《Impression of H.A.L.'s“1PH”Audition!!》


No.0437 - 2008/4/24

岐阜県岐阜市 K.A 様

H.A.L.'s“1PH”Audition!!の体験者からの投稿です。
本企画は下記をご覧ください。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/586.html

Vol.1「あの曲の低音がはっきりと分離して聞こえます!!」

川又様

先日は長い時間一対一でおつき合い頂き誠に有り難うございました。

今回初めて伺うにあたり、予約の30分位前にHALIの試聴室に足を踏み入れまし
たが、想像はしていたものの圧倒される機材を目の当たりにし、ここにいて
いいのだろうかという不安感すら抱きました。

川又さんの紹介文では、1PHの企画は教育の意味合いが大きいと読みとれまし
たので、まずここは受け身となり教わっていこうと思い、気持ちの平静を取り
戻しつつ時間を待ちました。

Isisの中央の試聴位置に座りますと、川又さんは右手のGOLDMUND EIDOS Referenceの
前に鎮座され、日頃どのような曲を聴くのかを尋ねられました。

女性ヴォーカルや弦楽器である旨をお伝えすると、「まずはマーラー交響曲
第一番から初めてヴォーカルものに移りましょう」とのこと。

トップクラスのフルGOLDMUNDにIsisの組み合わせなら当たり前のことかもしれ
ませんが、曲が始まると三次元的に広がった音場に各楽器群がきっちりと定位
していることに驚き、各楽器群の音が一塊とはならず、粒立ちを感じられ
「ああ、さすがだ」と思わされました。

女性ヴォーカルを聞きますと、全く誇張なく、7cmくらいの空間から声が聞こ
えてきます。

「ああこれが川又さんがよく言われる、口の動きがわかるということなのか」

と一人ほくそ笑みました。旧型のGOLDMUNDを使っている立場としては、あの
独特の色合いが最新のモデルでは薄いようにも感じましたが、何せレベルが
違いすぎ、自分のスタンダードとの比較が困難です。

冒頭でも書きましたが、この企画の主旨から、曲が終わると質問や解説がある
ものと思い、自分なりのレベルで分析的に聞いていましたが、何曲聞いても、
特に質問等はありません。

しかし、実際は川又さんが選んだ曲は一つ一つに自然と注目するパートがあり、
ある曲は音場や定位、別の曲では打楽器の切れや締まりなどに意識は向かいます。

無言のうちに、「こういうところを聞け!」ということなのかと理解しつつ
試聴を続けました。

途中からは質問されることもないことに安堵しながら、せっかくこんないい
音楽を聴いているのに分析的に聴いていると、リラックスできないのでもった
いないと考え直し、聴き方を変えました。

そうなると実に心地いい!!

思わず川又さんに向かって、そう伝えると、私が言うのも何ですが、まじめな
話しのときはなかなか強面の川又さんも(すみません)、満面の笑みで「それ
はよかったです」と言われ、川又さんとの距離感も縮まったように思え、より
リラックスできました。

かなり試聴させていただいてから、こちらから質問をいたしました。

多くの注目した点がありましたが、その中で、低音を豊かに保ちつつ、これ
だけ切れのいい締まった音を得るためのポイントを伺いました。

打楽器やベースの連打での音の一つ一つが、余韻を残しながら厚みを保ち、
かつ分離している点が知りたかったわけです。

その際、高音は破綻せず耳障りではないので、音量が大きいだけではないと
自分なりに思った上での質問でした。

何点かの説明をされた後にこちらで聴いてみましょうと、ESOTERIC+HALCRO
+MOSQUITO NEOの組み合わせでの試聴となりました。

ここでは打楽器での演奏でしたが、素晴らしく引き締まりつつ、豊かな低音で、
この点ではGOLDMUND+Isisでもかないません。

「"音の粒子がわかる"というのはこのことなのか!!」

とうならせる解像度も素晴らしかったです!!

次に Jennifer WarnesのThe Wellの三曲目です。この曲は日常聴いているもの
でしたが、常々、低音部分の一音一音の分離が甘く、連続した音に聞こえてし
まい、そういう録音なのかと思っていたものでした。

先のシステムでも聴いていますが、さすがにある程度は引き締まってはいたの
ですが、やはり同様の傾向があり、「Isisでも無理なら録音が問題なんだ」と
納得していたものです。

この曲をESOTERIC+HALCRO+MOSQUITO NEOでどうかということです。

この曲に対する私の心の内は、川又さんに知るよしもないのですが、まるで
見抜いたかのようにこのCDを再度選ばれ演奏がはじまりました。

冒頭の30秒ほどを聴いて、「あーわかりました。これで結構です」と言ってし
まいました。

あの曲の低音がはっきりと分離して聞こえます!!

私の耳でも弦を弾いて減衰する過程が明瞭で、次の音に埋まってしまいません。
これは凄い!!

Vitus AudioのセットでNeoを鳴らした場合でも、この傾向は同じですので、
Neoの力なんだということも確認できました。

さすがに解像度が落ちて [価格差から考えて、同じ土俵で話しをするのは、
Vitus Audioのセットに申し訳ありません。大変リラックスできる暖かみの
ある音であったことは申し添えます]薄いベールがかかりますので、ESOTERIC+
HALCROの組み合わせよりは落ちますが、Isisのときよりも、むしろ引き締まっ
ていると思います。

しかし、どちらも余りにも高い空間表現力であることに間違いはなく、上品な
艶を伴い、リラックスさせてくれるのはGOLDMUND+Isis、解像力と引き
締まった低音はESOTERIC+HALCRO+MOSQUITO+NEOかとも思いました。

もっと緻密な評価ができればいいのですが、私では悪い、ふつう、いい、それ
以上、程度の判断能ですので、この解釈を見た川又さんに叱られるかもしれません。

しかし、GOLDMUND+Neoの組み合わせならどんな音楽を聴かせてくれるのだろう
と思わずにはいられません。

今回の1PHの企画では、素晴らしい音楽と多くの勉強をさせていただきました。

しかし、それ以上によかったことは、川又さんと音楽の共通言語ができたこと
であり、今までは想像していただけであったものが、今後は川又さんの文章を
読む時に、より正しく意味を理解可能になったと感じられたことです。

今後ともよろしくお願いいたします。

追加ですが、HALCのブビンガ仕様は実に美しい仕上がりです。
実物は違いますね。

今回は知ってはいけないものを知りすぎました。あー困った。

それではアルコールはほどほどに、ご自愛ください。

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K.A 様今回のご来店と投稿本当にありがとうございました。

先ず、いくつかの解説を追記させて頂きますと、本企画のご案内で「お一人様
だけにきっちり一時間に凝縮した私の選曲と解説による個別試聴会」という
ご紹介の仕方をしたしまったので「1PHの企画は教育の意味合いが大きい」と
思われてしまった様子ですね。

私の表現が適切でなかったものと思いますが、先ずは演奏を楽しんで頂くこと
が最も大切なことであり、私は質問があればお答えするというスタンスでおり
ますので、どうぞ誤解なきようによろしくお願い致します。<m(__)m>

しかし、K.A 様がおっしゃるように…「無言のうちに、こういうところを
聞け!ということなのか」という意図で選曲していたということはあります。

ですから、「この企画の主旨から曲が終わると質問や解説があるものと思い」
これは私から言葉で述べることはありませんが、行間を読むの例えのように
演奏で感じられたことをご記憶頂き参考にして頂ければよいと思います。

そして、ぜひ気軽に私の選曲と演奏を楽しんで頂き、逆に皆様の方から質問が
思い浮かんだ時におっしゃって下さい。それまでは黙々と演奏致します(笑)

しかし…、「まじめな話しのときはなかなか強面の川又さん」ということは
私も反省しており、この年で増えた白髪と顔のシワを生かしてもっと柔和な
表情を心がけたいと思います(^^ゞご指摘頂きありがとうございました。(笑)

そして「川又さんとの距離感も縮まったように思え…」という、この一言が
私が本企画を推進していこうという本来の目的でもあるのです。

私とお付き合いの長い皆様は私のしわだらけ? の笑顔をご存じでしょうが^_^;
そうでない皆様にはまだまだとっつきにくい男というイメージがあるのでしょう。

それをなくしていきたいと思いますので、ぜひぜひ皆様も本企画をご利用頂け
ればと思います。どうぞよろしくお願い致します。

「アルコールはほどほどに…」というアドバイスありがとうございました(笑)
ドクターであられるK.A 様に私も色々と教えて頂きました<m(__)m>

最後に、K.A 様の場合には結果的に“1P2H”ということで、二時間以上も
じっくりと滞在して頂きました。本当にありがとうございました。

全国のハルズサークルの皆様、一時間でも何時間でもお付き合いさせて頂き
ますので、どうぞご来店下さいませ!!


HAL's Hearing Report