《H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report》


No.0361 - 2007/6/20

埼玉県上尾市 T T 様より

“Friday concert”Vol.25はこんな企画でした。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/496.html

開催を前にセッティングされた主賓たちです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/070609/Scarlatti_setup.jpg

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>
http://www.dynamicaudio.jp/file/070615/guest.jpg

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最近の投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0356.html

Vol.116「知らず知らずのうちにScarlattiのみ集中して聴いていた!!」

先々週土曜日にdCSが入荷されたというので、エフコンの前にじっくりスイート
ポジションでdCSを聴こうと、翌日の日曜日に予約を入れて2時間たっぷり聴き込み
ました。

ハルクロのプリの入力は1がエソテリックP-01&D-01&G-0Rbに、2がdCS Scarlatti
Transport&Scarlatti  DAC&Scarlatti Clock、3がElgar plus&Verona&Verdi
Encoreになっていました。

聴き比べとして持参のCD&SACDをとっかえひっかえして、3種類のフロントエンドで
贅沢な時間を楽しみましたが、知らず知らずのうちにScarlattiのみ集中して聴い
ていた。

それくらい魅力的な音でした。

第一印象ではScarlattiは滑らかに滑るような感じで、エソテリックは一音一音が
力強く、SACDになると差が少なくなる。

試しにエソテリックも44.1kHzに固定させるとScarlattiに傾向が似てくる。
Scarlattiはポンと置いた状態。まだこの時点では川又さんもクロック系統の聴き
比べをしていないとの事で、エフコンまでの楽しみに取っておく。

エフコン当日一応メモを取りながら試聴する。
詳しくは-H.A.L.'s Circle Review-No.1521-を参照していただき、これからは私の
独断と偏見の試聴レポートです。文中の「」内は印象をメモで書きとめたものです。

まず始めに結論からという事で三者のフロントエンド対決。
スピーカーはMOSQUITO NEO。歌はちあきなおみ。

Act.1 dCS〔Verona→Verdi Encore→Elgar plus〕Line
「音そのものがベールをかぶったよう」。これは次のFull Scarlatti Lineと
比べた印象です。

Act.2 dCS Full Scarlatti Line
「Act.1に比べエコー感が出てきて音も鮮明になる」

Act.3 Full ESOTERIC Line
「Act.2に比べ情報量、エコー成分、音場の広がりが格段に違う」

同じちあきなおみをIsisで聴くとどうなるか(以降スピーカーはIsisに固定)
Act.1:低音が膨らんでいるのがあからさまに出る。
Act.2:Act.1に比べ音の鮮度が上がる。
Act.3:ギターを爪弾く音が一番キレイ。ベースの低音が一番締まる。

次にFull Scarlatti LineにG-0sのRubidium Directを"Clock"に追加したものを
聴く。曲は同じくちあきなおみ。

A:ノーマル
B:Clockを注入。
「音場の広がりや、情報量がノーマルと比較して段違いに良くなる」ルビジウムの
10MHz恐るべしである。Full Scarlatti LineにはG-0sが必要不可欠。

次にSACDで同じく比較試聴。
曲はチャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 作品74《悲愴》から第二楽章。

A:ノーマル
B:「音に深みが出る。中高音が華やか。Bを聴くとAが単調だったと思える」

次はトランスポートの比較。

まずdCS〔Verona→Verdi Encore→Elgar plus〕Line VS dCS Full Scarlatti Line
のdCS対決。

トランスポートからDACへの伝送はIEEE1394 i-Link。
曲はチャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》〜こんぺい糖の踊り。

A:Full Scarlatti Line
B:〔Verona→Verdi Encore→Elgar plus〕Line
「Aは臨場感がある。Bは少し音が鈍る。高音が澄み切らない。立ち上がりが遅い」

ここでブラインドテスト。

曲は綾戸智絵「BEST」より1. Over The Rainbow 。

ここで問題が発生するのだが後で謎が分かる。
同じDiscを2枚用意してVerdi EncoreとScarlattiに挿入し同時にスタートさせ、
川又さんがD/A側でAとBに切り替える。

A:「臨場感がある。音の切れ込みもいい」
B:「Aに対し音場の広がりが無い。音の鮮度が落ちる。エコー成分が少ない」

どちらがScarlattiか?真ん中に座っていたので分からないが、私と同じAに手を
上げる人も多い。結果はAがVerdi Encore。BがScarlatti。見事に間違える。

今度はScarlatti VS P-01。

ただしP-01はRCAデジタルケーブル一本だけによる44.1KHz伝送。
Verdi Encoreに挿入してあった綾戸智絵「BEST」をそのままP-01へ。

A:「前の時にコツをつかんでいたのでScarlattiとすぐに判明」
B:「P-01。消去法にてP-01、44.1kHz でもAを上回る再現性は健在」

これにはほとんどの方がBをエソテリックと正解。
次にダイアナ・クラールで冒頭の指を弾く音とベースの音の比較。
Scarlattiは音が充満しダンゴになるがエソテリックは整頓される。

次はScarlatti固定でA:BNC 16bit 44kHz PCM B:IEEE1394 i-LinkでDSD変換。
曲は綾戸智絵「BEST」より1. Over The Rainbow 。

A:「音が立つ」
B:「エコーが分かりやすく。滑らか」

今季のStereo Sound誌の実演といったところ。

ここで同じDiscで同じ曲をかける。

A:「IEEE1394 i-LinkでDSD変換の音」
B:「BNC16bit44kHz PCM+IEEE1394 i-LinkでDSD変換の音で両者のいいとこ取り」

これは川又さんがどちらの音がよかったか?の質問に全員が後者に軍配を上げる。
後者はCD Sound UpGrader[CDサウンド・アップグレーダー]
http://www.teac.co.jp/av/import/gads/gads_csi.html
でCDのエッヂを削った音。

ここで謎が解ける。
どうしてVerdi Encore VS Scarlatti 対決で間違った判断をしたか?
Verdi EncoreにはCDのエッヂを削ったDiscが入っていたのでは???
残り時間でScarlattiで数枚CDを聴きました。

印象ではチューンされたScarlattiであるがG-0sの10MHzを注入しないとP-01&D-01
&G-0Rbには及ばない感じです。以上独断と偏見のレポートでした。

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川又より

T T 様ありがとうございました。メモをとって頂いた様子で克明なレポートを頂き
感謝しております。さすがにP-01&D-01&G-0sのオーナーだけに鋭いチェックでした。
そして、ESOTERICの音を承知しているが故の分析もして頂きポイントを突いた評価
をして頂いたので来場できなかった皆様にも伝わるものがあると思います。
これからもよろしくお願い致します。


HAL's Hearing Report