《H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report》


No.0426 - 2008/3/17

千葉県松戸市 H K 様より

“Friday concert”Vol.30はこんな企画でした。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/579.html

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>

http://www.dynamicaudio.jp/file/080314/guest.jpg

あいにくの雨模様となった当日でしたが、大変うれしいことに満席状態での
開催となりました。ありがとうございました。<m(__)m>

               -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

Vol.134「川又さんは物凄く大きな変化ではないとおっしゃいましたが!?」

過去の代表的な投稿をご紹介いたします。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0362.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0400.html

川又さん

今日はとても貴重な体験をさせ頂き、しかも遅くまで、本当にありがとうございました。

天野さんも、お疲れ様でした。

久しぶりの"Friday concert"ということで、しかも、今話題の新世代ESOTERIC
P-01&D-01、それに一体型の頂点とも言える、Brumester 069 Reference CD
Playerも参加するとあって、今日のFriday concertをとても楽しみにしており
ました。

今日参加のプレーヤーはいずれも「超高品位」であることに間違いはなく、
その中での違いとは、結局は、各人の音の好みの違いに通じるものと思いました。

ちなみに、私は現在dCS  Scarlatti Transportを使用し、主にdCSのシステム
(+クロノス)を組んで日々オーディオを楽しんでおりますので、以下の感想
には、当然ながら、私の好みが色濃く出ています。

そのあたりを充分に配慮して頂いて(私の思い入れを差し引いて)、読んで
いただければと思います。

ただ、今日の会の最後に、どのシステム(トランスポート)で、カラヤンの
例の「ガラスのCD」を聴きたいかという質問に対して、私も含めて、過半数の
参加者がdCS Scarlattiのシステムと回答したことは、とても興味深いことで
したし、同時に、やや意外でもありました。

これに関連して、ここで、端的に、今回の自分なりの結論を出すならば、
The subject.5「ここからが面白い!!ここでGOLDMUNDがからむ!!-Part.2」
(GOLDMUND MIMESIS 20ME Alize 6 Limited Editionトランスポートの交換に
よる比較)のところで、実は、これらのトランスポートごとに、音質の大きな
差は生じないのではないかと思っていたのですが、実際に演奏を聴いてみて、
私は、やはり、dCS Scarlattiのシステムが気に入りましたし、同様に過半数
の参加者もそう思われたのではないでしょうか。

もちろん、トランスポートやシステムそのものの性質以外に、その際の選曲の
種類など、さまざまな考慮すべき要因があるでしょうし、このあたりは、トラ
ンスポートやシステムの良い・悪いの問題ではなく、最終的には、本当に好み
の問題になってくると思います。

では、以下、順を追って、簡単にコメントしてみます。


the subject .1「ESOTERIC P-01&D-01のbefore-afterを体感する!!」

■ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」では、
新世代と今のESOTERIC P-01&D-01との比較をまずはCDで行うというものでした。

川又さんは、新世代と今のESOTERIC P-01&D-01の音質は、同一路線上にあるも
ので、ものすごく大きな変化ではないとおっしゃいましたが、低音のアタック
感、余韻の広がりなど以外に、私は「静寂感」が大きく違うという印象を持ち
ました。

ハイエンドオーディオには欠かせない、この明らかな「進化」をすぐに感じと
ることができました。

■Yo-Yo Ma Plays Ennio Morricone/1.  Gabriel's Oboe
では、SACDについての比較でした。
CDの時ほど明瞭な差でなかった印象がありましたが、CDと同様の音質の傾向の
違いは充分にわかるものでした。

ここで、DACからプリアンプのバランスケーブルを代えて、その違いを感じ取
れるかという実験が入りましたが、これも容易にその変化がわかりました。

情報量が全然違います。

ちなみに、このケーブルは私が現在自宅で使用していますスピーカーケーブル
Transparent opus MM と同じクラスのバランスケーブルでした。

このバランスケーブルは、実際に去年の年末に自宅試聴もさせて頂きました。
その節はありがとうございました。

さらに、ちなみに、現在、自宅では、それまで使っていたNordostのvalhalla
ケーブルをやめて、Nordost ODINバランスケーブルをDACからプリアンプ
(Mimesis 22 sig.)の間と、プリアンプとパワーアンプ(Telos 2500)の間
に使っています。Transparent opus MMバランスケーブルと、Nordost ODIN
バランスケーブルは、やはりともに高品位で、甲乙つけがたいものでした
(低域の量感、音楽の実体感ではTransparent opus MMバランスケーブル
が勝ると思われました)が、最後は、「音の好み」で決めました。


the subject .2「同系列メカVRDS-NEO搭載システム二社を比較する!!」

■DIANA KRALL 「LOVE SCENES」11.My Love Is(MVCI-24004)
では、dCS  Scarlatti  Transportにおいて、ボーカルがとても自然で、ハス
キーなところまで充分に表現され、しかも流麗な音楽という印象が強かったです。

■The Best of Cantabile 1.チャイコフスキー「くるみ割り人形」こんぺい糖
のおどりでは、チェレスタの余韻感において、新世代ESOTERICの優位性を感じ
取ることができました。


「SACDとCDはどのくらい違うの!?」

■村治佳織 Transformations 19.「ラストワルツ」
このあたりも「音の好み」で評価が大きく分かれるところです。

結論として私の好みの順はdCS Scarlatti TransportでのSACD、dCS Scarlatti
 TransportでのCD、新世代ESOTERIC P-01&D-01のCD、新ESOTERIC P-01&D-01の
SACDの順でした。

ESOTERIC P-01&D-01はCDをアップサンプリングし、SACDはPCMに変換している
こと、dCS  Scarlattiでは、i-linkケーブルを使用すると、SACDはもちろん
DSDのままですが、CDデータもDSD変換されるなど、デジタルデータ処理その
ものの扱い方にも企業、機器によるコンセプトの違いがありますし、i-link
ケーブルと従来のデジタルバランスケーブルとの情報伝達量の差などもあるで
しょうし、様々なことが影響しており、それこそ一概には結論を出せないと
思いました。


the subject .3「同社でのアップサンプリング・テクニックを比較する!!」

Brumester 969 CD Transport(\3,900,000.)970SCR D/A Converter(\4,400,000.)
            vs

Brumester 069 Reference CD Player(税別 \6,800,000.)

■IZZY 「Libera me」 1. バイレロ (Trad.)  UCCL-1008
では、Brumester 069 Reference CD Player(一体型)での特にボーカルの
高域がとても澄み切っていて、天井から降り注いでくるような印象さえ憶える
ほどで、とても良かったです。

■MICHAEL BUBLE/1.「Fever」WPCR-11777においてもBrumester 069 Reference
 CD Player(一体型)のとても済んだ音が非常に印象的でした。


the subject .4「ここからが面白い!!ここでGOLDMUNDがからむ!!」

■MUSE 1.フィリッパ・ジョルダーノ/ハバネラ
では、dCS(システム価格843万円)の印象が意外に良かったです。
他のシステムと比較すると、音のバランスがとれて、流麗な音楽を楽しめる
システムという印象をあらためて感じました。


the subject .5「ここからが面白い!!ここでGOLDMUNDがからむ!!-Part.2」

GOLDMUND MIMESIS 20ME Alize 6 Limited Editionトランスポートの交換による比較

■仲野 真世 Piano Trio SCABIOUS 2.INNER BELLS(BRPN-7001)でも、
この感想の最初に述べたように、dCS Scarlatti Transportの印象が意外に
良かったです。

低域から高域まで、とても綺麗な音色を楽しめました。トランスポートによる
違いが明確にわかりました。

ちなみに、カラヤンの「ガラスのCD」は、私も12月20日頃に手に入れ、その
高音質にとても感激して、しばらくの間、自室で聴き続けている時期があり
ましたが、自室では、今日よりも、もっと大きな変化を感じたことをここに
付け加えておきます。

以上、トランスポートに限らず、いろんな発見があり、またまた、たいへん
勉強になりました。

今後もますます勉強させて下さい。
またこのような機会がありましたら、参加させて下さい。
よろしくお願いします。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

H K 様ありがとうございました。
毎回のことですが、緻密にポイントを押さえたご感想を頂き大変うれしく拝見
させて頂きました。皆様の反響が私の活力にもなるものです。これからも新企
画を色々と実行していきますので、どうぞよろしくお願い致します。

まずはお礼まで。


HAL's Hearing Report