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H.A.L.担当 川又利明




2005年11月18日
No.381 「One point impression⇒TECHNICAL BRAINが日本製という常識を変えた!!」
昨年の五月のこと、私は下記のレポートの中で次のような一節をプロローグとして
述べていた。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/290.html

「一流の料理人とは一般の人々と何が違うのだろうか? 手先が器用、目がいい、
 舌が肥えている、頭がいい?(笑) 身体的な能力が優れているからというわけ
 ではないのです。舌がいい…、と言っても味を分析するには舌は単なるセンサー
 であり、味覚という信号を受信した脳がいかにそれを評価することができるか
 が重要なのです。私が思うには、出来上がった料理の味がわかるということだと
 思います。では、わかるということはどういうことか? 」

一昨日セッティングしてバーンインを始めて三日目、下記でご紹介している国産の
傑作アンプ TECHNICAL BRAIN の新作をじっくりと聴き始めた印象は私の予想を
上回るものだった…!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/379.html

今回のシステム構成はセッティングした上で音質的な配慮から、下記のように前回
の予告とは若干違うものとなった。

  -*-*-*-*- TECHNICAL BRAIN TBP-Zero+TBC-Zeroデビューシステム -*-*-*-*-

 ESOTERIC G-0s ■“Pケーブル”+“PD”■    
      ↓
 ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync)×3本
      ↓
 ESOTERIC P-01 ■“Pケーブル”+“PD”■
      ↓
 ESOTERIC 7N-DA6300 XLR ×2本
      ↓
 ESOTERIC D-01 ■“Pケーブル”+“PD”■
      ↓  
 ESOTERIC 7N-A2500 XLR 1.0m
      ↓   
 TECHNICAL BRAIN TBC-Zero *税別 170万円
      ↓  
 ESOTERIC 7N-A2500 XLR 7.0m
      ↓  
 TECHNICAL BRAIN TBP-Zero *税別 280万円
      ↓  
 STEALTH Hybrid MLT Speaker Cable 5.0m H.A.L.'s Special Version
      ↓
 MOSQUITO NEO

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

下記はTECHNICAL BRAINのwebサイトから開発コンセプトの抜粋です。
http://www.technicalbrain.co.jp/products/tbc/top.html

「TBC-Zero の開発においては、従来の設計法による各増幅素子の動作点(電流
 値・抵抗値)に対して徹底的な再検討を加えました。その結果、増幅回路の
 各素子に流す電流値を大きくして、抵抗値は低くする低インピーダンス回路を
 採用し、入力信号のモジュレーションを可能な限り排除しています。
 これにより、一般的な電気的測定値では従来の設計法によるアンプと同等、また
 は多少劣る場合があるにも関わらず、聴感上のS/N比の良さ、付帯音(音の滲
 み)の少なさを実使用時に明確に感じられる音質を実現しました。 」

そうです!! これらは私が冒頭で述べている「一流の料理人とは…」ということに
通じるものなのです。つまり、開発における着目点であるパラメーターの絶対数が
多ければ多いほどこだわりの要素が多くなり、他社にも増して何をどう作ればいい
のかということが各論においてしっかりしてくるというものです。

もちろん、最終的にはオーディオ製品である以上は結果としての音質が勝負なので
すが、その音質を左右する要素が技術的にどのようにことなのか、ということを
知っていなければ優秀な作品は作りようがありません。つまり、それは素材の選択
と各々の調理法に通じていなければ美味しいものは作れないということと同じであ
り、こだわりの要素が多ければ多いほど技術的な熟練に通じ、その土台が出来てこ
そ音質を保証する基礎が出来てくるものでしょう。

TECHNICAL BRAINがTBP-ZeroとTBC-Zeroに共通する開発の柱を私なりに抜粋して
簡単ではありますがご紹介せずにはいられませんでした。

・エミッタ抵抗レス出力段を導入した、完全無帰還アンプ

・本質的な低インピーダンス回路(少量の負帰還または無帰還によるもの)を採用

・完全DCアンプ、新方式DCサーボ回路(ディフレンシャル・サ−ボ回路)搭載

この大きな三本柱が注目されるものですが、一般の皆様には退屈な話になってしま
うでしょうから、詳細は同社のサイトをご覧頂くとして、このようなアプローチで
開発されたアンプが実際の演奏で私にどのような印象を与えたのか!?

そして、それを私が述べるということそのものがTBP-Zero+TBC-Zeroの音質を私が
大変高く評価した表れであるということをご理解頂きたいと思います。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

十分にバーンインが進んだはずの三日目の今日、私の目の前に現れた数々の課題曲
は今までNEOで数え切れないほど聴いてきた音質とは明らかに違っていました。

一年前にプリアンプをHALCRO dm8や当時はESOTERIC P-0s+VUK-P0、そしてdcsとい
う布陣でTBP-Zeroを聴いたものだったが、私の記憶は当てにならないとしても当時
の音質とは比較にならないほどの進歩、あるいは完成度の高まりを感じるものです。

セミヨン・ビシュコフ指揮、パリ管弦楽団 ビゼー「アルルの女」「カルメン」
マーラー交響曲第一番「巨人」小澤征爾/ボストン交響楽団の第二楽章
更には諏訪内晶子/詩 曲(ポエム)より3トラック目の3. ラロ:ギター 作品28
http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/akiko-suwanai/

などのオーケストラと弦楽器を聴き始めたときに他社の音とは決定的に異なる質感
を強く感じたものだった。舌先に感じる微妙な刺激成分はまったく感じられず、舌
の上で転がしている間に口の中に芳醇な風味が広がっていくように口当たりがいい。

いや、耳に楽音が心地いいと言うことだろう。昨年はTBP-Zeroに対して複数の他社
プリアンプを組み合わせて試聴し納得が出来なかったものだが、さすがに今回は
出足から次元が違うのである!!

私の過去の体験では違う設計者のプリとパワーを組み合わせて聴いたことが何回も
あったが、決まってオーケストラの弦楽器群の高い音階で質感が荒れてしまうこと
があった。それは新聞を読むときの紙が擦れるようなかさつきを思い起こさせるも
のだったが、純正ペアでの再生では首に巻いた高級なシルクのスカーフを振りほど
くときのような、心地よい抵抗感を肌に感じて抜けていくような感触なのである。

滑らかという言葉を二乗しても足りないくらいの見事な質感を漂わせ、そのくせ
力感を損なうことのない重厚な低域を聴かせ、更に目を見張る解像度はトライアン
グルの一音をきれいに中空に点滅させる!! こんなアンプは私も経験がないほどだ!

大貫妙子のヴォーカルでは彼女の口元がチャーミングに引き締まり、そこからこぼ
れたエコー感のみずみずしさに我を忘れる。弦楽器の美しさは声楽にも表れるもの
だが、スタジオ録音で追加したはずのエコー感があたかも教会での録音のように
自然な拡散で空間に消えていく展開にわずかな緊張感も感じられない。のびのびと
美しく消えていく過程では伴奏のギター、ウッドベース、そして弦楽四重奏などの
質感にも芳醇な潤いを感じるので心地よさが先行して分析的な聞き方を否定する!!

どこかにウィークポイントがないかと探すようなリスナーに対して、さらっとかわ
すような鮮やかな再現性は玄人好みというレベルだろう。楽音の立ち上がりは正確
に捉えており、アタックの直後にはエコー感が消えていくべき空間をたっぷりと
与えられているのでストレスはまったくない!!

海外製のアンプでTBP-Zero+TBC-Zeroの二倍の予算を投じれば同様な質感を提示し
てくれるアンプを推薦することが出来るが、逆にこの美味さは同社の個性として
他には真似が出来ないものだろう。

数々のテクノロジーでハイパワーと省エネを実現するアンプは海外には多い。
回路と電源をハイテクパーツで構成し、複雑さを安定化させることでコストを高め、
しかし音質的には魅力あるアンプも多い。さしずめフォンドボーのように子牛から
とったベースを長時間煮込むことによって深い味わいを醸し出す調理法に似ている
のかもしれない。濃厚な旨味というものだろうか…。

しかし、かつおだし、昆布、煮干はもちろんのこと、和食の職人が命のダシとして
様々な材料から透明なだし汁を作り出し、それを食したときに口のないにいっぱい
に広がる風味と旨味を知っている日本人ならではの「音楽的美食の世界」がここに
登場したことを皆様にお知らせしたいものだ。

透き通っているがまろやかであり、食材個々の持ち味を殺さないスープとダシ。
演奏家のテクニックを透明感を持って表現するが、それに色を付けない音響的な
理性をきちんと有しているアンプは聴くものすべての音楽ジャンルで未体験の音を
皆様に聴かせてくれることでしょう!!

私は今週の“エフコン”の直前でTBP-Zero+TBC-Zeroを用意することが出来て本当
に良かったと思います。

だって、夕べ食べたご馳走の味を言葉で説明するという難儀なことをしなくとも
すみそうだからです。

そうです、2005年11月18日には皆様に試食して頂けるのですから!! (^^ゞ&(笑)


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.co.jp
お店の場所はココの(5)です。お気軽に遊びに来てください!!

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