《H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report》


No.0478 - 2009/2/28

大阪府枚方市 H.T 様より

“Friday concert”Vol.34はこんな企画でした。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/637.html

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>

http://www.dynamicaudio.jp/file/090213/guest.jpg

皆様のご感想はいかがでしたでしょうか? 早速ご紹介致しましょう!!

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

Vol.165「自分が心地よく鮮明さを感じる音の方に挙手していた!!」

前回の投稿はこちらでした。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0472.html

以前の投稿をご紹介いたします。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0419.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0393.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0354.html

そして、下記のイベントの仕掛け人でもあります。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0357.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0359.html


川又様、先日のエフコンに参加させて頂きありがとうございました。

1月のCriterion VS Coherenceに引き続き、今回のMarklevinson No.53 vs No.532 
の比較は、とっても、贅沢なコンサートでした。

70年代にオーディオに対して興味をもった小生にとって、"Marklevinson" と
いう言葉には畏敬の念を抱きます。

当時は、まだ、オーディオ雑誌などをじっくり紐解く余裕も無く、定期購読して
いたSwing Journalの誌上で、100万円以上もするプリアンプLNP-2の存在を
知り、価格の凄さに驚愕すると共に、なんと格好の良いデザインのアンプなの
だ、どんな音が聞こえるのだろうと、ただただ、あこがれと共にそのサウンド
を想像していた自分を、懐かしく思い出しました。

今回は、そんな訳で"Marklevinson"と言う名前に誘われ、気楽にデジタルと
アナログの差、モノラルとステレオの差を楽しもうと、参加させて頂きました。

ところが、1曲目の「水の音楽」の比較がスタートして、方針を変更ました。
「今夜は、とっても難しい比較になるなぁ」と、「よほど耳を澄まして聞かね
ばその差がわからないな」と、気を引き締めた次第です。

2曲目のQuincyの「Brazilian Wedding Song」は、小生の「無人島へ持参のCD」
の大好きな1枚の中の1曲目で、耳タコの様に良いているものです。

いつもですと、サラ・ボーンのスキャットのメロディにゆったりと身をゆだね
て、リラックスして鑑賞するのですが、今回は違いました。この曲の中盤の、
Take6の全員でのスキャットコーラス部分の特に低域パートに注目して聞きま
した。

すると、どうでしょう!!

彼らのハーモニー全体が、No.53では、輪郭が鮮明に聞こえたのですが、 No.532
では、その輪郭に少し揺らぎが感じられました。

プリアンプが、今回のFコンでヒアリングしたCriterionであり、そのとき
「音の鮮明な輪郭」と言うものを学んだ小生は、迷わずNo.53に挙手しました。

次のピアノトリオ・Sting・TUTTI・山下達郎でも、やはり同じです。
パーカッシブな低音の輪郭の明確さと言うところを判定基準として、何れも、
No.53に挙手していました。

一方、初めて聴いた「月光嗜好症」「Yo-Yo Ma」の2曲では、この判断基準を
もってしても、逆に、No.532に軍配を上げていました。

これらの曲では、No.532でも、低音の揺らぎのようなものを感じることは
ありませんでした。逆に、No.532の方が音に鮮明な像が見えました。

ストリングス系のしっとりとした曲には、No.532のアナログアンプの特性と、
Raidhoのリボンツイーターが上手くマッチングしていたからでしょうか。

この2曲では、JAZZ・Rockの様に低音成分が明確な主張が少なくメロディライン
の中に包まれているからか、No.532の方が、曲の全体像が暖かさを帯び明確な
輪郭をもって聞こえて来ました。

ラストのプレビンと上原ひろみの「I've Got Rhythm」の2曲は、パーカッシブな
サウンドだったので、こちらは、文句なしに再び、No.53に挙手していました。

今回のNo.53とNo.532の比較では、前回のCriterion VS Coherenceの比較のよう
な明確な差異から来る驚きのようなものは、感じることは出来ませんでした。

今回の2台は、どちらも、大変素晴らしいパワーアンプだと思います。
もちろん"Marklevinson"ですものね!!

パワーアンプのヒアリングレポートを雑誌などで読む時、良くアナログ=HOT
デジタル=COOLのような先入観を持ってイメージしてしまいがちですが、今回
の試聴ではNo.53=デジタルアンプ vs No.532=アナログアンプのような判断
基準は忘れ去り、ただただ、高次元ではあるが聞こえてくる音の稀少な差異を
見つけ出し、自分が心地よく鮮明さを感じる音の方に挙手していたように思います。

同一ブランドのパワーアンプについての比較は、決して価格差やデジタル・
アナログの違いのみで評価・判断するべきでないと云うことを、今回のコン
サートで学びました。

好きな音楽を、自分の気に入ったデザイン・性能・サウンドのオーディオに
身をゆだね、じっくりと聞き込んで行く。

その嗜好の深さは、聴き込むことによって、一層、ワインのように熟成され、
深みを帯びてゆくのだ。

根底には、"Marklevinson" と云う40年にわたるブランドの力があるからこそ、
この様な感覚が培われるのかもしれない。

そんなことを感じた、コンサートでした。

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川又より

H.T 様ありがとうございました。日々のお仕事が忙しい中で、このように時間
を割いてのご感想をお送り頂き、お礼の申し上げようもございません。

このように皆様に支持されるイベントとは本当にありがたいものであり、今後
も事あるごとにチャンスをみつけて実施していきたいと遣り甲斐が持てます!!
ぜひ次回も楽しんで頂ければと思います。


HAL's Hearing Report