35th マラソン試聴会 Hearing Report


No.0617 - 2011/11/3

Vol.1「驚くのはまだ早かった!!」

埼玉県上尾市 T T 様より 

この訪問記ではお世話になりました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_visi0029.html

前回のマラソン試聴会のご感想はこちら。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0589.html

前回の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0610.html

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10/29(土)のマラソン試聴会に参加しました。
全部端折って川又さんのコーナーのみリポート。
会場に入ってしばらくすると肩をポンポンと叩く人が…、振り返ると川又さんでした。
「最後まで居られるんでしょ?」と。また長文リポートとなりましたが、流れ
だけでも来場されなかった方々に伝わればと思います。

15分押しで始まりました。前回は冷房が効かない中でのまさに暑い(熱い)
マラソン試聴会でしたが、今年は冷房が効いていました。

今回のマラソン試聴会のテーマはサプライズと事前に聴いていたのでお店でも
担当者から何が登場するのか一切聞けませんでした。

受付でプログラムを渡され、川又さんのサプライズ・システムを見ると
「The Sonus faber」の文字が…。舞台上に上がるだけでも十分にサプライズである。

川又さんによるとこれから各地のイベントをまわり、H.A.L.Iに帰ってくるの
は11月下旬との事。

まず、川又さんの頭の中で直前まで葛藤があったのであろう演奏システム。
いきなりプログラム通りには演奏しませんでした。

初めはMORDANT-SHORT のPerformance6でお馴染みテストCD「STS Digital 
611189, various music」の紹介。CDPはエソテリックK-01。

システムをそのままに因幡晃のデビュー35周年記念アルバム「まん丸の蒼い月」(2010)
よりデビュー曲「わかって下さい」。

これはHPの2011年7月5日 No.835「MORDANT-SHORT Performance6 & ESOTERIC 
I-03 & Black Ravioliの奇跡!!」に詳しく書いてありますので説明は省きます。
 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/835.html

バックはシンプルにウードとピアノ。音の広がりがキレイで因幡晃の声に張りがある。
今回のマラソン試聴会で最安値のスピーカーペアで65万が十分なエネルギーで
聴かせてくれている。

次に予告なしにスティングの「フラジャイル」(アルバムは「Nothing Like
The Sun」に収録)を1分かけて、カバー曲の紹介。

1つ目はクラシック・ハープ&パーカッションをバックに男性ボーカル。
音の響きが美しい。
今回は最後列に座ったが、その位置でも十分な音量であり、スピーカーの素性も分かる。

2つ目は2Cellos(ツーチェロズ)。
マイケル・ジャクソンの「スムーズ・クリミナル」のカバ−がYoutubeに
アップされてブレイクしたとの川又さんのインフォメーションあり。

普通の演奏とチェロの弦を爪弾きとの組み合わせが絶妙。チェロの深い響きが印象的。
オーディオマニアであればあるほど、このような細身で廉価なスピーカーから
は想像できない音が出てくるのは信じられないだろう。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=jjOQac1vOEc

次にお馴染みKiso Acoustic HB-1を鳴らすべくB.M.C.audioのセットアップを
するが、今日初めてのトラブル。

音を出した時にこじんまりした音と思ったが片チャンネルから音が出ていなかった。
急きょ予定を変更してP-02よりRCAで176kHzをDEVIALET  D-Premierに送り込み、
HB-1を接続。

弦楽器の演奏でこれまたお馴染みのソフト、Enrico Onofri「CON AMORE-Enrico 
Onofri with Cipango Consort Live in Japan Special 
Guest:Maki Mori (Soprano)」
(愛をこめてエンリコ・オノフリ with チパンゴ・コンソート
 Live in Japan 2011 スペシャルゲスト 森麻季)より
「セレナード第13番ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」」。

同じマホガニーのHB-1のペア2組の聴き比べ。最初に接続された方より後で
接続されたHB-1の方が倍の音場感で弦の響きも美しく、音量までも違うと思えるほど。

前者は貸し出された物で、後者はH.A.L.Iで約5000時間鳴らし込まれた物と
川又さんが種明かし。この5000時間鳴らし込まれたHB-1で今度はピアノソロを聴く。
鍵盤の打音鋭く、響きが拡散する。

ここで先ほどのB.M.C.audioが復帰。単純に配線ミスとの事。
このB.M.C.audioのテクノロジーは是非カタログでご確認頂きたい。

従来とは異なる方法で信号を送りアンプもD/Aでコントロールするというもの。
ここでも聴き比べ5000時間のHB-1と新製品FRANCO SERBLIN Accordo。

曲は同じエンリコ・オノフリ。価格的にもサイズ的にも競合する。
いや〜驚いた。FRANCO SERBLIN Accordo。

一回り大きい事や並行面を持たない独特な形状も関係あるかもしれないが、
低音も延びるし、音に迫力がある。私の独断での見解だがHB-1を上回っていると感じた。

驚くのはまだ早かった!!

今度はFRANCO SERBLIN Accordoで男性アカペラ曲を聴いた後、スピーカーの
間を50cmずつ広げて内振りにして、マーラーを10分聴く(事前に10分このシス
テムで聴きたいか会場のアンケートを取りました)。

この様な小型スピーカーで左右のスピーカー間を広げると音が中抜けになるも
のである。しかし、このスピーカーは違う。奥行きが出て音像がはっきりする。

種も仕掛けも無い川又マジック!

「そうか川又さんはこのスピーカーでフルオーケストラを聴かせたかったのか」

まだ月に何台製造されるか何も決まっていないそうである。
しかし楽しみなスピーカーがまた出てきた。

次に同じ血統のFRANCO SERBLIN ktemaを聴く。1966年の富田勲のジャングル大帝。
川又さんの説明によるとオーケストラにナレーションがのっかっているものを
DVDの音源からナレーションだけを取り除いてCDに焼いたものとの事。

私は再放送で見ていた。
Ktemaはだんだん熟成しているようである。最初来た時と明らかに音が違う。

次に川又さんが探し続けたという15-6年前のアウディのCMで流れていた曲。
若干低音が飽和気味になるが、このような会場で大音量で鳴らすスピーカーで
ないので問題ないだろう。

弦楽器とのマッチングは分かったでは対照的なJazzでは管楽器ではどう鳴るか?
ファブリッツィオ・ボッソのトランペットを聴く。
周りの空気を切り裂くような鋭い音を聴かせてくれる。
ここで予定の20時。川又さんが「まだ予定の半分なんですよ」と白状する。

次にシステムを変更し最近フラッグシッププリアンプを発表したTADのフル
ライナップ。スピーカーはTAD-E1。

Referenceの冠が無いようにモニター的なカチッという鳴り方はしないと事前
にインフォメーションあり。

曲は川又さんがラジオで聴いてやっと探し出したというフランス輸入盤。
ボーカルはYukimi Nagano。
次に有名なマーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」の聴き比べ。

1.オリジナルシングル
2.オリジナル・デトロイト・ミックス
3.DSDマスタリングのSACD

次にSmappies(スマップのバックをつとめたミュージシャンが集まったユニット)で
007のテーマ曲。細身でありながら十分な音量が出せる、まだまだ色々なジャンル
を鳴らしてみたいスピーカーである。

次にスピーカーを同じReference Oneに変更。弘田三枝子を聴く。
小さい頃よく歌謡曲を聴いていたので名前は知っている。

1965年7月「ニューポート・ジャス・フェスティバル」に日本人歌手として
初めて参加。ビリー・テイラー・トリオをバックに歌ったとH.A.L.Iで川又さん
に紹介されたアルバムである。

曲は「アイム・カミング・ホーム」。
途中でベースで唱歌「さくら」の一小節が入る。

「Comin' Home Baby」でサックスはデイヴィッド・サンボーン。
Tutti! Orchestral Samplerでフルオーケストラを聴く。

もう安定感がありどんなに大音量でも破綻しそうにない。
これでTADのリファレンス機器が揃った事になりH.A.L.Iで導入されたら楽しみである。

最後にThe Sonus faberが登場。システムは相性のいいsoulution。
1.今年ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した佐渡裕でドミー
 トリイ・ショスタコーヴィチのシンフォニー。
2.これも試聴会ではお馴染みのメルセデス・ソーサ
3.最後は非売品というトランペットとピアノのシンプルな構成の曲。

これはH.A.L.Iに11月下旬戻ってくるそうなので是非抑えておきたい。
JBLのProject EVEREST DD66000と同じようにどんな会場でも不足はないであろう。

終了時間は21時。11時から集まったユーザーの皆様お疲れ様でした。
世の中では色々起こっていますが、俗世間から離れて一日音楽三昧もいいものです。
特に新製品が出て音出しした時のワクワク感は何にも代えがたい。

毎年ダイナミックオーディオが総力を挙げて主催するマラソン試聴会。
今回も収穫がありました。

イベントが落ち着いて各機器が戻ってきたら改めて各フロアをまわって聴きたいですね。
特に私の注目はFRANCO SERBLIN Accordoをじっくり聴きたい。

最後に島さん、東さん、厚木さん、川又さん、そしてアシスタント及び輸入
代理店やメーカーの皆様お疲れ様でした。

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川又より

T T 様ありがとうございました。よくぞ私のセリフを良く記憶して頂きまして
紹介して下さり頭が下がります。本当にありがとうございました。

そして、本日facebookにて使用したディスクを公開しましたので、合わせて
ご覧頂ければと思います。こちらです→ http://goo.gl/gMsw0

参加された他の皆様もどうぞご感想など頂ければ大変嬉しく思います。
気軽にメールにてお送り下さい。そして、早速私は来年のマラソン試聴会の
構想など考え始めています。ご期待下さい。ありがとうございました。


HAL's Hearing Report