《32th マラソン試聴会Audio Sinfonia 2008' Hearing Report》


No.0451 - 2008/10/30

埼玉県上尾市 T T 様より

Vol.1「鳴り終わった時に自然に沸き起こった観客からの暖かい拍手は!!」

前回の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0446.html

過去の投稿の“ほんの一部”をご紹介致します!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0434.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0427.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0423.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0401.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0403.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0390.html


まず25日のリポートです。
25日の1日目は時間に余裕があるため…(と言ってもいつものように大幅に
オーバーしましたが(笑))、曲を途中でフェードアウトせず1曲まるまる
音楽を楽しむという形をとりました。

ですので私もいつものようなメモを取りながら試聴はせず、1日おいても感動
が残っているエピソードをリポートします。
印象に残ったものを書き連ねていくので時系列はバラバラです。

今回、川又さんが選曲したものは私が初めて聴くものばかりで、ブラインド
テストも何の知識を持たずに臨みました(1曲は除きますが)。

最初は「カルメン幻想曲」のブラインドテスト。

詳しくはメールマガジンや今回のマラソン試聴会のHPを参照していただいて、
要は同じ楽曲でスイスでレコーディングした神尾真由子のCDか、軽井沢のホール
で録音したメイド・イン・ジャパンの渡辺玲子のCDかを見極めるというもの。

「神尾真由子のCDは最初に演奏したものか?後で演奏したものか?」

スピーカーはGERMAN PHYSIKS Carbon MK4を使用。360度無指向性のスピーカー
が大きな空間でどう表現力を発揮するのか聴き逃せません。

会場の反応は半々くらいでしょうか?
(ちょうどセンターポジションに近かったので後ろは分かりませんでしたが)

結果は見事外しました。

言い訳をさせていただければ某アマゾンのカスタマーレビュー(6人)で
神尾真由子のデビューCD「PRIMO」の評判がよろしくないのです。

「レコーディングの品質がかなり悪く・・・」
「前優勝者諏訪内晶子氏の演奏とは雲泥の差がある」
「音大受験生向けの模範演奏」

等々、辛らつな批評が並び(絶賛している方もいらっしゃる)私は購入を躊躇
しているところでした。

「仮にも2007年6月、第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝者、楽器
はストラディバリウス。なのに音が悪いのか?」という思いが頭の隅にありました。

実際に自分で聴いてもいないのに・・・。

2つのうち1曲めは確かにストラディバリウスの音、2曲目は今ひとつ音に磨き
が感じられない。ソフトに言えばこうなるが、明らかに音が悪い。

バイオリンの倍音の響きが短く、なにかこもった感じでした。
でもこれは高いレベルでの判断。

私は自分が聴きもせず「音が悪い」と勝手に判断していた事を素直に恥じて、
二日目の26日の帰り道に新宿で途中下車して神尾真由子のCD「PRIMO(初回盤
のDVD付き)」をヨドバシカメラで購入いたしました。

この日一番驚いたのがESOTERIC P-01&D-01&G-RbのセットでSONYの非売品SACD
のSACDレイヤーを再生。

同じ楽曲をCD専用プレーヤー Burmester 069でCDレイヤーを再生。
両者を比較してどちらがSACD再生か?これもブラインドテストで「SACD=音が
いいに決まっている、という先入観がある」と川又さんがMCで指摘。

「一体型CDプレーヤーでも完成度が高いとSACDを上回る」

ジャンルにもよると思うのですが、今回演奏されたBig Band Jazzの演奏の
興奮と熱気はBurmesterの方が上でしたね。

会場の反応も大半がBurmester支持でした。これも見事に外しました。
ESOTERIC P-01&D-01&G-0s使いとしてはお恥ずかしい限りです。

新星スピーカー:consensus audio magmaは素晴らしいですね。

お忍びでインターナショナルオーディオショウの前にH.A.L.T持ち込まれた
ものを聴く機会に恵まれました。その時の印象は「素直なスピーカー」です。

ありのままを聴かせてくれる。
エンクロージャーの響きも計算に入っているのでしょう。

私のシステムのB&W Signature800とは対照的ですが、魅力的なスピーカーが
現れたという印象です。

エンクロージャー内に吸音材が入っていないという事で、ルーメン・ホワイト
に通じるものが確かにありました。

初めて聴くMarklevinsonのパワーアンプMarklevinson No.532とMarklevinson No.53でした。

どちらも素晴らしかったですが、ステレオアンプMarklevinson No.532は
Marklevinsonが放つ初のデジタルアンプということもあり初体験の音。

モノラルアンプMarklevinson No.53の音はふっくらしていました。

次は男女のバイオリンの演奏を聴き分けられるかというブラインドテスト。

プリのみ同じJEFFROWLAND CriterionでメインアンプはNo.53とNo.532を使う
がどちらにあてがわれているかも川又さんが知るのみで秘密。

庄司紗矢香の「ヨアヒム」とマクシム・ヴェンゲーロフの「クロイツェル」である。

同じ楽曲でもピチカートの力強さと全体の力の入れ具合、女性の優雅さで違い
は大きいものでした。

また録音年代の違いが録音技術の進歩の違いに音が反映していました。
ダイナミックレンジ・音の立ち上がり・エコー成分どれも上回っていました。

私の(下衆の)勘ぐりですがNo.53のふっくらした感じでマクシム・ヴェン
ゲーロフの「クロイツェル」を再生させ、Marklevinson No.532の音の鋭さで
庄司紗矢香を演奏し両者の溝を縮めようと川又さんの計算が働いたのでは?

しかし、まだ勉強し始めたクラシックからの出題は難しかった〜。

二日目の26日は時間の関係もあり曲は途中でフェードアウト。
しかし、内容は1日目に負けず劣らず濃縮されたものでした。

まずブラインドテストでVitus Audio SS-101でCDレイヤー演奏と新星Marklevinson
No.512でSACDレイヤーの演奏の違い。

どちらがSACDでの演奏か?

これまた私は外しました。

Vitus AudioはH.A.L.Tで何度も聴いている完成度の高い素晴らしいCDプレーヤーです。

MarklevinsonのSACDレイヤーはH.A.L.Vでチラっと聴いただけ。
音の細かな傾向は分からない。

着目点はSACDの音は全体的に薄めの印象で、高音の部分に絞って違いを見つけ
ようとしましたが、失敗しました。

これはMarklevinson No.512を聴き込まなくては!

飛び入りで行った庄司紗矢香のデビュー盤とベスト盤の音の違いのブラインド
テストは簡単でした。

同じ音源でありながらデビュー盤はCD黎明期のような、バラバラに主張している印象。

「CDになりLPとは音がこんなにもクリアですよ」という演奏。
そして低音の処理にアラが出ていました。

分解能が悪く飽和状態で音像が膨らんでしまった。
ベスト盤は滑らかでリマスタリングされたように整えられている演奏でした。

Kharma Grand Ceramique Midi 1.0 VS Sonusfaber  Stradivari Palladioは
両者共に歌うスピーカーです。

しかし、私の好みの範疇から外れています。
なんせ私はJ-POPの女性ボーカルが上手に鳴ってくれればいいように、メイン
システムをセッティングしているので、両者の目指す音の方向性が違います。
ですのでこちらのリポートは他の人におまかせします(とバッサリ)。

最後にVIVID Audio the G1 GIYA / Barocco Redで「AMAZING GRACE」が鳴り
終わった時に自然に沸き起こった「観客」からの暖かい拍手はこの二日に
渡って演奏されたコンポーネントと島さん、東さん、厚木さん、川又さんと
サポートされたアシスタントと輸入商社やメーカーの営業の方々に送られた
賛辞ですね。

近年まれに見るオーディオ製品ラッシュだと思います。
それもハイエンドメーカーからの待望の製品がぞくぞくとリリースです。
今回、まさに選び抜かれたコンポーネントたちの熱狂の二日間でした。

会場は結婚式場のような硬い椅子で難儀しましたが、青山のホールという事で
交通の利便性も良く、臨時で予備電源から引っ張ってきた100Aは威力がありました。
1日目の厚木さんのプログラムでエベレストJBL JBL DD66000 EVERESTをあんな
大音量で聴いたのは初めてです。

二日間、お疲れ様でした。
今回のプログラムを練る時間も入れると大変なエネルギーだったと思います。

聴いている方もすっかり癒されました。帰りの足取りが軽かったです。
ありがとうございました。
来年のマラソン試聴会を早くも楽しみにしております。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

T T 様本当にありがとうございました。確かに今回のマラソン試聴会は準備に
時間と労力がたくさんかかりました。前例のないくらいです。

そして、私は他のオーディオイベントに対してマラソン試聴会は多数を見せる
ショーではなく、感動して頂くことが最終目標だとご挨拶させて頂きましたが、
まさに皆様に体感して頂いた音、空間、美意識、迫力、などなど各々の皆様が
感じられたことは違ったとしても最後に拍手を頂いたということを誇りに思う
ようになりました。

オーディオのイベントで自然と拍手が沸き起こるなんて他にはないです!!

現在のところは来年も同じ会場でという話しが持ち上がっています。
ぜひぜひ来年も楽しみにしていてください。ありがとうございました。


HAL's Hearing Report