《HAL's Monitor Report》


No.0292 - 2006/1/13

福島県郡山市 S.S 様より

Vol.39「電源環境の改善が再生音に与える影響の大きさを再認識させられた!!」

川又様

新年おめでとうございます。
郡山市のSです。
昨年末はPEIPモニター、お世話になりありがとうございました。
試聴レポート、遅くなってしまいましたがお送りいたします。

 今回お借りした機器は以下の通りです。
・“Pケーブル” : 2本(内1本はLタイプ)
・“PD”    : 1台
・“PI”    : 2台

 また、私の使用している機器は以下の通りです。
・CDプレーヤー : Wadia 850
・プリ      : MarkLevinson No.38SL
・パワー     : MarkLevinson No.333L
・スピーカー   : JBL DD55000 + UT405

 ケーブル類はいずれも低グレードのものです。

他のモニターの方々の多くが最新世代のスピーカーや機器を使用され、かつ電源環
境もPADのドミナス等を初めとするハイエンドなデバイスを既に導入されていて、
それとの比較という形が大勢を占めている中で、モニターの申し込み(結果として
レポート)をすることに気が引けましたが、機器の更改等も含め今後の自分のオー
ディオのグレードアップのための着手ポイントと方向性を考えるためには良い勉強
となるかと思い、思い切ってモニターをお願いした次第です。

待つことほぼ一ヶ月、最初に“Pケーブル”と“PI”が届き、その三日後に“PD”
が届きました。

最初の機器が届いた時点で帰宅後遅い時間ではありましたが、バーンインのため
早速接続に取りかかりました。

オーディオ機器はリビングに設置していますが、壁コンセントの位置とラックの
位置と形状、それにケーブルの固さ等の関係で苦労の結果、ラックの移動と背板の
一部取り外し、通路に“PI”や“Pケーブル”が横たわるといった形で深夜1時頃
なんとか接続が完了し通電することができました。

それからちょっと聞いてみるつもりが、結局朝4時近くまで聞いてしまいました。

今回のPEIPモニターを申し込むにあたって、前述した以外に以下のような点からの
ためらいもありました。

・私の住んでいる所が結構田舎なので、電圧変動や雑音混入等の電源環境は比較的
 良い(?)と思われるため、効果があまり表れないのではないか。

・今となっては古い世代となる私の使用機器でどれほどの効果があるものか、また
 私の駄耳ではたしてその変化を判別できるのか・・・。

前置きが長くなってしまいましたが、結論を先に言ってしまうとかなりの効果があ
りました。このようなシステムでも私の耳でも判別できるほど確実に音のグレード
が上がります。

 バーンイン後の変化の様子を感じたまま羅列すると・・・、

・音に瑞々しさ、潤いが加わる。
・低域が充実し、ピラミッド型のバランスとなる。
・低域がより弾むようになる。
・より深々と、かつ伸びやかに音楽が鳴る。
・豊な響きが加わり、音の硬さがとれ、また音の厚みが増す。
・響きの情報量が多い。
・音の粒立ちがよくなる。
・彫りの深い音。
・音の重なり合い、ハーモニーが美しい。
・ブラスが朗々と鳴る。
・・・等々。

 私の機器でもまだこんな音がするんだ・・・と、ちょっとうれしくなりました。
 そして、元の環境に戻すと・・・、

・雑みのある、がさついた音。
・硬く、ぎこちなく、薄っぺらな音。
・低域が痩せ(結果中域が張り出し)たエネルギーバランス。

今まで、何か物足りないと思いながらもこんなもんだと思って聞いてきた音の粗が
見え、クローズアップされてしまいました。

 以上は、お借りできたものをフルに使った以下の接続構成での試聴です。

・CDプレーヤー−“Pケーブル”−“PD”−(“PD”付属ケーブル)−壁コン
・プリ−“Pケーブル”−“PI”−壁コン
・パワー(直付ケーブル/交換不可)−“PI”−壁コン

それぞれの組み合わせや接続する機器を変えて試聴した結果としては、まず“PI”
と“PD”+“Pケーブル”との比較(「“Pケーブル”+“PI”」と「“Pケーブル”
+“PD”+“Pケーブル”」との比較)では“PI”に軍配が上がります。
(当たり前か・・・)

また、接続する機器による違いとしては、どれにも効果はありますが、傾向として
は以下のように感じました。

・CDプレーヤーへの使用 : 音の余韻、響きの向上
・プリへの使用 : S/Nの向上
・パワーへの使用 : エネルギーバランスの向上

ベストの構成としては、すべての機器に“PI”を使用し“Pケーブル”経由でつな
いであげることが理想かと思います。

ただ、これは結構な費用となること、かつ“PD”と“Pケーブル”とで特定の機器
に使用することでもかなりの効果があることから、まずは“PD”1台と“Pケーブ
ル”x本(予算の許す本数)でのスモールスタートが私としては現実的かと思いまし
た。

いずれ我が家の大蔵省(財務省?)との予算折衝と、冒頭に記したリビングでの機
器配置問題といったハードルがありますが、何とかクリアすべく策を巡らしている
ところです。

電源環境の重要性は以前から理解していたつもりではありましたが、実際にこのよ
うな変化を体験し、良質なデバイスによる電源環境の改善がオーディオの再生音に
与える影響の大きさを再認識させられました。

逆に言うと、いかなるグレードの機器であっても、その機器の持つ本来の性能を十
分発揮させるためには、機器が動作するための元となる電源、それをなるべく理想
に近いものを供給してあげることが大切だということだと思います。

これらPEIPデバイス達は本来機器が必要とする理想の電源環境に近づけるも
の、といえると思います。

 以上、駄文、長文、ご容赦ください。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

以下はS.S様からのご相談に対して私がアドバイスしたものです。

>先ほど下記レポートをお送りさせていただいたところですが、今まで、自宅で
>いろいろ取り替えて比較するといった機会がなく、今回貴重な体験をさせていた
>だきありがとうございました。

いえいえ、とんでもないです。
少しでもお役に立てて何よりでした。

>今までいろいろ試聴してみたいと思いながらも、具体的な購入の目処が立たない
>のにお借りするのは・・・、との思いとレポートに記載したようなためらいから、
>今まで自宅試聴というものをしたことがありませんでした。

良識的なご配慮に敬意を表します。
ありがとうございました。
これを機会にどんどん利用してください。

>今回の体験で、以前そちらで試聴させていただいたネオを中心としたシステムと
>比べるべくもないのですが、私の旧態依然としたシステムでも使用するケーブル
>等の充実でまだそれなりに楽しめる余地があることを実感したところです。
>以前から電源ケーブルを含め、接続ケーブル、スピーカーケーブルの重要性は
>知識としては理解し、いつかは(なるべく早く)手を付けたいと思いながらも、
>実際にどの程度変わるのかといったことを試す機会、環境になく、今まで来てし
>まったところです。

了解しました。
それが一般的な流れかと思います。

>今回優れた電源ケーブルの効果を実感しましたが、これと比較して機器間の接続
>ケーブル(CDP〜プリ、プリ〜パワー)、及びスピーカーケーブルのグレード
>アップの効果の大小はどのように考えればよいでしょうか。

電源環境の向上で現れた変化でS様が引用されていたこと・・・

・音に瑞々しさ、潤いが加わる。
・低域が充実し、ピラミッド型のバランスとなる。
・低域がより弾むようになる。
・より深々と、かつ伸びやかに音楽が鳴る。
・豊な響きが加わり、音の硬さがとれ、また音の厚みが増す。
・響きの情報量が多い。
・音の粒立ちがよくなる。
・彫りの深い音。
・音の重なり合い、ハーモニーが美しい。
・ブラスが朗々と鳴る。
・・・等々。

これらの発展形が電源以外のケーブルでも起こるものです。

しかし、直接オーディオ信号を伝送するケーブルでは楽音の質感が一層大きな変化
を起すものであり、私は将来的には“PEIP”デバイスメーカーの各種ケーブルを
“Pケーブル”同様にプロモーションしていく予定があります。

と、言うよりも他の会員の皆様は既に同社の各種ケーブルも自宅試聴されて購入さ
れているケースが増えつつあるというのが実際のところです。

しかし、順番としては電源周りを充実してからでないとシグナルパスのケーブルを
的確に選択できない、もしくは投資効果を実感できないものです。
その順番をご理解下さい。

>当然、現在のシステム環境の詳細やどのような音を求めるのかといったことにも
>よるものと思いますが、川又さんの経験上からのサジェスチョン(あるいは私の
>使用機器をながめての直感でもかまいません)をお願いできればありがたいです。

>今回の試聴で得た感触を基に、今回の電源環境を含め今後ケーブル類を限られた
>予算でグレードアップする際のプライオリティー等、検討する際の参考にさせて
>いただきたいと思います。
>
>以上、勝手なお願いで恐縮ですが、ご教授方よろしくお願いいたします。

上記のようにシグナルパスを司るケーブルの重要さは電源環境の確立という前提の
元に判定していかないと根拠を失ってしまうものです。

せっかく高価なインターコネクトケーブルやスピーカーケーブルを購入しても、
それらを接続するコンポーネントの電源が貧弱では投資効果を聞き取ることが
難しいものです。

そして大切なのは、S様が過去に投資した各コンポーネントの潜在能力は今回の
自宅試聴でわかったようにまだまだ搾り出していない実力があるということが
お分かり頂けたものです。

従いまして、レポートで述べておられた・・・

>まずは“PD”1台と“Pケーブル”x本(予算の許す本数)でのスモールスタート
>が私としては現実的かと思いました。

このペースでスタートされるのが得策であると思います。
プレゼント企画へのご応募も出来ますし・・・(^^ゞ

この企画は末永く継続していくものであり皆様のペースに合わせて導入していって
ください。

そして、その後には“PEIP”デバイスメーカーの各種ケーブルにおいてもモニター
を開始致しますのでそれをご利用になってください。

どうぞよろしくお願い致します。
ありがとうございました。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

S.S様ありがとうございました。レポート以外のメールも引用させて頂きましたが、
私は着実な、そして過去の投資を無駄にしないアップグレードをいつもご提案して
いるものです。電源環境をまず確立しておくことで、その後のインターコネクト
ケーブルやスピーカーケーブル、デジタルケーブルなどを試聴し評価する際の基礎
が出来るものであり、その条件下で選択したものに間違いはありません。

でも、順番が逆ではせっかく高価なケーブルを導入しても誤った選択をしたり、
あるいはケーブルに対する投資効果が音質的に体感出来ない可能性もあります。
そして、肝心なコンポーネントをこれから入れ替えたとしても、“Pケーブル”他
のデバイスはずっと安心して継続使用していけるわけですから決して無駄にはなら
ないものです。

どうぞ皆様も“PEIP Club”に入会され、現在使用していらっしゃるコンポーネン
トの潜在能力を引き出されることをお奨め致します。

その前にハルズサークルにご入会頂く事が必要です。
どうぞよろしくお願い致します。


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