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H.A.L.担当 川又利明

No.1190 2015年1月26日
 「素晴らしいオーケストラと音場感Genesis G2.2jrは聴くべきです!!」

「国内唯一の展示導入決定!!あのGenesis最新モデルがH.A.L.に登場!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1080.html

「遂にやってきました!!Genesis G2.2jrの偉容は音質も表している!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1086.html

上記でもご紹介しているGenesis G2.2jrは最近特に素晴らしく熟成しました!!
Genesisの最大の特徴でもある低域のサーボコントロールに関して、私は更に
チューニングを行い、下記リンクのような設定に落ち着いてきました。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150125-genesis01.jpg

BASS GAINのダイヤル数値は目安であり出力音圧レベルなどの指標とは無関係。
LOW PASSは具体的な周波数が記されていますが、ここがポイントになります。

MID RANGEは低域の量感とのつなぎが重要なので私は迷わずHighに設定。
TWEETERはジャストセンターのMidが標準ですが、曲によっては写真のように
わずかに増量させています。少し明るめのオーケストラであればこのくらいで。

私の時代に運転免許を取得した方であれば、マニュアルの車ではクラッチと
アクセルの関係を思い出すことが出来るでしょう。その感覚で例えればBASS 
GAINとLOW PASSのチューニングの秘訣を説明しやすいというもの。

というのは、この両者を同時に踏み込んではいけない、また同時にペダルから
足を離してはいけないということでしょうか。

つまり、BASS GAINとLOW PASSを同時に右回転で増加させる方向だと低域が
出過ぎてしまいます。逆に両方を同時に左回転で低下させると低域は明らかに
不足してしまう事になります。

そして、LOW PASSの周波数を上げたらBASS GAINを下げる、BASS GAINを上げたい
のであればLOW PASSの周波数を下げるというバランス感覚が重要な事なのです。

私はどのスピーカーでもオーケストラからジャズ、ポップスまで、ホール録音
からスタジオ録音の全てにおいてバランスをとるようにしていますので、何度も
試聴を繰り返した結果このような角度の設定になりました。

オーケストラの低域の量感だけに合わせてしまうと、スタジオ録音での低域は
出過ぎてしまいます。ジャズ、ポップスの低域をタイトに再現しようとすると
今度はオーケストラの低音の豊かさが減じられてしまいます。

低域の解像度を保ったままで重量感を損なわないチューニングがなされれば、
サーボコントロールの低域の緻密さとダイナミックさが両立するのです!!

最近お気に入りのエニグマのデビューアルバム『サッドネス(永遠の謎)』
(原題:MCMXC a.D.)をじっくりと聴いていました。
http://www.universal-music.co.jp/enigma/biography
https://www.youtube.com/watch?v=SUyyyMO00Co

民族音楽やグレゴリオ聖歌、カンタータなどの古典音楽を多種多様な楽器を
用いながらダンスビートで融合したサウンドが特徴のグループです。

もう15年も前のアルバムですが、私はちっとも古さを感じません。
個人的な音楽の趣味を述べることはあまりない私ですが、オーディオ製品を
試聴する目的での選曲と自分の好きな音楽を楽しみたいという選曲とは少し
異なる趣があると思います。

上記のエニグマのデビューより更に10年前の事、Andreas Vollenweiderが
初アルバムを発表しましたが、今でも私のコレクションとしてここにあります。
試聴ではなく私が楽しみたい音楽としてご紹介致しました。
http://www.vollenweider.com/en/

こんな幻想的でありながらリズムセクションの鮮明さとビートの利いた音楽は
私の個人的な好みとして楽しむための選曲です。

アーニー・ヌデール氏がインフィニティーの次に創立させたブランドGenesisは
コンサートホールでの臨場感を追求したものでした。下記は参考まで。

「続・箱の音を追放した旧約聖書」 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto34.html

上記のenigmaにしてもAndreas Vollenweiderでも実は録音手法に共通項がある
と私は考えています。それは多種多様な楽器を用いながらも、それらの演奏を
提示する空間表現に関してホール録音のような雄大さと余韻の深さ、奥行き感
が全て同居する音楽性を持っているということなのです。

this is voics of enigma…という女性のナレーションからスタートすると、
間もなく強靭なダンスビートのドラムが展開します。サーボコントロールの
素晴らしさは振動板の位置と速度を検出しながら入力信号波形と比較して
サーボをかけていくというアクティブな低域再生法ですが、他のスピーカーで
あれば、ともすればブーミーになってしまう低域が見事に引き締まって再生
されるのです!!

以前に何回も述べてきた事ですが、インライン状に多数のユニットを配置した
スピーカーは水平方向の拡散性が良く指向性が大変広角度に拡張されます。

そして、振動面積が多いと各ユニットの振幅がわずかで音量感を維持できるので、
歪感の低減に大きく貢献します。冒頭のナレーションからして生々しい声質、
高い音階のパーカッションの輝きと自然な潤いを含んだ音場感の素晴らしさ!!

オーケストラの臨場感を目指したスピーカーというのは開発者の理想ではあった
と思うのですが、積年の開発努力によってスタジオ録音の解像度の素晴らしさ
と空間再現性の見事な両立がGenesisのサウンドを近代化させた事は間違いなし!!
そして、原点回帰という思いでオーケストラを聴き直します。

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章  小澤征爾/ボストン交響楽団

あ〜、何と言う美しい弦楽器であることか。バイポーラ・リボン型ミッドレンジが
後方にも同じ音波を放射しているが、特徴的な円形リボン型トゥイーターも
リアに三個配置され同様に後方にも高域を放射している。

上記のスタジオ録音でも見事な空間表現をしていたが、オーケストラでは更に
本領発揮してリアルなステージ感を眼前に展開させる。これが素晴らしい!!

木管楽器が中空に点在し、金管楽器の力強い響きに微塵のにじみもストレスも
ない爽快な再生音がGenesis G2.2jrの魅力だ!!

しなやかに流れるような弦楽器の美しさ、爽やかな管楽器の響き、それらが
立体的な描写力で演奏空間に聴き手を誘う自然な説得力に私は舌を巻いた!!
Genesis G2.2jrは聴くべきです!!


担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

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