《H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report》


No.0374 - 2007/8/2

東京都世田谷区 S 様より

“Friday concert”Vol.28はこんな企画でした。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/516.html

更に今回のイベントを前にして私も色々とスピーカーケーブルを聴き込みました!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/517.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/518.html

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>

http://www.dynamicaudio.jp/file/070727/guest.jpg

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

Vol.128「ああ、Reference MMがほしい〜!!」

前回の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0362.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0271.html

川又様

世田谷のSです。

昨夜は貴重な経験ができました。ありがとうございました。
オーディオに機器の聴き比べはつきものです。

アンプをそろえるにも、トランスポートを検討するにも、出会い一発ということも
ありますが、候補の中からとことん聴き比べをするのが普通でしょう。

ところがスピーカーケーブルというのはその機会が少ない。
というかショップでそのような催しをしてくれるところはほとんどないのではない
でしょうか。

切り売りコードでは手間ばかりかかるし、ハイエンド製品をそろえる力のあるお店
は余りないでしょう。

しかし、聴かずに買うという度胸は私にはありません。
せいぜい、これなら失敗してもいいか、というチープなもの以外、手が出ません。

それでも、これまで何度落胆してきたことか。

皆様の家にもとぐろを巻いたスピーカーケーブルがたくさん眠っているのではない
でしょうか。というわけで、今回の企画は待ちに待ったものでした。

もっとも、今回登場したものは気に入っても買えないものばかりですけどね。

さて、今回の企画で私の耳に際立って感じたところだけ、印象を述べます。
いずれのケーブルも知らず知らずのうちに聴いていたことはあるのでしょうが、
意識して聴くのは初めてです。

KIMBER KS-3035と3038の比較。価格にして2倍です。その違いはあります。

丸みを帯びた、ある種聴きやすい3035から3038に代えると、音の芯がはっきりし、
それに響きがきちんと乗ってくる。深みも出て、これは別物です。

TRANSPARENT ReferenceとReference MMの比較。価格差が3倍ということに引き
ずられるわけではありませんが、KIMBER同士の差より、こちらの差の方が明らかに
大きい。

私のメモにはReferenceの欄に「低音がダンゴ」とあります。
Referenceより3035がよく、4種のなかではMMに軍配を上げます。

おもしろかったのは3038とNordostとESOTERIC 7N-S20000の3種比較。

みなさんの支持票も割れました。聴いたのはジャズのカルテット。
3038はペットのかすれなどそれらしく表現します。
奧に引っ込んだピアノは最も丸い音。

後続の2種はエネルギー感があって3038との違いを聴かせます。
そのエネルギー感、元気の良さではS20000が最もあります。
それがS20000の際立った特徴と受け取りました。

私は他の2種に比べ3038の控えめなところを別の音楽で聴いてみたいのでこれと、
最も元気のいいS-20000もクラシック系で聴きたかったので、この2種に票を投じ
ましたが、3038は敗れました。

この3種比較では元気の良さが得票順位でもありました。
おもしろいものです。

ここで勝ち抜いた元気印の2種は次にあっさり敗れます。これは誰が聴いてもそう
なるでしょう。破ったのはJORMA PRIMEとStealth Dream。
解像度も上がり、それでいて上質です。

次が今回の白眉であったと私は思います。

上記で勝ったJORMA PRIMEとStealth Dreamに再登場のTRANSPARENT Reference MM
がどう迎え撃つか。

先の聴き比べでいいなと思ったJORMA PRIMEとStealth Dreamは、その課題曲が
かかった瞬間から「違う」と思いました。

一方、Reference MMはかかった瞬間から「これですよ!!」と納得しました。

冒頭はハープです。曲はフランスの地方の羊追い歌「バイレロ」。
あのミューズに入っている1曲です。

実はこのFコンで、普段聴き慣れた曲はこれだけでした。先の2種はハープの一音
一音が丸く太い。

音が膨らんでいる印象です。
Reference MMはハープの一音一音が粒立ち、途中から入ってくる弦もきれいに
分離、それでいて全体のブレンド具合が絶妙です。

私はこんな高級機を使っていませんが、家で聴いている印象とドンピシャでした。
みなさんもこれへの支持は全員でした。

そして最後がOPUS MMとReference MMの比較です。
OPUSを聴けるだけでも来た甲斐があるというものです。

古いケーブルで400万円超がどう鳴ってくれるのか。
やはりたいしたものでした!!

すごいケーブルです!!
どんな音でも聞こえます!!

Reference MMより分離がいいのでしょう。
でも、私はReference MMがほしい。

一曲だけで判断するのは危ういことを百も承知でいえば、以下のような例えになる
な、というのが私の感想です。

渓谷に立つ。
川の流れが目の前にある。
対岸でウグイスが鳴く。
彼方でヒグラシが夕方の時を告げる。

登場音としてはこれくらいにしておきましょうか。
OPUSはウグイスが鳴けばウグイスを、ヒグラシが登場すればヒグラシにスポットを
当てます。分解がいいからでしょう。

Reference MMはいつも川の流れがあって、全体の自然環境を彷彿とさせたまま、
ウグイスやヒグラシをまことに美しく聴かせます。
音のブレンド感が違うのです。

ああ、Reference MMがほしい。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

S 様ありがとうございました。ORMA DIGITAL/BNC-BNC 24cmで強化されたG-0sで
Master Clock Generatorの充実を。更にPS-1500と7N-PC9100で電源環境も整備され、
またZ-Boardを五枚導入されてという計画的であり根拠が明確であり、更にご自身
で試聴され納得されたものを導入されてきたという歴史をお持ちです。そのS様に
欲しい〜、と言わしめるものがまだあったということでしょうか!!

ハルズモニターにReference MMをエントリーしなかったらお叱りを受けそうですね。
いや…、逆にエントリーしたら怒られてしまうかも〜^_^;


HAL's Hearing Report