《HAL's Hearing Report》


No.0278 - 2006/3/3

埼玉県上尾市 T T 様より

H.A.L.'s “エフコン”+“G-0d”Hearing Report

Vol.68「エコー感が澄んで清々しい“G-0d”!!」

これまでの投稿をご紹介致します。
新作の投稿のアップが間に合わなくて申し訳ございせん<m(__)m>
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0260.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0282.html

        ◇ エフコンG-0 vs G-0dリポート ◇

 H.A.L.Tに到着すると机の上に置かれている恒例の「万カツサンド」が5個と
少ない。当日、集まったジャッジメンは結局3人。

「H.A.L.sサークルの皆さんマスタークロックに興味ないのかなぁ?」というのが
陰のマスタークロックジェネレーター伝道師の私としては残念。

後に土日もエスコン開かれると言う事を知らされ安堵するが・・・。

さあ、今日のメインイベントはG-0vsG-0dなので頭を切り換え、純ルビジウム
使いの私として「いざG-0d、覚悟!」。

会場には同じG-0の筐体が上下1台ずつゾウセカスに載せられ、クリスタル・ルビジ
ウム表示の部分はガムテープが貼られていた。
それぞれ電源ケーブルは同じエソテリックと同一条件を確認。

始めに3人におのおのアンケート用紙が配られており、最初に演奏する方のG-0を
「A」と決め。次にBNCケーブルをつなぎ変えて演奏する方を「B」とし、両方聴い
て楽しんだ方、良かったと思う方に「100点」をまず記入。
一方劣ると思った方は100に対して何点減点するか、減点した点数を記入。

ただし基本的に演奏は一曲最後まで聴く。

ボクシングのジャッジでは有効打・手数・試合の流れを支配した割合等を基準にし
て一方を「10」とし他方に減点した数をジャッジ表に書き込む。

同じ手法だ、まさにG-0 vs G-0dガチンコ対決。

実は、2台のG-0を見たときにおおよそどちらがG-0dか私にはおおよそ分かってし
まっていた。ヒントは最後にG-0d vs G-0s(ルビジウム。純ルビジウムではない)
があるという事。

天板を外して配線をルビジウムに戻すのには作業性がいい場所に置くであろうと
予想。これは後に確信に変わる。

しかし実際の試聴は川又シェフの料理をいかに堪能するかということで、いらぬ
先入観は頭のすみに追いやった。

冒頭、川又さんが「実はTEACより川又さんがわざわざ貴重な時間をさいて何時間も
かけて煮詰めたG-0d、しかも音質も上回るのだからG-0より高いプライスをつけた
らどうかと言われたが、私の目的はG-0より質を高めた製品をG-0以下の価格におさ
え、お求めやすいプライスにして、しかも音質ははるかに上回るマスタークロック
ジェネレーターをより多くの方に聴いていただき普及させ広めていきたい」との
内容と今回のエフコンの主旨と意気込みを語りました。

全10曲時系列で私の採点表の余白に書き込んだ印象を紹介したいと思う。

1.村治佳織(SACD) ギター単独の演奏
A:SACDなのに耳に音がきつい。エコーの広がりがないので音場が乾燥した感じ。
B:弦を弾いた後の余韻が素晴らしい。まさに弦をかき鳴らすというのが伝わる。

2.押尾コータロー 同じくギター単独の演奏 『STARTING POINT』
1. Fantasy!の冒頭  6.Merry Christmas
A:お椀をふせたような感じでこもった音。
B:エコーが伸びやか、低域が深い、演奏に切れがある。

3.PURE ハープ&ボーカル
A:エコー分の情報が少ない。しょぼい。
B:ハープの音色が自然。音場が広がる。

4.ヨーヨーマ シンプリー・バロック
A:ストラディバリウスの持つ艶・深さが無い。バックの演奏も平坦に感じる。
B:出だしからバックの広がりが違う。Aの2倍。ヨーヨーマの演奏の「ため」が
 分かる。

5.ビンセント・アミーゴ
A:潤いがない。統一感に欠ける。Bを聴かなければそれなりに楽しい。
B:Aとは別の曲かと思うほど臨場感があり、音場の広がりが違う。

6.一青窈「もらい泣き」
A:極端に言えばミニコンポで大音量にして聴いている感じ。音のチェック用に
 聞き流すにはいい。
B:ボーカルが中空に定位し、息づかいまで分かる。バックのストリングスに
 潤いがある。

7.KKV 『Thirty Years'Fidelity』 
 kirkelig Kulturverksted(シルケリグ・クルチュールヴェルクスタ) 
 おなじみの課題曲。
A:最初の女性ボーカルのフォーカスが甘い。男性コーラスの解像度がつぶれる。
B:中空に浮かんだ口元が締まりシャワーのように深いエコーが広がる。Aとは逆に
 男性コーラスの分離度が上がり声に張りが出る。

8.Simone 『ムーンライト・セレナーデ』
A:一本調子な感じ。
B:女性ボーカルが艶めかしい。特に「R」の発音。ベースが深く沈み込む。

9.オーケストラ(SACD)
A:楽器の数が少なくこぢんまりと小ホールで演奏している感じ。
B: 音場が広がる。ストリングスに華やかさがある。Aに比べ大ホールになった感じ。

10.STOCKFISCH RECORDS (SACD)
A:余韻が短い。
B:ギターのエコーが天に昇って拡散する。ボーカルも伸びやか。

結果私のAのアベレージは50点(30〜70点)。
Bは100点満点であった。

日頃、邦楽・洋楽の女性ボーカルを聴いているので、特に厳しい点をつけさせても
らった。一方Jazzやオーケストラはあまり聴かないので点数が甘くなっている。

最後にルビジウムとG-0d対決。

時間の関係で純ルビジウムではないが大貫妙子のボーカルでチェック。
純ルビジウムを使用している私にはルビジウムの音はすでに違和感を覚える。

音像の輪郭が甘いのである。しかし、3次元方向で深みのあるルビジウム。

エコー感が澄んで清々しいG-0d。ビールに例えるならコクがあるラガービールが
ルビジウムで後味すっきりのスーパードライがG-0dと言ったところか。

人によって好みが分かれるのではと感じた。

最後にフロントはP-01でアンプはゴールドムンドでWilson Audio Alexandria 
X-2を鳴らす。CDは押尾コータロー。

P-01のみにG-0sルビジウムのマスタークロックを入れた場合と入れない場合を聴く。
これがX-2の実力だろう、あからさまにエコーの長さ・質感等全ての違いが明確に
分かる。ただピンポイントでセッティングされているため軸(座る位置)をずらす
とわずかにバラバラに位相差がでる事も確認できた。

当日、3人のジャッジ表の結果は三者三様であった。

一人はAを支持・一人はBを支持・一人は曲によって100点が入れ替わる。
川又さんはこれでいいと言う。

私もバラバラの結果がでて当然、人の好みは千差万別。この土日でサンプル数を
増やしたらどのような結果になるか楽しみである。

私も川又さんには及ばないが自宅のG-0sでクリスタル・ルビジウムを全ての周波数
で実験、しかもトランスポートまたはDACの片側だけクロックを入れた場合の音や
純ルビジウムでも別のアプローチで実験しているので、今回のG-0とG-0d違いが
大きく感じられたのだと思う。

いかにP-01&D-01の組み合わせでもクロックの質により自宅のP-0 with VUK P0&
D-70vuに劣る場合があると言ったら言い過ぎか?

最初G-0dの音を聴くまでレベル的にはG-0sの70から80%のできだと思っていた。
フタを開けてみればある部分はG-0sを上回っている(!!)
ことに驚きを禁じ得なかったというのが正直な感想です。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

T T 様ありがとうございました。なんと、前半の原稿を書いているときにメールを
受信したというグッドタイミングでした。従って、私がBlief Newsの原稿を書いて
いた後なので、そのままBlief Newsの内容を残して配信させて頂きました。(^^ゞ

そうでしたね〜、昨夜の“エフコン”で演奏した“G-0d”は“B”でした!!

今回もご協力に感謝致します!! ありがとうございました。<m(__)m>


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