたのか、どうせピースという楽音の裏に隠れてしまう
ものであり、その背景と楽音周辺の質感(音の環境)を変えようという発想と手段
がこれまでなかったのだろう。

しかし、“PI”はなんともあっけなく、しかも簡単に、更にどこにでも移設できる
という利便性を伴って、演奏者の背後と周辺の空気を純白に塗り替えてしまったの
である。それが、私の言葉で言うところの演奏者の姿が「抜けている」「抜け出し
ている」という表現になったものだった。

今までは楽音の他にも演奏者の周辺には何らかの色、何らかの質感(気配)のよう
なものがあったのだが、それを言葉で表現することは出来なかったのだ。なぜなら
ば、それを取り去ってみるという実例をもって証明出来なかったからである。

テストしているはずなのに、何と私は同じ曲を三回も繰り返して聴いてしまった!!
こんなことは初めてだ!!

                 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

ここで思い出して頂きたい。

“PEIP”デバイスのハルズモニターのレポートでは次のように述べられていました。

東京都練馬区 T I 様より

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0253.html

PIを接続し、まずは最近のお気に入り「イノセンス」のサントラ盤を掛けてみま
した。これは背景の細かさが明かに異なります。1曲目には人を不安にさせるよう
な不気味な低音のうねりが入っているのですが、この低音のうねりが本当に怖い。

導入前は、単なる低音でしたが、導入後は人の不安を掻き立てる見事なうねりに
なっています。

音楽が人の精神に作用するものとするならば、これは正しく音楽でしょう。

更に12曲目「Follow me」女性ボーカルがねっとりと歌い上げるこの曲は、導入前
でも魂を持っていかれそうな魅力を備えているのですが、PIを導入すると秋晴れの
すがすがしい朝にこの曲をかけてもいきなり周辺を真冬の夜に街角でコートの襟を
立てているような雰囲気に変えてしまいます。

次に私の大好きな太鼓やパーカッション系の音楽を試してみました。

多くの電源系アクセサリはしっとりとした女性ボーカルには効果的だが、破裂音を
伴うものには向いていない事を経験していたためです。

LAT-1の低音の応答性を落とさない事は私にとって最重要課題です。
PIは見事に答えてくれました。

立ち上がりと立下りをキッチリと描き分け、更に背景をタイコやパーカッションに
埋没させずに歌わせています。

                 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

更に、宮城県角田市 O T 様からも
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0257.html


やはり、以前より静けさを感じる空間から、まるでタップにスポットが当たったか
のようにタップの音がくっきりと聴こえてくるのにちょっと驚く。タップのエコー
がスタジオの空間に響いていく様子もボーカルのCDで聴いたときと同様である。

タップから引き継がれる手拍子への変化もわかりやすく闊達にリズムを刻んでいく。
低音部を支えるパーカッションのリズムがよく弾む。ヴィセンテのギターも切れ味
が鋭くなったと感じても、音色が変に鋭くなったり、ガット弦がスチール弦に聴こ
えたりというような好ましくない変化をみせることはもちろんなかった。

総体的に見通しがよくなり一人一人のプレーヤーの演奏がよく分かるようになった。
コンサートで見たステージ風景をちょっと思い出した。

左右のスピーカーを大きく超えて広がる音が、単に存在を示すだけでなく、とても
明瞭なのである。音そのものは滑らかであるが、重厚でしかもリズミカル。

更に微細な音までがよりはっきりとしてくるので、いろいろな音の仕掛けがこれま
で以上に楽しめた。

                 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

このお二人の体験談から言外の言葉を読み行間からの言葉を拾うとしたら、私の
インプレッションとの共通項をお二方はご理解頂けるのではと思われる。そして、
“PI”によってもたらされる“環境”の変化は電源にこれほどこだわってきた方々
にも未知の可能性を提供したということなのである。

ギター一本の演奏で感じられたことは課題曲の各々を聴く前に私は変化の方向性と
あり方を推測出来るようになっていた。

マーラー交響曲第一番「巨人」
「これは過去最高の出来栄えだ!!ホールエコーがオーケストラを包み込んでいると
 いう感じが“PI”を使ってからわかるようになって来たぞ!!」

「Pure The essence of Music」
「ステージの二人にスポットライトが当たり、背景の照明を落としたらデュオの
 二人の姿が中空に浮かぶように錯覚してしまった!! エコー感と微小ノイズを
 根気よくふるいにかけたように余韻感が鮮明になるって凄いです!!」

Sara K.の Turned My Upside Downでも驚きが先立つ!!
「ハスキーヴォイスだから…と思っていたSara K.のヴォーカルがこんなに繊細な
 ニュアンスを含んでいたなんて“PI”を使うまでは何だったのか!?」

諏訪内晶子では…
「左右のNEOを結ぶ直線状で演奏していた彼女が、何と私の方に数歩近寄ってきた
 ように浮き上がって聴こえるのはなぜ!? でも“PI”が彼女との距離感を縮めて
 くれたのはうれしい限りだ!!」

ワレリー・ゲルギエフのゴパックは…
「このオーケストラを4chでも聴いたことがあるけど、2chで何でこんなに遠近感を
 感じるようになったのか? そうだ“PI”+“Pケーブル”になってからだよ!!」

                 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

私はここでも過去に相当数のオーナーを誕生させたAC DOMINUSと比較しての良し
悪しを語るようなことはしたくない。ただ、感じた変化をそのままに言葉にした
だけである。しかし、“PI”+“Pケーブル”が聴かせてくれる変化はAC DOMINUS
だけでは得られなかった領域のものであることは確かだろう。

そして、その裏づけと確認を皆様お一人ずつにして頂くことが“PEIP Club”の
皆様に対する最高のbefore serviceではないかと考えているものです。

演奏に美しさを求める人にも、力強さを求める人にも、そして演奏者と同じ時空間
にいるという錯覚を求めたい人々に“PEIP”デバイスが間違いなく貢献することで
しょう!!

さあ、これからは“PEIP Club”が一挙に拡大してくれることを願うのみです!!


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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