《H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report》


No.0379 - 2007/8/7

東京都文京区 M Y 様より

“Friday concert”Vol.28はこんな企画でした。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/516.html

更に今回のイベントを前にして私も色々とスピーカーケーブルを聴き込みました!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/517.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/518.html

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>

http://www.dynamicaudio.jp/file/070727/guest.jpg

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Vol.133「このOPUS MMとReference MMは傑出していて、それ以外のケーブルとの
      間には不連続面が存在している!!」

前回の投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0242.html

川又さん

金曜日は貴重な体験をさせていただきどうもありがとうございました。
これくらいの高価格帯のケーブルをまとめて比較試聴したことはなかったので、
よい経験になりました。

また、これは、というケーブルもあり、今後の楽しみと悩みが増えました。
下記に簡単な感想メモを書きましたのでお送りします。比較対象の選定と選曲が
的確だったおかげで大変わかりやすい試聴だったのですが、印象程度のメモに
なってしまいました。
また今後とも楽しく刺激的なFコンを楽しみにしています。

(1)Act1,2 同一メーカーにおける価格差による比較

1)KINBER KABLE KS3035 V.S. KS3038

くるみ割り人形のチェレスタの高音が特に比較しやすい。
KS3035に比較して、KS3038は明らかに高音が繊細できれいに聞こえる。エコー成
分がきちんと再生されるからか、エコーが長く、また細かい高音がパラパラと分
離して明確に耳に届く。結果としてより華やかな印象のくるみ割り人形になった。

2)TRANSPARENT Reference V.S. Reference MM

くるみ割り人形の比較では、ReferenceはKS3038と比べても地味な印象で、特に
高音は消え入りがちだったが、逆に低音はよく聞こえた。Reference MMは高音が
とてもきれいでシャープなイメージである。KS3038よりも音は重厚に感じた。

Simply BaroqueのBachでの比較では、Referenceは浅い、つまり音域の振れ幅が
狭く感じたのに対してReference MMは、とても深く、そしてクリアな音を聞かせ
てくれた。音自体にも締まりがあり、空間がとたんに広がっていき、これはコン
サートホールで聞く音であると思った。


(2)Act.3 同価格帯でのメーカー比較

スタジオ録音のトランペット、パーカッションで主に比較した。KS3035はトラン
ペットもややマットな音に聞こえる。Referenceはあまり印象に残らなかった
(メモもない)。


(3)Act.4

KIMBER KABLE KS-3038 V.S.
Nordost VALHALLA EXTREME REFERENCE V.S.
ESOTERIC 7N-S20000 MEXCEL

最も良かったのはESOTERICだった。パーカッションのエコーもきちんとあり、
音は最もクリアで素直な音の印象である。ただしピアノはややこもる感じがした。

次に良かったのはNordost。音はより落ち着いた、締まりのあるもので、今回使
用したGoldmundとの相性は良いのかもしれない。ピアノがよく聞こえたのと、
音に伸びやかさがある点が印象に残った。


(4)Act.5

JORMA PRIME Loudspeaker cable V.S.
Stealth Dream Speaker Cable V.S.
Nordost VALHALLA EXTREME REFERENCE V.S.
ESOTERIC 7N-S20000

冒頭の男声での比較がわかりやすかった。JORMA、Stealth、ESOTERICはそれぞれ
よく、甲乙付けがたかった。JORMAはエコーが強く、高音もよく再生してダイナ
ミックなイメージであるが、合唱はいまひとつだったのに対して、Stealthは合
唱がきれいである。ESOTERICはエコーもはっきりとあり、音が分離していてきれ
いに聞こえた。敢えて順番をつければ、印象の良い方から、ESOTERIC、JORMA、
Stealthの順である。


(5)Act.6

TRANSPARENT Reference MM V.S.
JORMA PRIME Loudspeaker cable V.S.
Stealth Dream Speaker Cable V.S.

ソプラノ、ハープ、オーケストラでの比較。Stealthはハープの音はきれいだが、
ソプラノはやや音が硬い。それに対して、JORMAはエコー感もあり、ソプラノは
とても潤いを感じさせる音でよかった。Reference MMは別格である。ハープも別
次元のきれいさ、ソプラノの潤い感、透明感は忘れがたい。


(6)Act.7

TRANSPARENT OPUS MM V.S.
TRANSPARENT Reference MM

混成合唱、サックス、男声での比較。Reference MMはやはり、どこまでも深く、
クリアな音を聞かせてくれて、聞き入ってしまった。それをOPUSに変えると、薄
絹一枚のベールが目の前にあったことを気づかされてしまった、という印象であ
った。いま自分がホールにいるかのように、広い空間の中に拡散していくエネル
ギーを感じることができる。手を伸ばしてそれに触れたくなる。その点でこの
OPUS MMとReference MMは傑出していて、それ以外のケーブルとの間には不連続
面が存在している、と思う。

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川又より

M Y 様ありがとうございました。的確なご指摘と分析をありがたく拝読させて頂き
ました。ケーブルに支えられているスピーカーやアンプということはありません。
ケーブルはコンポーネントの潜在能力を引き出してくれるだけです…、とは私が
以前から言い続けてきた言葉ですが、今回のエフコンでは見事にその事例が音質と
なって皆様に聴いて頂けたようでした。これはどういうことか…、皆様のシステム
にはどのような潜在能力があるのか、ということを探り出していく期待感と楽しみ
がまだまだあるということですね。今後のご検討をよろしくお願い致します(^^ゞ


HAL's Hearing Report