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H.A.L.担当 川又利明
    
2020年7月14日 No.1609
 H.A.L.'s One point impression!! - Y'Acoustic System Ta.Qu.To-SPL & XLR

New Original product-Y'Acoustic System Ta.Qu.To-SPL
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1564.html

New Original product-Y'Acoustic System Ta.Qu.To-XLR
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1604.html

そして…、

雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックスとは!?
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1589.html

上記においてもTa.Qu.To-ZeroとTa.Qu.To-SPLを下記のコラムで紹介して頂きました!
https://musicbird.jp/audio_column/p245/

さて、吉崎さんの野望はTa.Qu.To-SPL & XLRにてアナログ信号のシグナルパスを統一し、
それをもってTa.Qu.To-Zeroにおける未開の地を開拓していこうというものでしたが、
それが遂に実現し下記のシステム構成にて実際の音を確認出来るようになったのです!

■H.A.L.'s Sound Recipe/Y'Acoustic System Ta.Qu.To-SPL&XLR inspection system 
https://www.dynamicaudio.jp/s/20200707135755.pdf

このシステムにて最近は何時間聴いたことだろうか。
熟成した再生システムとはこういう音だと感動と納得が繰り返す思いなのですが、
私が聴き込んできた選曲のすべてを語るには多くの時間がかかってしまう。

どんな曲での印象をお伝えするべきか、先ずは選曲の絞り込みに悩んだものです。

他のケーブルにはない最大の特徴! 音像を支配するTa.Qu.To-SPLの神業!
他のケーブルにはない最大の特徴! 音像を支配するTa.Qu.To-XLRの神業!

上記の一節は私がTa.Qu.To-SPLとXLRの両者に対して最大の特徴として掲げたもの。
この着眼点を先ずは分かりやすくお伝えできる題材としてユニークな選曲をしました。

オーディオマニア向けの高音質テストCDなるお題目のディスクも色々ありますが、
私は特に意識することなく一般的なCDを使うことが多いものです。

ごく普通に売られているCDにどのような情報が刻まれているのかということに関して、
そのクォリティーは再生装置の音質に依存しているものであり、普通のCDには
まだまだ大いなる可能性があると常日頃の経験から痛感していたからです。

このように以前にも述べていましたが、今回はこんな選曲をしてみました。

■V.A. 井上陽水トリビュート
https://sp.universal-music.co.jp/inoue-yosui/tribute/

何と井上陽水ものか!? こんな選曲で果たしてオーディオシステムの評価ができる
ものなんだろうか? と思われた方も多いと思いますが、この中の二曲がいいのです!

5.宇多田ヒカル 「少年時代」

先ず音像の在り方を探るにはヴォーカルという事、そしてバックの伴奏者も含めて
極力シンプルな編成と録音センスによるものという私のこだわりにジャストミート!

ポップスアルバムには珍しい伴奏とは何と弦楽六重奏、ヴァイオリン2、ビオラ2、
チェロ2によるセクステットによるピュア・アコースティックなのです。しかも…

その弦楽奏者たちというのは、Ensemble FOVEという第一線で活躍するクラシックの
演奏家によって結成された次世代型アンサンブルなのです。

コアメンバー14名から最大編成50名程のオーケストラまで、プロジェクトによって
その形態は変容する。

作曲家・坂東祐大の呼びかけによって、2014年から数回の単発企画を経て2016年設立。
ジャンルの枠を拡張する新しいアートの実験・実践を旨とし、新しい聴覚体験を
提案するというコンセプトのアーチストたち。
https://www.fove.tokyo/

このセッションに参加しているアーチストは次の通り。

坂東祐大
https://www.fove.tokyo/bandoh

尾池亜美 1st Violin
https://www.fove.tokyo/member?lightbox=dataItem-j92sig5y1

町田匡    2nd Violin
https://www.fove.tokyo/member?lightbox=dataItem-j9h59xy6

安達真理  1st Viola
https://www.fove.tokyo/mari-adachi

戸原直    2nd Viola
https://www.fove.tokyo/member?lightbox=dataItem-j9h5totl

小畠幸法  1st Cello
https://www.fove.tokyo/member?lightbox=dataItem-ja0t4wz8

飯島哲蔵  2nd Cello
https://daisukemuranaka.com/index_qhm.php?%E9%A3%AF%E5%B3%B6%E5%93%B2%E8%94%B5

正に新感覚という井上陽水の「少年時代」は冒頭からこのセクステットが切り込んできます!
音響的衛生管理の行き届いたスタジオでの弦楽器は鮮明そのもの。

その数フレーズのイントロが終わって一瞬の静寂という間をもって登場するのは、
大きく素早い宇多田ヒカルのブレーシング!

これほど息を吸い込んでいるのかと驚くほどの生々しい息遣いの後に出現したのは、
ほぼノンリバーブという音響的すっぴん状態の宇多田ヒカルの張りのある歌声!

■弦楽器の再生に関して前例のない美音を奏でるTa.Qu.To-Zeroの素晴らしさ!!
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1493.html

上記のように吉崎さんが選択したソフトドーム・ミッドレンジドライバーの大いなる
貢献として紹介しているTa.Qu.To-Zeroが聴かせる歌声と弦楽に先ずはため息!

坂東祐大による編曲の素晴らしさは弦楽六重奏の各パート一人ずつに異なる旋律を与え、
一本のチェロはピッチカートで、もう一人はアルコでセクステットの足元を支え、
ヴァイオリンとビオラは各々で異なるメロディーを奏でながらもハーモニーの美しさは
崩れず、違う旋律であっても調和と融合を繰り返し空間に展開していく。

あたかもDNAの二重らせん構造のように主題を取り巻きながら、一定の規則性を
もって数種類の旋律が交差しながら伴奏を成立させるという職人芸が際立つ
素晴らしい演奏を背後で展開する。これはいいですね〜!

そのセクステットの手前に立体的に定位する宇多田ヒカルのヴォーカルはリバーブに
よって飾られる響きを無用とする見事な歌唱力で「少年時代」を切々と歌い上げていく!

当然、そのヴォーカルをサポートする弦楽六重奏にも余分なリバーブを施すことなく、
各パートが違う旋律を奏でながらも調和したハーモニーがTa.Qu.To-Zeroによって
素晴らしい空間表現となって私の眼前で整列し、しかし響きは交差し拡散していくと
いう小編成ながらも実に素晴らしい音場感を提示しながら進行していく!

そのTa.Qu.To-Zeroにたどり着くまでのシグナルパスをTa.Qu.To-XLRで統一した事による、
音像のコントロールは最高レベルで引き締まり、ヴォーカルと弦楽パートの解像度に
脱帽の思いで、しなやかさと強靭さが両立した音像の内面を見つめ続けていた!

抜群のプロポーションを見せる歌声と弦楽が織りなすスタジオセッションの鮮明な
音像は刺激的であり新鮮な響きの相互作用をもたらし、イヤホンでは聴けない
ステレオ再生の魅力をまざまざと見せつける一曲が静かに終わりを告げた…。

ここで私は憶測を元にTa.Qu.To-XLRの純潔に多少いたずらをしてみようと思いつく。

1メートル58万円というプライスなのでTa.Qu.To-XLRとほぼ同額であり、以前には
当フロアーでリファレンスケーブルとして使用していた国産某社のケーブルを持ち出した。

これをGrandioso D1Xというアナログ信号の最上流からプリアンプまでの、たった
1メートルという長さのケーブルですが、そこだけ某社ケーブルに交換したのです。
すると…

「あっ! 宇多田ヒカルが…、ヴァイオリンが…、平らに均された感じだ」

もちろん当フロアーでリファレンスにしていたケーブルですから悪いはずはありません。
しかし…、この違いは何と説明したらいいのだうか…、としばし悩んでいるとひらめきました!

私は良くオーディオは簡単です、美味いか不味いかで判断して下さいと、
使い手の素直な感性で音質を評価する事を分かりやすく説明しているのですが、
同様に食の世界、料理の在り方として喩えが出来るのではと思いつきました。

私が頻繁に使う音像という言葉の意味、それをどう例えればいいのかと…。

一流の料理人は盛り付けにもこだわります。手塩にかけた一品を皿に盛り付ける。

その単純に見える作業にも美意識が働きセンスが求められ、舌だけでなく眼でも
味わう料理の仕上げに気を遣うものでしょう。

料理の味そのものは楽音の質、音色、響きという耳での味わいの最大要素では
ありますが、口に入れる料理を皿に盛り付けた状態、そのまとまり方が音像と
言えるかもしれません。

主菜、付け合わせなど皿に置く。単純なようでセンスが問われる職人の仕事ですが、
調理した食材の配置、並べ方や積み重ね方まで気配りが必要なものであり、
皿に盛り付けられた一品ごとが適切に存在感を示し調和しなければなりません。

さて、小皿にスプーン一杯のさらさらした塩を少しずつ落としたとしましょう。
ピラミッド型にこんもりとした形が出来ますが、それが引き締められた音像の
シルエットという例えをします。

これはTa.Qu.To-XLRで統一したシグナルパスによって描かれた音像のイメージであり、
塩の山の面積も自然体で小さく、立体的に盛り上がっている状態です。

そして、その皿をトントンと叩く、あるいは揺さぶってみると塩の小山はくずれ
面積も広がってしまうし平らになってしまいますが、それが上記のように部分的
にでも他のケーブルに交換した時の変化というイメージで例えれば良いかもしれません。

ヴォーカルの口元のサイズは大きくなり、エネルギー感は分散し音像は膨らみます。
音像の輪郭もぼやけてしまうので前後感が分かりづらくなり立体感も減少します。

弦楽六重奏の各パートもフォーカスが甘くなったように感じられ、音像の周辺が
隣り合う楽器の響きと交じり合ってしまうので鮮明さが減じられ茫洋とした響き
になってしまうようです。

料理を盛りつけた皿をカメラで撮影しようとしたとき、ピンボケになってしまったら
口に入れる前にがっかりしてしまうというものでしょう。

せっかくの美味しい料理であっても、その盛り付け方によって視覚的にも味の良さを
提供するというこだわりは大切なものではないでしょうか。

Ta.Qu.To-XLRで統一したシグナルパスによってTa.Qu.To-Zeroを鳴らす。
H.A.L.を研究室代わりにして耳と感性を鍛えぬいた吉崎さんが目指したもの。

先ずはヴォーカルと弦楽器という選曲において真価の一端を私は感じ取ってしました!

そして、もう一曲とは…

8.福山雅治 「リバーサイド ホテル」

ギターとヴォーカルの福山雅治とキーボードを担当する井上鑑の二人が編曲した一曲。
https://www.akira-inoue.com/

この他にはギター、ベース、ドラムとパーカッションという編成での録音。

この曲でも福山雅治のヴォーカルは前曲同様にほぼノンリバーブという雰囲気で
オンマイクの迫力が腹の底から湧き出る低音部に感じられる素晴らしい歌声。

福山雅治のギターが右チャンネルから弾き出され、クラベスの透明な残響が
センター奥に消えていくイントロから、ドラムとベースがセンター定位として
アコースティックでありながら重厚なリズムを展開し始めるとヴォーカルが登場。

前曲同様にリバーブによる残響付加はほぼないというヴォーカルのリアルさ、
低音階での福山雅治の歌声がなんともセクシーで引き締まった音像が浮かぶ!

ここで私は早くもケーブルの比較をしたく前述の旧リファレンスケーブルに換えた…。

「あ〜、なんと! この曲での変化の方が大きいかも! 低域の違いも新たな発見だ!」

イントロのギターからして違う、一見華々しく明るく輝くように聴こえた福山雅治の
アコースティックギターなのだが、よく聴いてみると厚みがなくなり水平方向に広がる。

そしてヴォーカルの違いが際立つ! これは10人にお聞かせしたら10人が分かる違い!

前曲同様に音像はふくらみエネルギー感が散らばってしまい平坦な印象となる。
そして何よりも福山雅治の低音の魅力であったはずのヴォーカルが軽く薄くなる。

それはセンター定位のドラムとベースでも同様な傾向が見られ、ぐっと集約していた
低音がローラーで均されたように左右方向に音像の敷地面積を広めて軽くなる。

たった1メートルのケーブルなのに、フルTa.Qu.To-XLRで聴いた後では物足りない。

背後の伴奏楽器とヴォーカル両方の音像サイズに表れた変化は同時に楽音の輪郭
表現にも及び、音像の周囲には楽音の核という中心部から徐々に周辺に広がる
響きのグラデーションの諧調表現にも影響を与え遠近感さえも希薄になる。

私の比較試聴は納得するまで何回も繰り返すが、一度Ta.Qu.To-XLRの純潔さを
知ってしまうと、楽音の中身というか質感の充実感は音像周辺部での余韻感へと
つながる響きの連鎖を正確に出してくれないと不満を残すようになってしまうと
いう恐ろしさ? を感じ始めている自分に気が付いたのです。

もういいか…、と私はフルTa.Qu.To-XLRに戻してしまい、福山雅治をアンコール!

彼の低音の魅力は蘇り、同時に声質に歯切れのよい濃厚さも復活し、ぐっと接近して
歌いかけてくれるような遠近法の新解釈を実感し、これでなくっちゃ! と独り言ちする!

ドラムとベースでも同様な回復があり、音像サイズだけでなく低音楽器の重量感と
濃密感にもTa.Qu.To-XLRの魅力を知ることになり同時に快感となって蘇った演奏を
最後まで聴き続けてしまった。これはいいですね〜! 聴けば解かります!

今回は二曲を試聴しての印象を述べましたが、実際にはもっと多くの曲を聴いています。

そして、他の曲でも変化のベクトルは同じものであり、フルTa.Qu.To-XLRが聴かせる
音楽の素晴らしさを実感したものでした。

音像を支配するTa.Qu.To-SPL&XLRと最大の特徴を紹介していますが、これは私なりの
表現方法と言えるものです。

皆様に無理に音像という言葉でケーブルの優秀性をお伝えしようとは考えていません。
しかし、実際に比較してみると皆様にも音質の違いは必ずご理解頂けるものと思います。

当フロアーでの試聴ももちろんですが、私がリファレンスとしているスピーカーや
コンポーネントは現実的ではないというご意見もあると思います。

そのために私は皆様のシステムにてお試し頂くことも有意義であると考えています。

耳で聴く周波数特性やバランス感覚、質感と音色という着目点だけでケーブルの
優秀さを考えるのでなく、音像という視点から私が推薦するTa.Qu.To-SPL&XLRは
皆様にとって新鮮な出会いとなることでしょう。

まったく未知のケーブルによる音質改善を体験して頂ければとご提案致します!

ハルズサークル会員限定企画により新企画実施中です。是非ご入会下さい!
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/circle.html

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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