発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL:(03)3253-5555 FAX:(03)3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
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2005年12月某日のこと、あのアクシスのwebサイトに突然発表されたのがこれだ。 http://www.axiss.co.jp/fAcousticPlan.html それまで同社の営業担当者からはまったく事前情報はなく、もちろんオーディオ 雑誌にも登場していないことからも意外であり驚きもあった。なぜならば、この “Sitar”のデザイン、サイズ、設計コンセプトなど、どれを取ってみても私の 第六感をビビビッと大変強く刺激したからである!! 私はずっと以前にドイツ製のアインシュタインというインテグレーテッドアンプを 一時使用していたこともあり、コンパクトながら何か変えがたい魅力がドイツ製と いう同社の背景に惹かれるものがあった。早速アクシスの担当者に電話すると… 「店長の扱う価格帯ではないでしょう~、これは他のフロアーやショップで展開 しますから…」 と、いうことで何と!! 私が聴きたいとお願いしているのに袖にされてしまったの です。自分で言うのもおこがましいですが、この私が試聴させて欲しいとお願いし て真正面から断られてしまったのは金輪際初めてのことでした。^_^; あれから半年、色々な事情があったらしいのですが、やっと…、そう、やっと… 私の手元に“Sitar”が来てくれたのです!! 423-01.jpg 大きそうに見えても実は本体の横幅はたったの26センチ、高さ17センチ、奥行きは 35センチというコンパクトサイズ。電源部は別筐体になっていますが、このサイズ で目指したパワーは8オームで75W/chという妥当なものであり納得できる家庭用の ボリュームである。これで78万円というのだから、その個性を尊重した上で音質が H.A.L.レベルのハードルをクリアーしてくれればこんな素晴らしいことはない!! そこで私は迷うことなく数々の新製品をチェックしてきたMOSQUITO NEOにつないで 試聴しようとしたら…^_^; 「店長、いくらなんでもNEOは厳しいですよ~」 私は価格なりサイズなりパワーなりがこんなものだから、組み合わせるスピーカー も同程度の価格帯で…、というアクシス担当者のアドバイスは完全に無視(笑)して 次のようなNEOをリファレンスとしたラインアップに“Sitar”をセットアップした。 423-02.jpg これは別売のリモコン(税別\39,800.)だが、見ての通りのボリュームだけという 極めてシンプルなもの。本体と同じ塗装仕上げで手にもぴったり納まるサイズだ。 私は手の中に納まらないリモコンはどうしても好きになれないが、本体同様にコン パクトであり必要最小限の機能に徹しているということは好感が持てる。そうです、 ビジュアル機器ならいざ知らず、音楽を聴くためのリモコンだったらこれで十分と いうものです(^^)v ◇ AcousticPlan“Sitar” 検証システム◇ ESOTERIC G-0s(税別\1,200,000.)*Rubidiumオンリー http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0_g0s.html ↓ 7N-DA6100 BNC(Wordsync)×3本 http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/ ↓ ESOTERIC P-01 (税別\2,200,000.) http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/ ↓ ESOTERIC 7N-DA6300 MEXCEL RCA 1.0m http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/ ↓ ESOTERIC D-01(税別\2,200,000.) http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/ ↓ ESOTERIC 7N-DA6100 MEXCEL RCA 1.5m http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/ ↓ AcousticPlan“Sitar” (税別\780,000.) http://www.axiss.co.jp/AcousticPlan_Sitar.html ↓ MOSQUITO NEO (税別\4,050,000.*7/1より税別\4,800,000.) http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.html -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 私がこれだと思ったらテストの手間を省くようなことはしない。二晩はシステム エンハンサーをリピートさせ、延べ70時間程度のバーンインを行い前段に搭載され ている四本の三極管E88CCを入念にフォームアップさせ、更に入力のピンケーブル も二種類を比較して選択し直し、三日目にして本格的に試聴を始めた。 最初の一曲はここ数年は新製品のテストでは先ずこれをかける。これでコケたら 次の曲を聴いても失地挽回は難しいというというもので定番のマーラー交響曲 第一番「巨人」小澤征爾/ボストン交響楽団で第二楽章をかけてみたのだが…!? 「あっ、これは…!?」 ここに展示している各社のトップクラスのアンプはプリ・パワー合わせて最高価格 のものでは一千数百万円、何と“Sitar”の20倍以上のプライスのものが錚々たる 顔ぶれで並んでいる。そして、それらは私が評価する歴代のアンプたちのパフォー マンスを更新する形で新鮮な魅力と個性を聴かせてくれたものだ。私の耳と感性に よる評価はそれらを土台としている。そんな私の第六感がこの瞬間に見事に証明さ れたと言ったら皆さんは信用されるだろうか!? オーケストラにおけるコントラバスの重厚さはアンプの能力を語る代名詞になるか もしれないが、私のチェックポイントはそれだけではない。例えオーケストラの コントラバスだけが唸りを発するような量感と重厚さがあったとしても、なんと 言ってもオーケストラの主軸は弦楽四重奏の編成になるヴァイオリンの第一、第二、 ヴィオラとチェロという弦楽器群の再現性にあると思う。その種旋律を受け持つ セクションの質感に妥協したら他の要素と引き換えに出来るはずがない。それが… 「いや驚いた!! こんなボストンシンフォニーの演奏は聴いたことがない!!」 四系統の入力で半分ずつ入力感度が違うというユニークな設計で私が使用したのは 200mVの入力感度を持つ入力三番にESOTERIC D-01からの信号を直結し、私が試聴し たボリュームは“Sitar”のボリュームノブでおおよそ10時という角度であった。 温度感ある弦楽器の音というとフォーカスを甘くして高域の伸びやかさを控えめに してというイメージが湧くだろうが、録音されている情報量を幾分ネグレクトして 演出するなど、私が聴けば直ちにわかってしまうような幼稚な方法で“Sitar”が 設計されたものではないということを先ず第一に述べたい!! 余韻感は十二分にNEOの喉元を潤わせ、ホールエコーはオーケストラの楽器群の 質感に合わせて優雅に漂う。高域の再生音に周波数特性の操作によってぎらつく 眩しさをまとわせることはない。正に清涼感を伴う涼しげな風が頬をなでながら 私の顔をすり抜けていくような心地よさはどう例えたらいいだろう!! フルオーケストラの弦楽器群が総出で奏でるハーモニーは各パートのアルコの繰り 返しを正確にトレースしながら分離させているので混濁がない。よく私はオーケス トラの演奏で“ほぐれる”という表現を用いるが、“Sitar”が聴かせてくれる 弦楽器はいかに大編成であってもしっとりとした質感を提供してくれるのが大きな 魅力として私の耳とハートを惹きつけてしまった!! そうそう、ビジュアルのイメージでは女性用シャンプーのコマーシャルでモデルの 女性の黒髪が光沢感を放ちながら優雅に風になびき、また振り返るしぐさに揺られ て髪がキューティクルの輝くラインを波打たせてしっとりとしながら柔らかい感触 がこの手に感じられるような弦楽器を聴かせてくれるアンプは初めてなのである!! 当然、弦楽器でそれほどの美しさを聴かせてくれるのだから管楽器にも共通した テイストを発揮してくれる。木管楽器は自分の位置を自己主張することなく弦楽器 の後方に位置を取りながらピンポイントの明確な定位感を示すが音像ににじみが ないので解像度を確保しながら柔軟性を育む“Sitar”の魅力が生かされている。 更に、私がチェックするポイントが金管楽器の耳あたりである。耳にチクリとくる ような感触に音量が上がると気が付くことがある。しかし、“Sitar”では堂々た るフォルテをオーケストラが盛り上げても、そこだけホットスポットができたよう な眩しさを金管楽器群に与えることがなく、すーっと響き消えていくではないか。 「そうだ!!“Sitar”は音のキューティクルをNEOに与えた初めてのアンプだ!!」 男性は見たことがないでしょうが、下記のリンクはイメージとして参考まで(^^ゞ http://www.kao.co.jp/asience/science/ ここで私の頭にひらめいたのは“Sitar”でSonusfaberのスピーカーを鳴らしたら どんな美しい音のキューティクルを提供してくれるだろうかという期待感であった。 正にSonusfaberのイメージにジャストフィットの手頃なアンプだろう。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- “Sitar”の第一印象は私の期待と想像以上のレベルをもたらしてくれた。しかし、 そこで感じられた方向性はスタジオ録音で打ち込みと鋭い打音や電子楽器を多様 したポップミュージックをハイパワーで鳴らしたいという欲求をもたらすものでは なく、逆に音のキューティクル(我ながら良い例えなので気に入ったフレーズに なってしまいました(笑)(^^ゞ)をどれだけ引き出せるかという性格の録音という ことで次のテスト曲を私に暗示して来たのです。 そこで私が“Sitar”で聴きたくなってしまったのはご存知大貫妙子のattraction から「四季」という選曲になった。http://www.toshiba-emi.co.jp/onuki/ イントロのギターは真空管を使用したハイブリッドアンプであるということをまっ たく意識させない分離の良さを聴かせ、ウッドベースの重量感もこんな小型アンプ とは信じられないような充実感をもって表現してくれる。あのNEOがである!! 導入部のあまりの自然さにヴォーカルの質感を大いに予感させるものを感じ、 遂に大貫妙子の声がNEOからほとばしり出た。この曲は本当に数百回聴いているが、 彼女の口にもキューティクルを感じさせてくれるアンプは少なかった、とたった今 “Sitar”で聴いて実感させられた!! 「あら~、この感触はなんと気持ちのいいことか!! 声にもキューティクルが!!」 アキバ系の好きなフィギアでも蝋人形でもどちらでもいいが、女性の髪の毛を造形 したものはいくらでもあっただろう。しかし、それらに触れてみても硬質な素材感 を指先に伝えてくるだけだろう。しかし、今ここで私が聴いている質感はさらさら としたしなやかな髪に指が滑りながら通っていくような感触であって、いかに優れ たフィギアであっても髪の毛一本一本がしっとりとさらりとしながら私の触感を 心地よく刺激してくれることはなかった。そして、今ここで“Sitar”はその芸当 をこともなげに実現してしまったのである。こんな大貫妙子は聴いたことがない!! 次にヴォーカルに加えてストリングスが入ってくるが、キューティクル要素の両者 が同時に演奏されても当然違和感は何もない。オーディオで癒し効果を期待すると いうことはこれを言うのだろうと、今では私の直感による選択を裏付ける自信と なってしまったような演奏が心地よく空間を埋めていく。これは素晴らしい!! この後に鈴とクラベスの打音が背後に響くのだが、このクラベスなどはセラミック で作られたトゥイーターを使用したスピーカーで聴くと金属っぽい香りがどうして も付きまとってくるのだが、“Sitar”ではまさに木片の打音であることを安心感 として私の耳にソフトランディングさせてくれる。忠実なアタックや打音としての 立ち上がりの輪郭は崩さずに、その響きの中には聴覚の筋肉をマッサージしてもみ ほぐしてくれるように絶妙なアロマが音の芳香として含まれているということか!! 女性ヴォーカルに私たちが求めている黒髪の質感、その黒髪が揺れるときに私たち の鼻孔をくすぐるまろやかで繊細な香りをも“Sitar”は持ち合わせているのだ。 「このアンプは只者じゃないぞ!!この私に味わうことを教えてくれたのだから!!」 このテイストを味わってしまった私の使命はどうなるのか!? そうです、このアンプの魅力を一人でも多くの皆様にお届けすることでしょう!! どんなアクションになるのかは既にハルズサークルには配信済みです(^^ゞ これを機会にどうぞハルズサークルにご入会下さい。 |
このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。 | |
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