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H.A.L.担当 川又利明
    
2020年10月1日 No.1623
 新企画⇒New Original product release - Y'Acoustic System Ta.Qu.To-BNC

- Y'Acoustic System Ta.Qu.To-SPL & XLR -特設サイトは下記にてご覧下さい。
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/yas/spl.html

スピーカーケーブルやインターコネクトケーブルとアナログ系のシグナルパスを
Ta.Qu.Toケーブルにて統一していった進化の過程はH.A.L.リファレンスとして
私が納得し満足するだけの高レベルであることは上記サイトで述べてきたものです。

同一設計者による同一思想での音作り、このこだわりが次に向かうところを私は
デジタルケーブルではないかと想像していたのですが、吉崎さんには更にもう
一段階のこだわりがあったということで次のコメントがありました。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

以前にもお話ししましたが、なぜAESからじゃなくてニッチなBNCから開発したかですが…、

最初はAESを開発していたのですが、クロックケーブルの影響が大きく最良のAESを作るには、
まず最良のクロックケーブルを…と言う流れからBNCの開発に着手いたしました。

クロックを使わずに、AESケーブル単体でも勿論開発は可能なのですが、クロックを
入れていないAESでは、最高のAESは作れないという拘りからBNCを先に開発致しました。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

という流れから、またまた私に送られてきた試作品は段階を追って結局は五種類。
各々の試作品の微妙な音質的性格を分析し、私がこれだ!という音質にたどり着きました!

もちろん他のTa.Qu.Toケーブルで指標としてきた、ケーブルによって音像が肥大化し
音場感が縮小する事を完全否定し、その逆で音像は限りなく凝縮され鮮明に、そして
音場感は限りなく広大な拡散と展開を目指すという方向性に妥協はありません。

そして、今回自信をもって究極のマスタークロック用BNCケーブルが誕生したのです!
https://www.dynamicaudio.jp/s/20200929164642.jpg

さて、今回の開発において吉崎さんは先ず導体の選択からやり直したのでした。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

今回、デジタル&クロックに最適な素線を色々と1から探して実験しましたところ
今までの錫メッキ撚線では無く、結果として…
ムンドルフのSilverGold-wire 1,5mm(15.5AWG単線) の裸線を採用致しました。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20200929164405.pdf

4Nシルバー99%+4Nゴールド1%の合金です(かなり高いです)
この裸線に、シルク被覆をしてPFAスリーブをした物が信号線となります。

BNCは通常、芯線と外側のシールド部をグランドとする同軸構造になっておりますが、
音質を追求した結果、グランド用の銅単線も同軸内に入っております。

EMIシールドもグランドに繋がっておりますので、特性インピーダンスも規定内に
収まっております。10MHzだけでなく、5.6MHz〜22.5MHzまで問題ございません。
因みに、音像のコントロールは、SPLやXLRとは違う方法で行っております。

一応、何時もの内部構造図は作りましたが…一般的な同軸ケーブルから逸脱してるので、
公開するかどうかは、川又さんにお任せ致します。

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吉崎さんは今回のBNCケーブルに関しては内部構造の公開が技術的論戦になった際に
理解を求める必要性が高くなると躊躇されたようですが、何のことはありません!

私は長時間の試聴の末に独自の構造ではありますが音質本位という取り組みにより、
H.A.L.レベルでの音質検証によって十分に、いや自信をもって推薦できるレベルで
あると断言できましたので、下記にて前記に紹介した高価な導体を駆使しての内部
構造を公開することに致しました。

■Y'Acoustic System Ta.Qu.To-BNC断面・内部構造図
https://www.dynamicaudio.jp/s/20200929164431.jpg

そして、熟慮の上で極力お求めやすくと設定した気になるプライスは下記にて!

■Ta.Qu.To-BNC 完全受注生産 / 納期は受注後約一か月程度

1.0m 税別¥300,000. / 1piece  1.5m 税別¥350,000. / 1piece

2.0m 税別¥400,000. / 1piece    0.5m追加ごとに+¥50,000.にて特注可能


さて、このTa.Qu.To-BNCの音質評価は二段階で行うことにしました。なぜか…

H.A.L.'s One point impression!! - Soulnote S-3 vs ESOTERIC K-03XD
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1621.html

それは上記のインプレッションで述べているように1ボディタイプのディスク
プレーヤーにおいて、たった1本だけのBNCケーブルによって起こる変化を観察し
評価する事。

そして、次の段階でESOTERIC Grandioso P1X+D1X+G1という最上位モデルにて
3本のクロック用BNCケーブルまで拡大し、H.A.L.リファレンスシステムにより
さらに上位のクォリティーを体感してみたいという私の好奇心による欲張りな
評価過程を実行しようと思ったからです。では、先ず最初の検証システムです!

H.A.L.'s Sound Recipe / Y'Acoustic System Ta.Qu.To-BNC inspection system Vol.1
https://www.dynamicaudio.jp/s/20200928171407.pdf

各種ケーブルの音質評価のパラメーターで、この項目ならこの曲を、このポイントなら
この演奏個所を、という評価項目ごとの選曲は確かにあります。

私は経験上で多数の項目をチェックするのにふさわしい選曲というノウハウを持って
いるものと自負していますが、Ta.Qu.To-BNCの開発に当たり実に多くの選曲で試聴
してきましたが、チューニング前後の比較試聴という吉崎さんとの音のキャッチ
ボールの最終段階で使用したディスクは以前にも使用したこれでした。(一部引用)

Kirkelig Kulturverksted  30 years’ fidelity
http://kkv.no/en/musikk/utgivelser/2000-2009/2004/divers/

Kirkelig Kulturverksted(KKV)は、1974年にErik Hillestadによって設立された
ノルウェーの会社兼レコードレーベルです。

私がこのディスクを初めて紹介したのは2004.11.27-No.1007-での配信でした。
この当時からハードウエアだけでなくハルズサークルでは優秀な音楽ソフトも
提供していたものです。その一節を引用しますと…

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/「Only H.A.L.'s Circle member's limited sale!!」

今年6月に行った同企画においてもたくさんのご注文を頂き本当にありがとうございました。
皆様のコレクションに魅力的でありレアなディスクが増えたということで喜んで頂けた様子でした。
さて、今回は音楽の趣味がどのような好みの皆様にも楽しんで頂けるであろうという
私の推薦盤の限定販売のお知らせです。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

まず最初にご紹介するのは世界一長いレーベル名のこれです(笑)
http://www.kkv.no/
kirkelig Kulturverksted(シルケリグ・クルチュールヴェルクスタ)という大変
長い名前のノルウェーのレーベルです。「教会の文化工房」という意味です。

私も10年ほど前から知っているレーベルであり、この試聴室にも何枚もディスク
をコレクションしています。その中でも「これは!!」というものを絞り込んで
皆様にご紹介いたします。

(1)Thirty Years’Fidelity   ハルズサークル価格 税込み¥3,500.

文字通り同社の30周年記念コンピレーション・アルバムです。
Mortensrud churchというモダンデザインの建築を様々な構図と編集で40ページ
以上の見事な写真集としてセンスの良いジャケットになっています。

同レーベルの中心的なアーチストの名曲を15曲収録しており、大変鮮明な録音の
楽音とヴォーカルの質感、そして私がコンポーネントの分析で音像とフォーカス
イメージを絞り込んで更に音場感をかもし出すというチェックポイントを多数
含んでいる録音です。

教会で録音されたものをじっくりとミックスし、マスタリングを入念に行うことで
現行CDの規格でありながらゆったりとして高品位な音場感が収録されている。

特に私は3.7.8.14トラックの演奏には他にはない魅力を感じており、ヴォーカルが
空間に浮かぶということを知り尽くした録音技術を賞賛したい。

15トラックではなんと、アランフェス交響曲のおなじみのメロディーを教会で
ピアノとチェロがすこぶるつきの美しさで演奏しているからたまらない。
時間が許せば全曲を聴きながらレポートしたいところだが、残念だ。

                                引用終了

ということで、今から15年前のことでした。一口で言うと相応のオーディオシステムで
このディスクを聴くとハイレゾという言葉は全く不要と思えてしまう素晴らしさなのです。

曲名はノルウェーの言語なので私は発音出来ませんが、15年前にはなかった同社の情報が
現在ではwebで集められますので、下記の選曲の参考として関連リンクを貼り付けました。

クラシックでもジャズでもない、ロックやポップスでもない、このKKVのアルバムで
私はTa.Qu.To-BNCの完成度と素晴らしさを確認していったのです!

上記の試聴システムでも記載していますが、現在当フロアーで使用しているBNCケーブルは
最新型ではなくESOTERIC 7N-DA6100III BNC1.0m にて一世代前の製品となります。
https://www.esoteric.jp/jp/product/7n-da6100iii_mexcel/top

そして、キーワードとしては前記Soulnote vs ESOTERICで述べたこれです!

■ここで結論を言いましょう! ESOTERICは三角形、Soulnoteは台形です!

最初にESOTERIC 7N-DA6100IIIで聴きTa.Qu.To-BNCに切り替えていきました。すると…


7. Som En Storm, O Hellig And - Ole Paus & Oslo Chamber Choir
https://www.youtube.com/watch?v=9CJBropx7SE

ちょっと調べてみると、このOle Pausはスウェーデンとノルウェーのバラードの
伝統におけるノルウェーの吟遊詩人であり、作家、詩人、俳優とのこと。

彼はノルウェーで最も人気のあるシンガーソングライターの一人と考えられ、
ボブ・ディランに相当するノルウェー人であり「国民の声」と言われていという。

この曲の冒頭は大変美しいオスロ室内合唱団による合唱から始まります。そして、
この混声合唱が始まった瞬間に私の口は半分開き、声にならないほ〜というため息が…。

「なんという美しさなんだ! この透明感溢れる歌声が広がっていく空間と余韻の素晴らしさ!」

ノルウェー語でSom En Stormとは「嵐のように」という意味らしいのだが、その嵐の
前の静けさを歌ったらこうなるのだろうかと思ってしまうほどの清々しいコーラス!

このコーラスの音場感そのものがSoulnote S-3でもESOTERIC K-03XDにおいても
素晴らしく拡大し展開するのにまず驚きました!

もうこれだけでTa.Qu.To-BNCのこだわりの導体と独自の構造の恩恵というものが実感される!

そして、左右チャンネルに二本のギターが軽やかにカッティングを刻むリズムが入り、
センターにはウッドベースが登場する。ここです!

センター定位のベースは膨らまず広がらず極めて鮮明な輪郭を描くのだから堪らない。
そして、そのペースの定位は同じくするが更に遠方の上の空間からサックスが登場する。

このサックスは十分にウェットな質感を保ち、正に点音源と指さすことが出来るような
引き締まった音像から呆れるほど広大な音場感の広がりをもって展開する。

そんな楽音の舞台装置が揃ったところでOle Pausの渋いヴォイスが出現する!

歌うでもなくラップのように叫ぶでもなく、しっとりとしながらグルーブ感のある
ヴォイスが正に吟遊詩人として語り掛けてくるリアルさに背中がぶるっとする!

何より一般的なヴォーカルのようにリバーブが一切ないという肉声なので、
音像の凝縮感は圧倒的に鮮明にチェックされるのが選曲の理由だったのです!

知らぬ間にOle Pausの背後にはオルガンが表れ、長いトーンの合間に細かい音符を挟み、
ギターとベースの背景に風に揺らぐ音響カーテン、いや、オーロラのように煌めき
揺れる響きの背景を形成する。これがまた素晴らしい!

二本のギターはヴォイスの合間に交互にスリリングな見せ場を作り、間奏での
サックスを再度迎え入れ、リードのバイブレーションをたなびかせるサックスとの
連携において、あたかも教会という豊かな響きの空間で吹いているような美しい
音場感を私の眼前に展開していった! この音場感はいったい何なんだ!

Ta.Qu.To-ケーブルの真骨頂である音像のコントロールと、相反するような無制限の
音場感の拡張性がたった一本のBNCケーブルでもたらされるとは何たることか!

youtubeでパソコンのスピーカーで聴いている皆さんには想像も出来ないハイエンド
オーディオの極みとも言いたい演奏空間にしびれていると、オスロ室内合唱団の
コーラスが冒頭の主題をもう一度繰り返し、その厳かな響きが数秒間私の頭の中に
余韻のリフレインを残して幕を閉じる! いや〜、これには震えました!!

Soulnote S-3とESOTERIC K-03XDの両者ともに台形と三角形という音像フォーカスの
サイズ感はそのままに展開される新たな可能性の素晴らしさに脱帽し感動する!


10. Mitt Hjerte Alltid Vanker - SKRUK / Rim Banna
https://www.youtube.com/watch?v=42fIQbjp3bY

SKRUKは1973年に設立されたノルウェーの合唱団で、指揮者のPer Oddvar Hildreと
共に現在まで広範囲な活動をしている。Rim Bannaはパレスチナの歌手、作曲家。
この曲も、くれぐれもパソコンのスピーカーで聴いて誤解なさらないように(笑)

Rim Bannaが登場するのは冒頭の一分間だけ。しかし、このソロバートが凄い!
伴奏はウッドベースだけ。それも、わずかにそっと弦に触れるだけという弱音の
ピッチカートでヴォーカルに寄り添うような低音の起伏を響かせる。

このRim Bannaのソロヴォーカルが聴かせる音像の忠実さ克明さという描写力に驚く!
同時に彼女の歌声によってスピーカーの周辺に出現するサウンドステージの素晴らしさ!

それはヴォーカルの質感に先ずは安定した艶やかさと滑らかさが感じられるという
基本構造の上に成り立っていて、ここで強くTa.Qu.To-BNCの素晴らしい解像度アップ
効果が人間の声をここまでリアルに浮き上がらせるのかという発見に言葉を失う! いい!!

一分後にセンターからアフリカ系パーカッションの乾いた打音が出現し、同時に
右チャンネルからは一定間隔で鳴らされる鈴の音が幻想的な空間を醸し出す。

このパーカッションも台形と三角形という音像サイズの評価通りに観察され、
更にTa.Qu.To-BNCによってヴォーカルの質感に潤いが加わり、響きの階層が
追加されているという空中にたなびく余韻感の美しさに嫉妬する! これいいです!

その辺からベースは低音階のピッチカートで存在感を示し始め、先ずはSKRUKの
男声合唱が重厚なベールを思わせるハーモニーで湧き上がってくる。ここがいい!!

幾重にも重なるコーラスはパートごとの分解能を理路整然と示し、センター右寄りの
中空に極めて鮮明であり美しいピアノが登場する。このピアノの質感は絶妙な立体感と
ともに、まさに空間を転がるように一鍵ずつの打音の連続と、その瞬間から放出される
透明感抜群の響きの連鎖を展開していく。これは見事! ピアノの一弦にも台形と三角形
という音像サイズが確認できるが、Ta.Qu.To-BNCによって更に長い余韻が引き出された!

ゆったりした男性合唱が招き寄せるように女性コーラスが登場し、youtubeでも分かる
バラード調の旋律が上品なうねりを伴って重なり合っていく。素晴らしいです!

右チャンネル寄りのピアノが儚なげなメロディーを奏でていると、左チャンネル寄りの
後方から女性ソプラノが立ち上がり清涼感溢れるみずみずしい歌声を披露してくる。

伴奏楽器はシンプルであるが繰り広げられるコーラスの響きの階層は美しい連なりを見せ、
それを縫い上げるようにピアノの美音が演奏空間を引き締めながら、しっとりと幕を下ろす。

たった一本のTa.Qu.To-BNCによって新たに創造された美的空間の醍醐味に、
演奏が終わった後も数秒間、私は動けなかったことにハッと気づく!

Y'Acoustic System Ta.Qu.To-BNC、やってくれました! 今回も!

H.A.L.'s One point impression!! - ESOTERIC Grandioso C1X
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1612.html

私の好奇心は早くもTa.Qu.To-BNCを三本使い、ESOTERIC Grandioso G1+P1X+D1Xに
よって出力されたアナログ信号が、更にGrandioso C1XまでES-LINK Analogにより
最高レベルで伝送されHIRO Acousticを鳴らしたら一体どんな世界が開けるのか!

今日は我慢しよう…、お楽しみはこの次に。
続報にご期待下さい!

そして、ハルズサークル会員限定企画にも下記のように新規エントリー致します。
先ずはハルズサークルのご入会をお薦め致します。
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/circle.html

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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