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H.A.L.担当 川又利明




2006年10月10日
No.449 「積極的に音質向上を狙う電源環境改善計画“PEIP”Part.3 始動!!」
◇ H.A.L.を使って音質を検証した画期的新製品ESOTERIC“PS-1500”登場!! ◇

 “PEIP”by ESOTERIC ◇ (Power supply Environmental Improvement Plan)◇

Vol.2「 歴代“PEIP”デバイスを凌駕する驚きのパフォーマンスを衝撃レポート」

2006年9月某日、生産に着手する前に音質確認をということで試作段階のPS-1500が
持ち込まれた。実は、私は今回のPS-1500の原器とも言うべきStressfree 6N Cuの
巻き線によるACROLINKのIsolation Transfomerを四ヶ月前に試聴していた。この時
のパフォーマンスが大変素晴らしく、新製品開発のきっかけになったものだった。

従って、私はその時の感動と興奮がしっかり記憶に焼きついており、それを幾分
でも上回るパフォーマンスがPS-1500の音質評価に求められたのは言うまでもない。

さて、その検証システムは下記のように私が歴代のESOTERIC製品の試聴に用いて
きた次のシステム構成で行なうこととなった。


     ◆ ESOTERIC“PS-1500”Comparison verification system Vol.1 ◆

□ESOTERIC G-0s(税別\1,200,000.)*Rubidium only
 http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0_g0s.html
       ↓
 ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Word-sync用 税別\240,000.)×3本
 http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/
       ↓
■ESOTERIC P-01 (税別\2,200,000.)
 http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
       ↓
 ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m  Dual AES/EBUで二本使用(税別\560,000.)
 http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html
       ↓
◇ESOTERIC D-01(税別\2,200,000.)
 http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
       ↓
 ESOTERIC 7N-DA6300 RCA 1.0m (税別\560,000.)
 http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html
       ↓  
◇HALCRO dm8(税別\2,200,000.)
 http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm8_dm10.html
       ↓  
 ESOTERIC 7N-DA6100 MEXCEL RCA 7.0m
 http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/
       ↓
 HALCRO HALCRO dm88 ×2 (税別\7,600,000.)
 http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm88.html
      and
 TRANSPARENT PLMM×2+PIMM(税別\822,000.)
 http://www.axiss.co.jp/POWER
       ↓  
 STEALTH Hybrid MLT Speaker Cable 5.0m H.A.L.'s Special Version
 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/290.html
       ↓
 MOSQUITO NEO (税別\4,800,000.)
 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.html



この際の選曲は7N-PC9100のテストでポイントを押さえた正確な比較に適している
聴きどころが随所に含まれているもので、下記のリンクで紹介している。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/445.html

SACDフォーマットによるサンプラーとして今ではなくてはならないディスクの一枚
http://www.stockfish-records.de/stckff/sf_stockfisch_e.html
この中からSara K. 3.トラックめの 「Turned My Upside Down」を使用する。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、上記システムのフロントエンドには次の電源システムをリファレンスとして
使用していた。

TRANSPARENT PLMM+PI8+PLMM(税別\822,000.)
http://www.axiss.co.jp/POWER

これを標準としているが、更にトランスポートとマスタークロックにはPIMMを加え
ており次のような構成で使用している。

TRANSPARENT PLMM+PI8+PIMM+PLMM(税別\1,212,000.)
http://www.axiss.co.jp/POWER

いずれの場合にも電源ケーブルはすべてPLMMを使用しており、妥協のない電源環境
を初代“PEIP”デバイスにて設定していたものである。

この電源システムに対して、壁コンセントから7N-PC9100を使ってPS-1500に電源を
供給し、先ずは最初に一系統だけテストしてみようということで、最も敏感に電源
環境の変化に反応する上記■のトランスポートから始めることにした。

下記の流れで最も左に壁コンセントがあるのだが、それは特に説明には必要ないと
いうことで割愛している。更に、これも段階を分けて次のように比較して行った。
まず、P-01のみでテストしてみると…

Level.1 : PLMM→PI8→PIMM→PLMM→P-01
 ↓
Level.2 : PLMM→PS-1500→PLMM→P-01
 ↓
Level.3 : 7N-PC9100→PS-1500→PLMM→P-01
 ↓
Level.4 : 7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→P-01


          ◇ One point impression ◇

Level.1 : PLMM→PI8→PIMM→PLMM→P-01

高価なTRANSPARENTのアイソレーターPI8とPIMMを二重にして使っているということ
で、一見無駄のように思えるだろうが決してそうではない。PLMMにもPI8とPIMMに
も各々フィルター効果があるので三重のアイソレーションということになるのだが、
この場合には重複しても更に音質が向上していくのを確認していたものだ。

贅沢ではあるが、これが今までの私のスタンダードであり、この状態で課題曲を
まず通しで最後まで聴き、更に冒頭から一分くらいを集中して五回ほど繰り返し
聴き込み、この音質をしっかりと記憶することから始めた。これから始まる「音の
間違い探し」という感じで、耳から捉えた情報を頭の中でビジュアル的に記録し、
細部に渡る変化を発見していくというのが私の検証方法である。さあ、スタートだ。


Level.2 : PLMM→PS-1500→PLMM→P-01

ESOTERICのwebにもあるがPS-1500は電源ケーブルはあえて付属させていない。
これは、PS-1500のような性格の商品を購入される方は安物の付属品で満足される
はずはないし、またチープな電源ケーブルを付属したがゆえにPS-1500のパフォー
マンスを誤解されてもまずい、という配慮からである。私も賛成だ。

従って、先ずは以前から使っているACケーブルをそのままにしてアイソレーション
効果がケーブル抜きにしてどうなるのか、言い換えれば皆様が使用しておられる
ケーブルをそのままにしてPS-1500をインストールするとどうなるか、という観点
で最初のチェックを行ったのがLevel.2 である。さあ、ラックの裏側に回り急ぎ
配線を差し替えて着席し、P-01のリモコンでトラック.3を押した!?

「なんとこれは!!」

TRANSPARENTの一台39万円のアイソレーターを外してPS-1500を導入した第一声は
25%の驚きに25%の戸惑いと、そして50%の感動という三原色で頭の中に分析のため
の円グラフが瞬時に描かれた!!

冒頭の左右チャンネルから弾き出される二本のアコースティックギターの質感と
余韻感の圧倒的な違いに思わず我が耳を疑う。なんだこれは!!左右のNEOの向こう
側に専用のエコールームが出来たように余韻感が広がる空間が一挙に拡大している。

それが要因となっているのか全体の音量が上がったのではと錯覚し、思わずプリ
アンプのディスプレーを見直すが、もちろんそんなことはない。
ギターのスチール弦をピックが弾いた瞬間から余韻感が消失する時間はストップ
ウォッチで秒読みして計れるくらいに長く広く浸透していく快感に思わず息を呑む。

イントロの左右ギターに続いてセンターに登場するのがエレキベース。これも音量
が大きくなっているのではという錯覚が脳裏をよぎるほどエネルギー感が高まり、
重みを増していることが直ちに感じられた。

Sara K.というシンガーは録音によって表情が大変豊かな歌手であり、他の曲では
口許のサイズやスタジオワークでお化粧されての様々な録音バリエーションがある。

しかし、この曲ではヴォーカルに対するリヴァーヴは浅めになっており、それが
彼女の口許のサイズをビジュアル的に眼前に定着させて比較しやすくなっている。
さあ、このヴォーカルが声量の大小に伴って拡大縮小する音像のど真ん中に更に
色彩感の濃いエネルギー感が集中する核、コアのような密度感の高まりを確認した。
こんなことがあっただろうか!!

従前から使用している電源ケーブルをそのままにPS-1500の入力にも使い、トラン
スポートへの接続も同じケーブルなのに、この段階で激変するシステムの音質を
目の当たりにして戸惑いが25%という心境を推測して頂きたい。これには驚いた!!


Level.3 : 7N-PC9100→PS-1500→PLMM→P-01

PS-1500の最大の特徴としてWBトランスの素線が高品位であることは述べていた。
せっかくのStressfree 6N Cu仕様というのだから、電源ケーブルの付属がない
PS-1500にも同等以上のACケーブルで電源を供給してやりたいというのが人情。

そこで、当然次に試したかったのがPS-1500に与える電源ラインに7N-PC9100を
使ってみたいというのがLevel.3だ。

「そうか〜、なるほど〜!!」

音場感のあり方としてはLevel.2に30%程の増量がある。ギターのエコー感、ベース
の響き、ヴォーカルの発声から消失まで個々の要素をチェックし始めると更に空間
表現が拡大されていることに気が付く。しかし、私が唸ってしまったのはそれだけ
ではなかったからだ!!

ギターのピッキングで弾かれた瞬間、その高速な立ち上がりをライトの点滅のよう
にきらりと輝かせるフラッシュのような一瞬で色彩感がより濃厚になっている。
筋肉質のスプリンターが機敏に絶妙なスタートを切ったように、重みがあるのに
反応が早くなったという印象。これは何としたことか!!

そして、最も大きく変化を感じるのがエレキベースの輪郭、またはそのもの自体の
音像の面積の縮小だった。左右スピーカーの中間にずっしりと展開するベースの
音像のイメージを、NEOのセンターに山の頂上があるとして最もエネルギー感が
強く感じられるところだ。このセンターに定位するベースの楽音が発生してから
時間軸の経過と共に左右に広がるようにして展開するのが通常だった。

これもビジュアル的に例えれば、スピーカーのセンターから富士山のように裾野に
向けて緩やかに傾斜していく音量感の経過があり、そのゆったりとした音像の展開
が当然のことだろうと思っていた。しかし、7N-PC9100によってPS-1500に給電され
た瞬間から、この富士山のイメージはアルプス山脈の急峻な傾斜のイメージへと
変わってしまったのである。

NEOのセンターから左右に広がってしまうベースのエネルギー感をまるで惜しむよ
うに、そしてあたかも自分の両手でこぼれ落ちる低音がもったいないとばかりに
左右から真ん中に向けてベースの音を寄せ集めて盛り上げたようだ。乾いた砂場で
はさらさらとして高い砂山を作ることは出来ないが、湿り気のある砂であれば切り
立った斜面の鋭い砂山を形作ることができるのと同じ現象が見られる。

ヴォーカルに関しても、今まで飛散していく余韻感が好ましいと思っていたものが、
実はそれらの飛び散っていく声の成分を同様にかき集めてポンとNEOのセンターに
盛り付けたような音像の集束感がある。これは重要なことだろう!!

Isolation Transfomerの当初の効果としてアイソレーションの充実から音場感や
空間表現、エコー感の拡散領域の拡大という楽音を取り巻く周辺環境が劇的に変化
したことに加えて、7N-PC9100の投入によって今度は音像の輪郭が引き締まりエネ
ルギー感の不必要な放出を制御するように、楽音の中身を充実させていくという
方向での変化が大きい。いったんは空間表現を見事に拡大しながらも、それを更に
魅力的なものへといざなう効果を7N-PC9100が担ってくれたということか!?
何とも憎いコンビネーションが今後の期待を更に膨らませる。さあ、次だ!!


Level.4 : 7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→P-01

さあ、いよいよこの時がやってきた!! と言うと少しオーバーだが、電源のあり方
で再生音がどの方向へ変化していくのか、そのベクトルが示す先に期待と推測の
両方を胸に手元の再生システムが成長していくようでうきうきと楽しい気分に
なっていくのが面白い。

Stressfree 7N Cuと6N Cuによって誰も想像していなかった電源ラインが徐々に
その完成度を高めていく過程をこのように実験できるとは私にとっても大きな勉強
になるものであり、音質を追求するということは自分の感性との対話であるという
ことをしみじみと実感させてくれる。さあ、Level.1から始まって、もう何回聴い
たか覚えていないほど繰り返しているが、PS-1500の入出力ともに7N-PC9100で統一
して一つの仕上げとも言うべき試みに取り組むことにした。さあ、いくぞ〜!!

「ほうほう…、そういうことですか〜!!」

音場感のあり方としてはLevel.2に更に20%程の増量、結果的には50%の増量と言う
とオーバーかもしれないが、録音しているスタジオの空気とここの空気が今初めて
同質になったような心境がこみ上げてくる。一点の曇りもなく完璧に磨き上げられ
て総てを見通すことが出来るのだが、先程まではそこにガラスがあったのだろうか。

Level.3での納得出来るパフォーマンスに戸惑いの気持ちは既に薄れていたが、
更に音場感の拡大と音像の縮小に追い討ちをかける絶妙な変化が現れてきた!!

Level.3で聴いていた音像を色の付いた折り紙としよう。
裏面が白くちょっとざらっとしている昔ながらの折り紙のイメージでいい。
それを日の光にかざしてみると、表の色が裏面からも透けて見えるというイメージ
を思い浮かべて頂きたい。

そして、このLevel.4 では、その折り紙の正方形の四つの角を白い裏面に向けて
四箇所で谷折りに折って見たという印象なのだ。先ず音像のサイズが小さくなり、
そして何よりも折り込んで表面の色の付いている側が両面となるので今度は日の光
にかざしてみても透けて見えるようなことがなく、その色は薄れることなくはっき
りと私には見えてくるのだ。

比べてみると、まだLevel.3では音像の周辺に輪郭線の周囲に漏れていた楽音の
成分が空気中に漂っていたのだろうか? それが折り紙のイメージのように紙が二重
になることで輪郭は抜群にくっきりと表れ、周辺に撒き散らされていた楽音のエネ
ルギーがまるで磁石に吸い寄せられた砂鉄のように密度感を高めている。

そして、空気中に浮遊していた成分が音像に吸引されてしまったせいか、楽音の
定位がない空間にはすっきりとした清浄感が漂い、爽やかな透明感を私の4メート
ル先にあるNEOに与えてくれたようだ。不思議だ!! 7N-PC9100で統一するとノイズ
フロアーが聴感上でぐっと向上しているようだ!!

「参ったな〜、こりゃあ後戻りできないな〜」

この先に待っているものがどんな世界なのか、PS-1500の6系統のアウトレットの
数だけ夢と期待が膨らんでいく。さあ、次のステージだ!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

そう、TRANSPARENT PLMM+PI8+PIMM+PLMMという過去最強の電源システムで給電して
いたもう一つのポイント。□印のESOTERIC G-0sにもPS-1500を投入してみよう!!

P-0のセッティングはLevel.4のままとして、7N-PC9100→PS-1500という組み合わせ
が固定されるので次のような過程でテストすることにした。ここでは三段階として
比較試聴してみることにする。

Level.5 : PLMM→PI8→PIMM→PLMM→G-0s
 ↓
Level.6 : 7N-PC9100→PS-1500→PLMM→G-0s
 ↓
Level.7 : 7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→G-0s


          ◇ One point impression ◇

Level.5 : PLMM→PI8→PIMM→PLMM→G-0s
これはLevel.4の時から同じなので、ここでのテストの基準としてはLevel.5として
同様な再生を行い、そこからスタートした。

もう何時間、そして何回同じ曲を聴いてきたことだろうか!? まったく物好きな
実験をやってきたものだと我ながら呆れてしまう。さて…

Level.6 : 7N-PC9100→PS-1500→PLMM→G-0s

「これはどうかな〜!? 」

あまりにも同じ曲を繰り返し長時間聴いていたので、遂に私の耳が壊れたのか、と
一瞬戸惑いを覚えたが、Level.5との違いは大変微妙であり、またここだと指摘で
きるようなポイントも発見されない。二回聴き直したが同じだ。マスタークロック
ではこんなものなのかな〜?


Level.7 : 7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→G-0s

G-0sで電源ケーブルを抜き差しするとルビジウム素子が安定するまでミュートされ
るのでブランクが長くなる。期待に反してマスタークロックではあまり良い変化は
表れないのだろうかと諦め半分で再度P-01のリモコンでスタートさせた。すると…

「おー!! これはえらいことだ!!」

冒頭のギターが弾けた瞬間にガツンと頭を叩かれたような衝撃が私の目を開かせた。
そして、エレキベースが入ってくると再度逆から叩かれた頭が反対側へのけぞる
ような衝撃が続いた!!

Sara K.のヴォーカルが聴こえてくる頃には私の頭は猛烈に回転をはじめ、今まで
の記憶を高速スキャンして類似項と相違点を次々に弾き出していく!!
ちょっと興奮する数十秒間の間にようやく何が起こったのかを考えられるゆとりが
出てきた。

一瞬私の記憶は中学生の頃に一眼レフのカメラをおもちゃにしていた当時にワープ
していた。標準のやや広角向きのレンズと何ミリかは忘れたが30センチ近い望遠
レンズの二つを交換しながら色々なものを撮りまくった。

ファインダーに映る景色のどこを見てもピントは一様に問題なく写る標準レンズに
対して、被写体深度のわずかな違いで狙ったものの背景や手前のものがぼけてしま
う望遠レンズの性格とはこういうものなのか、と科学的・光学的な理屈など何も
わからないにしても感動していたものだった。

そして、今Level.7の再生音を聴きながら、当時教室の反対側にいたクラスのマド
ンナだった女子生徒の顔にジャストフォーカスした瞬間。学生服を着たまま下校中
に草原の赤い花にぴったりとフォーカスを合わせてシャッターを切った瞬間。

今のようにオートフォーカスなどない時代に、レンズを回すごとにピントの合う
被写体が次々に変わり、また狙ったものにピントを合わせていく過程で次第に対象
の姿がくっきりしてくる時の一種の快感。

それが今、Level.7の再生音から私がイメージしたNEOが発する様々な楽音に見た
前例のないフォーカス感の極まりだった!!

楽音の輪郭がこれほどに鮮明にくっきりと描かれる世界は私も初体験だった!!
こんな可能性がG-0sにあったというのか!? いや、マスタークロックを受け入れる
P-01とD-01の潜在能力がここまでのものだとは知らなかった!!本当にこれは凄い!!

Level.6との圧倒的な違いはPS-1500を使いこなしていく際の大きな目安になるだろ
う。何よりも、G-0sの能力がこれほどまでに磨かれていくという体験は私の記憶に
もなかった。いったい7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100というコンビネーションは
他にもどんな威力を秘めているのだろうか!? さあ、次だ!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さあ、いよいよ極め付きのテストに突入していく!! P-01とG-0sで未体験の再生音
に驚いている私が次に行なうのは二台のD-01にPS-1500を投入するというフロント
エンド全体での完結を目指すもの。

◇印のD-01に対しては、Level.7での電源システム、すなわち…
7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→P-01&G-0s という前段階まではPS-1500の入出力
には7N-PC9100を固定しておき、DACのD-01に対してのみ次の切り替えを行なうこと
にする。テストが進むうちに固定されるポイントが多くなってきたので、ここでは
下記の二段階で比較してみることにする。

Level.8 : PLMM→PI8→PLMM→D-01 ×2
 ↓
Level.9 : 7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→D-01 ×2


          ◇ One point impression ◇

Level.8 : PLMM→PI8→PLMM→D-01 ×2

これも、すなわち前項でのLevel.7と同一ということになる。もう何時間経ったろ
うか、私は感動の大きさに文章量は比例すると述べてきたが、イコール試聴時間の
長さという一項目も追加しなければならないだろう。
さあ、Level.8の音質はしっかり記憶に焼き付けたぞ。いよいよだ!!


Level.9 : 7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→D-01 ×2

P-01のカウンターが00:01とスタートした瞬間に!?

「なんだー!! この低域はなんなんだー!! 」

とにかく、この驚きを書かずして何を言うべきか!!ベースが始まった瞬間に重量感、
密度感、テンションの締まり方、輪郭の鮮明さ、どの項目をとっても過去最高の
低域再生がここにあった!!

まったく、予想もしていなかったD-01の深々としながら引き締まり重々しく、濃密
な低域を私も経験したことがない。7N-PC9100の随筆でも散々述べて来たことだが、
今まではデジタル領域のコンポーネントばかりであり、アナログ信号を最終段で
増幅・伝送しているD-01で初めて目の当たりにしたPS-1500+7N-PC9100による
パフォーマンスの物凄さだ!!

7N-PC910の随筆でも電源ケーブルはアンプに使用した場合には音楽信号の波形に
影響を受けた電流を流していること。そして、それをフーリエ展開することでワイ
ドレンジとハイスピードな電流伝送能力が求められること、などを解説してきたが
ここで初めてアナログの音楽信号を取り扱うステージにPS-1500の秘めた能力を
確認することが出来たのだった!!

当然、その他の評価項目はLevel.8までの段階で相当なレベルに引き上げられてい
るものであり大満足だった。それらを下地にして、この低域を聴かされてしまった
らもう逃げ道はない、という程に物凄い!! 考えてみると、フロントエンドのコン
ポーネントの中で最もヘビー級だったP-01よりも32キロのPS-1500が重たいのだ!!
こんな低域を出してくれても不思議ではないだろう!! ぞくっとする低域だ!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

Level.9でPS-1500と7N-PC9100のコンビネーションがアナログ伝送回路を持つDACに
おいて前例のないパフオーマンスを発揮した後、何をすべきか!? そう!!
ではPS-1500によってプリアンプの◇HALCRO dm8をもつないでみようというものだ。

◇印のD-01に対しては、Level.9での電源システムとして次のように固定する。

7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→P-01 & G-0s &  D-01 ×2

これでPS-1500の傾向がほぼつかめるだろうということで、固定されるポイントを
このようにして下記の二段階で比較してみることにする。

Level.10 : PLMM→PI8→PLMM→dm8
 ↓
Level.11 : 7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→ dm8


          ◇ One point impression ◇

Level.10 : PLMM→PI8→PLMM→dm8

しかし、先ほどの圧倒的なベースの充実感と素晴らしさの興奮覚めやまぬ心境で
更にアナログコンポーネントのプリアンプでどのようパフォーマンスを見せてく
れるのか、張り詰めた期待感に配線の切り替えももどかしく感じる。さあどうだ!!


Level.11 : 7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→ dm8

「なるほど、うまいね〜!!」

Level.10とは前項のLevel.9とイコールということで対比するが、Level.11では
前回ほどの圧倒的な低域の変化ということはプリアンプではなかった。
いや、むしろLevel.9て゜初めて体験したD-01での変化が大きすぎたのだろう。
冷静に考えれば、それ以上の低域を出したらバランスが崩れてしまうだろう。

ここで私がLevel.11で感心したことはHALCROというメーカーの性格を忠実に引き
出してきたという変化だった。超低歪率のHALCROはプリ、パワーを含めて音場感の
すべてにおいて楽音のエッジを立たせて強調することなく、グラデーションの自然
な階調変化を聴く人に優しく表現してくれるということだろう。

一時はダイナミックに変化して迫力を追求して来た前項までの経過において、その
変化の大きさばかりに関心を奪われてきたが、Level.11ではギターの輝きを渋くし
ヴォーカルのスリリングな発声箇所も刺激成分を浄化したように聴きやすく、また
ベースの迫力にも洗練されたコントロール感を追加して音量を上げても大丈夫と
いうことでアナログ系統を司るコンポーネントの特徴が大変鮮明になってきた。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

では、仕上げにいつもの定番、マーラー交響曲/第一番「巨人」小澤征爾/ボストン
交響楽団で第二楽章を聴いて一息入れることにした。

「いいね〜これ!! 言うことなし!!」

最初にCDトランスポートに投入したPS-1500は、前後入出力のACケーブルの選択を
あとにしても圧倒的な変化をもたらし、更にACケーブルに選択によって充実の展開
が音場感の拡大と音像の縮小という両面で発揮された。

次にマスタークロックにおいては前例のないフォーカスの引き締まりをもたらし、
楽音の輪郭を鮮明にすることで立体感・臨場感を高めることにPS-1500は絶大な
威力を発揮した。

更に、D-01というアナログ伝送の要素を持つコンポーネントでPS-1500を投入する
と低域の再現性が際立って素晴らしくなり、私でも驚く低域を聴かせてくれた。

そして、プリアンプに対してはメーカーの個性を忠実に引き出すという性格を
見せてくれるが、これはアンプのメーカーによっては変化の表れ方は異なるものと
推測している。

これらをまとめてオーケストラに反映した時、私は心底演奏を楽しむという気持ち
に満たされた。これはオーケストラという分野の音楽であれ、スタジオ録音の
ジャズやポップスでも結論としては同様な興奮と感動と充実感をもたらしてくれる
ものとPS-1500の魅力を納得せずにはいられなかった。

既に電源のアイソレーションにも取り組んできた私だったが、その追求の度合いと
完成度ということでは今回のPS-1500が間違いなく最高峰として位置付けできる。

音楽を生き生きと感動的に、またダイナミックに聴かせながら緻密な表現も素晴ら
しいものがある。そして、これらはPS-1500を使ってこそ初めて発見できるという
ことだ。皆様のご家庭の電源が果たしてどのような状況なのか、それを確認するの
は簡単だ。PS-1500を使用することで今まで見えなかったものが見えてきて、聞こ
えてはならないものは聞こえなくなります!! どうぞお試し下さい!!

さあ、この画期的新製品の今後のハルズサークル特典はいかに!!
そして、数々の続報はハルズサークルへ配信されます。
この機会にご入会下さい。


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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