発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明


No.330 【連続企画発進⇒H.A.L.'s research activities】
      Vol.1「私はSACDのマルチチャンネル(5.1ch)再生をどう考えるか? 」


1) 2chとマルチチャンネル再生のこれまで

私はESOTERIC X-01の登場を機に本格的にSACDの演奏をここH.A.L.にて取り組むよう
になったということは、下記の随筆でも述べてきたことである。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto52-01.html

この随筆の最後で私は次のように述べている。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

「演奏されている情景に光を!!」

こんな例えでイメージされるVRDS-NEOによる聴覚の眼鏡効果がシステムを違えても
間違いなく存在していることが確認された。納得のSACDである!!

私は今までSACDの再生音をこの試聴室のリファレンスとして採用することはなかっ
たが、 それはどうやらP-0sという究極のメカニズムとの対比において電気的なスペ
ックの向上が私の求める近代的なスピーカーやシステムに対して求めるものとベク
トルの方向性が違っていたのでは…、 という思いが試聴を続けるにつれて実感され
てきたものだ。

そして、VRDS-NEOを搭載したX-01でCDとSACDの両者の相違点を確認するに連れて、
確立されたメカニズムという確固たる土台の上で両方式を比較することによって、
SACDの本来の姿が浮き彫りになってきたといえるだろう。

つまり、今まではメカニズムの未熟さがSACDのスペックの素晴らしさを穴埋めする
ことができない時代だったと言えるのではないだろうか。

99年の5月にSACDが登場してから現在に至るまで、私にとってのSACDの冬の時代がや
っと終わりを告げたようである。 これからは、このH.A.L.にもSACDディスクのコレ
クションが日増しに増加していくことであろう。

今まで静観してきたSACDにVRDS-NEOが明らかに突破口を作り出したということが
今回の結論として最後に申し上げるものである。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

このようにSACDの本当の魅力とはなんだろうか? ということを私のレベルで追求し
ていることは現在も変わりなく、ESOTERICのフラッグシップであるP-01 & D-01とい
う究極のセパレートシステムが現在のリファレンスとなっているものだ。

そのSACDも業界においては、ゆっくりではあるが組織的な発展を続けているものだ。
http://www.super-audiocd.com/

そして、そんな中で私がここで試聴用に使うSACDのディスクが入荷する度に思うこ
とがある。それは「2ch Stereo / 5.1ch Multi-Surround」という表記のディスクが
増えてきたことが最近は大変気になっていたのである。

そして、これまではすべて2ch再生での試聴と評価をしてきたものだが、私を音楽の
5.1ch再生の実演から遠ざけるような経験が過去に色々とあったものだった。

DVD-Videoを使ったホームシアターのシステムでDVD-Audioの5.1chシステムで日頃
試聴で使ったものと同じタイトルの再生音を聴いたときの落胆。また、ユニバーサ
ルプレーヤーを使って、同様なシステムでSACDのマルチチャンネル再生を聴いたと
きの失望。通常レベルで演奏しているH.A.L.における2chの音質と魅力、それと比較
したときのマルチチャンネル・システムでは私は失望するだけで、その気にさせる
ようなパフォーマンスには全く達していなかったのである。

さて、SACDのマルチチャンネル再生とは下記のように紹介されている。
http://www.super-audiocd.com/aboutsacd/format2.html

同様な案内のリーフレットが注文したディスクを開封するたびに出てくるのだが、
私にとっては前述のように無視するだけの時間が続いていたのだが…!?

当店4Fで昨年行った下記の実演に私が立ち会ったことがきっかけとなった。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/4f/island_news.html
10/31 新着情報!

 LUXMAN 『CU-80 MU-80』展示開始

本格的なマルチチャンネル再生の第一弾として、 LUXMANのマルチチャンネルコント
ロールアンプCU-80(\680,000)と、 8チャンネルパワーアンプMU-80(\780,000)
を展示いたしました。

今日現在では、メインスピーカーに『MOREL OCTWIN5.2Corian』、 リアスピーカー
に同じく『MOREL OCTAVE5.2corian』を使用しております。
センタースピーカーとSWに関しましては今回は使用せずダウンミックスで他の
スピーカに振り分けております。

4CHマルチではございますが、SACD マルチ、DVD-AUDIOのマルチ再生の魅力は十分
に楽しんでいただけると思います。新たな試みですので、まだまだ不十分なところ
もありますが、まずは2チャンネルとの違いをご理解いただければ幸いです。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

ここで私が体験した4ch再生が過去の記憶とあいまって、私のハートの導火線に火を
つけてしまったのである。


2)センタースピーカー不要論

今更ながらであるが、私がハイエンドオーディオに対して何を求めているかは多数
の随筆や日々の試聴レポートなどで述べてきたものだ。

まず私は近代のオーディオシステムが目指すものとして、空間表現の素晴らしさが
臨場感を生み出すものとしてエコー感の“存続性”がいかに大切かということを述
べてきた。これはスピーカーにおける再現性の目安として、スピーカーの周辺にい
かにして演奏会場の空気感を表現するのか、という着目点を大変重要視している。

同時に録音されている情報を正確に再生することで余韻感が得られるものであり、
その余韻感をフロントエンドのプレーヤーシステムとアンプという伝送系と増幅系
の能力に支えられているものである。システムの最も上流での情報量の絶対値を拡
大すること、それをどのくらい存続しながらスピーカーまで伝送していくかという
ことに私は大変注目してきたものだった。

そして、その広大なる音場感のなかで音像は出来うる限りフォーカスを絞り込み、
その投影面積が極力縮小され輪郭を鮮明にすることが大切なのである。音像そのも
ののフォーカスがピッタリと合い、その大きさを絞り込むことによって左右スピー
カーの中間、あるいは両翼に楽音を定位させるべき空間と面積を大きくすることが
出来る。つまりは、音像の輪郭をしっかりと描くということで、エコー感との分離
がきっちりと出来るようになるということが大切なのである。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

この考え方で2ch再生における左右二つの音源から放射された音波が人間の聴覚に
働きかけて、本来音源が存在しない中空に音像を結ぶのである。ちなみに人間の聴
覚は音波の三大要素である、音圧、位相、周波数特性を左右の耳で聞き音源に対す
る定位感を認識する。(この辺の音響工学の基礎知識はご来店頂ければ私がわかり
やすく簡単にご説明致しますので、どうぞお訊ねください。)

左右のふたつの耳で検知することで定位感を認識するが、オーディオシステムでそ
れを再現するためには二つの音源が必要となってしまう。ステレオフォニックとは
日本語では「双耳聴感効果」という意味であり、反対語としてモノフォニックがあ
る。さて、ここで二つの音源のあいだに中間定位する音像を前述のように描くこと
で、ホログラフィックな立体的な演奏ができるようになる。

正面に相応の間隔でセッティングされたメインスピーカーでこれらを体感すること
を私は追求してきたのだが、その真ん中に第三の音源が置かれたとしたらどうなる
のだろうか?

左右スピーカーの発する音波が正確な三大要素、音圧、位相、周波数特性を再現し、
その中間定位でセンターにホログラフィックに浮かび上がるヴォーカルを再現する
のが魅力なのである。Nautilusなどでも散々語ってきた立体的に浮遊感のある歌声
だからこそロマンチックなのではなかろうか。そこにモノフォニックな音源として
センタースピーカーがあったら、音像がそこにへばりついてしまうことにはならな
いだろうか?

また、同様にオーケストラの広がりやホールエコーを楽しみたいわけだが、2ch再生
によって左右スピーカーの間に各楽音のポジションを定位させ、視覚的に見たもの
と同様にステージ感としてきれいな配置が表現されるのである。それは左右スピー
カーからの音波がよどみなく生み出す音源が存在しない空間であるから出来るので
はないだろうか? オーケストラの指揮者の位置にセンタースピーカーがあったとし
て、それは何の楽器を受け持って再生するのか? あるいは、センタースピーカーに
請け負わせる楽音として録音と編集というディスクを制作する過程において、どん
な信号をセンタースピーカー用に収録させるというのだろうか?
左chとセンターchの間の中間定位、またセンターchと右chとの中間定位という間隔
の狭い空間にどんな楽器の配置をさせるのか? あるいは3chのモノフォニックのよう
に空間でミックスしにくくなるようなことはないのだろうか?

私は、これまでの体験を通して二つの音源の中間に浮かび上がる音像に美しさを感
じてきたし、その中で発生し消えていく余韻感に美意識を刺激されたものだ。それ
が録音する対象の楽音と演奏者の編成の大小からしても、録音サイドで三つの音源
に対してどのような信号を伝送するのか解明されているのだろうかと疑問を感じて
しまうのである。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

以上は左右のメインスピーカーと全く同じスピーカーをセンターに使用した場合と
いう前提で述べてきたものだが、この大前提が崩れたらどうなってしまうのか!?

前述のホームシアター・システムで音楽を聴いた場合の違和感は正にこれなのであ
る。奮発してメインスピーカーには相応のものを使用したとしても、画面に隠れる
ように選択されたセンタースピーカーは映画のセリフを画面近くに定位させるには
確かにいいだろう。しかし、そのセンターからオペラ歌手の声量やヴオーカリスト
の迫真の歌唱力が、あのようなグレードのスピーカーで再現できるのであろうか?

音像の中間定位という空間に浮かぶことが魅力という理解に先立って、センタース
ピーカーの実力というものはメインスピーカーのせっかくのパフォーマンスを台無
しにしてしまっていることはないだろうか!?

こだわりの私から言わせれば、このような音場感の表現とセンターchの質感という
二つの考え方からセンタースピーカーは不要、いや! 音楽の再生には邪魔な存在と
しか思えないのである。


3)サブ・ウーファー不要論

私はこれまでにも多数のハイエンド・スピーカーと言われるものを試聴し評価し、
そして販売をしてきだが、それらの設計者は低域再生において妥協した設計をして
きたかというと絶対にNO!!であろう。

再生周波数帯域のスペックの表記はマイナス何デシベルということで、低域再生に
おいてはなだらかなスロープで音圧が低下していくことは誰しもが承知のことであ
り、私が評価してきた多くのスピーカーでは楽音の最低音部まで、あるいは暗騒音
と呼ばれるサブソニックの帯域までも再生するものが大半である。

つまりは、ハイファイ用スピーカーというのは低音楽器の全音階をも再現できるよ
うに設計されるのが当たり前のことであろう。100Hzから下の帯域はサブ・ウーフ
ァーに任せるので、それ以下の帯域はカットオフされる設計をしたというスピー
カーはハイファイ用ではありえない。無論、昨今商品化されている小型スピーカー
とサブウーファーをセット化したパッケージ商品は別であるが、SACDという高音質
を追求するシステムの本領を聴こうとしたら、そのようなシステムステレオの類は
議論の対象にはならないものだ。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、ホームシアターの普及に伴って、アンプ内蔵のサブウーファーが各社で商品
化されているのは周知の通りであろう。恐竜やゴジラの足音、宇宙船が頭上を飛び
交う時の効果音、地震や爆発音が床を揺さぶるような迫力。これらを映画の醍醐味
としてサブウーファーがブンブン鳴らすことはエンターテイメントの要素として私
も否定するものではない。

しかし、音楽を聴くときに、コントラバスのこの音程から下はサブウーファーで、
ウッドベースの一番太い弦をピッチカートするときだけサブウーファーで、または
キックドラムにかけたイフェクトが唸るときにはサブウーファーで、というように
楽音の連続性を無視して電気的に低音再生を二つのスピーカーに振り分けるという
ことが果たして自然なのだろうか?

そして、数十万、数百万円という高級スピーカーの低音の質感は設計者のこだわり
で中高音とのシームレスなつながりを大前提として作られているのである。本来な
らば、それにすべての楽音の再生を委ねることが前述のセンタースピーカーの存在
と同じように必要なのではないだろうか?

SACDを制作するときに、ソフトを作る側で何ヘルツから下の帯域はサブウーファー
用の信号として切り分けてしまうということが、ハイエンドオーディオを志向する
人々に認められるのだろうか?

また、サブウーファーはほとんどが30Hz以下、あるいは20Hz以下まで再生できるも
のが高級品では多いのだが、オーケストラの楽音でそんな低音はないし、パイプオ
ルガンのある音程では必要かもしれないが、サブウーファーが本来の再生周波数帯
域でズドーンと鳴り響くような出番は生演奏ではほとんどないだろう。むしろ暗騒
音として、オペラ歌手がステージを歩くときの音や、ライブ録音のジャズで演奏者
の靴が床を叩いてリズムを刻んだときのような、ごく低音の騒音がこのような低い
周波数になるものだ。楽器の音以外の音も情報として考えればサブウーファーの出
番も増えようというものだが、果たして生演奏で聴こえないがマイクでは拾えると
いう音域をどこまで再生することがリスナーの利益になるのだろうか?

オーケストラの演奏が第四楽章の山場を向かえ、グランカッサが盛大に叩かれオー
ケストラ全体でフォルテッシモを奏でるとき、その時だけサブウーファーが待って
ましたとばかりにうなり出すと、今まで感じていたホール感は台無しになってしま
う。流れるような演奏で楽しんでいるときに、特定の箇所だけで低音のエネルギー
が増大することは違和感そのものである。メインスピーカーが果たすべき連続性が
時折壊されてしまうことで不安感を抱きつつ、サブウーファーがどこで鳴り出すの
かと意識しながら聴きたくはないだろう。

5.1chシステムの.1はこのサブウーファーであるが、私はこだわりをもって設計され
たハイエンドスピーカーとアンプ内蔵で大出力のサブウーファーを音楽再生で使用
したいとは思わない。メインスピーカーの設計者が作り出したバランス感覚の中で
きれいにつながった低音楽器を楽しみたいものである。サブウーファーは不要だ!!


4)私が出した結論

上記1) で述べているように、私はDVDと違って音楽だけを扱うSACDのマルチチャン
ネル再生においては結論として4chがベストであると考えている。つまり、リアス
ピーカーはアンビエンスとしてのホール感、スタジオ録音でもメインスピーカーの
織り成す楽音の空間への展開をサポートするもの、としてリア2chのみを追加すれば
良いと結論した。さて、そのシステムをどう作り上げるかだが…!?

先に述べたように、 LUXMANのCU-80とMU-80などを使用するのもひとつの手段であ
る。
特にプリアンプとしては私が望んでいるように5.1chを4chにミックスダウンしてく
れる機能が内蔵されていなければいけない。別にLUXの製品に不満があるというわけ
ではないのだが、これまでここで追求してきたレベルで何とかならないものかとい
うこだわりをどうしても私は捨て切れなかったのだ。昨年の10月に当店の4Fで体験
した興奮を私なりのシステムに何とか応用できないものだろうか?

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

まず、一番厄介なのがに5.1chを4chにミックスダウンするにはどうしたらよいのか?
ということだろう。ヤマハやソニーのAVアンプを使えば、プレーヤーから出力され
たデジタルケーブル1本だけで好きなチャンネル数に変換できるのだが、私にはどう
しても国産の量産製品をここに持ち込もうという気にはなれなかった。

http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/index.html
さて、現在ではSACD再生のリファレンスとしてESOTERIC P-01がトランスポートとし
て愛用しているものだが、これには5.1ch用のESリンク・デジタル出力が6系統装備
されている。しかし、上記のように私はセンタースピーカーとサブウーファーは要
らないので、その二つの信号をメインスピーカーに振り分け4chにミックスダウンし
たいのである。私は、その機能をバージョンアップとしてP-01に搭載できるように
ESOTERICの大間知社長に本気で要望していたのである。ところが…!?

昨年の秋から悶々とした要望を持ちながら年を越して1月になって、ここを訪問され
た大間知社長の口から…

「川又さん、実は取説には書いていないのですが、P-01には最初から4chへのミック
 スダウンが出来るように設計されているんですよ!! 」

と、何ともあっけらかんとしたビッグニュースを聞かされたのである。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pdf/manu_p01.pdf (約1MB)

この取り扱い説明書の31ページから設定の説明がされているが、マルチチャンネル
でのスピーカー設定は将来P-01をDVDオーディオ対応にバージョンアップしたときの
ものであり、SACDでは関係ないと述べられているのだが、実はSACDの再生でもこれ
らの設定で4chに変更できるというのだ!! なんということか!! (^^ゞ

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さあ、それでは…、と私が最新リファレンスシステムでSACDの4chシステムを大奮発
してコーディネイトしたのがこれである!!


  -*-*-*-*- SACD 4ch再生検証のためのリファレンスシステム -*-*-*-*-

 ESOTERIC G-0s ■8N-PC8100■    
     ↓
 7N-DA6100 BNC(Wordsync)×5本
      ↓
 ESOTERIC P-01 ■8N-PC8100■ → → → → → ESOTERIC 7N-A2500 XLR ×2
      ↓                                          ↓
 PAD DIGITAL YEMANJA XLR 1.0m ×2                 ↓
      ↓                                          ↓
 ESOTERIC D-01 ■8N-PC8100■×2             ESOTERIC D-01 ■8N-PC8100■×2
      ↓                                         ↓
 PAD YEMANJA XLR 1.0m                     ESOTERIC 7N-A2500 XLR ×2
      ↓                                        ↓
 Chord  CPA 4000E■ESOTERIC 8N-PC8100■     ESOTERIC A-70 Mono Power Amp×2
      ↓                                         ↓
 PAD YEMANJA XLR 3.0m                           ↓
      ↓                                         ↓
 Chord  SPM 14000                         MOREL Octave 5.2 CorianWhite
     ↓  
 PAD YEMANJA BI-WIRE SPK 5.0m
     ↓
 MOSQUITO NEO


なんとP-01自体でミックスダウンできるということで、早速このシステムを組んだ。
D-01を二台追加し、その内蔵ボリュームを介して音量を調整する。その出力をA-70
に直結したのである。

そして、肝心なメインスピーカーのNEOで搭載しているミッドレンジとウーファーは
MOREL製のドライバーなので、質感のマッチングも考慮して同じのMORELの小型2ウェ
イスピーカーOctave 5.2をリア用としてセッティングしたのだ。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/ori/morel/morel.html

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さあ、このようにP-01からダイレクトにリアチャンネルの信号を出力し、それを
D-01の内蔵ボリュームでレベル調整するということだが、俗に言うAVアンプのよう
にマスターとしてひとつのボリュームで4ch全部の音量調整は出来ないのである。

前後のスピーカーレベルのバランスもP-01で調整できるのだが、それはデジタル出
力の手前で処理されるものであり、パワーアンプの手前でアナログ領域のボリュー
ム調整はできないものだ。従って、フロントスピーカーのボリュームを変えるたび
にリアスピーカーのボリュームも微調整が必要になるのだが、ここに4ch再生のコツ
が発見されたのである。(^^ゞ

そして、必然的に私のところでは2ch再生によって従来のような演奏に瞬時に切り替
えが出来ないと営業に差し支えるのだが、このようにシステム構成だとP-01のリモ
コンで「2ch/Multi」のボタンで簡単に従来の2chに戻せることがポイントなのだ。
これはいったんAVプリアンプなどにつないでしまうと全体の配線をやり直さなけれ
ばいけないので、逆に普段は2chを中心にして聴き、ディスクによって4chに切り替
えるということでは最適な方法と言える。

最後にP-01のSACD出力は自社規格のESリンクなので、現在では接続できるDACは同社
のD-01のみとなる。iリンクによる他社との互換性については時期尚早なのか、確認
出来ていない。最も、それを受けるのが国産の量産モデルのAVアンプという可能性
は少ないと思われるのだが。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、実際の演奏はどうなのか!??そして、私が研究したマルチチャンネルの可能性
とはいかなるものなのか!?

当然、私は上記のシステムで試聴し、それが今までの私の認識を大きく変貌させた
素晴らしさがあるからこそ、この情報を皆様にお知らせしたものである。

D-01のオーナーには新たな可能性を、そしてSACD再生の最高峰をマルチチャンネル
で実現したという皆様には私が先行して実験を、ということで5.1ch収録のSACDを
聴き始めたのである。

今まで私が2chで聴いてきた数々のディスクを4chに発展させてどのようなインプレ
ッションを受けたか!? あるいは5.1ch収録のディスクでハイエンドの価値観がどの
ように見直されるのか!?

これからは、1タイトルずつ試聴するごとに、その内容をマルチチャンネル再生の
ノウハウと共に連続企画のレポートとして配信させて頂きますので、どうぞご期待
下さい。それでは、お後がよろしいようで!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

この実際に4chで再生したSACDの試聴レポートの続編はハルズサークルの皆様のみ
配信されていきます。こんな物好きな企画(笑)をどしどし配信するハルズサークルに
この機会にどうぞご入会下さい。

このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココの(5)です。お気軽に遊びに来てください!!

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