《H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report》


No.0364 - 2007/6/25

東京都江戸川区 M M 様より

“Friday concert”Vol.25はこんな企画でした。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/496.html

開催を前にセッティングされた主賓たちです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/070609/Scarlatti_setup.jpg

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>
http://www.dynamicaudio.jp/file/070615/guest.jpg

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Vol.119「ソースを浄化してしまうような不思議な表現力まで持っている!!」

これまでの投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0337.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0330.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0236.html

川又様

お世話になっております。

エフコンは参加する度に参加して本当に良かった、という思いで帰途に着くことに
なります。

それでは、“Friday concert”Vol.25について簡単に感想を述べさせて頂きます。

1.ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」での3Line比較

Act.1 dCS〔Verona→Verdi Encore→Elgar plus〕Line〕
冒頭のヴァイオリンに雑味があり、若干違和感を覚えるもバランスのよい味わい
深い美音。

Act.2 dCS Full Scarlatti Line
Act.1の美音を更に磨いて、解像度を高くした音。空間が更に広がり響きが増して
きます。

Act.3 Full ESOTERIC Line
解像度は高いものの、少し空間が狭くなったような、残響が短くなったような印象
を受けました。

この後、dCS Full Scarlatti LineへのRbクロック注入では、これまでにない、
絹のような質感と、相反するとも言える細部まで見通せる解像度の高さを両立した、
いつまでも聴いていたくなる音を聞かせてくれました。


2.綾戸智絵「BEST」より1. Over The Rainbowでのブラインド比較

ブラインド1
A.dCS  Verdi Encore(実際はブラインド)
B.dCS  Scarlatti  Transport(実際はブラインド)


A.低音は突き刺さっててくる、高音はギターのような音色。
 ボーカルは、迫力があり下世話ともいえるいかにもJAZZボーカルという印象。
 全体として、凄みのある演奏という印象でした。

B.ピアノは少し腰高ではあるが綺麗なよりアコースティックな音。
 ボーカルは下世話さが減少し、少し若返った感あり。
 全体として、凄みが減った一方で、味わいは増した感があります。
 個人的にこういう音の方が好ましいのですが。

どちらが、Scarlattiかとの問いに迷ったのですが、Aと回答。

ここで、正解発表があり、はずれてしまう。
他の方のメールにもありましたが、ややAの方が音量が大きかったようです。
また、綾戸智絵のCDをまともに聴いたことがなく、凄みのあるボーカルと
迫力のある音作りこそが本物といった先入観を持っていたせいかも知れません。


ブラインド2
A.dCS  Scarlatti  Transport(実際はブラインド)
B.ESOTERIC  P-01  Transport(実際はブラインド)

A.PCM伝送になったためか、少し、広がりに欠けるものの、
 これはさきほど発表された正解と同傾向であり、Scarlattiの音と判明。

B.Aよりも解像度は高く感じる(残響が短いためか)、Verdi程下世話さは
 無いが、やや無機質な印象。ブラインド1程の差は無い。

dcs Verdiシリーズは、バランスのいい自然な美音で音楽を楽しめる方向の音作り
をする一方で、外観のいかにもプロ用機器出身という機械っぽさには、少し違和感
を感じておりました。

今回のScarlatti  シリーズは、スタイルもリビングに置いても違和感の無い造り
になりました。更に、音の方もVRDS-NEOを獲得して、従来の自然な美しさに加えて、
微細な描写力と音空間の広がりを得たという印象です。

ソースを浄化してしまうような不思議な表現力まで持っているような気がした
のは錯覚で、単に自分の好みの音だったからということなのかもしれません。

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川又より

M M 様ありがとうございました。ブラインドテストでは私は結果を予測しながら
どのような比較をして頂くかを検討しているものですが、その中でも先入観もあり
中々正解は難しいかもしれませんね。事前にサンプルを聴いてから、その印象を
記憶して試聴すればわかりやすいのですが、今回のように一発勝負というのは
プロでも正解率は低いものでしょう。

そして、結果を予測してやっているという私の感性では一般の皆様がどのような
音質を好まれるのか、という推測と経験に基づくものであり、皆様に美味しいと
感じて頂けるのはどういう音質なのかという長年の研究成果がこのフロアーの音質
でもあります。私が作り出す美味しい音、食材は実に多くのものを使い隠し味も
色々と入っていますが、その謎解きは聴いて頂くことから始まります。
まだ味わったことのない方はぜひ一度ご来店下さい。<m(__)m>


HAL's Hearing Report