《H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report》


No.0429 - 2008/3/20

横浜市南区 H.Y 様より

“Friday concert”Vol.30はこんな企画でした。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/579.html

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>

http://www.dynamicaudio.jp/file/080314/guest.jpg

あいにくの雨模様となった当日でしたが、大変うれしいことに満席状態での
開催となりました。ありがとうございました。<m(__)m>

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Vol.137「特にフォルテシモにおける歪み感が少ないのに感心しました!!」

川又さん、こんにちは。
3/14のFriday concertではお世話になりました。
ありがとうございました。

初めての参加で、他の方のように的確なレポートができているのか不安ですが、
感想を送らせていただきます。


・the subject .1「ESOTERIC P-01&D-01のbefore-afterを体感する!!」

■ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」

音質的には、かなり違いがあると思いました。
before版ではいわゆるドンシャリ型のバランスで、組み合わせるスピーカーが
小型だったらこちらの方が好ましいかもしれませんが、Neoとの組み合わせで
は演出が過剰でした。

after版は明らかに上品な鳴り方をしていました。before版で感じた曲の始め
の所の荒さも改善されていたと思います。


■Yo-Yo Ma Plays Ennio Morricone/1.  Gabriel's Oboe

before版では弦に艶が足らないのに対し、after版では艶がちょっとは出てい
ました。
※個人的には、両者ともあまり好みの鳴り方ではありませんでした。


・the subject .2「同系列メカVRDS-NEO搭載システム二社を比較する!!」

■DIANA KRALL 「LOVE SCENES」11.My Love Is(MVCI-24004)
ESOTERICの方は、wet感がありエコーなど過剰ですが聴いていて楽しいです。
dcsは相対的にdryでしたが等身大の表現だと思います。
モニター的な正確な表現に感じました。


■The Best of Cantabile 1.チャイコフスキー「くるみ割り人形」こんぺい糖のおどり
dcsは、ここでもモニター的な正確な表現だと思います。
ESOTERICは、演出が派手に感じます。


・SACDとCDはどのくらい違うの!?
■村治佳織 Transformations 19.「ラストワルツ」

ESOTERICでノーマルCD:弦のアタックなど、コンプで大分つぶされている感じ
がしました。ESOTERICでSACD:弦のアタックが改善されていました。

dcsでノーマルCD:弦のアタックのつぶれ感は、ESOTERICより大分ましでした。
dcsでSACD:ノーマルCDの再生が良かった分、SACDでの改善率がESOTERICより
少なく感じました。


・the subject .3「同社でのアップサンプリング・テクニックを比較する!!」

アップサンプリング技術に関しては、サンプリング周波数の他にも、窓関数に
何を用いるのか、タップ数はいくつか等、色々なパラメータがあり、それに
よって音質が大きく変化してしまうので個人的には諸刃の剣だと考えています。

パラメータをとっかえひっかえしていると、音楽を楽しむという本質から外れ
ていってしまうので、一長一短がありますね。

色々パラメータを変えて楽しむのもありだとは思いますが、個人的にはその
機器の音質は1種類であって欲しいと思います。


■IZZY 「Libera me」 1. バイレロ (Trad.)  UCCL-1008

※川又さんが96kHz/192kHzアップサンプリングの聞き比べ言われたので一瞬
アレッと思いました。
音源がCDなら普通は整数倍の88.2kHzか176.4kHzでアップサンプリングした方
が、96kHz/192kHzアップサンプリングより音質は改善する(しやすい)と思っ
ていました。

敢えて難しいアップサンプリング倍率でBrumesterは実現したという事ですね。

Brumester 069(96kHzサンプリング):音がすっきりしていて、抜けが良く感じ
ました。

Brumester 069(192kHzサンプリング):音の重心が低くなりました。
輪郭が太くガッチリしてきました。

※個人的には、96kHzサンプリングが好ましく感じました。


■MICHAEL BUBLE/1.「Fever」WPCR-11777

※これ以降スピーカーがAvalonに変わって音が全般的に柔らかく出るように
なったので、評価にブレがあるかもしれません。

Brumester 069と969+970の聴き比べは、前者が演出過剰気味に対して後者は
相対的にあっさりとした感じがしました。

※甲乙つけがたいです。


・the subject .4「ここからが面白い!!ここでGOLDMUNDがからむ!!」

■MUSE 1.フィリッパ・ジョルダーノ/ハバネラ

Brumester 969+970:最初に再生しました。この音をリファレンスとしました。

GOLDMUND EIDOS REFERENCE:フォルテシモで歪み感が少なく、しっかりとした
音でした。

新世代ESOTERIC:演出感が過剰気味。

dCS  Scarlattiシリーズ: モニター的な音で正確。何も足さない。
何も引かない。ESOTERICと対照的。

※dcsが好印象。


・ the subject .5「ここからが面白い!!ここでGOLDMUNDがからむ!!-Part.2」

■仲野 真世 Piano Trio SCABIOUS 2.INNER BELLS(BRPN-7001)

ESOTERIC:最初に再生しました。この音をリファレンスとしました。

OLDMUND EIDOS REFERENCE:ピアノの弦の輪郭がはっきりと感じました。

Brumester 969:GOLDMUNDに比較すると、やや甘口。

dCS  Scarlattiシリーズ: モニター的な音で正確。やや冷たい印象。

※OLDMUNDかdcsか、迷うところ。


・ the subject .6「番外でのアンコール企画です!!」

話題のガラスCDと、一般的なポリカーボネートCDの聴き比べをdCS  Scarlatti
シリーズで行いました。

ガラスCDは、特にフォルテシモにおける歪み感が少ないのに感心しました。
材質によってこうも音が変わる事を実感できて、貴重な体験でした。

以上です。お粗末なレポートで失礼しました。

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川又より

H.Y 様ありがとうございました。初参加にも関わらずご丁寧なレポートを頂き
こちらこそ、感謝しております。

そして、各社の製品と音質に関して参加者の皆様の評価が少しずつ違うという
ことが次第に表れてきたように思います。

考えようによっては当然のことなのですが、皆様お一人が自分のベストを探し
たいという時には、やはりベストポジションで時間をかけて聴いて頂くという
ことで、イベントという席上では参考程度にとお願いしたいものです。

さあ、他の皆様はどのような印象を持たれたのでしょうか。引き続き皆様の
ご感想をお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

□追伸
上記にアップサンプリングの周波数で「音源がCDなら普通は整数倍の88.2kHz
か176.4kHzでアップサンプリング」というご意見がありましたが、これは各社
がパーツとして使用するデバイスの設計と、どのメーカーのデバイスを使うか
ということ、そして必ずしも整数倍でなくても演算誤差が極めて少なく音質に
は問題ないという各社の判断によるところで結論となっているようです。

アップサンプリングの製品が出始めた頃は確かに整数倍の方が、ということを
私も考えましたが、デバイスの精度が日進月歩で進化するうちに今ではあまり
大きな問題ではなくなってきているようです。これは私が聴いての印象でも
あり結果的な音質として問題にならないポイントということでご理解下さい。
よろしくお願い致します。


HAL's Hearing Report