《H.A.L.'s Monitor 2009'GW Report!!》


No.0450 - 2009/5/22

広島県呉市 A.I.M 様より


「Couplet400Sでは旋律が浮き出すような音楽的な流れが感じられました!!」


前回の投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0435.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0360.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0178.html

■モニター製品 CHAPTER  Couplet400S Reference
        http://www.yukimu.com/auraFrameset.html
        Transpearent  Reference  RCA /  RSE1.5
        http://www.axiss.co.jp/ftran.html

ゴールデンウイーク中に 最近発売されたチャプターのステレオパワーアンプ
Couplet400S Referenceをモニターさせて頂きました。
また接続用にトランスペアレントのRCAケーブルも貸して頂きました。

Couplet400S

雑誌やWEBで写真を見て 前代未聞のハイセンスで斬新なデザインに驚きまし
たが、実物はさらに精緻で美しい作りです。

設置面積は40cm×40cm程度で小さいですが高さも40cm近くあるのでかなり巨大
に感じます。前面から回り込んでいる黒いパネル部分はただの直線でなくクア
ドラスパイアのラックのように緩くカーブしており、物凄く手の込んだ仕上が
りです。 

モスキートNEOのようなクールで現代的なデザインのスピーカーの横に置くと
似合いそうですね。

上面のパワーマークはタッチセンサーになっており、スタンバイ状態では
マークの周囲がレッド、軽く触れるとONでブルーに変わり、前面の2本のバー
の周りもブルーに輝きます。

その際バーの周囲に配置されたブルーのLEDの間にレッドのLEDが数秒輝き
(すごくカラフルです)完全作動状態になるとブルーのLEDだけになります。

あまりに粋な演出に感動! 
つい何度も触りたくなります。

また前面の2本のバーもタッチセンサーになっていて軽く触れる事で各種設定
ができます。

この製品音が安定するまで時間がかかりました。 1日4時間くらい鳴らして
あとはスタンバイモードという使い方で 5日くらいかかって音が安定しました。

一度安定すると スタンバイONですぐいい音で鳴るようになります。

音調は極めてニュートラルで 中高域に少しスイートが雰囲気があるくらいです。
400W+400W(8Ω)のハイパワーと巨大なボディサイズから連想される大迫力だ
けど、大雑把というイメージとは全然違い 極めて繊細で精緻なサウンドです。

当然 低音は重低音域まで伸びていますが、タイトで引き締まっており気持ち
いいです。S/Nも非常に高く 無音の状態から音が立ち上がります。

また楽音に対する反応は非常に早く、ドラムのアタックがハイスピードにきまります。 
デジタルアンプという事ですが全然 堅いとかキツイとかという事は全然なく
ボーカルやアコースティック楽器は暖かく厚みのある再現をします。

なおかつ打ち込み系のデジタルビートでも高い反応性でビシビシ決めアナログ
の問題点だけを潰したという印象です。

聴いたソフトを一部紹介します。

THE DIALOGUE

WITHベースを聴きました
ベースはブーミーな感じが無く締まっていて弦の震え感、ボディの共鳴感まで
生々しく聴こえます。

ドラムの打音もアタックが鋭く、シンバルもシャウーンと部屋中に響きわたり
微細な音まで聴き取れます。金物類の表現はとても得意なようです。

以前、HAL7FでGOLDMUNDのフルリファレンスシステムでフルエピローグでこの
曲を聴かせて頂き、生のようなスピード感と厚みのあるサウンドに感心した事
がありましたが、その時のサウンドを思い起こさせました。

スピーカーがマッキンのXRTなので全然違う音のはずなのに何故? 
これがデジタルアンプの威力でしょうか?

この曲はインプロビゼーションなので、サウンドの凄さばかりが耳に入り 
あまり好きでないのですが、Couplet400Sでは旋律が浮き出すような音楽的な
流れが感じられ結構楽しめました。 

このアンプの音楽性の高さ故だと思います。
また改めて菅野録音の凄さを再認識しました。

SLAVA GRIGORYAN  /  ANOTHER NIGHT IN LONDON

アコースティックギターの音色が軽やかで美しく鮮明。楽音に対する反応も
とても俊敏です。空間に広がって消えて行く感じ、バックに広がりのあるピアノ
の音、まるで小ホールで聴いているような雰囲気が感じられました。

STRATOVARIUS / BLACK DIAMOND

メロディックスピードメタルですが、バスドラの高速連打の反応 結構いいです。
ベースは ブンブンと固まりで胸に当たって来るように再生されます。

各楽器が細かく分離し それぞれの音に芯が有ります。
シンバルのカシャーンという音が繊細で細かく再現されます。

中高域がスイートな感触なのでいくらヘビーな曲でも耳あたりがよく聞き心地
がよいです。もうちょっとワイルドな感じが出た方がいいのかな? 
少しエレガントな再現をします。

浜崎あゆみ/ NEXT LEVEL

とてもいい作品なのですが、ハイエンドオーディオでの再生は難しいかなと
思いながら聴いてみると案の定、最悪。さっぱり いい音で鳴りませんでした。

ボーカルは割といいのですが、打ち込みの音とギター、ベース、ドラムの音が
混濁しごちゃごちゃで、打ち込みのシンセの音もぼけて鮮明に再生できません
でした。

これは通電3日目くらいまでの印象です。
他のソフトはこの段階で大部分うまく再生できていたので複雑な録音方法の
せいだろうなと思っていました。

ところが、通電5日目からこの印象が一変しました!!

エコーがかかってない剥き出しのシンセサイザーの音はとても鮮明な芯のある
音になりました。

レコーディングされた音ではなくてシンセサイザーをライン直結して鳴らして
いるかのようです。

ボーカルも鮮明さを増し、くっきり中央に絞られて浮き上がります。
でもしっかり柔らかな肉声感は維持しています。

重低音のデジタルビートもタイトで反応がよく、部屋中にひろがる存分の重低
音で体を包みます。

緻密に構築されたバンドサウンドと打ち込み音とボーカルがきれいに分離し、
それぞれが芯をもって鳴るようになり、とてもいいサウンドになりました。

Transpearent  Reference  RCAの効果を確認する為、手持ちのRCAに替えてみ
ましたが、楽音のパワー感や勢い、演奏の熱さが減退し、音も耳障りな感じに
なりました。

また、全体の音のまとまりが無くなり、ごちゃごちゃした印象になりました。
やはり、いいケーブルでないとパワーアンプの威力も半減してしまうようですね。

CHAPTER  Couplet400S Reference デザインも音もとても魅力的な製品です。
最近、雑誌の製品レポートを読んでも解説ばかりで音の記述が少なく、どんな
音かさっぱり判らないなと不満に思う事があります。

興味のある製品をこうして自分のシステムで体験する事のできる HAL'Sモニター
は本当に有り難い企画だと思います。 

自分の音の好み、現在のサウンドの位置も改めて再認識する事ができました。
川又店長様、ユキム様、AXISS様、高価な商品をモニターさせて頂きありが
とうございました。とても素晴らしい体験をする事ができました。

                  -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

A.I.M様ありがとうございました。目の付けどころがユニークなアンプを試聴
して頂きましたが、今回は好印象ということで何よりでした。

このように私からのご提案以外の製品でも随時ハルズモニターは可能です。
ハルズサークルの皆様の再生音がより高次元なものに進化していくのは私も
大変喜ばしく思っているものであり、他の皆様にもどんどん利用して頂ければ
と思いますので、今後もどうぞよろしくお願い致します。



HAL's Monitor Report