《“GLASS CD”-H.A.L.'s Monitor Report》


No.0425 - 2008/3/7

宮崎県北諸県郡 K.S 様より

やってみるものですね〜(^^ゞ 
こんなに喜んで頂けるとは思ってもいませんでした。↓こんな企画です!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/574.html

この企画は私がここで↓どのように感動したかということから発想されました。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/561.html

だって、20万円もするCDが近代のハイエンドオーディオ装置でどのような音質
で再生されようとも、その感動が皆様一人一人のシステムでも再現されなけれ
ば意味がありません。そんな貴重な体験談を頂きました!!

              -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

Vol.1「たかがCD、されどGLASS CD…!!」

前回の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0424.html

一枚のCDに20万円という価値が果たしてあるのか。
結論は個人個人の価値観の問題かもしれません。

私は、価値ありと結論しました。
これはただのCDではありません。

かけがえのない芸術品であり、デジタルCDがアナログLPに堂々と闘いを
挑み、また自己主張を初めて敢行したエポック的存在であるといっても過言
ではありません。

ただし、このCDを所有することの意味は複雑です。
プラス思考としていわば最高の音の基準値を提供するリファレンスCDを座右
に置くこと、これ以上の価値があるでしょうか。

しかし、マイナス思考として少なくともカラヤンの第九は他のソースでは聴け
なくなること(ちなみに、同じ音源のLPを持っていて聴き比べしましたが、
正直、LPを超えている部分もありました。)、

否、カラヤン以外の演奏でも聴かなくなる可能性があることです。
なお、このCDがかけがえがないという理由についてはこのCDの解説等にも
詳しく書かれています。

まず、第九の代表的演奏である帝王カラヤンの、しかも50歳代というカラヤン
絶頂期の演奏で、しかもドイツグラモフォンに秘蔵するオリジナルマスター
テープそのものからの立ち上げであること、いわば山奥の源泉から汲み上げた
希少価値の音をそのまま私たちの耳元まで届けてもらったようなものなのです。

またGlassCDの持つすばらしい物理、光学、機械特性等についてはその解説書
をご覧ください。

戯言はこのくらいにしてこの第九を聴いた率直な感想を述べます。

(3日の試聴期間中、このCDと比較試聴のために同梱されていた通常のポリ
 カネート製CD及び同じ録音のLPを聴きつづけました。特にGlassCDは全曲
 通して4回聴きました。)

まず、全体的な印象として生っぽいこと、造られた音ではなく演奏会場の
熱っぽいしかし、きわめて自然な雰囲気がそのまま伝わってきます。

第一楽章の導入部分の弦の低くうめくような原生的な混沌とした出だしが音の
塊ではなく、弦の弓が何十本もの太い線上の音の重なりとして現れます。

そして、これがまとまりを見せてきて大きく盛り上がった時の爆発力も圧倒的
ではあるが音の輪郭をはっきり持ってきっちり聴こえてきます。

だらだらした残響はなく、静寂の訪れが余りに急激なので耳が驚き戸惑う感じ
です。

一方、音の広がりが普通のCDとはスケールが違う感じで、また、そのダイナ
ミズムに最初から私たちを陶酔郷に誘い込みます。

音が汚く混じりあうことがなく楽器群それぞれがパートをしっかり受け持って
いることが目に見えてわかります。

特に金管楽器のすばらしい響きは普通CDはもとより、LPの音をはるかに凌駕
しています。

第三楽章のいわゆる天上の音楽といわれる浄化されたアダージョにおいても、
ただ、カラヤン特有の音のうねりの美しさだけでなく、きわめて透明感の高い
清らかな神々しさをわたしたちに感じさせます。

甘美で実在感のある演奏、カラヤンの指揮棒を眼前に感じながら時間の立つの
を忘れさせてくれるのです。

そして、LPでも音が大きくなる最後にならないと明瞭に聞こえないはずの
バイオリンのピッチカートが当初から聞こえ出しそのあまりに精細な響きの
美しさは他の演奏、他の普通のCDでは聴けないと思います。

そして第四楽章に入り、低音部の圧倒的な質感に自分が翻弄される心地よさに
酔いしれ、そのあとに訪れる主題の旋律に入るころから静寂感と楽器群の重な
りが私たちに心の深い安らぎを感じさせ、そして、これに続き始まるバリトン
の「O Freunde・・・」の第一声は私たちを、まさに演奏会場の最前列に引き
出してしまうほどの臨場感を感じさせます。

最終部分の合唱と歌い手たちの四重唱はこれまで聴いた各種の第九演奏でも
経験したことのない臨場感、現実感、生々しさを味わわせてくれました。

以上、きわめて主観的な感想で読むに耐えないと感じられた方もおられたと
思いますが、あのときの興奮を思いだしながら、一気に心の滓を吐露させて
もらいました。

カラヤンの音楽を聴くことはこれからもたびたびあると思いますが、カラヤン
との出会い、再会はGlass CDを通して出なければ不可能ではないでしょうか。

実はこのCDを通して私は可能だと知りました。

このGlassCDの開発者でもある録音家福井末憲氏の言葉を借りると「かけがえ
のない音楽作品をより優れた音質で価値ある趣向品形体として生涯大切に所蔵
したいと望む高尚な音楽愛好家」のためのCD、「貴重な音楽作品を永久不変
なCDとして後世に伝え残し、レコード芸術本来の価値観を実感できるディス
ク・メディア」としてのCDを私自身はここに得たと確信しています。

そして、購入決定に至りました。

最後になりましたが、快く試聴に応じてくださった川又氏に心から感謝すると
ともに深い敬意を表したいと思います。
ありがとうございました。

              -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

K.S 様ありがとうございました。お礼を申し上げるのは私の方でございます。

ハルズモニター始まって以来、初の試みとしてCDというソフトを取り上げたも
のですが、宮崎県という遠方の会員に感動をお届けできたということを私も
本当にうれしく思っています。そうです、所有しておくことに価値ありですね。

ハルズサークル入会半年あまりという時間の中で、K.S様は色々な体験によっ
て感性が大きく変化、いや進化されてきました。ありがとうございました。

この企画は順番をお待ち頂いている皆様がたくさんありますが、お待ちになっ
ても聴くだけの価値ありというレポートを頂き、まだまだ継続すべきだという
気持ちになってきました。

そして、こんな企画を利用したいという皆様はまずご入会から!!


HAL's Monitor Report