No.0647 2013年4月20日
 【新着投稿⇒H.A.L.'s Hearing Report-MarkLevinson No.52 inspection event!!】

【H.A.L.'s inspection event-あのMarkLevinson No.52を鳴らしきる試み!!】
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1032.html

本企画にご参加頂きありがとうございました。早速の試聴レポートを頂きました!!

Vol.2「川又ismを堪能させて頂いた、No.52試聴!!」

東京都台東区 T.I 様より

オーディオ歴も会員歴も浅い若輩者ですが、No.32Lユーザーの端くれとして、
新世代機の実力を測り、買い換えの必要性があるかを判断すべく、
『究極のNo.52を聴く』に参加させて頂きました。

実際に訪問して取引させて頂いたのは1度きり、久々の聖地訪問に少し緊張し
ながら試聴会に臨みました。

MLで、或いは、直接御逢いして、数少ない経験から推測する川又店長の特徴として、

a) オーディオ機器を聴くためでなく、音楽を聴くために、オーディオに取り組んでいる
b) 他機種を貶めて製品を売るような真似はしない
c) セールストークで売るのではなく、製品自身の魅力で売る

の3点を強く意識していましたが、それを裏付けるような試聴会でした。

緊張しつつ入室、加古隆の『パリは燃えているか?』が流れていました。
同曲が主題歌となっているNHK『映像の世紀』の大ファンである私としては、
脳内で自身のシステムと比較し、即座に今日の機器のレベルが尋常ではない
のが分かりました。

しばらくたって店長登場、試聴会が始まりました。
b) を強く意識しているのか (思い返せば、No.32L発売時のMLでも『これまで
No.33のベストパートナーとしてジェフローランドを売ってきた私として、
ジェフを貶めてNo.32Lをアピールするような真似は死んでもしたくない』と
発信なさっていたのが、川又店長でした)、プレーヤVivaldi (dual DAC)、
プリアンプNo.52 、パワーアンプNo.53、は固定して、スピーカのみをTAD、
Aida、the Sonusfaber、と交換して2時間たっぷりの演奏。

c) の特徴からか、No.52の技術や特徴についての説明は殆どなく、ひたすら
音楽を楽しむような形。

TADは「これまでTADは音像型と理解していたが、上流をMark Levinsonにすると、
端正な音場も表現出来ると新発見した」という御言葉通り、非常に立体感ある演奏。

特に打楽器に関しては、普通のスピーカでは減衰が遅いため「ドン」という
音が「ドヨォォン」といった感じに間延びしてしまうところ、TADでは減衰まで
含めてハイスピードというか、極めて忠実な再生が出来ている印象であった。

しかし、やはり意識を集中すると、スピーカが消えきらないというか、「2つ
のスピーカから音が出ている」というのが意識されてしまうのが弱点かな?
とも思われ、中々興味深い。

途中、TADのreferenceディスクの通常版とガラス盤を比較する企画あり。
理系で理屈先行の私としては「デジタルなのに、材質で音が変わるなんて
オカルト (サーボ量が減る、などの理屈が分からないわけではないです) 」と
思っていましたが、実際ガラス盤の方が、1オクターブ程度低音が延びていて、
かつ、明らかに低域の透明感・正確性が増しているのが分かり…うーむ、
オーディオは難しい、と再確認。

閑話休題。

続いてAida、いつかは手に入れよう、と狙っていた本命スピーカだけに大いに注目。
決して音場型のスピーカという訳ではないのだろうが、TADと比べると明らかに
スピーカが消えて、音場が左右のみならず上下にまで立体的に拡がる。脱帽。

表現しにくいのだが、風格というか雰囲気というか、音楽を楽しむ上での
優秀さは再確認、満足。

最後に、The Sonusfaber。これは…一聴して "役者が違う" !!  

恐らく弦楽器を中心としたクラシックが得意なスピーカのはずだが、演歌から
ジャズまで幅広く対応。Aidaの風格・音場感とTADの低音・正確性を併せ持つ
どころか軽く凌駕する実力があり、こりゃ将来のスピーカーはこれしかないな、
と思ってしまう演奏…悩みがまた一つ増えました。

…と、実に散漫というか、結局「No.52の感想は???」と訊かれると…うーむ…
という感じではありますが、そんな感じの感想を抱いた試聴会でした。

今度は時間があるときに再訪し、プリを交換しながら一度No.52の実力を探らねば??
と思いますが、このような最強の機器に囲まれて『ボトルネックにならない』
というだけで、No.52のプリアンプとしての実力は間違いないものだと思われます。

自宅のショボイシステムでも、100万円以下の安物(失礼?)機器を繋ぐと、明らか
にボトルネックとなるのが実感されます。それが、我が家の10倍以上の機器で
実感出来ないだけで、実力は折り紙付きと言えましょう) 我が家のNo.32Lを
入れ替える必要があるかどうか…悩みは深まります。

最後に、a) 音楽を楽しむ。

The Sonusfaberでマリナー卿のアランフェスを掛けた際の店長の御言葉、
『殊更に高音質を強調するディスクも時には楽しい。でも普通に録音された
お気に入りのCDでも、実は中に記録された実力の一部しか引き出せていない
ことが多い。だから、私はSACDだとかCDだとか分け隔てなく、好きな音楽を
聴くのだ』がすごく印象的でした。

オーディオの魅力のひとつに高度な機器やメカニズムへの興味、というの確か
にあり、下手をすると機械をつなぎ替えてはひたすら意味もない太鼓の音など
を聞いているだけ一日が過ぎる…などという本末転倒なことになりがちですが、
やっぱり楽しいのは音楽、自分の聴きたい音を素直に楽しむ…ただし、あわ
よくば少しでも良い音で…がオーディオの基本だな、と再確認出来ました。

長々と書いてしまいましたが、私の感想は以上です。
会場に居合わせた諸先輩方は私より遙かに深い理解と体験をなさっているかと
思いますが、私の拙い知識と筆ではこのくらいです。

とにかく、HAL-7Fのレベルは凄いです。
『未聴の方!!  こんな文章読んでいる暇があったら、一刻も早く川又店長に
予約の電話を!!』と御勧めして、このダラダラ無駄に長い感想文を終わりと
させて頂こうと思います。

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川又より

T.I 様ありがとうございました。私には勿体ないお言葉まで頂戴し恐縮至極で
ございます。そして、私の考え方を見事に代弁して頂き感謝しております。

今回の主役はMarkLevinson No.52というタイトルでしたが、実はプレーヤーも
ケーブルもそして、スピーカー達も皆主役であったと思います。

ですから、全てのコンポーネントの相乗効果として今回の音質があったという
ことなのですが、確かにNo.32Lとの一対一の比較をしていないということから
もどかしさもあったかもしれないと反省しております。

そして、MarkLevinson No.52+No.53のペアがここにあるうちに、再度No.32Lを
ここに用意して、いつものようにしつこいくらい同じ曲を繰り返して聴く分析
的な比較試聴会を再度企画したいと考えております。

実現しましたら配信にてご案内致しますので、No.32Lオーナーの皆様、そして
MarkLevinsonプリアンプのオーナーの皆様は期待していて下さい。
最後にもう一度、T.I 様ありがとうございました。


HAL's Hearing Report