《HAL's Monitor Report》


No.0249 - 2005/6/2

神奈川県横須賀市 T S 様より

モニター商品 Brumester 808MK5

川又様 御世話になります。

ゴールデンウィークにBrumesterの808MK5を試聴させていただきありがとうござい
ました。

試聴した環境は、
CDトランスポート ESOTERIC P0s
UNIVERSALPlayer Luxman DU10
D/Aコンバーター Luxman DU10のDAC部分
プリアンプ Brumester 808MK5
パワーアンプ Aria WT350XM
スピーカー B&W N802
です。

Brumesterの808MK5を試聴しようと思ったいきさつは、AriaをWT350XMを購入時に、
川又さんに参考までにWT350XMと相性の良いプリアンプは何ですかの質問に、
Brumesterの808MK5を挙げていたからです。

WT350XMを購入したまでは良かったのですが、プリアンプを買う資金がなくアッテ
ネーターで鳴らしていましたが、WT350XMを導入する前よりも、女性ボーカルが
格段に悪くなっていた為、本当のWT350XMの実力を測りたいと思いお借りしました。

Brumesterが届く日、家に帰ると、大きな箱が二つほどありました。

何で二つ?と思っていたら、一つは電源でした。
雑誌でしか、808MK5を見ていなかったので、電源部が分かれているとは思ってもい
ませんでした。

また、808MK5は、雑誌で見ていると小さく見えるのですが、結構大きかったです。
そして、姿かたちはと言うと、惚れ惚れするような綺麗さでした。

うれしくなって、届いたその日のうちにセッティングしましたが、3Pコンセントの
穴が全部ふさがっており、しょうがなく、適当な2Pプラグのコンセントがついてい
るケーブルで、まずは聞きました。

出てきた音は、予想に反し駄目でした。

何曲か聞き、上松美香さんのアルバム「mika AGEMATSU」の中の「生まれゆく時の
中で」を聞いたとき止め刺されました。

とってもじゃないが、聞いてられないとなり、808MK5で、聞くのをやめ、元のアッ
テネーターに戻してしまいました。
試聴を開始してから、たったの30分で、元に戻すと言う結果になりました。

さすがに、その辺に転がっている2Pのコンセントでは、まずいなと思い、翌日、
何とか、3Pコンセントを確保し、付属のケーブルで試聴しました。

初日よりは、音がかなり改善しましたが、やはり、あまり良い音ではない。
モニターレポートを書くための試聴をする気が起きず、電源を入れたまま別のこと
をしていました。

6時間くらい経ち、やっと試聴を開始しました。

軽く女性ボーカル(何を聞いたか忘れました。)を聞きました。

すると、さっきまでと印象が違う!!

結構良いんじゃないと言う印象があり、これならいけるんじゃないかと思い、急遽、
上松美香さんのCDに換えました。

これは良い!合格点を出せる!
と言うわけで、ここから、モニターの試聴を開始しました。

1.上松美香 「mika AGEMATSU」 UCCS-1071
4曲目 「生まれゆく時の中で」
まず、第一印象は、雄大な印象。
それでいて、アルパの弦の音が宝石のようにきらめいている感じ。
そして弦の余韻もすばらしいです。そして、一音一音がリスナーに語りかけてくれ
る感じがします。

それでいて、音に力強さもあります。
また空中に音が浮かぶような不思議な感じがします。
全体としてゆがみが少ないです。

2.村治佳織 「アランフェス協奏曲」 VIAC-60001
私がこのアルバムのチェックポイントとしているのは、演奏現場の空気が再生され
ているかどうかです。
演奏現場の空気に関しては、まあまあと言うところです。
ギターの音は少々こもり気味。
しかし、弦の余韻については良いですね。

3.湯川潮音 「tide&echo」 TPIP-9011
5曲目 「Gabriel's Message」
パワーアンプをWT350XMに交換して以来、駄目になっていた彼女の歌声が、やっと
満足のいくレベルで再生されました。

逆を言えば、今まで、彼女の歌声をうまく再生できなくなってしまったため、苦し
みもがいていました。

感想はと言いますと、綺麗な歌声で、響きがあり、シルクのような耳触りの印象。
スピーカが目の前から消え、ぽっかりと彼女の歌声が浮かぶような感じです。
高域にきらびやかさがあります。

4.Rachael Yamagata  「Happenstance」 BVCP-21401
1曲目 「Be Be Your Love」
ドラムに、力強さがある。ボーカルがぽっかりと空中に現る感じ。
しかし、この曲としては、少し綺麗過ぎる感じ。
もう少し濃い音が欲しい。

5.Jacintha 「Here's To Ben - A Vocal Tribute To Ben Webster」GRV10013
9曲目 「Danny Boy」
色っぽく耳元でささやくような歌声。
声に艶がある。彼女に関しては、今まで我が家で再生した中では、一番良い再生。
声の伸び、響きもあって、大変良い印象。

6.Sonny Rollins 「Way Out West」 VIAJ60002
1曲目 「I'm An Old Cowhand」
左右に音が分かれすぎて気持ち悪い。
左右それぞれのスピーカーが鳴っているのがわかる。
音がスピーカーにへばりついている感じ。
これは、ちょっと良くなかったです。

7.川井 郁子 「The Red Violin」 VICC-60227
3曲目 「Margarita Concert」
バイオリンが綺麗で滑らかな音。シルクのような耳触り。
ただもう少し濃い音がして欲しい。
バイオリン以外の楽器も綺麗な音。
一音一音が聞いていて楽しい。

8.ドヴォルザーク 交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」 JMCXR-0013
バックのノイズが少々気になる。
ただ、楽器の一音一音が綺麗。特に、高音域がきらびやか。
音楽に集中できて聞いていて楽しい。

9.Count Basie And His Orchestra 「April In Paris」 POCJ-2471
音が真ん中に集約されている。
個々の、楽器が分離し聞きやすい。
今まで、ビッグバンド系のジャズは、我が家のシステムでは再生してもつまらなか
ったのですが、楽しく聞ける。

サックスが気持ちよく真ん中で演奏している。
気がついたら、6曲目まで聞いていました。(^^;
これが、N802ではなく、JBLやアルテックなどだったら、もっとすごい演奏になる
のかなー、などと不純な思いをしながら聞いていました。

総括として、主役は主役、脇役は脇役といった鳴らし方。

悪い録音をストレートで出すアンプと、悪い録音もそれなりに綺麗な音で出すアン
プとがありますが、このアンプは、後者の方。悪い録音もそれなりに良い音で出す
タイプですね。

また、ケーブル、電源の取り方で、非常に音が変わります。

付属の電源ケーブルでさえ、ここまでの音が出るということは、それなりに吟味し
たケーブルを使うとさらに、良い結果が得られそうです。

また、8.で指摘していたノイズに関しても、アースをしっかりとる等の対策をすれ
ば消える可能性がありそうです。

パワーアンプをAriaのWT350XMに換えて以来、駄目になっていた女性ボーカルは、
逆に今までで、最高の音を奏でてくれました。

また、今まで、我が家では、全くといっていいほど再生できなかったビックバンド
系のジャズも楽しく聴けたというのは特筆できる点です。

最後に、このような機会を与えてくださいまして、川又さん、(株)ノア様には
非常に感謝しております。


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