発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明
2012年2月27日
 No.903 「H.A.L.'s One point impression!!-Sonus faber“Aida”- Vol.2」
 
今回の着眼点は“Aida”の魅力的な脚線美というポイントです。
先ず↓これをご覧下さい。

http://www.dynamicaudio.jp/file/101117/Sf57.jpg

The Sonusfaberにおけるフットの末端に巧妙なサスペンション機構であり、
エンクロージャーを床面からデカップリングしている「Z.V.T = Zero Vibration 
Transmission(伝播振動ゼロ化システム)」を有するフット部の写真です。
これは、スプリングとエラストマー材によってリスニング環境に伝播するあら
ゆる振動を測定限界値以下にまで押さえ込むデバイスで、いわゆる「アコース
ティック・フィードバック」を防止して巨体を床からアイソレーションする
画期的なテクノロジーと言えます。

これを“Aida”はどのように進化させたのか!?
最初は“Aida”の体重を床に接地させるフットはどこにあるのかと言うこと。

http://www.dynamicaudio.jp/file/120225/zvt05.jpg

上記の写真は30mm厚のベースプレートの下を少しえぐるようにして削り、
そこに丸いフットが取り付けられているのがおわかりだろうか?

http://www.dynamicaudio.jp/file/120225/zvt06.jpg

それを拡大したものが↑この写真。上部は周辺に滑り止めの細かい網目模様が
刻まれているのが、この円板は回転し高さ調整が出来るようになっている。

下側の円板は床に接する面にフエルトが貼られていて、マグネットで上の円板
に吸着しているだけ。実は“Aida”はこのフット4個で床面に体重をかけてい
るという構造なのである。そして、次の写真…

http://www.dynamicaudio.jp/file/120225/bow_spring.jpg

フットを取り付けたベースプレートの上に山型のサブベースプレートが乗って
いる構造なのだが、SonusfaberではこれをBow Spring systemと称している。

日本語では「板ばね」というイメージだろうか、15mmもあるサブプレートを弓の
ように成形し、そこに160Kgの“Aida”のボディーを乗せて微妙な振動を制動
させる第一の要素としている。これは他社にはない斬新なアイデアです。

入力端子の下の部分でサブベースプレートに切り込みを入れている構造が固有
共振を回避するポイントになっているという。さて、この切り込みをのぞくと。

http://www.dynamicaudio.jp/file/120225/zvt03.jpg

この写真↑ではLEDライトで光を当てているので青く見えているが、実はZVT
(Zero Vibration Transmission)のコア・テクノロジーの部分がここにある。
ここで大変興味深い写真をお見せしましょう。

http://www.dynamicaudio.jp/file/120225/zvt01.jpg

http://www.dynamicaudio.jp/file/120225/zvt02.jpg

“Aida”のサブベースプレートの切り込み部分を撮影したものです。この三本
の柱のように見えるのがThe Sonusfaberのフットの内部に格納されている
エラストマー材のポストなのです。手で触れてみると金属ではなくゴム質で
あることが分かりますが、相当硬度の高い材質のようです。では、フロント側
はどのようになっているかというと…。

http://www.dynamicaudio.jp/file/120225/zvt04.jpg

この↑ように320mm口径のハニカム・サンドイッチコーンのサブウーファーの
すぐそばに同様な三本のエラストマー材のポストがあり、ボディーと結合して
いるサブベースプレートはベースプレートの上で合計6本のエラストマー・
ポストによって支持されているのです。

このようにBow Spring systemとエラストマー・ポストによるハイブリッド・
サスペンション構造によって床面からキャビネット全体をサスペンドすること
により、スプリアス共振やアコースティック・フィードバック、リスニング
ルームのあらゆる振動要素を排除するテクノロジーを優雅な曲線美の下に格納
しているのが“Aida”なのです。それからもう一つ…。

http://www.dynamicaudio.jp/file/120225/aida_body.jpg

The Sonusfaberの開発から採用された竪琴(Lyre)型という新しいデザイン
コンセプトによる美しいサイドパネルに囲まれた黒い縦縞の部分は、最初に
写真で見たときに金属ではないかと思っていました。
ちょうどKRELLのLAT-1000などのボディーに外観上では似ていたからです。

ところが…。この部分に触れてみるとしっとりとした質感!!
何と縦方向のストライプを型押した本皮が見事に貼り付けられているのです!!

竪琴(Lyre)型のトッププレートは約20Kgの質量があるアルミの削り出しであり、
Sonusfaberのレタリングが浮かぶ頭頂部は精巧に仕上げられたガラスがはめ
込まれているのです。

伝統のウッドワーク、最新のメタルワーク、精密なグラスワーク。
Paolo Tezonは間違いなくSonusfaberを進化させました!!

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■Speaker system:Sonusfaber“Aida” (税別 1ペア \10,000,000.) 
http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/SONUSFABER.html

■Power amp:soulution Mono amplifier 700 (税別 1ペア \12,000,000.) 
http://www.noahcorporation.com/soulution/700.html

■Pre amp:soulution Line amplifier 721 (税別 \3,250,000.) 
http://www.noahcorporation.com/soulution/720.html

■CD-Player:soulution  745 (税別  \6,000,000.) 
http://www.noahcorporation.com/soulution/740.html

■Tandem Reference RL02 に上記をセットしている。
http://www.tandem-audio.com/#/home
http://www.dynamicaudio.jp/file/111122/11.22.02.jpg

■そして忘れてならないのがBlack Ravioli。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/893.html
現在ではコンポーネントだけでBF-3(1個5万円)を合計20個使用しています。

バーンインが日々進んでいくSonusfaber“Aida”は最近本当に熟してきました。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/898.html
ここでも聴いていた山岡未樹さんの「I'm a woman,Now-MIKI-」からウッド
ベースとヴォーカルのデュオで始まる3.It Could Happen To Youを聴きます!!

前回はFrancoSerblin Accordoで聴きましたが、当然のことながら情報量すべて
の格が違います!!

ウッドベースの荒川康男がスタジオの床を足の裏で叩きリズムをとっている
音は当たり前に聴き取れる余裕。そして何と、ピッカートの後に指先が指板を
叩く音が克明に再現される情報量に舌を巻く!!

「あ〜!!このベースは美しい!!」

ウッドベースが“ウッド”ベースであることを“Aida”はしっかりと聴かせます。
重量感は当然、音像の立体感は当たり前、ピッチカートの瞬間から空気に溶け
込むようなウッドベースの質感が素晴らしく、こんなベースを聴かせるスピーカー
は他にあっただろうかと記憶を探る。

スタジオ録音のこれで自然な余韻感をゆとりを持って再現するのだから、当然
ホール録音のオーケストラでは“Aida”の魅力が発揮されるのも当然のこと。

スピーカーそのものの固有共振、床の状態からアイソレーションされる事で
美しく正確に再生されるのは低域だけではないのです!!

山岡さんのヴォーカルの何と伸びやかでチャーミングであり、そして迫力の
ある歌声であることか!!

圧縮されたエネルギーが時間差の遅れを伴って放出されるような低域ではなく、
個体感のあるリジッドな低域が欲しいという方よりも、演奏者と同じ空間に
いるという錯覚を催す“Aida”を構成する数々のテクノロジー。

これを魅力と感じるのか物足りないと感じるのか、皆様のオーディオセンスを
進化させる“Aida”を体験してからご判断下さい。


担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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