発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明
    
2016年1月11日 No.1275
H.A.L.'s One point impression!!-Bergmann Sindre System & Octave Jubilee
アナログディスクがこんなにも魅力的だったという新発見が↓これでした。

H.A.L.'s One point impression!!-Bergmann Magneの快感!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1268.html

その最後に次の一節を述べていました。

「本当に、本当に魅力的な音。セクシーな音、艶やかで滑らかな音。
 LPレコードのコレクションを手放さなかった幸福を感じている私だった!!

 さあ、どうしよう!?
 http://www.bergmannaudio.com/products/turntables/sindre_system
 BergmannのラインアップではMagneの上にSindre Systemがあるではないか!!」

Magne Systemでも素晴らしい感動をもたらしてくれたのに上級機のSindre Systemでは
果たしてどのような可能性と魅力を秘めているのだろうか…、という好奇心が渦巻き、
何とか聴けないものだろうかという願いが届いたものか、やってきました!!

■ターンテーブルを支持するボディーも重厚になり貫禄さえあります!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/20151226-Sindre.04.jpg

■プラッターはアルミではなく分厚いアクリル製です。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20151226-Sindre.01.jpg

■コントロールは別ユニットにて行う仕様となっています。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20151226-Sindre.02.jpg

■カートリッジはMy Sonic Lab Signature Goldを装備。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20151226-Sindre.03.jpg

あの艶やかで滑らかなアナログサウンドを前回はESOTERIC  Grandioso C1&M1と
いう極めつけの解像度と駆動力のアンプで体験したものでしたが、実に絶妙な
タイミングでOctave Jubileeとのコンビネーションで聴けるという幸運に恵まれた!!

http://www.dynamicaudio.jp/file/20151226-P1020874.JPG
http://www.dynamicaudio.jp/file/20151226-P1020875.JPG
400W/chにパワーアップされさらに進化したOctave Jubilee Mono SEです!!
http://www.fuhlen.jp/octave/products/jubileemono_se.html

http://www.dynamicaudio.jp/file/20151226-P1020877.JPG
http://www.dynamicaudio.jp/file/20151226-P1020880.JPG
プリアンプ当然Octave Jubilee Preで決めました!!
http://www.fuhlen.jp/octave/products/jubileepreamp.html

千載一遇のチャンスとなったシステム構成は下記をご覧下さい。

◇ H.A.L.'s Sound Recipe / Bergmann Sindre System & Octave Jubilee-inspection system ◇

………………………………………………………………………………
Bergmann Sindre System(予価・税別¥2,500,000.)
http://www.bergmannaudio.com/products/turntables/sindre_system
http://www.axiss.co.jp/brand/bergmann/bergmann/
     with
My Sonic Lab Signature Gold(税別¥650,000.)
http://www.mysonic.jp/
     and
finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
EINSTEIN The Turntable's Choice II(税別¥850,000.)
http://stella-inc.com/03einstein/page/The%20Turntables%20Choice%20II_pict.html
          and
TRANSPARENT PLMM2X+PI8 (税別¥770,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Vitus Audio-Andromeda Interconnect cable XLR 1.5m(税別¥1,070,000.)
http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Octave The Jubilee preamp(税別¥4,000,000.)
http://www.fuhlen.jp/octave/products/jubileepreamp.html
     and
TRANSPARENT PLMM2X+PI8 (税別¥770,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Vitus Audio-Andromeda Interconnect cable XLR 7.0m(税別¥3,490,000.)
http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Octave Jubilee Mono SE(税別¥11,000,000.)
http://www.fuhlen.jp/octave/products/jubileemono_se.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Vitus Audio-Andromeda Speaker cable 3.0m(税別¥2,120,000.)
http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html
     and
ZenSati	Seraphim/Speaker cable 3.0m(税別¥4,704,000.)
http://www.zensati.com/
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html 

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improved (1Pair ¥14,250,000.)
http://www.hiro-ac.jp/
     and
H.A.L.'s B-Board×2 (1枚/税別・配送費込み¥122,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html
「特報!!HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improvedとはこれだ!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1199.html
ここに紹介した下記の二枚の写真でImprovedモデルとスピーカー本体とネット
ワークボックスをセットしたのがB-Board
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150306-model-ccs_improved01.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150306-model-ccs_improved02.jpg
………………………………………………………………………………

新年早々に実に素晴らしい組み合わせでの試聴が出来ました。本当に久しぶりに
LPレコードのコレクションを聴き直し、じっくりと音楽を楽しみました!!

どうも私の性分としてアナログレコードを聴いていると、分析的試聴よりも音楽
そのものを楽しんでしまうので、変化要因が多数あるアナログ再生に関しては
各論で物事を語るのが難しいところがあります。

ピックアップ・カートリッジ、トーンアーム、ターンテーブルシート、駆動系、
カートリッジとトーンアームの各種調整ポイント、スタビライザーから果ては
レコードクリーナーに至る多様な音質変化の要素を知っているだけに、どこかに
焦点を合わせて各論を述べるときりがないという思いがあります。

そんな経験則のある私は、先ずは聴いてみて自分の感性で合格点を出してしまうと、
あとは存分に楽しみたいという欲求が先立ってしまうようです。これを前置きと
して、今回は先ずHIRO Acousticとの相性から、Octaveの最新型Jubileeシリーズ
そのものに対する検証をしてみなければと、当フロアーのリファレンスである
dCS VivaldiシリーズにAbendrot Audio STUTEという最強のマスタークロックを
使用してのCDによる再生からスタートしました。

Vivaldi Transportからの出力はDSDモードとしておき、後程アナログ再生と比較
する際に原理的に近いアップサンプリングで通常CDとの比較を考慮しての事です。

そこで、大変都合の良いアナログ・ディスクの新譜が手に入りました。これです!!

UNCOMPRESSED WORLD VOL.2.AUDIOPHILE FEMALE VOICESの重量級・高音質アナログ
レコード(二枚組)の公式ファイルを早速ご紹介しましょう!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/20160106-UncompressedWorldVol2.pdf
http://www.dynamicaudio.jp/file/20160106-DV-Booklet-lr.pdf

このディスクは当然のことながら以前から当フロアーにCDがありましたので、
最強のCDプレーヤーで聴き、その後にLPレコードを聴くことにしました。

このディスクの特徴として、先ずは女性ヴォーカルの録音に関してリヴァーヴや
イフェクターなどを極力使用しない非常にシンプルで素直な音質で収録されていること。
であるからこそ、シンガーの個性が各トラックごとに大変鮮明に感じ取ることが
出来るものであり、女性ヴォーカルのテストソースとしてもってこいの素材です。

そして、伴奏楽器がほとんどの曲でピアノ、ギター、パーカッション、ドラムなど
アコースティックな楽器が多く、一部でエレキベースやキーボードが使われますが、
楽器の質感が大変自然であり、誇張感のない素直な録音という事も評価に値します。

その中で私が注目している曲があります。2トラック目に収録されているAndrea
Zonnのヴォーカルによる「BETTER BE HOME SOON」という曲です。伴奏には珍しく
小規模な弦楽器アンサンブルが加わっていますが、ピアノとギターとパーカッションと
いう本当にピュア・アコースティックな演奏で空気感が良く録られています。

また、恐らくはタブラの一種のような一枚ヘッドの低音打楽器が冒頭から最後まで
印象的なリズムを叩いており、多分100Hzを下回る非常に低い周波数の打楽器の
再現性に注目してしまうのです。

今までに多数のシステムで聴きましたが、先ずスピーカーの低域再生の個性によって
この低音の表現が本当に大きく変化することです。ウーファーユニットの数、
密閉型かバスレフか、などの設計の違いにより正に千変万化の変化がスピーカーに
よって表れるのです。

あるスピーカーでは室内の空気を全て低音で満たしてしまう程のボリューム感で、
あるものでは左右スピーカーの中間に留まるサイズで、ブレーキがかかるタイプと
伸びやかに残響を残すタイプなどなど、それはハイファイ再生と言いながらも
スピーカーが一種の楽器のように感じられるほどに低音の量感・質感が異なって
聴こえる独特の録音と言えます。

しかし、スピーカーの数だけ低音の種類があるというオーディオシステムの再生音
において、HIRO Acousticの叩き出す低音の素晴らしさに私は究極的な信頼感を
持っているのです。そのHIRO Acousticにどのような低音を響かせるのかがアンプとの
コンビネーションによって、私が最も注目しているテスト項目と言えるのです。

先ずは、最高峰のCDプレーヤーシステムでこの曲をHIRO Acousticで聴くことに!

「おー!!これですよこれ!!ぐっと沈み込む重量感を湛えつつ、位相がずれた低域
 を引きずるように残すことがない低域!!ピンと張り詰めたテンションが低音の
 解像度を高め、打音の立ち上がりから消滅までを極めて鮮明に描き出すのが
 HIRO Acousticだ」

私が数ある真空管アンプでOctaveを高く評価するところの第一要因がこれです。
低域を軸に多彩な楽音において私が与える賛辞とは“真空管らしくない音”なのです。

ゆったりとした大き目サイズの音像表現で、隣り合う音像がオーバーラップする
ような再現性を雰囲気ある特徴と美化するのは良いのですが、私は受け入れられません。
茫洋として緊張感の欠如した、ただゆったりとした音像には欲求不満を感じてしまうのです。

楽音の音像が重複したり輪郭がきっちりと描けないと遠近感も感じられません。
雰囲気を醸し出しているのは果たして録音に含まれる余韻感なのかどうか、そんな
疑いを持ってしまうアンプに関しては近代的なスピーカーにマッチしないだろう
というのが私の考えです。しかし、この点で最初からOctaveは違いました。

もう既に10年近く前の事ですが、初代のJubilee Monoを聴いた時から変わらぬ
Octaveの特徴がHIRO Acousticとペアを組んだことで再確認できたのです!!

トーンアームのレゾナンスによって影響を受けないデジタル再生の強みは、この
ような低域の再現性に関して100Hzからサブソニックに至るまでの超低域まで
フラットレスポンスで聴かせてくれることでしょう。

もちろん、80KHzという真空管アンプとしては考えられなかった超広帯域再生を
可能にしてしまったOctaveならではのレンジ感が素晴らしく、低域だけでなく
ギターやヴァイオリンの質感にも多彩な彩りと情報量をもたらすのは必至のこと。

それが女性ヴォーカルの瑞々しい歌声と自然な質感の提示に大きく関わっている
ことが聴き進むうちに証明されてくる安心感。HIRO Acousticとのマッチングは
正にAクラスであり、両社の素晴らしさが絶妙に発揮される演奏が続きます!!
Octaveの創始者であるAndreas Hofmannにぜひ聴かせたい素晴らしい巡り合いです!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

先ずはOctaveとHIRO Acousticとのマッチングを確認したところで、まったく同じ
音源をアナログレコード化した同じ曲を聴いてみることに。

しかも、Bergmann Sindre Systemという本邦初公開のプレーヤーシステムに抱く
私の期待感の大きさについては、当然Magne Systemの上を行くものとして疑う
ところは何もなし。以前に感じ取ったBergmannの素晴らしさを前提に、手をかざすと
リニアトラッキングアームの上に噴き出すエアを感じながら針を落とした!!

「おー!!この低域…アナログの方が重量感があり味わいがある。デジタル再生での
 低域は二色刷りのモノトーンでくっきり鮮明であったが、Bergmannの低域は
 四色刷りくらいの多彩な音色が含まれている!!これはどうしたことか!!」

トーンアームのレゾナンスによってアナログ再生では低域の再生音に限界がある
という事は、サブソニック帯域では音にならないという理屈を述べたもの。

つまり、レコードの反りによって上下動するカートリッジの挙動を推察すると、
超低域の信号は発電原理の宿命から電気信号として取り出すことが難しいという
要素があるということなのです。

そして、カートリッジのコンプライアンス、言い換えれば針圧の大小によって異なる
カンチレバーの初動感度とも言える、波長の長い低周波の正確なピックアップが
なかなかに難しいということです。下記など参考になればと思います。

第十話 「天使(“A"ngel)の謀りごとと悪魔(“D"evil)の真実」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto10.html

バックの伴奏楽器にも同様な色香が感じられる。ギターの爪弾きは中間色の音色が
まといつき響きのグラデーションが多層化している。これは美しい!!

何気なくリズムを刻むパーカッションの切れ味はCD並みに研ぎ澄まされ、
アナログは雰囲気はあれど甘口な音色という先入観は瞬間にして払拭される。

小編成の弦楽器が背後に沸き起こってくると、その色付けのない質素とも言える
質感に思わず共感する。そうだ!! ヴァイオリンの音色というのは摩擦感があって
こそのもので、スタジオワークでリヴァーヴを覆いかぶせた楽音では決してない
ということを録音センスとして主張する。

いや〜、実にシンプルながらピアノの質感にも同様な傾向があり、故意に響きを
増長させるような録音ではなく、あるべき残響を程よく空間に広げていくピアノ
に心地よい好感を持つ。

そして、伴奏楽器の質感の素直さに聞き惚れていると、バックコーラスを従えた
Andrea Zonnのヴォーカルに、虚飾を排した歌声の自然さ素直さに不思議な安堵感を
覚えてしまうのがアナログらしさなのだろうか。

そして、特筆すべきはMagne Systemでも述べた音像のコンパクトさと、その周囲
の空間に拡散していく余韻感の美しさだ。当然のことながらSindre Systemにおいても
その特徴に更に磨きがかかり、あたかもCDのような…、いや、CDよりもヴォーカルの
音像の横幅は小さいかもしれないと感じさせるリニアトラッキングアームの真骨頂を
センターに定位するヴォーカルで確認できる。しかし、これはいい!!

同じ音源によるアナログとデジタルの比較試聴にしばしの時間を使ってしまったが、
当然のことながら前回のMagne Systemで試聴したレコードを次から次へと聴いた。

ESOTERICの近代的なアンプで受けた印象は真空管を使用したOctaveにおいても、
管球式における近代化を果たし解像度とS/Nの素晴らしさという主項目はまったく
同様なレベルであり、極上のアナログサウンドをHIRO Acousticにもたらしている!!

40年前に購入したLPレコードが今になって、こんな素晴らしい音質で聴けるという
ことは私にとってかけがえのない喜びとなった!!ずっと聴き続けていたい!!


担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

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